JPH0352960B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0352960B2
JPH0352960B2 JP10743486A JP10743486A JPH0352960B2 JP H0352960 B2 JPH0352960 B2 JP H0352960B2 JP 10743486 A JP10743486 A JP 10743486A JP 10743486 A JP10743486 A JP 10743486A JP H0352960 B2 JPH0352960 B2 JP H0352960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
yeast
coli
plasmid
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP10743486A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6291196A (ja
Inventor
Koji Myanohara
Chikahide Nozaki
Fukusaburo Hamada
Akio Toe
Shinya Ootomo
Kenichi Matsubara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP10743486A priority Critical patent/JPS6291196A/ja
Publication of JPS6291196A publication Critical patent/JPS6291196A/ja
Publication of JPH0352960B2 publication Critical patent/JPH0352960B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2730/00Reverse transcribing DNA viruses
    • C12N2730/00011Details
    • C12N2730/10011Hepadnaviridae
    • C12N2730/10111Orthohepadnavirus, e.g. hepatitis B virus
    • C12N2730/10122New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、B型肝炎ウイルスの遺伝子を組込ん
だ組換えプラスミドにより形質転換を行なつた酵
母を用いたB型肝炎ウイルス表面抗原の製法に関
する。さらに詳しくは、大腸菌および酵母の両方
で増殖しうる、いわゆるシヤトルベクターを用
い、そのベクターに担われた抑制性酸性ホスフア
ターゼ形質発現調節領域(以下、酸性ホスフアタ
ーゼプロモーターまたは酸性ホスフアターゼ遺伝
子という)の下流に、B型肝炎ウイルス(以下、
HBVと略す)の表面抗原(以下、HBs抗原また
はHBsAgという。単にS抗原と略すこともある)
の遺伝子を組込んだ組換えプラスミドを得、これ
を酵母に与えて形質転換を起こさせて形質転換酵
母とし、この酵母を酸性ホスフアターゼプロモー
ターが抑制されない条件下に培養させて産生され
る免疫学的に活性なHBs抗原(HBsAg)を得る
方法である。 B型ウイルス肝炎は、HBV陽性者の血液の輸
血その他の原因によつて感染する疾患であつて、
完全な治療薬がなく、一度罹患するとその完全治
癒が困難であり、その予防には、HBsAgからな
るワクチンが最も有効であると考えられている。
しかしながら、HBVはヒトやチンパンジーにの
み感染し、培養細胞への感染の試みは成功してい
ない。このようなHBVの特殊性により、そのよ
うなHBsAgは主として人血清に求めざるを得な
い。そのため、HBsAgワクチンの量産に問題が
ある。 最近、HBsAgをヒト血清によらず、組換え
DNAを用いて大腸菌に作らせることが提案され
ているが(例えば特開昭55−104887号)、大腸菌
による場合には、生じたS抗原が大腸菌内で壊れ
易いとかそのS抗原によつて大腸菌の増殖が困難
であるなどの欠点を有するためHBsAgの産生量
が低く、所望のHBsAgの大量生産には、かなら
ずしも適当でない。 また、ごく最近において、酵母によるHBs抗
原粒子の産生に成功したことが報告されている
[Nature、298巻、347〜350頁(22July1982)を
参照]。この文献によれば、インターフエロンの
酵母による産生に使用されているアルコールデヒ
ドロゲナーゼ(ADH1)のプロモーターを利用
し、大腸菌−酵母シヤトルベクターの該ADH1プ
ロモーターの下流にHBs蛋白をコードする遺伝
子を接続する方法が採用されているが、この方法
では産生されるHBs蛋白の量が低く、所望の
HBs抗原の量産にはかならずしも充分でないも
のと認められる。 このような事情のもとに、本発明者らは酵母に
よるHBsAgの量産について検討を重ねた結果、
酵母の遺伝子と大腸菌の遺伝子とを含みかつ酵母
の抑制性酸性ホスフアターゼ遺伝子を担つた特定
のプラスミドベクターに、該ホスフアターゼプロ
モーターの制御下にHBs抗原遺伝子を組込んだ
新しい組換えDNAを調製し、それによつて酵母
を形質転換させ、かかる形質転換酵母を用いてヒ
ト由来のHBsAgと同じ免疫学的活性を有する
HBsAgを量産させることに成功し、本発明を完
成するに至つた。 すなわち、本発明は、HBs抗原遺伝子を組込
んだ新規な組換えプラスミドによつて形質転換さ
せた酵母を用いてHBsAgを生産する方法を提供
するものである。 本発明で用いる組換えプラスミドは、大腸菌お
よび酵母の両方の遺伝子を備え、それらのいずれ
でも増殖しうるシヤトルベクターを用い、そのベ
クターに担われた酸性ホスフアターゼプロモータ
ーの下流において、酸性ホスフアターゼ構造遺伝
子の一部または全部もしくはさらにその上流の一
定部位までを除去したのちにHBs抗原遺伝子を
組込んで得られる。このようにして得られる
HBs遺伝子発現プラスミドを常法により酵母に
