JPH0354706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はルーパ糸送り出し装置と下部搬送部と
して形成された布送り装置とを備えた環縫いミシ
ンに関する。

（従来の技術） 実用新案登録請求の範囲第１項の上位概念によ
るルーパ糸送り出し装置を備えた環縫いミシンが
公知であり（西独国特許明細書第822757号）、こ
のミシンは特にステツプ状の下部搬送を行う布送
り装置を有する。縫製工程の間送り可能である布
送りの運動振幅はミシンの基板の下方に支承され
た回転する偏心体によつて生ずる。この偏心体の
回転中心はミシンの停止状態においては駆動軸の
軸線に対して位置を変えられることができ、その
結果布送りのステツプ（送りの大きさ）は一定範
囲内で変更可能である。公知のミシンのルーパ糸
送り出し装置の本質的な構成部分は糸送り出しフ
インガであり、これは布送りの運動振幅の発生の
ための調整可能な偏心体と剛固に結合している。
前記の糸送り出しフインガは基板に固定された糸
ストリツパと協働し、糸ストリツパはスリツトを
有する。このスリツトを通つてボビンから来るル
ーパ糸が案内される。糸送り出しフインガはその
運動位相の間糸ストリツパのスリツトにあるルー
パ糸を把持しかつこれを偏心体のその都度調整さ
れた送りステツプに応じて水平方向に連行するの
で、相応した糸量がボビンから繰り出されかつ後
続する縫製のために準備され、そのような縫製は
その都度実施される送りの大きさに依存する。前
記の糸送り出しフインガの外にルーパ糸送り出し
装置には回転する糸カム及びこれと糸送り出しフ
インガの間に配置された２つのばね部分から成る
ルーパ糸クランプ装置が付設されている。このよ
うな構成では高い構造コストが欠点である。更に
公知の装置はボビンから送り出されるルーパ糸量
のその都度の調整が縫製工程の間容易に手の届く
調整手段の操作によつては不可能である。

（考案の課題） 実用新案登録請求の範囲第１項に記載された本
考案はルーパ糸送り出し装置を創造することを課
題とし、その際装置を一方では容易に手が届くミ
シンの外方であるがフレームの近くに設けられた
調整手段の操作によつて縫製工程の間ボビンから
所定のルーパ糸量の送り出しを可能とし、他方で
は前記の調整手段の操作なしにルーパ糸量の追加
的予備調整を可能にするように形成することであ
る。

（課題の解決のための手段） 本発明の課題は実用新案登録請求の範囲第１項
に記載された構成によつて解決される。

（実施例） 第１図には従来の構造の環縫いミシン１１が示
されており、ミシンはミシン上部分２０と基板１
０とから成る。基板１０の下には公知の方法で布
送り装置と同様な振動するフツク状の環縫いルー
パの駆動装置が格納されている。両駆動装置はず
つと以前から公知であるので第１図においては示
してない。布送りの運動振幅の変更のために、基
板１０にある角度だけ旋回可能な送り調整リンク
１２が支承されており、送り調整リンクは送り調
整リンク１２の旋回軸に対して直角に配置された
Ｔ型の案内溝２２を有する。案内溝中には公知の
方法でスライダが運動することができ、その送り
調整リンク１２の各位置に依存した運動が中間接
続されたレバを介して布送り上に伝達される。こ
の方法で布送りに水平の運動成分が得られる。

送りに相当する布送りの運動振幅の変化は公知
の方法で縫製工程の間ミシン１１のフレーム１６
の近くに設けられた調整装置、例えばレバ１７又
は送り調整リンク１２と動力学的に連結した２つ
の調整ダイヤル２１によつて実施される。基板１
０の下面には更に回転可能な糸供給円板１が支承
されており、糸供給円板は旋回可能な糸押さえホ
ルダ２と協働して所定のルーパ糸量をボビンから
送り出し、それによつて布送りに応じた必要なル
ーパ糸量が準備される。送り調整リンク１２の端
面１８にクランク９が固定されており、クランク
はスライダクランク伝導装置８の駆動リンクと一
体化されている。クランク９の回りに回転不能に
送り調整リンク１２と連結するために、その端面
１８に第１図に示した溝があり、溝はクランク９
の脚部を収容する。連結部１３はジヨイントピン
２７を介してクランク９と枢支されて結合されて
いる。連結部１３の他端にはアングル２４が固定
されており、アングルと両ねじ２６によつて板材
２３が固定されている。板２３及びアングル２４
の相互の移動可能性によつて組立の際に仕上公差
が補償される。ピン１５とジヨイントピン２７と
の間に第３図及び第４図によれば圧縮ぱね２８が
設けられており、その湾曲したばね端はピン１５
及びジヨイントピン２７中にある溝に係入する。
連結部１３中に更に両長孔２９がある。２つのね
じ３０によつてフオーク５が連結部１３と連結さ
れる。両ねじ３０の締めつけが弛められると、連
結部１３に対するフオーク５の位置調整が可能に
なる。フオーク５は２つの脚部３及び４を有し、
脚部は第１図及び第２図によれば、糸押さえホル
ダ２を把持する。各脚部３及び４の自由端には各
１つの糸案内孔６が設けられている。基板１０に
旋回可能に支承された糸押さえホルダ２は第３図
によるその作用位置において好ましくは２つの弾
性的脚部を有する板ばね１９によつて拘留され
る。

