JP4497573B2 - ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
ジルコニア焼結体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4497573B2 JP4497573B2 JP06773199A JP6773199A JP4497573B2 JP 4497573 B2 JP4497573 B2 JP 4497573B2 JP 06773199 A JP06773199 A JP 06773199A JP 6773199 A JP6773199 A JP 6773199A JP 4497573 B2 JP4497573 B2 JP 4497573B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sintered body
- zirconia sintered
- zirconia
- less
- average particle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱処理用冶具・工具、各種ダイス、自動車部品等のように機械的強度を要求される部材に適用されるジルコニア焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、安定化剤として酸化物、例えばイットリア(Y2 O3 )、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等を用いた部分安定化ジルコニア(ZrO2 )が機械的強度が優れていることから自動車部品や圧延ロール等の構造用部材に使用されていた。
【0003】
ジルコニア焼結体は、焼結条件によって単斜晶、立方晶、正方晶等の結晶系が変わり、そのことにより強度等の特性が変化してしまうといった問題があり、例えば特開平6−40769号のように焼結条件を制御することにより結晶系の安定化が試みられていた。これら焼結条件の制御は強度の高い焼結体が得られるものの製造工程を複雑化してしまっていた。
【0004】
その一方で、ジルコニア焼結体中における不純物や偏析物の影響については考慮されていないものが多く、例えば特開平6−80468号に記載のように、通常ジルコニア原料粉には酸化珪素等の酸化物不純物が多く含まれ焼結体を製造した際、強度等の特性劣化の原因となっていた。
また、酸化珪素等の不純物の少ないジルコニア原料粉は高価であり、これを用いることはコストアップの原因となり不都合も多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のジルコニア焼結体は、強度等の特性向上のために複雑な製造工程の管理や、不純物の少ない高価な原料粉を用いなければならないといった問題が起きていた。
【0006】
これらの問題を解決するために本発明では、酸化珪素などの化合物が0.05〜3wt%含まれていても強度等の特性が優れたジルコニア焼結体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のジルコニア焼結体は、請求項1に記載してようにマグネシアを8〜12mol%含有し、酸化珪素を0.05〜3wt%含有し、残部ジルコニアであることを特徴とするジルコニア焼結体。
【0008】
請求項2として、酸化チタンを5wt%以下含むことを特徴とする請求項1記載のジルコニア焼結体。
室温(25℃)での曲げ強度値が600MPa以上であることを特徴とする請求項1記載のジルコニア焼結体。
【0009】
請求項3として、室温(25℃)における熱膨張係数の平均値が8×10-6/℃以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載のジルコニア焼結体。
【0010】
請求項4として、室温(25℃)から200℃への熱履歴後、また室温に戻したときの寸法増加率が熱履歴前の室温時の寸法と比較して0.05%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記載のジルコニア焼結体。
【0011】
請求項5として、粒界相中に、Si−Mg−O系化合物偏析していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のジルコニア焼結体。
請求項6として、粒界相中の偏析物の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれかに記載のジルコニア焼結体。
【0012】
請求項7として、粒界相中の偏析物の割合が、焼結体全体中に10vol%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれかに記載のジルコニア焼結体。
【0013】
請求項8として、マグネシアを8〜12mol%含有し、酸化珪素及び酸化チタンの合計量が0.058〜0.14wt%含有し、残部ジルコニアである焼結体において、粒界相中に、Si−Mg−O系化合物が偏析していることを特徴とするジルコニア焼結体。
【0014】
請求項9として、焼結温度が1550〜1700℃であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のジルコニア焼結体の製造方法。
請求項10として、焼結後にアニール処理を行うことを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法、としている。
【0015】