作用させて形質転換を起こさせることにより形質
転換酵母が得、この形質転換酵母を、好ましくは
酸性ホスフアターゼプロモーターが抑制されない
条件下に培養することにより所望のHBsAgが量
産される。 以下に、本発明による、特定の形質転換酵母菌
を用いたHBsAgの生産についてさらに詳細に説
明する。 (1) HBV遺伝子 本発明で用いられるシヤトルベクターに組込
むためのHBV遺伝子は、大腸菌によりクロー
ニングされたHBVDNAで、ことに日本および
他の東南アジアなどで多く見られるHBVサブ
タイプadrのものであり、制限酵素XhoIおよび
BamHI認識部位を各々1個有する。この
HBVDNAは通常制限酵素XhoIまたはBamHI
で処理してHBV遺伝子を含んだフラグメント
として組込みに供される。このフラグメント
は、例えば制限酵素XhoIで処理して得られる
XhoI認識部位を末端とするものは、第1図に
示すような構造を有し、HBs遺伝子とHBc遺
伝子とを対応させた構造である。 第1図に示すように、XhoIで切断された
5′末端より28番目のヌクレオチドからHBs遺
伝子が開始し、アミノ酸226個に相当する遺伝
子があり、さらにその下流にHBc遺伝子が同
じ向きに存在する。また、このフラグメントを
さらにBamHIで処理すると、HBVDNA
(3.2Kb)はHBs遺伝子を含むフラグメント
(約1.3Kb)とHBc遺伝子を含むフラグメント
(約1.9Kb)の2つに分かれる。このHBs遺伝
子の塩基配列は本発明者らにより決定され、第
2図に示すような配列を有する(欧米型のサブ
タイプadwなどについてはすでに構造が知られ
ている:下記文献を参照)。なお、これらHBs
両遺伝子とも介在配列はもたない。第2図に示
すものは、S抗原決定領域のヌクレオチド配列
(最上段)とそれによりコードされるアミノ酸
配列(第2段)を示し、ヌクレオチド配列の上
に付けた数字はS抗原のN端からのアミノ酸の
個数を示す。なお、その下段A、B、C欄はそ
れぞれad/ywタイプ(Pasekらの解析:
Nature、282、575〜579、1979)、adwタイプ
の(Valenzuclaらの解析:Nature、280、815
〜819、1979)およびaywタイプ(Charnayら
の解析:Proc.Natl.Acad.Sci.、U.S.A.、76
2222〜2226、1979)のデータである。 このHBVDNAはつぎのようにして調製され
る。 まず、HBs抗原保有のヒト血液中に含まれ
るウイルス粒子[デイン(Dane)粒子]を常
法により分離する。但し、このHBVDNAは
3200bpを有する環状2本鎖構造をとつている
が、DNA全体の15〜50%の領域は1本鎖であ
り遺伝子クローニング用に2本鎖とするため
に、サトラーおよびロビンソンの方法(F.
Sattler&W.S.Robinson、Journal of
Virology、32、226〜233(1979)、“Hepatitis
B viral DNA molecules have cohesive
ends”を参照)により1本鎖部分のをHBVに
含まれるエンドゲナスDNAポリメラーゼを利
用して2本鎖に修復したのちDNAを抽出し、
これを大腸菌によりクローニングして増殖した
のち、通常は適当な制限酵素で処理して所定の
フラグメントとして、後述のプラスミド構築に
供する。 なお、本発明において用いられるHBVDNA
は前述したとおり日本などで多く見られる
HBVサブタイプadrがとくに好ましいが、欧
米において多く見られるHBVサブタイプadw
なども同様に用いられうる。 (2) シヤトルベクター 本発明で用いられるシヤトルベクターは、酵
母の遺伝子と大腸菌の遺伝子とを含みかつ酵母
の抑制性酸性ホスフアターゼ遺伝子を担つたプ
ラスミドベクターである。 この酵母の遺伝子としては、一般に、プラス
ミドが酵母中で染色体と独立して増殖するのに
必要なDNA配列、例えば酵母の自律増殖に必
要なDNA配列(ars1)と2μmDNAの複製に必
要なDNA配列(2μori)があり、所望により、
さらに形質転換酵母の選択マーカーとなる遺伝
子が含まれる。この選択マーカーとしては、ロ
イシン産生遺伝子、ヒスチジン産生遺伝子、ト
リプトフアン産生遺伝子、ウラシル産生遺伝
子、アデニン産生遺伝子などが含まれ、これら
の1種または2種以上が用いられる。 大腸菌側の遺伝子としては大腸菌体内におい
てプラスミドが増殖するために必要なDNA配
列、例えばColEI系のプラスミドの複製起点の
DNA配列を有し、好ましくはさらに形質転換
大腸菌の選択マーカーとなる遺伝子を含む。こ
の選択マーカーの遺伝子としてはアンピシリン
耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、テトラ
サイクリン耐性遺伝子、クロラムフエニコール
耐性遺伝子などが挙げられ、これらの遺伝子の
1種または2種以上が用いられる。このような
大腸菌DNAとしてアンピシリン耐性遺伝子と
テトラサイクリン耐性遺伝子を有するpBR322
が一般に汎用されている。 本発明で用いるシヤトルベクターは酵母の抑
制性酸性ホスフアターゼプロモーターを担つて
いることが特徴であり、この酸性ホスフアター
ゼプロモーターは通常ホスフアターゼを構成す
る60000ダルトンのポリペプチド(p60)のプ
ロモーターである。 このようなシヤトルベクターの代表的な例
は、本発明者らにより調製された、酵母側の遺
伝子とし ars1、2μoriおよびロイシン産生遺
伝子(Leu2)有する酵母DNAと大腸菌プラス
ミドpBR322とを組合せたシヤトルベクター
pAT77であり、これはつぎのようにして構築
される。 酵母S288C DNAバンクより得られた抑制酸
性ホスフアターゼを構成する60000ダルトンの
ポリペプチド(p60)の遺伝子を含む約8000ヌ
クレオチド対(8Kb)の制限酵素EcoRI断片
(PNAS、77巻、6541〜6545頁、1980および
PNAS、79巻、2157〜2161頁、1982を参照)を
公知の大腸菌プラスミドpBR322(Sutcliffe、J.
