JPH0354947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、黒板複写機に関し、特に表示部と複
写部とを有し、表示部に書かれた文字、図形等を
複写部にて複写可能な黒板兼用複写機に関するも
のである。

〔従来技術とその問題点〕

従来、会議、講演等においては、黒板等の表示
部に書かれた文字、図形等を人がノート等へ一々
転記して記録していた。そこで、この転記の煩わ
しさをなくし、また転記によるミスを防ぐものと
して、表示部に書かれたものを直接縮小複写する
ことができる複写部を備えた黒板複写機が提案さ
れている。

例えば、平板状のパネルに文字、図形等を書き
込み、該パネルをローラ対により挟持し、上下に
往復移動させ、複写部へ出入りさせながら前記パ
ネル上に記載された画像を複写する黒板複写機が
提案されている。しかし、このような構成では、
パネル上の画像のみしか複写することができず、
通常の原稿から複写を行うことは不可能であつ
た。また、複写部の内部にパネルが出入りするた
め、大きなパネルを使用することができず、黒板
として書き込める面積が少なく、黒板としての実
用性に乏しかつた。

〔考案の目的〕

本考案は、表示部の表示面上に書き込まれた画
像と原稿台に載置された原稿の画像の両方を複写
でき、また、複写部を載置する専用架台を設け、
専用架台ごと複写部を黒板兼用複写機本体から着
脱自在にすることによつて、単独でどこへでも移
動させて、比較的狭いスペースの所でも単独設置
ができる黒板兼用複写機を提供することを目的と
するものである。

〔考案の要点〕

本考案は上記目的を達成するために、書き込み
消去可能な黒板シートと、筆記具によつて前記黒
板シート上に書き込まれた画像を露光する光源
と、光学手段とを有する黒板ユニツトと、原稿台
と、前記光学手段により導かれた光像を内部に導
入するための露光窓と、前記黒板シート上の画像
と前記原稿台に載置された原稿の画像を選択的に
複写する複写部とを有する黒板兼用複写機におい
て、前記複写部は前記黒板ユニツトとは別体の架
台に載置され、前記黒板ユニツトに対し該黒板ユ
ニツトと光学的に係合して前記黒板シートの画像
を複写する位置と、前記原稿の画像を複写し前記
位置から離脱する位置とに着脱自在に構成され、
前記離脱時に前記露光窓からの外光の進入を防止
する遮蔽部材を有することを特徴とする黒板兼用
複写機を提供することにより達成される。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら
詳述する。

第１図ａは本考案の黒板兼用複写機の全体構成
を示す正面図、同図ｂはその側面図である。

黒板兼用複写機は、大きく分けて、複写部１と
表示部である黒板ユニツト２とから構成されてい
る。

黒板ユニツト２は、第４図に示すように、フレ
ーム２ａと黒板シート３と黒板光学系４と巻き取
り部５とからなり、前記黒板光学系４は、黒板照
明部６における螢光灯４ａと光学手段としての黒
板ミラー４ｂ，４ｃと黒板用レンズ４ｄとから構
成されている。

第５図は黒板光学系４の概略構成図である。螢
光灯４ａにより照射された黒板シート３上の画像
は、黒板光路７に従い、黒板用ミラー４ｂ，４
ｃ，黒板用レンズ４ｄを通して、複写部１内の感
光体ドラム８上に結像される。つまり、黒板照明
部６において、送りロール５ｄ，５ｅにより書き
込み面位置と垂直な面を形成している黒板シート
３からの垂直な反射光路である黒板光路７は、ま
ず、黒板用ミラー４ｂにより後方に90度折り曲げ
られる。折り曲げられた黒板光路７は、黒板用ミ
ラー４ｃによりさらに下方に90度折り曲げられ、
黒板用レンズ４ｄにより、複写部１の露光窓９を
通り、複写部１内の感光体ドラム８上に達する。

