JPH0353271B2 - - Google Patents

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JPH0353271B2
JPH0353271B2 JP59012593A JP1259384A JPH0353271B2 JP H0353271 B2 JPH0353271 B2 JP H0353271B2 JP 59012593 A JP59012593 A JP 59012593A JP 1259384 A JP1259384 A JP 1259384A JP H0353271 B2 JPH0353271 B2 JP H0353271B2
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JP
Japan
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zirconia
monoclinic
sintered body
tetragonal
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Yoshiki Masaki
Yukio Murata
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Toray Industries Inc
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) この発明は、燃焼室、タービンブレード、ター
ボチヤージヤ、熱交換器、ロータ、シリンダ、ピ
ストン、ピストンヘツド、ステータ、バルブ、バ
ルブガイド、グロープラグ等の内熱機関用部品の
構成材料、および、それら部品のライニング材料
として適し、また、るつぼ、タンデイシユノズ
ル、ダイス、保護管等の耐熱部品の構成材料とし
て適し、さらに、溶融金属中の酸素濃度を測定す
るための酸素センサや、内熱機関、ストーブ、ボ
イラの燃焼管理用センサ等の固体電解質酸素セン
サの構成材料として適した部分安定化ジルコニア
焼結体に関する。 (従来の技術) 純粋なジルコニア焼結体は、それを加熱する
と、1100℃付近においてジルコニアの結晶構造が
単斜晶系から正方晶系に変態し、さらに2400℃付
近において立方晶系に変態する。冷却過程におい
てはこれとは逆の変態が起こるが、正方晶系から
単斜晶系に変態する際に大きな体積膨張を伴い、
そのままでは焼結体が破壊してしまうので、ジル
コニアに安定化剤としてイツトリア、マグネシ
ア、カルシアなどの酸化物を固溶させ、立方晶ジ
ルコニアからなる結晶体、つまり安定化ジルコニ
ア結晶体を得ている。しかしながら、立方晶ジル
コニアは熱膨張係数が大きいので、安定化ジルコ
ニア焼結体は熱衝撃強度が低いという問題があ
る。 これに対して、立方晶ジルコニアと単斜晶ジル
コニアとを共存せしめてなるジルコニア焼結体、
つまり部分安定化ジルコニア焼結体は、ジルコニ
アの結晶構造が正方晶系から単斜晶系に変態する
際の、単斜晶ジルコニアの周りに発生するマイク
ロクラツクが熱衝撃による破壊エネルギーを吸収
するため、熱衝撃強度が高いといわれている。し
かしながら、その向上の程度となると、それほど
顕著ではない。 一方、特公昭58−27230号公報には、立方晶ジ
ルコニアの粒内に、約1500Åの平均長軸長さを有
する楕円状正方晶系ジルコニアと、0.5〜20モル
%の微細な単斜晶ジルコニアとを析出せしめてな
る部分安定化ジルコニア結晶体が記載されてい
る。この焼結体においては、単斜晶ジルコニアの
周りに発生するマイクロクラツクが熱衝撃強度を
向上させる。また、正方晶ジルコニアが移動クラ
ツクによつて応力誘起変態を受けることから、機
械的強度も高いといわれている。しかしながら、