G.、Cold Spring Harbor Symposium、43
巻、77〜90頁、1979を参照)のEcoRI部位に挿
入して得られるプラスミドを出発材料とする。
なおこの8KbDNA 断片は制限酵素SalIの認
識部位を約2.8Kbと約5.2Kbに分ける位置に1
個所有し、2.8Kb側がpBR322のアンピリシン
耐性遺伝子側になるように挿入されている。 このプラスミドを制限酵素SalIで切断し、さ
らにT4DNAリガーゼにより再アニールさせて
pBR322のSalI部位から酸性ホスフアターゼ遺
伝子断片の5.2Kb側を失なつたプラスミドを
得、これをpAT25と称する。このpAT25は322
のアンピリシン耐性遺伝子を含むEcoRI部位か
らSalI部位までの約3.7Kbの断片と酵母の酸性
ホスフアターゼ遺伝子のEcoRI部位からSalI部
位までの約2.8Kbの断片がそれぞれ対応する末
端同志で結合したプラスミドである。 つぎに、上記pAT25のEcoRI部位に、酵母
の自律増殖に必要なDNA配列(ars1)および
酵母のTrp1遺伝子を含む1.4KbのEcoRI断片
(Proc.Natl.Acad.Sci.、U.S.A.、76、1035〜
1039頁1979を参照)を挿入する。得られたプラ
スミドをpAT26と称する。なおこの ars1−
Trp1を含む断片は、そのTrp1遺伝子内に制限
酵素Hindの認識部位を1個所有する。 上記pAT26のHind部位に酵母のロイシン
産生遺伝子((Leu2)と2μmDNAの複製に必
要なDNA配列(2μori)を含むHind断片
(Tohe、A、Guerry、P.、Wichener、R.B.;
J.Bacteriol、141、413〜416、1980参照)を挿
入する。このようにして得られるプラスミドが
シヤトルベクターpAT77である。 このpAT77およびのちに説明するようにそ
れから誘導されるpAM82の構造は第3図に示
すとおりである。すなわち、このpAT77は、
大腸菌の遺伝子としてpBR322のアンピシリン
耐性遺伝子(Apr)を含むEcoRI部位からSalI
部位までを有し、一方酵母の遺伝子として、
pBR322と結合したEcoRI部位より ars1、
2μori、Leu2の遺伝子の順に位置し、さらにそ
のつぎに酸性ホスフアターゼ遺伝子の上流から
SalI部位までを有する。そしてそのEcoRIおよ
びSalI部位でこれら大腸菌遺伝子と酵母遺伝子
が結合した構造となつている。このpAT77は
大腸菌内においてはpBR322により増殖し、ま
た酵母内においてはars1および2μoriにより増
殖可能となる。さらにこのプラスミドによる形
質転換体のマーカーとして大腸菌側にアンピシ
リン耐性遺伝子(Apr)を、酵母菌側にはロイ
シン産生遺伝子(Leu2)を有しており、シヤ
トルベクターとしての条件を充分に満たしてい
る。 なお、このシヤトルベクターを用いるのは、
後記組換えプラスミドを大腸菌を用いて調製す
るためであり、該組換えプラスミドで酵母を形
質転換する段階に至つては大腸菌の遺伝子は除
去されても問題はない。 このシヤトルベクターはpAT77の酸性ホス
フアターゼプロモーター付近の遺伝子地図は第
4図に示すとおりであり、ここに示される
BstE−SalI領域の塩基配列は本発明者らに
より決定されており、第5図に示すような配列
である。第4図および第5図に示されるATG
コドン(メチオニン)が酸性ホスフアターゼの
開始コドンである。つまり、このベクターの抑
制性酸性ホスフアターゼ遺伝子断片(約
2.8Kb)には、構造遺伝子の約2.7Kb上流から
構造遺伝子82ヌクレオチド対(82bp)までが
含まれる。 このようなシヤトルベクターはpAT77を公
知の制限酵素SalIで処理して開裂させ、ついで
これをエキソヌクレアーゼBAL31で処理する
ことにより第4図および第5図に示す酸性ホス
フアターゼ構造遺伝子の一部または全部と、所
望によりさらにその上流の種々の部分まで除去
する。この除去は酸性ホスフアターゼプロモー
ター領域と思われるTATATAA(Hogness
box)、すなわち−100bpの前までの適当な部位
まで行なわれ、エキソヌクレアーゼ処理条件に
より適宜調節されるが、通常+1〜−100bp、
好まくは+1〜−50bpまでである。この際、
除去が上流まで行きすぎると酸性ホスフアター
ゼプロモーターの制御が困難となり、形質転換
酵母菌の培養の際、所望のHBsAgの収量が低
下する。一方、除去が不充分で酸性ホスフアタ
ーゼ構造遺伝子が一部残存すると産生される
HBs抗原がホスフアターゼペプチドと合いの
子となるため好ましくない。 上記のように酸性ホスフアターゼ構造遺伝子
の一部または全部もしくはさらにその上流部分
を除去したのち、この部位に合成または天然の
リンカー、例えばSalIリンカーまたはXhoIリ
ンカーを組込み再び環状プラスミドに戻すこと
により、酸性ホスフアターゼプロモーターの制
御下に外来性遺伝子を純粋な形で発現させ得る
シヤトルベクターが得られる。このシヤトルベ
クターは、通常の制限酵素SalIまたはXhoIで
処理することにより容易にその組込み部位を開
裂させることができるため、所望の遺伝子を組
込むのに好適である。 (3) HBs遺伝子発現プラスミドの構築 本発明における組換えプラスミド、すなわち
HBs遺伝子を組込んだプラスミドの調整は、
まず前記シヤトルベクターを使用したリンカー
に対応する制限酵素、例えばSalIまたはXhoI
にて処理して開裂させ、これに上記HBVDNA
を作用させて連結させる。これを大腸菌にて増
幅し、各種制限酵素分析によつて正しい配位に
組込まれたもののみを選択し、目的とする組換
えプラスミドを得る。 (4) 酵母の形質転換 形質転換されるべき酵母としては、プラスミ
ドに担われた形質転換酵母の選択マーカー遺伝