まず、本発明では、マグネシアを8〜12mol%、好ましくは10〜11mol%、より好ましくは10.8〜11mol%含有している。特に10mol%以上含有する場合は強度600MPa以上を得やすくなる。マグネシアの量が8mol%より低い又は12mol%を超えると焼結時の熱処理温度による晶変態が激しくなり強度等の特性が安定した焼結体が得られず、精密な製造工程の管理が必要になる。
【0016】
また、原料粉の粒径は特に限定はないが、ジルコニア粉末の平均粒径1.0〜2.0μm、好ましくは1.2〜1.6μmであり、MgO粉末の平均粒径を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下にするとよい。この時、ジルコニア粉末の平均粒径≧MgO粉末の平均粒径としておくと後述の偏析物の大きさを制御し易くなる。
【0017】
次に、酸化珪素(SiO2 )を0.05〜3wt%及び/又は酸化チタン(TiO2 )を5wt%以下含有している。これらの化合物は、ジルコニアの原料粉中に不純物として含まれていても良いし、不足分を改めて添加しても良く、後述するように、安定化剤MgOとの偏析物を形成し強度向上に効果がある。特に酸化珪素はMgOとの偏析物を形成し易いので効果が大きい。
【0018】
また、酸化珪素の含有量は好ましくは0.05〜1wt%、より好ましくは0.05〜0.5wt%であり、さらに好ましくは0.05〜0.09wt%であり、その他不可避不純物としてジルコニアと分離が困難な酸化ハフニウム等のハフニウム化合物を除いて0.5wt%以下含有していてもよい。不純物としてではなく添加物として酸化珪素を含有させる場合は、その粉末の平均粒径を1μm以下とし、ジルコニア原料粉の平均粒径より小さくする。このように本発明のジルコニア焼結体においては、酸化珪素等の不純物が多少含まれているようなグレードの低い原料粉を用いることも可能である。
【0019】
一方、酸化チタンの含有量は5wt%以下、好ましくは0.5wt%以下であり、さらに好ましくは0.008〜0.05wt%である。酸化チタンは焼結性の向上に寄与する。。
【0020】
特に、酸化珪素が0.05〜0.09wt%かつ酸化チタンが0.008〜0.05wt%であってその合計量が0.058〜0.14wt%になるものは偏析物の形成状態(大きさ及び量)が優れるので強度向上し、かつ焼結性も向上するのでより効果的である。
【0021】
これら原料粉を所定の比率で混合する際、例えば、各成分を混合した原料粉全体をジルコニアメディア等を用いて平均粒径0.2〜1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μmさらに好ましくは平均粒径0.6μmである。所定の粒径まで粉砕混合したものを所定の形状に成形した後1550〜1700℃、好ましくは1600〜1675℃で焼結する。焼結雰囲気は、特に限定はなく大気中、窒素やアルゴン等の不活性ガス中が好ましく、大気中で行えば焼結雰囲気の複雑な制御が不要になるので製造性が向上する。
【0022】
本発明では、このような焼結方法によって曲げ強度が545MPa以上のジルコニア焼結体を得られるが、さらに強度を向上させるために900〜1050℃でアニール処理を行ってもよい。アニール温度が900℃未満、もしくは1050℃を超えた場合反って強度を低下させるので好ましくない。このアニール処理は、焼結後室温〜700℃に下がった後に行い、1〜30時間、好ましくは4〜16時間行う。この時の雰囲気は焼結時の雰囲気をそのまま用いればよいので、焼結→除冷→アニールの順で行う。
【0023】
ここでアニール処理を行わないジルコニア焼結体では、例えば曲げ強度が700MPaであったものが、アニール処理を行うことにより750MPa以上となり、約50MPa以上の強度の向上が図れる。アニール温度1000〜1050℃×4時間以上の場合がもっとも効果的である。
【0024】
これはアニール前のジルコニア焼結体は、安定な正方晶が多く含まれているため相転移し難くなっていた。アニール処理を行うことにより結晶の安定化度が低下し、わずかなエネルギーで相転移し易くなるため正方晶→単斜晶へのマルテンサイト型転移強化機構が働き、強度が向上するものと考えられる。
【0025】
その結果、アニールする前と後では単斜晶の割合が変化し、アニール前は単斜晶の割合が30vol%前後であったものが、アニール後は47%前後になり、単斜晶が平均42〜50vol%になることが確認された。ここで単斜晶の割合(Vm;vol%)は、焼結体の研磨面に対して求められたX線回折強度から次式によって計算した。
【0026】
Vm=[[Im(111)+Im(11−1)]/[Im(111)+Im(11−1)+Ic(111)]]×100(vol%)
ここで、Im(111)は単斜晶ジルコニア(111)面の回折強度、Im(11−1)は単斜晶(11−1)面の回折強度、Ic(111)は立方晶ジルコニア(111)面の回折強度を示している。なお、通常のX線回折では測定誤差は±5vol%である。
【0027】
本発明のジルコニア焼結体には、アニール処理の有無に関わらず、その粒界相中に例えば、Si−Mg−O系化合物が形成され粒界相中に偏析物として存在している。この偏析物が粒界相に存在した方が強度は向上する。ジルコニア焼結体の粒界相中での偏析物の平均粒径は10μm以下、焼結体全体の中での偏析物の量(割合)は10vol%以下である。
【0028】
偏析物の平均粒径が10μmを超える場合及び割合が10vol%を超える場合は強度が低下する。これは該偏析物がジルコニア粒子の結合に関与しているためと考えられ、該偏析物が全くないとジルコニア粒子間の結合力が弱まり、逆にあまり多すぎると粒界相が大きくなりすぎるので強度が低下すると考えられる。