この焼結体は、単斜晶ジルコニアが微細であるう
えに、その量が0.5〜20モル%と大変少ないため
に、熱衝撃強度がなお十分でない。また、機械的
強度の向上もそれほど大きくない。 すなわち、単斜晶ジルコニアの量が少ないとい
うことは、正方晶系から単斜晶系への変態量が少
ないということであるが、熱衝撃によるエネルギ
ーは主として上記変態に伴なつて単斜晶ジルコニ
アの周りに発生するマイクロクラツクが吸収する
ので、少ない変態量による少ないマイクロクラツ
クの発生によつては、熱衝撃エネルギーを十分に
吸収することができないのである。また、正方晶
系から単斜晶系に変態する際に、体積膨張による
圧縮応力場が形成され、これが機械的な力を受け
た場合の弾性歪エネルギーを減少させるように作
用するが、少ない変態量では、機械的強度の向上
に十分に寄与するほどの圧縮応力場が形成されな
い。 (発明が解決しようとする問題点) この発明の目的は、従来の焼結体の上述した問
題点を解決し、熱衝撃強度と機械的強度がともに
優れている部分安定化ジルコニア結晶体を提供す
るにある。 (課題を解決するための手段) 上記目的は、立方晶ジルコニアと、正方晶ジル
コニアと、単斜晶ジルコニアとが共存しているジ
ルコニア焼結体において、上記焼結体には、7〜
10モル%の範囲でマグネシアが固溶しており、か
つ、シリカに換算して0.1〜0.5重量%の範囲のケ
イ素酸化物が含まれており、立方晶ジルコニアの
粒内には、楕円状正方晶ジルコニア、楕円状単斜
晶ジルコニアおよび板状単斜晶ジルコニアが析出
しており、かつ、単斜晶ジルコニアの総量が60〜
80モル%の範囲にあることを特徴とする部分安定
化ジルコニア焼結体によつて達成される。 この発明において、焼結体中における立方晶ジ
ルコニアの存在は、焼結体をX線回折し、立方晶
ジルコニア(111)面または(400)面のピークを
観察できるか否かによつて確認する。透過型電子
線回折法によつてもよい。 同様に、正方晶ジルコニアの存在は、正方晶ジ
ルコニア(004)面または(400)面のピークを観
察できるか否かによつて確認する。 また、単斜晶ジルコニアの総量M(モル%)は、
焼結体を回折角20〜40°の範囲でX線回析して得
られた、単斜晶ジルコニア(111)面、単斜晶ジ
ルコニア(111)面および立方晶ジルコニア
(111)面の回析強度(回折パターンのピーク高
さ)から次式によつて算出する。ただし、回析強
度は、ローレンツ因子による補正後の値を使用す
る。 M=[{In(111)+In(111)}/{Ic(111)+In(111)+In
(111)
}]×100 ただし、 In(111):単斜晶ジルコニア(111)面の回折強度 In(111):単斜晶ジルコニア(111)面の回折強度 Ic(111):立方晶ジルコニア(111)面の回折強度 さらに、マグネシアの量は、焼結体を元素分析
して求めたマグネシウムの量を酸化物(MgO)
に換算して求める。ケイ素酸化物についても、同
様に、結晶体を元素分析して求めたケイ素の量を
シリカ(SiO2)に換算して求める。 次に、この発明の部分安定化ジルコニア焼結体
をその製造方法とともに詳細に説明する。 まず、好ましくは平均粒子径が1μm以下であ
る微細なジルコニア粉末と、同様に平均粒子径が
1μm以下である、安定化剤たるマグネシア粉末
と、シリカ粉末とを準備する。 次に、上記ジルコニア粉末とマグネシア粉末と
シリカ粉末とを、マグネシア粉末が全体に対して
7〜10モル%の範囲、シリカ粉末が全体に対して
0.1〜0.5重量%の範囲になるように混合する。 次に、上記混合物を800〜1200℃で数時間仮焼
した後、ボールミルで粉砕し、原料粉末を得る。
必要であれば、かかる仮焼、粉砕を繰り返し行な
つてもよい。この原料粉末は、ジルコニアとマグ
ネシアとが固溶体を形成しており、また、ジルコ
ニアと、添加したシリカ粉末によるケイ素酸化物