子によつて相補される変異を持つた変異株、例
えばロイシン要求性変異株であるサツカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
AH22aleu2 his 4 Canl(Cir+)を用いる。
上記組換えプラスミドを大腸菌にて増殖させた
のち、該酵母変異株に常法により作用させ、例
えばスフエロプラスト化したのちカルシウム処
理した菌体とプラスミドDNAを混合して形質
転換を起させる。このように処理された酵母を
ベクター上に担われている宿主酵母の変異を相
補する遺伝子、たとえばロイシン産生遺伝子の
発現を指標として形質転換酵母を選択し、分離
する。 なお、酵母としてはロイシン要求性変異株の
ほかに、ヒスチジン要求性変異株、トリプトフ
アン要求性変異株、ウラシル要求性変異株、ア
デニン要求性変異株などが挙げられる。 (5) 形質転換酵母の培養およびHBsAgの生産 上記の方法で得られた形質転換酵母をリン酸
を含む倍地にて通常の培養条件下に前培養し、
対数増殖期にある菌体をリン酸を含まない倍地
に移しかえて酸性ホスフアターゼプロモーター
が抑制されない条件下に培養する。培養後、常
法により集菌し、溶菌処理し、所望の
HBsAgbを多量に含む溶菌液を得る。 なお、用いる酵母の種類により、例えば
Pho80変異株を用いた場合には、酸性ホスフア
ターゼプロモーターを抑制しない条件をとくに
採用する必要はなく、該形質転換酵母を直接培
養して所望のHBsAg多量に産生させることが
できる。 上記方法で得られるHBsAgは免疫学的にヒ
ト血清から得られるものと全く同一であり、ヒ
ト血清によるものと同様にしてHBV用ワクチ
ンとして有用である。 つぎに実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例 (1) HBVDNAの調製 () ウイルスDNAの調製 HBsAg陽性かつHBeAg陽性のの供血者
(血清型adr)からのヒト血漿10人分のプー
ル700mlを5000rpmで20分間遠心分離し、不
溶物を除去する。これを4℃にて18000rpm
で8時間遠心分離し、得られた沈査を緩衝液
(10mMトリスHCl、0.1MNaCl、1mM
EDTA;PH7.5)10mlに再溶解させ、30%の
蕉糖を含有する遠沈管の頂部に重層させる。
これを4℃にて39000rpmで4時間遠心分離
し、得られた沈査を上記と同じ緩衝液に再溶
解させる。 ついで、のちの操作を容易にするために、
HBVのもつDNAポリメラーゼによる反応
を、67mMトリスーHCl(PH7.5)、80m
MNH4Cl、25mMMgCl2、0.5%(w/v%、
以下同じ)タージトールNP−40、0.1%2−
メトカプトエタノール、330μMのdcTP(デ
オキシシチジントリフエート)、dGTP(デオ
キシグアノシントリホスフエート)、dATP
(デオキシアデノシントリホスフエート)、
0.5μMα−[ 32P]dTTP(デオキシチミジン
トリホスフエート)の混合液500μ中で37
℃にて30分間行なう。これにさらにdTTPを
最終濃度330μMになるように加え、37℃で
3時間反応させ、これに同容量の100mM
EDTA溶液を加える。このDNAポリメラー
ゼ反応により、DNA中の一本鎖部分が修復
され、[ 32P]ラベル化された材料を得、こ
れを蕉糖の30%、20%および10%水溶液を段
階的に重層した遠心管の頂部に重層し、4℃
にて39000rpmで4.5時間遠心分離する。 ついでDNAに強く結合している蛋白質を
消化するために、上記で得られた沈査を1
mg/mlプロナーゼEおよび0.2%ラウリル硫
酸ナトリウムの混合液200μ中で37℃にて
2時間処理したのち、DNAをフエノール
200μ中で得2回抽出し、ついでエーテル
で振つてフエノール溶媒を除去すると
HBVDNA溶液を得る。このDNAは2.5×
106cpm/μg比放射活性を示し、制限酵素
消化に充分使用し得る。 () HBVDNAのクローン化 前記の方法で調製された環状二本鎖の
HBVDNAを、下記のようにしてまずλフア
ージシヤロン16ADNAをベクターとしてク
ローン化し、さらに公知のプラスミド
pACYC177[Chang、A.C.Y.、Cohen、S.N.、
J.Bacteriol.、134、1141〜1156(1978)]をベ
クターとして再クローン化を行なう。 (A) フアージシヤロン16A宿主−ベクター系
によるクローン化: HBVDNA20ngを10mMトリス−HCl
(PH7.4)、7mMMgCl2、100mMNaCl、
7mM2−メルカプトエタノールの混液
20μ中にて制限エンドヌクレアーゼXhoI
により37℃にて2時間処理したのち、フエ
ノール20μにて抽出し、ついでエーテル
抽出後、その水層に2倍容量の冷エタノー
ルを加えてDNAを沈澱させる。この混液
を−70℃で1時間保持したのち10000rpm
にて5分間遠心分離して沈澱するDNAを
回収する。分離した沈査を10mMトリス−
HCl(PH7.4)および1mMEDTAの混液5μ
に溶解させる。ついで、このHBVDNA
と等モル量の前記と同様にして制限酵素
Xhoにより開裂されたλフアージシヤロ
ン16ADNA(Xho認識部位を1個所有す
る)とをT4DNAリガーゼ(50mMトリス
−HCl(PH7.4)、10mMMgCl2、10mMジ
チスシレイトール、100μg/ml牛血清ア
ルブミン、0.5mMATPおよび0.5μ酵素
調製物との混液)10μを用いて4℃で18
時間反応させ、その反応混合液を前記と同
様にしてフエノール抽出、エーテル処理お
よびエタノール沈澱に付し、得られた沈査
を10mMトリス−HCl(PH7.4)および1m
MEDTA混液10μ中に溶解させる。 上記のようにしてアニールさせたDNA