一方、巻き取り部５は、第４図に示すように、
フレーム２ａの一端の巻き取りロール５ａに多数
巻回された黒板シート３を、送りロール５ｂ，５
ｃ，５ｄ，５ｅを介して、他端に設けられた巻き
取りロール５ｆで巻き取る。該巻き取りロール５
ｆは、図示しない駆動機構により等速で回転し、
黒板シート３を一定速度で巻き取る。そして、黒
板シート３上の画像は、前記黒板光学系４により
縮小されて複写部１内の感光体ドラム８上に達
し、画像露光工程が終了した後は、巻き戻しボタ
ンを押すことにより、巻き取りロール５ａが回転
し黒板シート３を再度もとの位置に戻すことがで
きる。

複写部１は、多段トレイに順次用紙を分配する
ソート機構を内蔵させてある専用架台１０の上に
載つており、レール１１により出し入れでき、し
かも専用架台１０ごと複写部１を、黒板兼用複写
機本体から完全に切り離して別の場所へ単独で移
動させることができるように構成されている（第
１図ｂ）。さらに、複写部１の上面には黒板光路
７からの光の入射する露光窓９と光路切り換えミ
ラー１３とが設けられている。そして、第１図ｂ
に示すように、黒板兼用複写機本体から複写部１
を切り離してＡ位置に単独設置した場合の、原稿
台１３に載置された書類あるいは書籍等からの通
常の複写を行うときは、黒板光路７からの光を受
け入れる露光窓９は光路切り換えミラー１２によ
り遮蔽されている（第３図ａ参照）。また、複写
部１をＢ位置に戻して黒板兼用複写機本体に取り
付け、黒板複写を行うときは、光路切り換えミラ
ー１２は自動的に45度下方へ回動して露光窓９が
開口し、黒板光路７からの光を受け入れ、前記光
路切り換えミラー１２及びミラー１４を介して感
光体ドラム８上に画像露光が行われる（第３図ｂ
参照）。

以上のように構成された黒板兼用複写機の動作
について説明する。

まず、黒板シート３上に記載された画像を複写
する場合は、複写部１を第１図ｂに示すようにＢ
位置に取り付ける。すると、第３図ｂに示すよう
に、光路切り換えミラー１２が自動的に45度下方
へ回動して露光窓９が開口し、黒板光路７からの
入射が可能となる。そこで、文字、図形等の画像
が書き込まれた黒板シート３は、図示しない駆動
機構により等速で巻き取られるが、途中の黒板照
明部６を通過する際、螢光灯４ａで照射され、前
記画像は黒板用ミラー４ｂ，４ｃ，黒板用レンズ
４ｄ，及び光路切り換えミラー１２とミラー１４
とを介して、図示しない帯電手段により予め均一
帯電された感光体ドラム８上に結像されて静電潜
像が形成される。感光体ドラム８上の静電潜像
は、図示しない現象手段により可視化され、さら
に、転写、定着等の手段により用紙上に最終的に
複写され、多段トレイを有するソート機構が内蔵
されている専用架台１０内へ送り込まれる。

なお、黒板複写時は複写部１が黒板シート３面
より奥側に取り付けられているので（第１図ｂ，
Ｂ位置）、黒板シート３面への書き込み動作を行
う際に複写部１は邪魔になることはない。

次に、通常の原稿複写を行う場合は、第１図ｂ
に示すように、複写部１を黒板兼用複写機本体か
ら単独で完全に切り離してＡ位置へ移動させる。
すると、第３図ａに示すように、遮蔽部材でもあ
る光路切換えミラー１２が露光窓９を遮蔽して周
辺光が感光体ドラム８に不用意に当るのを防止
し、原稿台１３を使用して通常の書類のコピーを
行える状態になる。つまり、原稿台１３に載置さ
れた原稿（図示せず）は、通常の複写部光学系１
５のハロゲンランプ１５ａにより照射され、前記
原稿からの反射光が複写部用ミラー１５ｂ，１５
ｃ，１５ｄ，複写部用レンズ１５ｅ，及びミラー
１４を介して感光体ドラム８上に結像される。以
後、同様に現象、転写、及び定着により通常の原
稿から用紙上へ複写が行われ、ソート機構が内蔵
されている専用架台１０内へ送り込まれる。

なお、専用架台１０とレール１１との係合を完
全に解除しなくても、原稿台の開閉が行える位置
まで複写部１を引き出せば、通常の原稿複写を行
うことができる。

また、専用架台１０内のソート機構は多段トレ
イを有しており、例えば、第１頁から第10頁の書
類を５部複写したい場合に、まず、第１頁目を５
部複写すると、ソート機構内の多段トレイに転写
された５枚の用紙が１枚ずつ分配され、次に第２
頁目、第３頁目……第10頁目と順番に、第１頁目
が分配された各々の多段トレイに用紙が分配され
る。この為、複写後の転写紙の振り分けの時間、
手間等を省くことができる上、スペースの有効活
用が図れる。また、ソートする必要のない場合
は、最上段の多段トレイが排紙トレイの役割をす
る。

また、複写部１は黒板兼用複写機本体から専用
架台１０ごと、レール１１によつて着脱自在にで
きるため、複写部１を収納できる比較的狭いスペ
ースさえあれば、どこへでも移動でき、単独の複
写装置として使用できる。その上専用架台１０に
はソート機構が内蔵されているため、スペースの
より一層の有効活用が図れる。

第２図は本考案の黒板兼用複写機の他の実施例
を示す。黒板ユニツト２の下方の複写部１に並設
して、用紙サイズの異なる各カセツト及び消耗品
を収納できる収納棚１６が設置されている。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、本考案の黒板兼用
複写機によれば、黒板ユニツトの黒板シート上に
書き込まれた画像を複写する黒板複写と、原稿台
に載置された書類、書籍等の原稿を複写する通常
の原稿複写の両方が可能であり、また、複写部を
専用架台ごと単独で黒板兼用複写機本体から着脱
自在にできるため、複写部を収納できるスペース
さえあれば、どこへでも移動して、単独の複写装
置として使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案の黒板兼用複写機の全体構成
を示す正面図、ｂはその側面図、第２図は本考案
の黒板兼用複写機の他の実施例を示す図、第３図
ａは本考案の黒板兼用複写機の複写部の、原稿複
写時の平面図及び側面図、ｂはその黒板複写時の
平面図及び側面図、第４図は本考案の黒板兼用複
写機の黒板ユニツトの構成図、第５図は本考案の
黒板ユニツトの黒板光学系の概略構成図である。 １……複写部、２……黒板ユニツト、２ａ……
フレーム、３……黒板シート、４……黒板光学
系、４ａ……螢光灯、４ｂ，４ｃ……黒板用ミラ
ー、４ｄ……黒板用レンズ、５……巻き取り部、
５ａ，５ｆ……巻き取りロール、５ｂ，５ｃ，５
ｄ，５ｅ……送りロール、６……黒板照明部、７
……黒板光路、８……感光体ドラム、９……露光
窓、１０……専用架台、１１……レール、１２…
…光路切り換えミラー、１３……原稿台、１４…
…ミラー、１５……複写部光学系、１５ａ……ハ
ロゲンランプ、１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ……複写
部用ミラー、１５ｅ……複写部用レンズ、１６…
…収納棚。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 書き込み消去可能な黒板シートと、筆記具によ
   つて前記黒板シート上に書き込まれた画像を露光
   する光源と、光学手段とを有する黒板ユニツト
   と、 原稿台と、前記光学手段により導かれた光像を
   内部に導入するための露光窓と、前記黒板シート
   上の画像と前記原稿台に載置された原稿の画像を
   選択的に複写する複写部とを有する黒板兼用複写
   機において、 前記複写部は前記黒板ユニツトとは別体の架台
   に載置され、前記黒板ユニツトに対し該黒板ユニ
   ツトと光学的に係合して前記黒板シートの画像を
   複写する位置と、前記原稿の画像を複写し前記位
   置から離脱する位置とに着脱自在に構成され、前
   記離脱時に前記露光窓からの外光の進入を防止す
   る遮蔽部材を有することを特徴とする黒板兼用複
   写機。