次にルーパ糸送り出し装置の作用方法を記載す
る。

外方のボビンから送り出されるルーパ糸GFは
公知の方法で基板１０の上面上の糸案内溝によつ
て導かれかつ糸供給円板１の近くに達する（第３
図）。針板３２の近くに設けられ、同様に基板１
０に支承された取り外し可能な蓋板３３はその取
外し後糸抑圧ホルダ２の上方への旋回を可能にす
る。今やルーパ糸GFは便利に糸案内孔６を通つ
てそして続いて公知の方法で図示しないフツク状
の環縫いルーパの糸案内部を通つて糸を通され
る。糸押さえホルダ２が再び作用位置にもたらさ
れかつ蓋板３３が閉鎖されると、ミシン１１は縫
製準備を完了し、針糸も順序正しく糸案内、糸レ
バ及び縫針によつて案内され又は糸を通される。
縫製工程の間回転するカム状に形成れた糸供給円
板１は公知の方法で所定の糸量をボビンから繰り
出す。縫製物下面に完全な糸環の形成をを保証す
るために、送りの大きい縫製の際も送りの小さい
縫製の場合も糸供給円板によつて所要の糸量が準
備される。

この条件は本考案による解決によれば、ルーパ
糸GFを案内するフオーク５が送り調整リンク１
２が所望の送りの調整の目的で旋回されると同様
な量だけ水平に位置をずらされることによつて充
足される。大きい送りの縫製の際に糸供給円板１
の回転中心７と糸案内孔６との距離Ａは比較的大
きく（第４図）、それによつて糸供給円板によつ
て多量のルーパ糸量が既に準備している。縫い目
の内方、例えば縫い目始端又は縫い目終端で短時
間小さい送りで縫製されるべき場合、公知の方法
でレバ１７は相応して操作される。それによつて
生ずる送り調整リンク１２の旋回によつて第３図
により同様に矢印方向に旋回され、クランク９が
第３図に従つて同様に矢印の方向に旋回される。
それによつて距離Ａは減少し、糸供給円板１によ
るルーパ糸量は規制される。レバ１７を解放した
後に送り調整リンク１２は再び自動的に所定の大
きさの送り状態を準備する。前記の送り調整リン
ク１２の旋回によつて弛められた圧縮ばね２８は
ー第４図に示すようにー前記の旋回の際フオーク
５及び糸案内孔が送り調整リンク１２の旋回と同
期して行われるように考慮されている。弾性的環
縫い目を形成する場合、比較的小さい送りに過剰
のルーパ糸量を供給することが必要である。この
場合、ねじ３０の短時間内での係脱によつてフオ
ーク５は連結部１３に対して、糸供給孔６と糸供
給円板１の回転中心７との間の大きい距離Ａが生
ずるように移動される。この予備調整によつて各
可能な送りでは糸供給円板１からの過剰分のルー
パ糸量が準備される。

（考案の効果） 本考案によるルーパ糸送り出し装置によれば、
一方では容易に手が届くミシンの外方であるがフ
レームの近くに設けられた調整手段の操作によつ
て縫製工程の間ボビンからの送りによつて所定の
ルーパ糸量の送り出しを可能とし、他方では前記
の調整手段の操作なしに送り出されるルーパ糸量
の追加的調整を可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図はルーパ糸送り出し装置を備えた環縫い
ミシンの簡単な正面図、第２図は環縫いミシンな
しのルーパ糸の送り出し装置の側面図、第３図は
同様なルーパ糸送り出し装置の側面図、そして第
４図はルーパ糸送り出し装置の動力学的構成の図
式図である。 図中符号、１……糸供給円板、２……糸押さえ
ホルダ、３……脚部、４……脚部、５……フオー
ク、６……糸案内孔、８……スライダクランク電
動装置、１１……ミシン、１２……送り調整リン
ク、１６……フレーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ルーパ糸送り出し装置と、下部搬送部として
   構成された布送り装置と、ミシンの基板に旋回
   可能に支承され、布送り装置によつて縫製物に
   作用される送りの変更のための送り調整リンク
   と、縫製物上に瞬間的に設定された送り長さに
   応じた量づつルーパ糸を引き出すための糸レバ
   とを備え、糸レバが送り調整リンクと作用結合
   している環縫いミシンにおいて、 回転する糸供給円板１と、糸供給円板１を両
   側から把持している糸ホルダー２と、スライダ
   クランク伝導装置８を介して送り調整リンク１
   ２と作用結合しており、少なくとも各１つの糸
   案内孔６を備えた２つの脚部３，４を有する位
   置可変のフオーク５と、送り調整リンク１２と
   作用結合しておりかつミシン１１の外方でフレ
   ーム１６の自由に手が届く範囲内に設けられた
   調整手段とを有することを特徴とする環縫いミ
   シン。 ２ 糸供給円板１の回転中心７に対して糸案内孔
   ６を移動させるために設けられたスライダクラ
   ンク伝導装置８は、クランク９と、長孔１４を
   備えた連結部１３と、架台に剛固に支承された
   ピン１５とから成り、その際フオーク５は連結
   部１３と取外し可能に結合しており、そして更
   にクランク９は送り調整リンク１２と固着して
   いる、特許請求の範囲第１項記載の環縫いミシ
   ン。 ３ 調整手段がレバ１７によつて又はフレーム１
   ６に配設された調整ダイヤル２１によつて構成
   されている、特許請求の範囲第１項記載の環縫
   いミシン。 ４ 糸案内孔６を通るルーパ糸GFの糸通しの容
   易化のために糸押えホルダー２が旋回可能にさ
   れておりかつその旋回した位置は板ばね１９に
   よつてロツクされる実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の環縫いミシン。