より、in vitroパツケージング操作
(Methods in Enzymology、68巻、299〜
309を参照)によりλフアージを形成させ、
さらに大腸菌DP50SupFを指示菌としてL
−寒天平板(23cm×23cm)上に〜104個の
プラークを形成させる。これらプラークの
うちからHBVDNAを維持しているフアー
ジにより形成されたプラークを選び出すた
めに、前記で調製した 32P−ラベルされた
HBVDNAをプローブとしてプラークハイ
ブリダイゼーシヨンを行ない(Science、
196巻、180頁、1977を参照)、目的とする
フアージを複数分離する。 (B) プラスミドpACYC177をベクターとし
た再クローン化: 上記(A)で得られたHBVDNAを保持する
フアージについて「生化学実験講座、核酸
の化学」54〜65頁に記載される方法に従
い、大腸菌DP50−SupFを感染菌としてフ
アージDNAを調製する。得られたDNAを
前記の制限酵素XhoIの反応条件下で2時
間消化したのち、この反応液を0.75%アガ
ロースゲル電気泳動にかけ、分離した
3.2KbのHBVDNAをDEAE紙(東洋濾紙
製)に吸着させてベクターDNAと分離し、
ついで1MNaCl溶液にて溶出し、両端が
Xho末端となつたHBVDNAを得る。 つぎにプラスミドpACYC177[Chang、
A.C.Y.、Cohen、S.N.、J.Bacteriol.、
134、1141〜1156(1978)](このものはXho
切断部位を1個所有し、それはカナマイ
シン耐性遺伝子の中に存在する)を同様に
Xhoにて消化し、その生成物をフエノー
ル抽出、エーテル処理およびエタノール沈
澱により精製する。ついでXho開裂され
たpACYC177とXho末端−HBVDNAと
を分子比1:5で混合し、前記T4DNAリ
ガーゼの反応条件下に18時間アニールさせ
る。 大腸菌x1776の培養液を高木康敬著「遺
伝子操作実験法」第161項に記載の方法で
調製された菌液0.1mlに、上記アニールさ
れたDNA調製物10μを加えてよく混合
させ、0℃で25分間放置したのち、アンピ
シリン(20μg/ml)、α−ビオチン(1μ
g/ml)、ジアミノピメリン酸(100μg/
ml)、チシン(20μg/ml)を含有するL
−寒天プレート上に塗沫して37℃で一夜培
養する。出現したコロニーについて、カナ
マイシン(20μg/ml)を含む寒天プレー
トとアンピシリン(20μg/ml)を含寒天
プレートにそれぞれ対応させて塗沫し、ア
ンピシリンを含むプレートでのみ増殖した
コロニーを選択する。pACYC177はアン
ピシリン耐性遺伝子とカナマイシン耐性遺
伝子を有するが、カナマイシン耐性遺伝子
中にあるXho部位にHBVDNAが挿入さ
れることによりカナマイシン耐性が消失さ
れる。すなわち選択されたコロニーは
pACYC177−HBVDNAの組換えDNAを
保持している。得られたコロニー数個につ
いて、「代謝」第17巻、第4「リパーゼ」第
81〜89頁(1980)に記載される方法に従い
プラスミドを調製する。得られたプラスミ
ドをPHBVと称す。このPHBVを制限酵素
Xhoで処理すると3.2Kbの全HBVDNA
フラグメントが得られ、またXhoと
BamHIで処理するとHBsAg遺伝子を含む
約1.3Kbのフラグメントが得られる(第1
図参照)。 (2) シヤトルベクターpAM81、82、83および84
の調製 酵母S288CDNAバンクより得られた抑制性
酸性ホスフアターゼを構成する60000ダルトン
のポリペプチド(P60)の遺伝子を含む約8000
ヌクレオチド対(8Kb)の制限酵素EcoR断
片を大腸菌プラスミドpBR322のEcoR部位
に挿入して得られるプラスミドを出発材料と
し、これを制限酵素Salで切断し、さらに
T4DNAリガーゼにより再アニールさせて
pBR322のSal部位から酸性ホスフアターゼ
遺伝子断片の5.2Kb側を失つたプラスミド
pAT25(これはpBR322のアンピシリン耐性遺
伝子を含むEcoR部位からSal1部位までの約
3.7Kbの断片と酵母菌の酸性ホスフアターゼ遺
伝子のEcoR部位からSal部位までの約
2.8Kbの断片がそれぞれ対応する末端同士で結
合したプラスミドである)を得る。 つぎに、このpAT25のEcoR部位に、プラ
スミドYRP7をEcoRを処理することによつ
て得られるars1およびTrp1遺伝子を含む1.4Kb
のEcoR断片を挿入してプラスミドpAT26を
得る、(このars1−Trp1を含む断片は、その
Trp1遺伝子内に制限酵素Hindの認識部位を
1個有する)。 上記pAT26のHind部位に、プラスミド
pSLE1をHindで処理して得られる酵母の
Leu2および2μoriを含むHind断片を挿入して
シヤトルベクターpAT77を得る。 上記の方法で得られたpAT77(1μg)をSal
で開裂したのち、20mMトリス−HCl(PH
8.2)、12mMCaCl2、12mMMgCl2
0.2MNaCl、1mMEDTA溶液50μ中で0.1U
のエキソヌクレアーゼBAL31を30秒〜1分間
作用させる。ついでフエノール抽出、エタノー
ル沈澱を行なつたのち、Xhoリンカー1pmol
とT4DNAリガーゼの反応条件下で12時間結合
を行なう。この反応溶液で大腸菌x1776を形質
転換し、得られたアンピシリン耐性の形質転換
体よりプラスミドDNAを調製し、各DNAにつ
いてマキサム−ギルバートの方法(Maxam、
A、&Gilbert、W.;Pro.N.A.S.、74、560〜
564を参照)に従い、塩基配列を調べ、BAL31
処理により除去された酸性ホスフアターゼ遺伝
子領域を決定する。これらの中からホスフアタ
ーゼ構造遺伝子領域が完全に除去されたプラス
ミドpAM81、pAM82、pAM83およびpAM84