とが均一に混ざり合つている。ジルコニアの結晶
構造は、通常、単斜晶系であるが、それと正方晶
ジルコニアおよび/または立方晶ジルコニアとが
共存している場合もある。 次に、上記原料粉末を、ラバープレス法、射出
成形法、金型成形法、押出成形法等の周知の成形
法を用いて所望の形状に成形し、成形体を得る。 次に、上記成形体を加熱炉に入れ、1000℃まで
は100〜300℃/時の速度で、それから1700〜1800
℃までは50〜200℃/時の速度で昇温し、その温
度に2〜12時間保持して焼成する。この昇温の過
程において、ジルコニアの結晶構造は、単斜晶系
は正方晶系および/または立方晶系に変態し、正
方晶系は、変態しないか、または、その少なくと
も一部が立方晶系に変態する。かかる変態の温度
および速度は、使用したジルコニア粉末およびマ
グネシア粉末の純度や、マグネシア粉末およびシ
リカ粉末の量によつて異なるので、状態図を参照
にして上述したような結晶構造をとる焼成温度を
決める。 次に、焼成体を、1400℃までは100〜900℃/時
の速度で冷却し、それから1000℃までは20〜400
℃/時の速度で冷却し、さらに室温まで炉冷して
焼結体を得る。焼結体をエージングして、折出粒
子径や形態を制御する場合もある。エージング
は、焼結体を100〜300℃/時の温度で1000〜1300
℃まで昇温し、その温度に1〜10時間保持した
後、50〜400℃/時の速度で冷却することによつ
て行う。 次に、焼成体を焼成温度から冷却する過程また
はエージング温度から冷却する過程におけるマグ
ネシアの作用について説明する。 焼成体におけるジルコニアの結晶構造は、立方
晶系か、正方晶系と立方晶系とが共存した状態に
なつている。そして、マグネシアの量が7〜10モ
ル%の範囲にあるときは、冷却に伴つて立方晶
系、または、正方晶系と立方晶系との共存状態か
ら、単斜晶系、正方晶系および立方晶系の共存状
態へと結晶構造の変態が徐々に起こり、この変態
に伴つて発生するマイクロクラツクが均一に分散
して、マイクロクラツクの発生による破壊エネル
ギーをマイクロクラツク自身が吸収するようにな
る。そのため、焼成体の破壊が防止される。ま
た、上記変態に伴う体積膨張が焼成体内に圧縮応
力場を形成し、これが機械的な力を受けた場合の
弾性歪エネルギーを減少させるので、機械的強度
も向上する。これに対して、マグネシアの量が7
モル%未満である場合の結晶構造は、正方晶系
か、正方晶系と立方晶系とが共存した状態になつ
ているが、マグネシアの量があまりにも少ないた
めに冷却に伴う正方晶系から単斜晶系への結晶構
造の変態が急激に起こり、マイクロクラツクが焼
成体全体に発生し、そのエネルギーで焼成体が破
壊されるようになる。また、マグネシアの量が10
モル%を越えている場合には、ジルコニアの結晶
構造は、立方晶系か、正方晶系と立方晶系とが共
存した状態になつているが、マグネシアが多すぎ
るために冷却過程における単斜晶ジルコニアや正
方晶ジルコニアの折出速度が遅くなり、それらの
折出量が少なくなる。冷却時間を長くして析出量
を多くすることは可能であるけれども、そうする
と、結晶粒が成長して粒子が粗大化し、機械的強
度が低くなるばかりか、正方晶ジルコニアが増え
すぎ、また、単斜晶ジルコニアが減りすぎてしま
う。すなわち、マグネシアは単斜晶ジルコニアお
よび正方晶ジルコニアの析出量を制御する作用を
もつている。 さて、焼成後の冷却またはエージングによつて
得られた焼結体には、立方晶ジルコニアの粒内に
楕円状正方晶ジルコニア、楕円状単斜晶ジルコニ
アおよび板状単斜晶ジルコニアが析出していて、
焼結体は高い熱衝撃強度と機械的強度を示す。す
なわち、楕円状単斜晶ジルコニアおよび板状単斜
晶ジルコニアは、正方晶ジルコニアにくらべて体
積がやや大きいので、単斜晶ジルコニアまたはそ