【0029】
また、偏析物の制御には前述のように原料粉の平均粒径を0.4〜0.8μm及び混合割合を制御することが有効であり、偏析物の平均粒径を7μm以下、さらには5μm以下とさらに小さくでき、その割合を6vol%以下に減少させることが可能となる。
【0030】
さらに、このように制御されたジルコニア焼結体のジルコニア結晶粒の大きさは、20〜50μmとなり、焼結温度を1620℃以上にすることにより32〜50μmに粒成長させることが可能となる。さらに焼結体の密度も5g/cm3 以上になり、焼結温度を1600℃以上にすることにより5.5〜6.0g/cm3 と高密度化され、これも高強度化への要因と考えられる。
【0031】
本発明では焼結体強度の更なる向上のためアニール処理を行っているが、このアニール処理は焼結体を形成した後に行う処理のため、成形体等の複雑な管理や仮焼き体のように型崩れし易い状態ではないため製造上の取扱いも容易である。
【0032】
このようなジルコニア焼結体を製造することにより、室温での曲げ強度を545MPa以上、さらには690MPa以上の焼結体を得られるようになる。
また、室温における熱膨張係数8×10-6/℃以上、好ましくは8×10-6〜10×10-6/℃と金属の熱膨張係数、特にステンレス鋼に近い高熱膨張特性が得られ、かつ熱膨張係数のバラツキの少ない安定したジルコニア焼結体を得られる。この焼結体は200℃と高温中であっても、その熱膨張係数に大きな変化はなく、そのため、室温→200℃→室温の熱履歴を施したものであっても、熱履歴を施す前との寸法増加率が0.05%以下と熱変形の小さい焼結体が得られる。
【0033】
このような特性を有しているため、温度変化の激しい分野、例えば熱処理用冶工具、各種ダイス、燃料噴射装置、自動車部品等の分野に有効であり、特に熱膨張係数が金属に近似しているので金属部材と組合せて使用される部材に有効である。
【0034】
【発明の実施の形態】
【0035】
【実施例】
(実施例1〜12)
MgOを10mol%、残部ジルコニアの焼結体において、表1に示すように酸化珪素量及び酸化チタン量を変化させ、1650℃で焼結した試料を作製し3点曲げ強度及び粒界相での析出物の平均サイズ、そのvol%を測定した。なお、酸化珪素、酸化チタンおよびMgO原料粉としては平均粒径0.3μm、ジルコニア原料粉末としては平均粒径1.4μmのものを用い、混合原料粉を平均粒径0.6μmになるまで粉砕混合を施した。
【0036】
なお、ジルコニア原料粉にはハフニウム化合物が1.7wt%、それ以外の不可避不純物が0.5wt%含まれていた。また、不純物として酸化珪素が0.02wt%、酸化チタンが0.008wt%含まれていた。
【0037】
これら原料粉を所定形状に成形し、大気中1650℃で常圧焼結を施すことにより試料を作製した。
偏析物の平均粒径及び量の測定方法としては、縦5mm×横5mm×厚み5mmの試料を作製し、各面を1mm削った後、任意に切断した断面をSEMにより任意の100μm×100μmの範囲を3個所測定した結果の平均値で判断した。
【0038】
(比較例1〜6)
比較のために、酸化珪素量を0.02又は5wt%と本発明の範囲外の量を入れた以外は実施例1と同様のジルコニア焼結体、及びこれら化合物を含まない高純度ジルコニアを実施例1と同様の条件で作製した。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から分かる通り、MgO量が一定の場合、酸化珪素及び酸化チタンの量が本発明の範囲内のものは強度が上がり偏析物の大きさ及び量(vol%)が改善されていることが分かる。
【0041】
一方、酸化珪素又は酸化チタンを含まない高純度ジルコニアからなる焼結体も強度が低下している。これは、Si−Mg−O系化合物の偏析物が形成されていないことが原因と考えられる。
【0042】
(実施例13〜32)
表2に示すようにMgO量、酸化珪素、酸化チタン量を変化させた以外は実施例1と同様の方法で焼結体を作製し強度を測定した。
【0043】
【表2】
【0044】
表2から分かる通り本発明のジルコニアは、不可避不純物が0.5wt%程度含まれていたとしても3点曲げ強度がいずれも545MPa以上と高い数値が得られている。
【0045】
これは、ジルコニア原料粉末が不純物の多いグレードの低いものかつ大気中で常圧焼結であっても十分な強度が得られることを示しており、コスト低減など製造性向上への効果が大きい。
【0046】
(実施例33〜42)
実施例19及び実施例21で用いたジルコニア焼結体に関して、混合原料粉末の大きさを表3に示すように変えて製造し、3点曲げ強度、偏析物の大きさ及びその割合を測定した。なお、焼結条件及び測定方法については実施例1と同様の方法を用いた。
【0047】
【表3】
【0048】
表3から分かる通り、混合原料粉末の平均粒径が0.4〜0.8μmの方が、各成分の含有量が同じであっても強度が向上されていることが分かる。
(実施例43〜48)
実施例3で用いたジルコニア焼結体に対し、表4に示すようなアニール処理を行い、アニール処理前後の3点曲げ強度および単斜晶の割合を測定した。なお、単斜晶の割合の測定はX線回折を用い前述の計算式を用いて測定した。
(比較例7〜8)
比較のためにアニール温度を700℃、1100℃で行った。
【0049】
【表4】
【0050】