を得る。 ホスフアターゼ構造遺伝子の産物P60の最初
のアミノ酸であるメチオニンをコードするコド
ンATGのAを+1として、pAM81は+2ま
で、pAM82は−33まで、pAM83は−50まで、
pAM84は−51まで、それぞれ除去されたもの
である。なお、このpAM82をサツカロミセ
ス・セレビシエAH22に組込んだものは微工研
菌寄第6668号;微工研条寄第313号として寄託
している。 (3) HBsAg遺伝子発現プラスミドの調製 () HBs遺伝子全体が組込まれたプラスミド
の調製 プラスミドPHBVをXhoで処理して得ら
れるHBVDNAと、Xhoで開裂されたシヤ
トルベクターpAM81、pAM82、pAM83お
よびpAM84のそれぞれを分子比5:1で
T4DNAリガーゼによりアニールさせたの
ち、この反応溶液で大腸菌x1776を形質転換
する。得られたアンピシリン耐性の形質転換
体よりプラスミドDNAを調製し、これらに
ついて制限酵素Xho、Xba、Hindで
分析することにより、ベクターへの
HBVDNAの組込みおよびその方向を確認す
る。 選び出されたプラスミドはベクターのホス
フアターゼプロモーターの下流にHBVDNA
がHBs遺伝子、HBc遺伝子の順に並ぶ向き
に挿入されたものであり、これらがHBsAg
遺伝子発現プラスミドであつて、シヤトルベ
クターpAM81、pAM82、pAM83および
pAM84にHBVDNAを組込んだものをそれ
ぞれpAH201、pAH203、pAH205および
pAH207と称する。 () HBsAg遺伝子フラグメントが組込まれ
たプラスミドの調製 プラスミドpHBVをBamHで処理して
切断し、そのHBsAg遺伝子フラグメント3μ
gに対し、200μMのαATP、αCTP、αTTP
およびαGTPを含む67mMトリス−HCl(PH
8.6)、6.7mMMgCl2、10mM2−メルカプト
エタノール、6.7μMEDTA、16.7mMAm
SO4溶液100μ中で、T4DNAポリメラーゼ
0.2Uを30分間作用させ、PamH切断末端
を埋める。ついでフエノール抽出、エタノー
ル沈澱を行なつたのち、これとXhoリンカ
ーとを1:10の分子比でT4DNAリガーゼに
よる結合反応を行なう。フエノール抽出、エ
タノール沈澱ののち、これをさらにXhoで
処理すると両端がXho切断末端となつた約
1.3KbのHBsAg遺伝子フラグメントが得ら
れる。このフラグメントとXhoで開裂され
たシヤトルベクターpAM82とを分子比5:
1にてT4DNAリガーゼによりアニールさせ
たのち、前記()と同様にして大腸菌
x1776を形質転換してプラスミドDNAを調
製する。得られたプラスミドは、ベクター
pAM82のホスフアターゼプロモーターの下
流にHBsAg遺伝子が正しい向きに挿入され
たものであり、これをpAS101と称する。 (4) 形質転換酵母の調製 酵母としてサツカロミセス・セレビシエ
AH22[a leu2 his4 can1(Cir+)](微工研菌
寄第6667号:微工研条寄第312号)を用い、こ
れをYPD培地(2%ポリペプトン、1%イー
ストエキス、2%グルコース)100mlに接種し、
30℃で一晩培養したのち、遠心して集菌する。
滅菌水20mlにて菌対を洗浄し、ついで1.2Mソ
ルビトールおよび100μg/mlチモリアーゼ
60000(生化学工業製)の溶液5mlに懸濁させ、
30℃で約30分間保ち、スフエロプラスト化す
る。ついで、スフエロプラストを1.2Mソルビ
トール溶液で3回洗浄したのち、2Mソルビト
ール、10mMCaCl2および10mMトリス−HCl
(PH7.5)の溶液0.6mlに懸濁させ、その60μず
つを小試験管に分注する。これに前記(3)で調製
した組換えプラスミドpAH203溶液30μを加
え、充分混合し、さろに0.1MCaCl2(3μ)を
加えて最終濃度10mMCaCl2とし、室温に5〜
10分間放置する。ついでこれに、20%ポリエチ
レングリコール4000、10mMCaCl2および10m
Mトリス−HCl(PH7.5)溶液1mlずつを加えて
混合し、室温に約20分間放置する。この混合液
0.2mlずつを45℃に保温された再生培地(22%
ソルビトール、2%グルコース、0.7%イース
トニトロゲンベースアミノ酸、2%YPD、20μ
g/mlヒスチジン、3%寒天)10mlに加え、軽
く混合させ、予め準備された1.2Mソルビトー
ル含有最小培地(0.7%イーストニトロゲンベ
ースアミノ酸、2%グルコース、20μg/mlヒ
スチジン、2%寒天)プレートに重層し、固化
させたのち、30℃で培養してロイシン非要求性
酵母のコロニーを得る。このコロニーを20μ
g/mlヒスチジンを含むバルクホルダーミニマ
ルメデイウム(Tohe、A.etal;J.Bacterol.、
113、727〜738(1973)を参照]にて培養して形
質転換酵母サツカロミセス・セレビシエ
pAH203を得る。 上記の方法において、組換えプラスミド
pAH20.の代わりにpAS101、pAH201および
pAH205を用い、それぞれ下記の形質転換酵母
を得る。 サツカロミセス・セレビシエpAS101、 サツカロミセス・セレビシエpAH201、 サツカロミセス・セレビシエpAH205。 (5) 形質転換酵母によるHBsAgの製法 前記(4)で得られた形質転換酵母の各コロニー
をさらに20μg/mlヒスチジンを含むバルクホ
ルダーミニマルメデイウムの寒天プレート上に
塗布し、30℃にて培養してコロニーを形成させ
る(ロイシン非要求性となつた形質転換体の再
確認のため)。ついでこのコロニーから菌体を
分離し、20μg/mlヒスチジンを含むバルクホ
ルダーミニマルメデイウム10mlに接種し、30℃
にて培養を行なう。約24時間後、対数増殖期に
おる菌体を遠心して集菌し、これをリン酸を含