の近傍に圧縮応力場を形成し、また、マイクロク
ラツクを発生させて熱衝撃強度を向上させる。一
方、楕円状正方晶ジルコニアは、移動クラツクに
よる応力誘起変態を受け、焼結体の機械的強度を
向上させる。ここにおいて、楕円状とは、側面が
楕円形、凸レンズ形ないしはそれに近い形状をも
ち、あまり厚くない薄片状のことをいい、また板
状とは、これもあまり厚みをもたない、短冊状な
いしはそれに近い形状のことをいう。なお、楕円
状正方晶ジルコニア、楕円状単斜晶ジルコニアお
よび板状単斜晶ジルコニアは、同一の立方晶ジル
コニアの粒内に析出している場合もあるし、同一
の粒内ではいずれか1つの結晶構造をもつジルコ
ニアのみが析出している場合もある。また、この
発明においては、立方晶ジルコニアの粒内に、板
状正方晶ジルコニアがさらに析出していてもよい
ものである。 楕円状正方晶ジルコニアおよび楕円状単斜晶ジ
ルコニアは、焼結体の機械的強度を一層向上させ
るうえで、平均値で、1500〜3000Åの長軸長さを
有しているのが好ましい。 次に、単斜晶ジルコニアの総量、つまり楕円状
単斜晶ジルコニアおよび板状単斜晶ジルコニアの
合計量が60〜80モル%の範囲にあることについて
説明する。 単斜晶ジルコニアが60〜80モル%の範囲で析出
していると、単斜晶ジルコニアは体積が正方晶ジ
ルコニアのそれよりも約3%大きいから、単斜晶
ジルコニアまたはその近傍に十分に大きな圧縮応
力場が形成され、また単斜晶ジルコニアの近傍ま
たはその周りに十分な量のマイクロクラツクが存
在するようになる。そうして、縮応力場は、焼結
体が機械的な力を受けた場合の弾性歪エネルギー
を減少させ、その分だけ機械的強度を向上させ
る。また、マイクロクラツクは、焼結体に熱衝撃
によるクラツクが発生したときにそのクラツクの
伝播を妨害し、曲がりくねつた経路をたどらせて
伝播を困難にし、熱衝撃強度を向上させる。ま
た、結晶体が急激に加熱されたとき、焼結体には
熱膨脹による歪が発生するが、加熱に伴つて結晶
構造が単斜晶系から正方晶系に変態し、このとき
約3%の体積収縮を伴ない、この体積収縮が上記
歪を緩和するように作用するので熱衝撃強度が向
上する。これに対して、単斜晶ジルコニアが60モ
ル%未満である場合には、単斜晶ジルコニアまた
はその近傍に形成される圧縮応力場が機械的強度
の向上に寄与するほど十分でなく、また、単斜晶
ジルコニアの近傍またはその周りに発生するマイ
クロクラツクも、熱衝撃によつて発生したクラツ
クの伝播を妨害するはど十分ではなくなる。さら
に、急激な加熱を受けたとき、単斜晶ジルコニア
が正方晶ジルコニアに変態するときの体積収縮効
果も小さくなり、熱衝撃強度の向上が期待できな
くなる。一方、単斜晶ジルコニアが80モル%を越
えている場合には、単斜晶ジルコニアの近傍また
はその周りのマイクロクラツクが多くなりすぎ、
機械的強度が著しく低下するようになる。 次に、ケイ素酸化物の作用について説明する
に、原料粉末の調製に際して添加したシリカ粉末
は、シリカが安定化剤であるマグネシアと反応し
てケイ酸マグネシウムを生成し、マグネシアがも
つジルコニアの安定化効果を低減させる。すなわ
ち、脱安定化剤として作用するわけである。安定
化効果を減ずるという意味では、添加するマグネ
シア粉末の量を少なくすることでもよい。しかし
ながら、シリカとマグネシアの反応は主として立
方晶ジルコニアの粒界で起こるので、シリカ粉末
を添加すると上記粒界におけるクラツクや気孔の
生成が促進され、焼結体の熱衝撃強度が向上する
ようになる。さらに、ケイ酸マグネシウムと立方
晶ジルコニアとの熱膨脹係数の違いによつても熱
衝撃強度が向上するようになる。このような理由
で、この発明においては、安定化剤たるマグネシ
アの量を比較的少なくしてシリカを併用している
のであるが、シリカ粉末の添加によるケイ素酸化
