JPH0354722B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、トラス形式によつて、鉄筋コンク
リート製の斜めの圧縮方杖によつて支柱に対して
支えられる、鉄筋またはプレストレストコンクリ
ート製の桁、特に支柱に曲げに剛に連結された桁
を有する支持体、特に橋梁支持体に関する。

吊橋または斜張橋のような吊材によつては支持
されないプレストレストコンクリート製の頑丈な
橋、即ち片持梁式橋を250メートル以上の大きさ
の大経間に懸けること及び小さい経間用に開発さ
れ、実証された工法を約250メートル以上の経間
に適用することは経験上困難を伴うことが知られ
ている。このことは特に、車道上の構築物、たと
えば斜吊材を有するタワーなどを回避すべきとき
にいえることである。

既に木造建築で知られていて且つ鉄筋コンクリ
ート建築にも好都合な静的システムは方杖であ
る。径間に渡された車道桁が鉄筋コンクリート製
の斜圧縮方杖によつて橋脚、特に橋脚の脚柱部分
に対して支持されており、一種のトラスを形成し
ている。しかしそのような斜圧縮方杖はその長手
方向に作用する軸方向の圧縮力を受持つだけでは
なく、その自重による曲げ応力も受持つ。従つて
その寸法決定には座屈を考慮に入れて軸力をもつ
曲げが決定的な荷重条件になる。鉄筋コンクリー
ト構造の規則に従うこの荷重条件に合わせた圧縮
方杖の寸法決定の結果、圧縮方杖は比較的急傾斜
でなければならず、従つて当該の圧縮方杖による
車道桁の支持は、達成すべき径間を効果的に拡大
するために極めて十分というわけにはならないか
あるいは自重による曲げモーメントを吸収するた
めに使用する構造高さを高くするのに大きな、特
に側面からみて広い横断面にしなければならない
ことになる。即ち急傾斜の圧縮方杖の効果は極め
て小さいものであり、それに対して側面からみて
構造高さの高い圧縮方杖は極めて重量感に溢れた
作用をして橋の美的形態を損なう。

この発明の基本課題は、長い橋にも方杖の静的
システムの適用をより大きく成功させることにあ
る。

この課題は、斜めの圧縮方杖を引張部材によつ
て桁または支柱に吊り懸けておくというこの発明
の特徴によつて解決される。

この発明の基本思想は、圧縮方杖の自重を引張
部材によつて直接支持構造のところまで運び且つ
同時に圧縮方杖を下へ折れ曲がらないように安全
にするということにある。その場合、圧縮方杖を
支持構造に連結するには純粋の引張部材で十分で
ある。何となれば圧縮方杖は自重によつて上へは
折れ曲がらないからである。

引張部材は任意の仕方で静力学的且つ構造的要
件に合わせることができる。引張部材は鉄筋コン
クリートで造ることができる。しかしまた鋼製の
純粋の引張部材または鋼製の単一部材から成る引
張部材でもよい。前記単一部材は防食のために管
状シースの中に設けられており、このシースの中
へあとから入れられた硬化材、たとえばセメント
モルタルによつて囲まれている。

この発明によれば、圧縮方杖を垂直方向に大き
な曲げ剛性のない、即ち偏平長方形の横断面をも
つ中実の部材とすることができる。前記横断面は
橋の側面では細くみえ、その美的外観を際立たせ
るが、それにも拘わらず側方への座屈を防止する
のに適している。

〔実施例〕

一実施例を示した図面について更に詳記する。

第１図にはこの発明による橋梁支持体の、中央
橋脚の領域における一部分の側面を示してあり、
第２図に断面を示してある。車道桁１は箱型桁と
して形成されている。車道桁は橋脚２によつて支
持されており、橋脚は基礎３の上に立つている。
橋は河の上に懸けられるかもしれない。河の水面
を４で示す。橋は少なくとも中央部分を対称にす
べきである。ここには対称軸線Ｓ−Ｓまでの橋の
片側のみを示してある。

車道桁１は偏平長方形の横断面を有する斜圧縮
方杖５（第２図）によつて橋脚２の基礎３に対し
て支承されている。圧縮方杖５は引張部材６によ
つて車道桁１に吊されている。これによつて生じ
た追加荷重を吸収するために、桁１の桁高を圧縮
方杖５の上方の領域において橋脚２の方に向かつ
て少しずつ広くしておくことができる。

引張部材は、第３図に示すように、更に傾斜さ
せることもできる。そうなると引張部材６′は上
端が一部は桁１に、一部は橋脚２に固定されるこ
とになる。

引張部材６，６′は原理的には任意に構成する
ことができる。引張部材は軸方向の引張力を吸収
しさえすればよい。横断面の可能な実施例を第４
図及び第５図に示してある。第１図の−線に
沿う横断面としての第４図は剛製の補強材７を有
する、鉄筋コンクリート製の長方形の横断面を有
する引張部材６を示し、第３図の−線に沿う
横断面としての第５図は鋼製の単一部材８から成
る引張部材６′を示す。前記単一部材はプラスチ
ツクまたは鋼製の管状シース９の内部に配置され
ており、あとからシースにいれられたたとえばセ
メントモルタルのような硬化材によつて包囲され
ている。

この発明は無論ここに示した構造にのみ限定さ
れるものではなく、類似の仕方で他の上部及び橋
脚の形態にも応用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による橋梁支持体の側面部分
図、第２図は第１図の−線に沿う横断面図、
第３図は引張部材の他の配置例の、第１図に対応
する側面図、第４図は第１図の−線にそう引
張部材の横断面図、第５図は第３図の−線に
沿う引張部材の横断面図である。 図中符号、１……桁、２……支柱、５……斜圧
縮方杖、６，６′……引張部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ この発明は、トラス形式によつて、鉄筋コン
   クリート製の斜めの圧縮方杖によつて支柱に対し
   て支えられる、鉄筋またはプレストレストコンク
   リート製の桁、特に支柱に曲げに剛に連結された
   桁を有する支持体、特に橋梁支持体において、斜
   の圧縮方杖５が引張部材６，６′によつて桁１ま
   たは支柱２に吊されていることを特徴とする支持
   体。 ２ 引張部材６が鉄筋コンクリートである、特許
   請求の範囲１に記載の支持体。 ３ 引張部材６′が多数の鋼棒、鋼線、銅より線
   ８から成り、これらの鋼棒、鋼線鋼より線はまと
   めて管状のシース９の中に設けられていて且つあ
   とからこのシースの中に入れられたたとえば、セ
   メントモルタル１０のような硬化材料によつて囲
   まれている、特許請求の範囲１に記載の支持体。 ４ 圧縮方杖５の横断面が偏平長方形である特許
   請求の範囲１−３のいずれか一に記載の支持体。