まない最小培地(バルクホルダーミニマルメデ
イウムに含まれるKH2PO4をKClで置換し、さ
らに20μg/mlヒスチジンを加えたもの)10ml
に菌数約4×106cells/mlになるように懸濁し、
30℃にて約24時間培養を続けたのち、4000回
転、10分間の遠心により菌体を集める。この菌
体を1.2Mソルビトール、50mMリン酸緩衝液
(PH7.2)、14mM2−メルカプトエタノール、
100μg/mlザイモリエース60000の溶液3mlに
懸濁させ、30℃にて30分間ゆるやかに振盪して
スフエロプラスト化し、遠心分離によりこれを
集める。このスフエロプラストを0.1%トリト
ンX−100、50mMリン酸緩衝液(PH7.2)1ml
に充分懸濁し、数回激しく撹拌し、7000回転に
て10分間遠心して得られる上清液を酵母溶菌液
としてとる。 この溶菌液20μをHBs抗原RIAキツト(ア
ボツト社製)によりHBs抗原活性を測定した。
その結果を第1表に示す。 【表】 また、前記のようにして得られた酵母溶菌液
(S.セレビシエAH22/pAH203由来)につい
て、前記HBs抗原検出用キツト(アボツト社
製)を用いた平行線検定法(厚生省薬務局監
修、生物学的製剤基準解説、435頁、1973)に
従い、抗原量および抗原の反応性を推定した。
なお、対照抗原としては、ヒト由来の精製Hs
抗原を用いた。この結果を第6図に示す。第6
図に示されるように、抗原量は2μg/mlと比
較的高濃度であつた。しかも、直線の平行性に
より本発明に基づいて産生さHBs抗原はヒト
由来の精製抗原の持つ反応性とほぼ同じ性質を
持つことが理解できる。 さらに、上記溶菌液を10匹のモルモツト(体
重300〜380g)に0.4mlずつ1週間おきに3回
皮下に接種すると、すべてのモルモツトに抗
HBs抗体が出現することが、抗HBs抗体検出
用キツト(アボツト社製「オーサブ」)により
認められた。 以上により、本発明で得られる宿主・ベクター
系およびHBs抗原の製法が、B型肝炎起因物質
(デイン粒子)に対する免疫原物質を効率よく与
えるきわめて有用な手段および方法であることが
わかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いられるHBV遺伝子を含
むHBVDNAフラグメントの構造、第2図はHBs
遺伝子のアミノ酸配列、第3図はシヤトルベクタ
ーpAT77およびpAM82の構造、第4図は該シヤ
トルベクターの酸性ホスフアターゼプロモーター
付近の遺伝子地図、第5図はそのBstE−Sal
領域の塩基配列を示す。第6図は本発明で得られ
る酵母溶菌液についての平行線検定法による抗原
量および抗原の反応性を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酵母の遺伝子と大腸菌の遺伝子とを含みかつ
    酵母の抑制性酸性ホスフアターゼ形質発現調節領
    域を担つたプラスミドベクターに、該ホスフアタ
    ーゼプロモーターの抑制下にB型肝炎ウイルス遺
    伝子を組込んだ組換えプラスミドであつて、該酵
    母の遺伝子がars1、2μoriならびに形質転換酵母
    の選択マーカーとなる遺伝子を含み、該大腸菌の
    遺伝子が大腸菌プラスミドpBR322に由来し、形
    質転換大腸菌の選択マーカーとなる遺伝子を含
    み、さらに該抑制性酸性ホスフアターゼ形質発現
    調節領域がホスフアターゼを構成する60000ダル
    トンのポリペプチドの遺伝子であり、その酸性ホ
    スフアターゼの構造遺伝子の全部が除去され、さ
    らに該構造遺伝子の上流の+1〜−50bpの範囲
    の適当な部位までが除去されているプラスミドを
    用いて酵母を形質転換させ、この形質転換細胞を
    培養することを特徴とするB型肝炎ウイルス表面
    抗原の製法。 2 該形質転換酵母の選択マーカーとなる遺伝子
    がロイシン産生遺伝子、ヒスチジン産生遺伝子、
    トリプトフアン産生遺伝子、ウラシル産生遺伝子
    およびアデニン産生遺伝子から選ばれる1種また
    は2種以上である前記第1項記載の製法。 3 該形質転換大腸菌の選択マーカーとなる遺伝
    子が、アンピシリン耐性遺伝子およびテトラサイ
    クリン耐性遺伝子から選ばれる1種または2種で
    ある前記第1項記載の製法。 4 該組込みB型肝炎ウイルス遺伝子がアミノ酸
    226個に相当するHBs遺伝子全体を含むフラグメ
    ントである前記第1項記載の製法。 5 該HBs遺伝子全体を含むフラグメントが、
    制限酵素XhoIで開裂されたHBVDNA全体であ
    る前記第4項記載の製法。 6 該HBs遺伝子全体を含むフラグメントが、
    制限酵素XhoIおよびBamHIの処理によつて得ら
    れるフラグメントである前記第4項記載の製法。 7 該酸性ホスフアターゼ構造遺伝子の上流の+
    1〜−33bpの範囲の適当な部位までが除去され
    ている前記第1項記載の製法。
JP10743486A 1986-05-10 1986-05-10 B型肝炎ウイルス表面抗原の製法 Granted JPS6291196A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10743486A JPS6291196A (ja) 1986-05-10 1986-05-10 B型肝炎ウイルス表面抗原の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10743486A JPS6291196A (ja) 1986-05-10 1986-05-10 B型肝炎ウイルス表面抗原の製法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57142460A Division JPS5931799A (ja) 1982-08-16 1982-08-16 B型肝炎ウイルス遺伝子を組込んだ組換えプラスミド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6291196A JPS6291196A (ja) 1987-04-25