物が0.1重量%未満では十分な量のクラツクや気
孔が生成されず、また、生成されるケイ酸マグネ
シウムの量も少なくなつて熱衝撃強度の向上効果
が期待できない。また、0.5重量%を越えると、
クラツクや気孔の生成量が多くなりすぎ、焼結体
の機械的強度や気密性が低下してしまう。それゆ
え、この発明においては、ケイ素酸化物の量が
0.1〜0.5重量%の範囲になければならない。ここ
で、焼結体中におけるケイ素酸化物の量は、上述
したように焼結体を元素分析して求めたケイ素の
量をシリカ(SiO2)に換算して求めるから、添
加したシリカ粉末の量と、焼結体中におけるケイ
素酸化物の量とは、数値的には同じ値になる。 第1図は、この発明の部分安定化ジルコニア焼
結体におけるジルコニアの結晶構造を示す透過型
電子顕微鏡写真(倍率50000倍)であり、第2図
はそのモデル図である。 第1図および第2図において、立方晶ジルコニ
ア1の粒内には、楕円状正方晶ジルコニアおよび
楕円状単斜晶ジルコニア2と、板状の単斜晶ジル
コニア3とが析出している。 さて、この発明においては、2モル%以下の範
囲でさらにカルシア粉末を添加してもよい。カル
シアもまた、シリカと反応してケイ酸カルシウム
を生成し、焼結体の熱衝撃強度の向上に関してマ
グネシアと同様に作用する。また、0.2〜2重量
%のアルミナ粉末を添加してもよい。アルミナは
ジルコニアにはわずかしか固溶しないが、シリカ
と反応してケイ酸アルミニウムを生成し、やはり
熱衝撃強度の向上に寄与したり、立方晶ジルコニ
アの粒内に折出する単斜晶ジルコニアの量や大き
さの制御を一層容易にする。 (実施例) 平均粒子径が0.1μmであるジルコニア粉末、マ
グネシア粉末およびシリカ粉末を用いて、第1表
に示す5種類の焼結体を作つた。 すなわち、ジルコニア粉末とマグネシア粉末と
シリカ粉末とを、マグネシア粉末の量、および、
シリカ粉末の量(=ケイ素酸化物の量)が第1表
に示す値になるように混合した。 次に、上記混合粉末を1000℃で3時間仮焼し、
さらにボールミルで24時間粉砕し、かかる仮焼、
粉砕を2回繰返し行なつて原料粉末を作つた。 次に、上記各原料粉末にバインダとして2%ポ
リビニルアルコール水溶液を加えた後、ラバープ
レス法を用いて板状の成形体を作つた。 次に、上記成形体を、1000℃までは200℃/時
の速度で昇温し、それから1750℃までは100℃/
時の速度で昇温し、その温度に6時間保持して焼
成した後、1400℃までは300℃/時の速度で冷却
し、それから1000℃までは100℃/時の速度で冷
却し、さらに炉冷して焼結体を得た。 次に、上記焼結体を切断、研磨して、厚み3
mm、幅3mm、長さ24mmの試験片を作り、各試験片
について単斜晶ジルコニアの総量を測定した。同
時に、いずれの試験片にも立方晶ジルコニアおよ
び正方晶ジルコニアが存在していることを確認し
た。また、機械的強度を表わす指標としての曲げ
強度と、熱衝撃強度とを測定した。測定結果を第
1表に示す。なお、曲げ強度は、周知の3点曲げ
試験法によつて、スパン長20mm、荷重印加速度1
mm/分という条件で測定した。熱衝撃強度は、上
記試験片を任意の温度Tx℃に加熱した後温度T
℃の水中に落下させて急冷し、次いでその曲げ強
度を上述した3点曲げ試験法によつて測定し、加
熱温度Tx℃を変化させたとき、その曲げ強度が
低下し始めるような加熱温度Tx℃を臨界温度Tc
℃として読みとり、この臨界温度Tc℃と上記水
の温度T℃との差、(Tc−T)℃をもつて指標と
した。 第1表から、単斜晶ジルコニアの総量およびマ
グネシアの量がこの発明の範囲内にあるNo.2〜4
のものは、上記条件を満たしていないNo.1、5の
ものに比べて、機械的強度および熱衝撃強度のい
ずれも著しく高いことがわかる。 実施例 2 実施例1と同様の方法によつてはいるが、ケイ