表4から分かる通り、アニール処理を行ったものは3点曲げ強度が平均50MPa程度向上している。各実施例とも単斜晶の割合が増加しており、いずれも単斜晶が40〜50vol%の範囲であった。それに対し比較例の方は強度が低下していることが分かった。
【0051】
(実施例49〜53)
表1および表2に示した実施例の中から任意に選んだ実施例2、4、18、26、28のジルコニア焼結体をに対し、室温および200℃での熱膨張係数及び熱履歴後の寸法増加率を測定し表5に示した。
【0052】
なお、本実施例では、縦3mm×横4mm×厚さ(長さ)20mmの試験片を用い、熱膨張係数の測定を押し棒式で測定した。熱履歴後の寸法増加率の測定は、試験片を室温から200℃に加熱し1時間保持した後、放置し室温に戻した際の寸法を測定し加熱前の寸法と比較した。従って、熱履歴後の寸法増加率(%)=[(熱処理後の寸法−熱処理前の寸法)/熱処理前の寸法]×100となる。
【0053】
また、実施例3の試験片100個用意し熱膨張係数を同様の方法で測定し、熱膨張係数のバラツキを表6に示した。
比較のために比較例6のジルコニア焼結体に対しても同様の測定を行った。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
表5から分かる通り、本発明の焼結体は熱膨張係数が高く、熱履歴後の寸法増加率が小さいことが分かる。表6から熱膨張係数のバラツキが小さいことも分かり、安定した熱膨張係数を持つジルコニア焼結体が得られることが分かる。そのためこれら焼結体を金属部材、特にステンレス鋼と組合せて使用する分野、例えば自動車エンジンに搭載する燃料噴射装置に適用したところ良好な結果を示した。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のジルコニア焼結体は、酸化珪素等の通常不純物として含まれている化合物の量を特定し、原料粉の粒径又はアニール処理等を考慮することにより、不純物の多いグレードの低いジルコニア原料粉を用いた焼結体であっても十分な強度を得られることが可能となる。
また、熱膨張係数が比較的高強度金属に近いことから金属部材と組合せて使用する分野に特に有効である。
Claims (4)
- マグネシアを8〜12mol%、酸化珪素0.05〜3wt%、酸化チタンを0.008〜5wt%、残部ジルコニアからなる原料粉末を焼結してなるジルコニア焼結体において、
ジルコニア焼結体の粒界相中に、Si−Mg−O系化合物が偏析し、偏析物の平均粒径が10μm以下、かつ粒界相中の偏析物の割合が焼結体全体中に10vol%以下であり、
ジルコニア焼結体の3点曲げ強度が545MPa以上であり、
ジルコニア焼結体の室温(25℃)における熱膨張係数の平均値が8×10 −6 /℃以上、かつ室温(25℃)から200℃への熱履歴後、また室温に戻したときの寸法増加率が熱履歴前の室温時の寸法と比較して0.05%以下であることを特徴とするジルコニア焼結体。 - 平均粒径1.0〜2.0μmのジルコニア粉末、平均粒径1.0μm以下のマグネシア粉末を用い、
マグネシアを8〜12mol%、酸化珪素0.05〜3wt%、酸化チタンを0.008〜5wt%、残部ジルコニアからなる原料粉末を混合する工程と、
混合した原料粉末を1550〜1700℃で焼結してジルコニア焼結体を製造する工程により、
ジルコニア焼結体の粒界相中に、Si−Mg−O系化合物が偏析し、偏析物の平均粒径が10μm以下、かつ粒界相中の偏析物の割合が焼結体全体中に10vol%以下となるジルコニア焼結体を得ることを特徴とするジルコニア焼結体の製造方法。 - 得られたジルコニア焼結体を900〜1050℃でアニール処理することにより、正方晶を単斜晶に相移転させることにより単斜晶の割合を40〜50vol%とし、3点曲げ強度を平均50MPa以上高めることを特徴とする請求項2記載のジルコニア焼結体の製造方法。
- ジルコニア焼結体の3点曲げ強度が545MPa以上であることを特徴とする請求項2記載のジルコニア焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06773199A JP4497573B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ジルコニア焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06773199A JP4497573B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ジルコニア焼結体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000264730A JP2000264730A (ja) | 2000-09-26 |
JP4497573B2 true JP4497573B2 (ja) | 2010-07-07 |
Family
ID=13353406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06773199A Expired - Lifetime JP4497573B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ジルコニア焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4497573B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU533896B2 (en) * | 1979-01-04 | 1983-12-15 | Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation | Partially stabilised zirconia ceramics |