JPH0352960B2 true JPH0352960B2 (ja) 1991-08-13

Family

ID=14459043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10743486A Granted JPS6291196A (ja) 1986-05-10 1986-05-10 B型肝炎ウイルス表面抗原の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6291196A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02145193A (ja) * 1988-11-19 1990-06-04 Lotte Confectionery Co Ltd 遺伝子の組換えによる酵母でのヒト・アルファ・インターフェロンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6291196A (ja) 1987-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6155950B2 (ja)
Kann et al. Effect of core protein phosphorylation by protein kinase C on encapsidation of RNA within core particles of hepatitis B virus
KR930002263B1 (ko) 동결건조된 b형간염 백신의 제조방법
NL192880C (nl) Nucleïnezuur dat voor het oppervlakte-antigeen van een Hepatitis B virus codeert, peptide waarvoor het codeert, vector die het nucleïnezuur bevat , hybride-eiwit waarvoor het in de vector ingevoegde nucleïnezuur codeert, en vaccin dat het hybride-eiwit bevat.
US4816564A (en) Method for producing hepatitis B virus proteins in yeast
US5314808A (en) Method for the transformation of cells, particularly eukaryotes by a DNA originating from viruses of hepatitis, more particularly from virus of a B viral hepatitis, and preparations containing the expression products of said DNAs
US5024938A (en) Recombinant DNA inserted with hepatitis B virus gene, mammalian cells transformed with cloned viral DNA, and production of hepatitis B virus proteins
US4738926A (en) Method for purification of HBs antigen
EP0105149B1 (en) Recombinant plasmid containing hepatitis b virus gene, yeast transformed with said recombinant plasmid, and production of hepatitis b virus surface antigen
JP2603312B2 (ja) 酵母中でb型肝炎ウイルス蛋白質を生産するための方法
JPH02464A (ja) 酵母arg3調節域含有ベクター
JPH0655146B2 (ja) シヤトルベクタ−
JPH0532022B2 (ja)
JPH0352960B2 (ja)
JPS6155951B2 (ja)
US4983520A (en) DNA sequence encoding modified hepatitis B virus surface antigen P31 protein
JPH084507B2 (ja) 新規dnaおよびポリペプチド
US5164485A (en) Modified hepatitis B virus surface antigen P31 and production thereof
JPS6170989A (ja) 組み換えdnaおよびその用途
JP2648122B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびその製造法
KR900005534B1 (ko) 복합 프로모터를 이용한 효모 발현 벡터에 의한 b형 간염 바이러스 표면항원들의 제조방법
IE59389B1 (en) Method for producing hepatitis b virus core antigen (HBcAg) in yeast
JPH06153962A (ja) P31修飾蛋白質をコードするdna