素酸化物が熱衝撃強度および機械的強度に与える
影響を調べるため、マグネシア粉末の量を8モル
%とし、シリカ粉末の量(=ケイ素酸化物の量)
を第2表に示すように変えてジルコニア粉末と混
合し、5種類の焼結体を得た。これら各焼結体に
ついて実施例1と同様に試験した結果を第2表に
示す。 第2表から、たとえばマグネシアの量がこの発
明の範囲内にあつても、ケイ素酸化物の量(=添
加したシリカ粉末の量)が0.1〜0.5重量%の範囲
内になければ、機械的強度および熱衝撃強度のい
ずれも十分には発現できないことがわかる。 実施例 3 実施例1と同様の方法によつてはいるが、第3
表に示すように、マグネシアおよびケイ素酸化物
の量がともにこの発明の範囲外である2種類の焼
結体を作り、同様の試験をした。測定結果を第3
表に示す。 第3表から明らかなように、単斜晶ジルコニア
の総量がたとえこの発明の範囲内にあつても、マ
グネシアの量やケイ素酸化物の量がこの発明の範
囲内にないものは、熱衝撃強度や機械的強度が十
分向上していない。
【表】
【表】
【表】 (発明の効果) この発明の部分安定化ジルコニア焼結体は、立
方晶ジルコニアと、正方晶ジルコニアと、単斜晶
ジルコニアとが共存しているジルコニア焼結体に
おいて、上記焼結体には、7〜10モル%の範囲で
マグネシアが固溶しており、かつ、シリカに換算
して0.1〜0.5重量%の範囲のケイ素酸化物が含ま
れており、立方晶ジルコニアの粒内には、楕円状
正方晶ジルコニア、楕円状単斜晶ジルコニアおよ
び板状単斜晶ジルコニアが折出しており、かつ、
単斜晶ジルコニアの総量が60〜80モル%の範囲に
あるものであるから、実施例にも示したように、
熱衝撃強度と機械的強度がともに大変優れてい
る。そのため、この発明の焼結体は、燃焼室、タ
ービンブレード、ターボチヤージヤ、熱交換器、
ロータ、シリンダ、ピストン、ピストンヘツド、
ステータ、バルブ、バルブガイド、グロープラグ
等の内熱機関用部品の構成材料、および、それら
部品のライニング材料として適し、また、るつ
ぼ、タンデイシユノズル、ダイズ、保護管等の耐
熱部品の構成材料として適し、さらに、高温にお
いては酸素イオン伝導性を示すことから、溶融金
属中の酸素濃度を測定するための酸素センサや、
内燃機関、ストーブ、ボイラ等の燃焼管理用セン
サ等の固体電解質酸素センサの構成材料として適
している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の部分安定化ジルコニア焼
結体についてジルコニアの結晶構造を示す透過型
電子顕微鏡写真(倍率:50000倍)、第2図は、そ
の結晶構造のモデル図である。 1:立方晶ジルコニア、2:楕円状正方晶ジル
コニアまたは楕円状単斜晶ジルコニア、3:板状
単斜晶ジルコニア。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 立方晶ジルコニアと、正方晶ジルコニアと、
    単斜晶ジルコニアとが共存しているジルコニア焼
    結体において、上記焼結体には、7〜10モル%の
    範囲でマグネシアが固溶しており、かつ、シリカ
    に換算して0.1〜0.5重量%の範囲のケイ素酸化物
    が含まれており、立方晶ジルコニアの粒内には、
    楕円状正方晶ジルコニア、楕円状単斜晶ジルコニ
    アおよび板状単斜晶ジルコニアが析出しており、
    かつ、単斜晶ジルコニアの総量が60〜80モル%の
    範囲にあることを特徴とする部分安定化ジルコニ
    ア焼結体。
JP59012593A 1984-01-26 1984-01-26 部分安定化ジルコニア焼結体 Granted JPS60161374A (ja)

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