JPH0354081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、押花材料一式を手提げ容器にコンパ
クトに収納して携行し、植物採取した現場で直ち
に押花すると共に携行中に外力等で変形させるこ
となく保管することのできる携帯用押花具に関す
る。

（従来の技術） 従来使用されてきた押花用材料は主として植物
を持帰つてから押花するようにしているため、各
材料間に統一がなかつたり、重量も重かつたりし
て携行を目的としたものではなかつた。

又、携行できる容器で、乾燥シートを収納した
り植物を押広げて選択したり押花中のものを外力
から保護したりする適当なハードケースがなかつ
た。又、この種の携帯用押花具としては、上下２
枚の硬貨板間に弾性緩衝材層と吸湿層材を介して
採集した草花を緊締する押し花器が実開昭57−
106701号に開示されている。実開昭61−6886号公
報にはボツクス本体内に弾性枠を配置し、この上
に押え板を載置し、同押え板を押圧するねじ式の
締め付け具を設けたアタツシユケース型の携帯用
押し花具が開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） これ等従来のものでは、足場の悪い山野等に持
歩くのは不便であり、又無駄になる部分が大きい
という問題点があつた。

それに、採取現場で直ちに押花するときに小さ
な作業台となるものがなく手入れがよく出来ずに
押花が不完全になつたり時間が余分に掛かる等の
問題点があつた。又、実開昭57−106701号公報の
押し花器では、緊締具・吸湿層材・ピンセツト等
の押花材料を収納する空間がなく、又手提がなく
携帯に不便であり、又箱内に封入されていないの
で吸湿力が低下するばかりか、雨水で濡れたり破
損し易いという問題点がある。実開昭61−6886号
公報のものでは、押え板とねじでもつて押圧する
ので手間がかかり、又草花を乾燥中の乾燥シート
も未使用の乾燥シートも一緒に近接させることと
なるので、未使用の乾燥シートの吸湿力を低下さ
せたり、乾燥済みの草花・乾燥シートも一緒にせ
ねばならず、乾燥効率が悪いという問題点があ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる従来の問題点を解決するため
になされたもので、携行に便利で足場の悪い山野
にでも自在に持歩くことができ、しかも押花材料
の効率的な保管や短時間で完全な押花作業ができ
る携帯用押花具を提供する。その要旨は、一方が
開放されていて乾燥シート等の押花材料を収納す
る空間部を有し、かつ乾燥シート等を載置して圧
着する平坦な受圧面を同空間部反対側に有する中
空台箱を密閉可能な両開き式の手提げ容器に収納
すると共に同手提げ容器の内部に設けたガイドで
着脱自在に固定し、前記中空台箱の対向する側壁
それぞれにゴムバンドの係止部を設け、さらに同
係止部に掛け止めて乾燥シート等を受圧面に圧着
するゴムバンドと乾燥シートと押え板のフラワー
プレツサーとを備えたことを特徴とする携帯用押
花具にある。

（作用） 本考案の携帯用押花具では、一方に押花材料を
収納する空間部を有し、かつ乾燥シート等を載置
して圧着する平坦な受圧面を同空間部反対側に有
する中空台箱を密閉可能な両開き式の手提げ容器
に収納している。この押花具を携行するときは、
中空台箱に押花材料を収納してから中空台箱を手
提げ容器に収納する。従って員数の確認等のとき
は、この手提容器の中だけを行えばよい。

植物の採取現場で押花するときは、手提げ容器
を両開きにしてから中空台箱を逆にし、受圧面を
上向きにして両開きとなつた手提げ容器の一方側
にいれガイドで固定する。又、手提げ容器の他方
側は採取した草花や押花材料を入れるのに利用す
る。尚、押花材料としては、フラワープレツサ
ー、乾燥シート、ウレタンマツト等の乾燥時に必
要なもの、それに乾燥後の保存用として保管シー
ト、乾燥材、透明粘着フイルム等が一般的であ
る。

受圧面上に乾燥シート、草花、ウレタンマツ
ト、乾燥シート、フラワープレツサーの順に置き
最後にゴムバンドを全体に張設して２〜３日放置
する。手提げ容器は密閉可能であるから湿気を除
外し効果的に乾燥させることができる。

上記乾燥シート、乾燥剤の薬剤としては塩化カ
ルシウム、無水硫酸ナトリウム等が適当である。
押花乾燥後一時的に保管するときは、紙台紙の表
面にセロハン紙の一方を固着した保管シートのセ
ロハン紙と台紙との間に押花を挟み込み、これを
乾燥剤入りの防湿袋に入れて保管しておく。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は押花材料１を中空台箱２に収納し、こ
の中空台箱２を手提げ容器３に収納する様子を示
した斜視図である。

中空台箱２には両側面にゴムバンド４の係止部
５を設けている。又、手提げ容器３は蝶番６で両
開きされる。

図中７は中空台箱２の空間部、８は同平坦に形
成した受圧面である。

又、９は手提げ容器３の一方側、１０は同他方
側、１１はガイド、１２は把持部、１３はロツ
ク、１４はロツク用穴、１５は継目を密閉する凸
条、１６は凸条１５を嵌着する溝、１７は付属品
のピンセツト、１８は押花、１９は乾燥シート、
２０はウレタンマツト、２１はフラワープレツサ
ー、２２は透明粘着フイルム、２３はカードであ
る。第５図はこのカード２３の上に押花１８を置
き透明粘着フイルム２２を全面に被着させて保存
用としたものである。

以上、本考案の実施例を説明したが、本考案の
具体的な構成はこの実施例に限定されるものでは
ない。

例えば係止部５、ガイド１１、把持部１２、ロ
ツク１３の形状等は図示した形状に限定されるも
のではない。

又、第７図に示すのは、押花額２４で、乾燥剤
仕込台紙２５と透明塩ビ板２６とで押花１８を挟
み、これを透明フイルム袋２７で密閉したものを
内部に挿入して飾り付けするようにしたものであ
る。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、押花材料
と押花時に必要な平坦な受圧面を有する中空台箱
を手提げ容器に要領よく収納するようにしたの
で、全体をコンパクトに形成することができて携
行に便利で足場の悪い山野にでも自在に持歩いて
採取現場で直ちに押花することができる。又、押
花は手提げ容器で保護されているので運搬時等に
破損することがない。又、中空台箱は収納器とし
て使用できるばかりでなく、乾燥させるときには
中空台箱を反転させ、その底面の受圧面上に乾燥
シート・採取した草花・スポンジ等及び押え板の
フラワープレツサーを載せ、ゴムバンドを係止部
に掛け渡して押圧するものであるから、押圧作
業・草花の追加乾燥が迅速に行える。又その状態
で中空台箱の内部空間に未乾燥シート・乾燥済み
草花を封入でき、その乾燥の低下を防ぐことがで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
は断面図、第３図は押花の順序を示す説明図、第
４図は押花中の斜視図、第５図は押花の保存用の
説明図、第６図は携行中の斜視図、第７図は保存
用の他の実施例を示す説明図である。 １……押花材料、２……中空台箱、３……手提
げ容器、４……ゴムバンド、７……空間部、８…
…受圧面、１１……ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方が開放されていて乾燥シート等の押花材料
   を収納する空間部を有し、かつ乾燥シート等を載
   置して圧着する平坦な受圧面を同空間部反対側に
   有する中空台箱を密閉可能な両開き式の手提げ容
   器に収納すると共に同手提げ容器の内部に設けた
   ガイドで着脱自在に固定し、前記中空台箱の対向
   する側壁それぞれにゴムバンドの係止部を設け、
   さらに同係止部に掛け止めて乾燥シート等を受圧
   面に圧着するゴムバンドと乾燥シートと押え板の
   フラワープレツサーとを備えたことを特徴とする
   携帯用押花具。