JPS60155568A (ja) * | 1984-01-25 | 1985-08-15 | 東レ株式会社 | 部分安定化ジルコニア焼結体 |
JPS60161374A (ja) * | 1984-01-26 | 1985-08-23 | 東レ株式会社 | 部分安定化ジルコニア焼結体 |
CN1014987B (zh) * | 1986-02-03 | 1991-12-04 | 迪迪尔制品公司 | 用氧化镁部分稳定的氧化锆材料及其制备方法 |
JP3176143B2 (ja) * | 1992-08-28 | 2001-06-11 | 京セラ株式会社 | 部分安定化ジルコニア焼結体 |
JPH06191938A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-12 | Kyocera Corp | 金属加工用部材 |
JP3566323B2 (ja) * | 1993-09-30 | 2004-09-15 | 京セラ株式会社 | 粉砕機用部材 |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP06773199A patent/JP4497573B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000264730A (ja) | 2000-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6637956B2 (ja) | 焼結されたセラミック材料、焼結されたセラミック材料を得るための粉末組成物、その製造方法及びセラミック部品 | |
JP4995920B2 (ja) | 透明な多結晶酸窒化アルミニウムの製造方法 | |
US20070179041A1 (en) | Zirconia Ceramic | |
KR101794410B1 (ko) | 고 열전도도 질화규소 소결체 및 이의 제조 방법 | |
EP1514856B1 (en) | Alumina/zirconia ceramics and method of producing the same | |
JPS60141673A (ja) | ジルコニア磁器およびその製造法 | |
JP4497573B2 (ja) | ジルコニア焼結体及びその製造方法 | |
JP2864455B2 (ja) | 耐低温劣化ジルコニア材料及びその製造方法 | |
JP3013372B2 (ja) | ジルコン焼結体及びその製造方法 | |
JPS63103864A (ja) | 部分安定化された酸化ジルコニウムからなる焼結成形体およびその製造法 | |
JP3145597B2 (ja) | アルミナ質焼結体およびその製造方法 | |
JPH02229766A (ja) | 窒化珪素焼結体 | |
JPH03223159A (ja) | アルミナ―ジルコニア複合焼結体 | |
JP3121996B2 (ja) | アルミナ質焼結体 | |
JP3078430B2 (ja) | 高強度アルミナ質焼結体 | |
JP3268020B2 (ja) | 窒化珪素粉末の製造方法 | |
JP2690571B2 (ja) | ジルコニア系切削工具とその製造法 | |
JPH08325057A (ja) | ジルコニア焼結体 | |
JP3176143B2 (ja) | 部分安定化ジルコニア焼結体 | |
JP3340025B2 (ja) | アルミナ質焼結体およびその製造方法 | |
JP2004091243A (ja) | 窒化珪素質焼結体の製造方法および窒化珪素質焼結体 | |
JP2652936B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 | |
JP3124862B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体の製造方法 | |
JPS63248773A (ja) | 黒色系窒化けい素質焼結体 | |
WO1993021129A1 (en) | Sintered silicon nitride of high toughness, strength and reliability |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050428 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050620 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090327 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090519 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100323 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100413 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423 Year of fee payment: 4 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |