JPH06153962A - P31修飾蛋白質をコードするdna - Google Patents

P31修飾蛋白質をコードするdna

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JPH06153962A
JPH06153962A JP5110289A JP11028993A JPH06153962A JP H06153962 A JPH06153962 A JP H06153962A JP 5110289 A JP5110289 A JP 5110289A JP 11028993 A JP11028993 A JP 11028993A JP H06153962 A JPH06153962 A JP H06153962A
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幸夫 藤沢
Yasuaki Ito
康明 伊藤
Tadashi Nishimura
紀 西村
Tomoko Fujii
朋子 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はワクチンとして有用なB型肝炎ウイル
ス表面抗原の製造に有用なDNAおよび形質転換体を提
供する。 【効果】P31修飾蛋白質はHBV感染の診断のための
抗原およびHBVの予防のためのワクチンとして用いる
ことができる。 【構成】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質のトリ
プシン様プロテアーゼ感受性部位を不感受性化せしめる
ように修飾したB型肝炎ウイルス表面抗原活性および重
合ヒト血清アルブミン結合能を有するP31修飾蛋白質
をコードするDNAを含有するDNAならびに当該DN
Aを保持する形質転換体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワクチンとして有用な新
規P31修飾蛋白質をコードするDNAおよびそれを保
持する形質転換体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】B型
肝炎は、特に熱帯アフリカ、東南アジアおよび極東にお
いて多発するウイルス性疾患であり、慢性肝炎や肝硬
変、さらには原発生肝ガンの原因にもなることが疫学的
に示唆されている。病因は、DNAウイルスの1種であ
るB型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus; 以下、HB
Vと略称する)で、それは直径42nmの球状粒子で発見者
の名を冠してデン(Dane)粒子と呼ばれる。その外層に
は、HBV表面抗原(以下、HBsAgと略称する)があり、
その抗原性の違いによってadr, adw,ayr, ayw などのサ
ブタイプに分けられているが、日本で見いだされるのは
adw型および adr型である。B型肝炎患者の血中には、
デン粒子のほかに小型粒子や管状粒子が検出され、これ
らの粒子にはデン粒子と同じ型のHBsAgが認められてい
る。ウイルスの表在性抗原に対する抗体がそのウイルス
の感染を防御することは他のウイルスでも知られてお
り、HBVの場合にもHBsAgをもとにB型肝炎に対する
ワクチンの製造が考えられる。ところが、HBVはヒト
やチンパンジーにしか感染せず、培養細胞への感染の試
みは成功していない。そのためHBsAgはヒト感染者血中
からの入手に限定されており、得られた小型粒子などは
診断用試薬の材料としての需要を満たしても、ワクチン
の大量の製造のためには不十分な状態である。
【0003】分子生物学の最近の進歩により非細菌性の
蛋白質をコードするDNAを細菌に導入し、形質転換さ
せることが可能になってきた。この遺伝子組み換えの技
術を応用し、HBsAg構造遺伝子(以下、HBsAg遺伝子と略
称する)を細菌内で発現させることができれば、HBV
感染の危険性のないHBsAgを大量に調製することが可能
になり、B型肝炎ワクチンの実用化への道が開かれる。
現在知られている4種のサブタイプすなわちadw, adr,
ayw, ayr のうち、欧米に多いayw型についてはHBsAg遺
伝子の存在部位およびその塩基配列が決定され〔Galibe
rt, F. ら, Nature, 281, 646(1979); Charnay, P. ら,
Nucleic AcidsRes., 7, 335(1979)〕, 雑種蛋白質とし
て大腸菌内での発現が報告されている〔Charnay, P.ら,
Nature, 286, 893(1980); Edman, J. C. ら, Nature,
291, 503(1981)〕。
【0004】また、日本で多く見出されている adw型お
よび adr型については、本発明者らの一部はHBsAg遺伝
子を含むDNAの創製に成功し、当該遺伝子のDNA塩
基配列ならびにゲノム上の位置を決定し、さらにこの組
み換えDNAを含有する形質転換体を培養してHBsAgを
大量生産する途を開いた(特開昭58−194897号公報, 特
開昭58−201796号公報, 特開昭59−74985号公報)。
【0005】最近、Machida, A. ら〔Gastroenterolog
y, 85, 268(1983); 同誌, 86, 910(1984)〕 によって示
されたように、B型肝炎ウイルスe 抗原陽性の患者血漿
から得られたHBsAg小型粒子中には、従来同定されてい
たP−I(分子量22〜24キロ・ダルトン), P−II(分子
量25〜29.5キロ・ダルトン)などの主要ペプチドに加
えて〔Peterson, D. L. ら, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 7 4, 1530(1977)〕,P31蛋白質(分子量31キロ・ダル
トン)とP35蛋白質(P31に糖が結合した複合蛋白で分子
量35キロ・ダルトン)が存在していることが証明され
た。P31はP−IのN末端にpre-S領域の55個のアミノ
酸残基が付加したもので、この領域中に重合ヒト血清ア
ルブミン(poly−HSA)の受容体が存在していることも
明らかにされている。さらに上記1984年の報告で、上記
P−31蛋白質が糖鎖を有することも明らかにされてい
る。一方、肝細胞表面にもpoly-HSAおよびその受容
体があることから、poly−HSAを介してデン粒子が肝
細胞に付着し増殖がおこると考えられている。従って、
デン粒子上のpoly−HSA受容体がP31に対する抗体で
マスクされれば、該粒子は肝細胞と結合できなくなりH
BV感染がより有効に予防できると期待されている。
【0006】一方、P31を各種のプロテアーゼ、例えば
トリプシンで限定分解すると、選択的にP31のN末端側
より48番目のアルギニンの部位で切断され、分子量28K
ダルトンの蛋白質(P28)が生成される。またP31遺伝子
を酵母内で発現させた場合にも、その遺伝子産物は菌体
内に多量に存在するトリプシン様プロテアーゼによって
分解されてP28が生成される傾向がある〔図1〕。この
P28以外に、P31のN末端側より16と18番目のアルギニ
ンや177と196番目のリジンは酵母中に存在するトリプシ
ン様プロテアーゼによって分解され、 30, 21, 19Kダル
トンなどの蛋白質が生成される可能性がある。
【0007】先にもふれたように、B型肝炎ウイルスe
抗原陽性の患者血漿から得られたHBsAg小型粒子中に
は、P−IおよびP−IIなどの主要ペプチドに加え、P
31蛋白質とP35蛋白質(P31に糖が結合した複合蛋白質
で分子量35キロ・ダルトン)が存在している〔Stibbe,
W. ら, J. Virol., 46, 626( 1983)〕。特に感染力を
有するDane粒子と呼ばれるHBV本体は、その表面抗原
としてP−I,P−IIの他に、P31蛋白質やP35蛋白質
を有している。HBVの感染を防御するためのワクチン
として望ましいものは、Dane粒子の持つ表面抗原の種類
をできるだけ多くそなえているものである。すなわち、
P−IやP−IIの他に、P31蛋白質やP35蛋白質がワク
チンに含まれていることが望ましい。組換えDNA技術
によるB型肝炎ウイルスに対するワクチンの製造の試み
は、現在世界中でなされているが、上記の条件を満たし
たものは、動物細胞を使ったMichel, M. L. ら〔Proc.
Natl.Acad. Sci. U.S.A., 81, 7708(1984); Bio/Techno
logy, 3,561(1985)〕の報告のみである。しかし、彼ら
は動物細胞を宿主として使用しているため、コストが非
常に高くなる欠点を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は(1)
B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質のトリプシン様プ
ロテアーゼ感受性部位の少なくとも1ケ所を不感受性化
せしめるように修飾したB型肝炎ウイルス表面抗原活性
および重合ヒト血清アルブミン結合能を有するP31修飾
蛋白質をコードするDNAを含有するDNA,(2) B型
肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質のトリプシン様プロテ
アーゼ感受性部位の少なくとも1ケ所を不感受性化せし
めるように修飾したB型肝炎ウイルス表面抗原活性およ
び重合ヒト血清アルブミン結合能を有するP31修飾蛋白
質をコードするDNAを含有するDNAを保持する形質
転換体,および(3) B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白
質のトリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも
1ケ所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウ
イルス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合
能を有するP31修飾蛋白質をコードするDNAおよびB
型肝炎ウイルス表面抗原P25蛋白質をコードするDNA
を含有するDNAを保持する形質転換体を培養すること
を特徴とする、B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
トリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも1ケ
所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウイル
ス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合能を
有するP31修飾蛋白質およびB型肝炎ウイルス表面抗原
P25蛋白質の製造法を提供するものである。
【0009】本発明のP31修飾蛋白質をコードするDN
Aは、いずれのサブタイプ(adr, adw, ayr, ayw)のもの
であってもよく、たとえばそれらは下記の方法によって
調製することができる。特開昭59−74985号公報またはN
ucleic Acids Res., 11, 1747(1983)に記載されている
3.19kbの adr型HBV・DNAが組み込まれたプラスミ
ドpBR322−BamHI/HBr330(pHBr330と略称)を制限酵素Eco
RIとBamHIで2重消化すると、pre−S領域の一部を含む
1398bpのDNA断片を得ることができる。この断片に
【化1】 の配列を含む適当なアダプターを結合させることによっ
てP31をコードするDNAを作製し、適当なベクターに
挿入する。他のサブタイプのP31をコードするDNAも
上記と同様な方法で調製することができる。トリプシン
様プロテアーゼ感受性部位の一つであるP31のN末端側
より48番目のアルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を
欠損、あるいは他のアミノ酸またはペプチド鎖に置換し
たP31修飾蛋白質をコードするDNAを作製するには、
たとえば次のような方法で行なえばよい。
【0010】adr型P31遺伝子の場合には、〔図2〕に
示されるようにN末端側より48番目のアルギニンをコー
ドする領域に制限酵素XhoI認識部位が存在する。従って
P31遺伝子をXhoIで切断した後、エキソヌクレアーゼた
とえばヌクレアーゼBAL31でアルギニンをコードする領
域を除去するか、あるいはXhoI切断部位をDNAポリメ
ラーゼ・ラージ・フラグメントで修復した後、適当なリ
ンカーを挿入することによってアルギニンのコドンを消
去することができる。その中で遺伝子の読み枠(フレー
ム)が正しく保たれて(in phase)いるものを選び出せば
よい。また、P31修飾蛋白質をコードするDNAは化学
合成したものでもよい。その際、48番目のアルギニンま
たはそれを含むペプチド鎖をコードする配列を欠損させ
るか、あるいは他のアミノ酸またはペプチドをコードす
るコドンに置換して、読み枠を正しく保つように合成す
ればよい。
【0011】また、〔図5〕に示されたプラスミドpBR
−Sal−6を制限酵素SalIとXbaIで分解して得られる267b
pDNA断片を、ベクターM13 mp11のSalI−XbaI部位
に挿入し、 これを大腸菌JM103(Pharmacia P-L Bioche
micals)に感染させる。成育後、ブロス中に放出された
M13ファージをポリエチレングリコールで沈澱させ、つ
いでフェノール処理によってM13ファージ1本鎖DNA
を得ることができる。次に、P31のN末端側より48番目
のアルギニンのコドンAGGを、例えばグルタミンのコド
ンCAGに変換するためのプライマー例えばd5′(CCCAGTCT
GCGAGAAG)3′を化学合成によって作製することができ
る。このプライマーと先に調製したM13DNAとを混合
し、DNAポリメラーゼIラージ・フラグメントの作用
によって2本鎖にしたのち、T4DNAリガーゼの作用
によって環状化することができる。この環状DNAを大
腸菌JM103に導入し、放出されてくるM13ファージD
NAをフィルターに転移させたのち、32Pで標識した該
合成プライマーを用いてプラーク・ハイブリダイジーシ
ョン〔Maniatis, T. ら Molecular Cloning, A Laborat
ory Mannual,Cold Spring Harbor Laboratory, P. 312
(1982)〕を行う。強いシグナルが検出されたファージか
らDNAを調製し、制限酵素SalI−XbaIで分解して267b
pDNA断片を得ることができる。該断片をプラスミドp
BR−Sal−6の267bpSalI−XbaI断片と置換すればP31修
飾蛋白質をコードするDNA(修飾P31遺伝子)が得られ
る。
【0012】なお、adw型およびadyw型のP31をコード
するDNA上にはXhoI認識部位が存在しないため、修飾
P31遺伝子は上述の site−directed mutagenesis〔Smi
th,M. and Gillam, S., Genetic Engineering 3, 1(198
1)〕の手法によって作製することができる。HBsAg遺伝
子の全体または一部を含むプラスミドDNA、コスミド
DNA、ファージDNAなどをsite-directed mutagene
sisのための鋳型DNAとして用いることができる。M1
3ファージやφX174ファージは、 1本鎖DNAが容易に
調製できるので、鋳型DNAとしてより望ましい。例え
ばM13ファージやφX174ファージにHBsAg遺伝子の全体
または一部が組み込まれたものを使用する時は、ブロス
中に存在するファージ粒子をポリエチレングリコールで
沈澱させ、フェノール処理で除蛋白を行い、ついでエタ
ノール沈澱を行いファージ粒子内にあった1本鎖DNA
を得ることができる。また鋳型DNAとしてHBsAg遺伝
子の全体または一部が組み込まれた2本鎖のプラスミド
DNAやコスミドDNAを用いる時は、2本鎖DNAを
100℃で1分から10分、 望ましくは3分から5分熱処理
した後、氷水で急冷し1本鎖DNAに変性させて使用す
ることができる。
【0013】site-directed mutagenesisのためのプラ
イマーは、変換しようとするDNA配列を持ち、鋳型D
NAとハイブリダイズしてDNA合成時のプライマーと
して機能しうるものであれば、どのようなDNA配列の
ものでもよい。またプライマーの作製は、どのような方
法でもよいが、化学合成で適当な配列の1本鎖DNAを
作ることが望ましい。このようなプライマーと先に調製
した1本鎖DNAとを混合し、DNAポリメラーゼIラ
ージ・フラグメントの作用によって2本鎖DNAに修復
した後T4DNAリガーゼの作用によって環状化するこ
とができる。この環状DNAを大腸菌に導入した後ラジ
オアイソトープで標識したプライマーをプローブに用い
て、プラーク・ハイブリダイゼイション〔Maniatis, T,
ら Molecular Cloning, A Laboratory Mannual, Cold
Spring Harbor Laboratoy, P.312(1982)〕や、 コロニー
・ハイブリダイゼイション〔同P.326〕を行い、目的と
する変異体を選び出すことができる。このようにして得
られたプラークやコロニーからファージDNAやプラス
ミドDNAを調製し、該DNAを用いて修飾P31遺伝子
を作製することができる。
【0014】N末端側より48番目のアルギニンを含むア
ミノ酸またはペプチドを欠損させる場合、48番目のアル
ギニンのみを欠損させるようにDNAを構築してもよ
く、また48番目のアルギニンを含むペプチドを欠損させ
るように構築してもよい。欠損させるペプチドは、 該ペ
プチドが欠損してもHBsAg活性および重合ヒト血清アル
ブミンとの結合能を保持できるものであれば、いかなる
大きさであってもよいが、N末端側より26〜55番目のペ
プチド鎖内で48番目のアルギニンを含むペプチドを欠損
させたものが好ましく、44〜49番目のペプチド鎖内で48
番目のアルギニンを含むペプチドを欠損させたものがさ
らに好ましい。また、48番目のアルギニンまたはそれを
含むペプチドを欠損させ、アルギニン, リジン以外のア
ミノ酸, ペプチド鎖を付加させてもよく、付加させるペ
プチド鎖内のアミノ酸数は1〜50個程度、好ましくは1
〜4個程度である。上述のsite−directed mutagenesis
の手法により、N末端側より16および18番目のアルギニ
ン, 177および196番目のリジンをリジン, アルギニン以
外のアミノ酸のコドンに置換して修飾P31遺伝子を作製
することができる。
【0015】上記のトリプシン様プロテアーゼ感受性部
位のなかで、少なくともP31のN末端側より48番目のア
ルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を修飾することが
好ましく、P31のN末端側より48番目のアルギニンまた
はそれを含むペプチド鎖のみを修飾することがさらに好
ましい。上記の付加または置換に用いられるリジン, ア
ルギニン以外のアミノ酸のコドンとしては、たとえばア
スパラギン, アスパラギン酸, アラニン, イソロイシ
ン, グリシン, グルタミン, グルタミン酸, システィ
ン, セリン, チロシン, トリプトファン, スレオニン,
バリン, ヒスチジン, フェニルアラニン, プロリン,メ
チオニン,ロイシンなどのコドンがあげられる。このP3
1修飾蛋白質をコードするDNAを各種宿主(例、大腸
菌, 枯草菌, 酵母, 動物細胞)で機能するプロモーター
領域の3'末端に挿入することにより、修飾P31をコー
ドするDNAを発現させうる組み換えDNAを構築する
ことができる。
【0016】プロモーター領域は、RNAポリメラーゼ
が結合することによってmRNA合成を開始させるのに必要
な部位を含む領域であれば、いかなるものであってもよ
い。たとえば大腸菌を宿主として用いる場合、修飾P31
をコードするDNAを大腸菌で機能しうるプロモーター
領域の3'末端に挿入すれば、修飾P31をコードするD
NAを発現しうる組み換えDNAが構築できる。たとえ
ば、特開昭58−201796号公報に記載の発現用ベクターpT
RP601, pTRP771などに、修飾P31をコードするDNAを
T4DNAリガーゼの作用により挿入する。この反応液
を用いて、大腸菌(例、C600株, 294株, W3110株, R
R1株, PR13株など)を公知の方法〔Cohen, S. N. ら,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 2110(1972)〕もし
くはそれに準ずる方法によって形質転換する。使用する
プロモーターは、trpプロモーター(trp−p)に限定する
必要はなく、たとえばrecAプロモーター〔特開昭59−65
099号〕, lacプロモーター, λPL プロモーターなどを
使用してもよい。
【0017】上記のようにして得られたP31修飾蛋白質
をコードするDNAを含む新規な組み換えプラスミドD
NAを保持する形質転換体は、たとえばアンピシリン耐
性,テトラサイクリン耐性あるいはこれら両薬剤耐性を
表現形として選ぶことができる。これらの耐性株の中か
らP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する新規な
組み換えプラスミドDNAを保持する菌株を探し出すに
は、たとえば次の手法が用いられる。前述したアダプタ
ーの一方の鎖, 5′AATTCCACTGCATTGTAT3′ をT4ポリヌ
クレオチド・キナーゼによってγ−32P−ATP を用いて
放射性同位元素で標識し、これを探針(プローブ)とし
て、それ自体公知のコロニー・ハイブリダイゼーション
法〔Grunstein, M. and Hogness, D. S., Proc. Natl.
Acad. Sci.USA, 72, 3961(1975)〕 によって、すでに得
た薬剤耐性の形質転換体の中から陽性を示すクローンを
確実に探し出すことができる。このようにして選択され
た形質転換体をそれ自体公知の培地で培養する。培地と
しては、例えばLブロス, ペナセイ(Penassay)ブロスお
よびグルコース, カザミノ酸を含むM−9培地〔Mille
r, J., Experiments in Molecular Genetics, 431−433
(Cold Spring Harbor Laboratory, New York, 1972)〕
が挙げられる。ここに、必要によりプロモーターを効率
よく働かせるために、たとえば3β−インドリルアクリ
ル酸のような薬剤を加えることができる。
【0018】該形質転換体の培養は通常15〜43℃, 好ま
しくは28〜40℃で2〜24時間, 好ましくは4〜16時間行
い、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿主
として、たとえば酵母を利用するときは、酵母形質転換
体を次のように作製することができる。大腸菌−酵母シ
ャトル・ベクターYEp13〔Broach, J. R.ら, Gene, 8, 1
21(1979)〕, pSH15とpSH19〔Harashima, S. ら, Mol. C
ell.Biol., 4, 771(1984)〕に、酵母プロモーター領域,
たとえば抑制性酸性ホスファターゼ遺伝子プロモータ
ー領域〔Meyhack, B. ら, EMBO J., 6, 675(1982)〕,
グリセルアルデヒド 3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子
のプロモーター領域〔Holland, J. P. and Holland, M.
J., J.Biol. Chem, 255, 2596(1980)〕, あるいは3−
ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子のプロモーター領域
〔Dobson, M. J. ら, Nucleic Acids Res., 10, 2625(1
982)〕を挿入したのち、その直後にP31修飾蛋白質をコ
ードするDNAをT4DNAリガーゼの作用によって結
合させる。またP31修飾蛋白質をコードするDNAの直
後に、転写を終結させる信号(ターミネーター)を挿入
し、P31修飾蛋白質の生産量を増大させることもでき
る。ターミネーターとしては、たとえば3−ホスホグリ
セリン酸キナーゼ遺伝子やグリセルアルデヒド 3−リ
ン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子などの3'−非翻訳領域が
使用できる。この反応液を用いて、前述の宿主大腸菌を
前述のCohenらの方法によって形質転換する。このよう
にして得られたP31修飾蛋白質をコードするDNAを含
む新規な組み換えDNAを保持する形質転換体は、たと
えばアンピシリン耐性を表現型として選ぶことができ
る。この耐性株の中からP31修飾蛋白質をコードするD
NAをもつ新規な組み換えプラスミドDNAを保持する
菌株を探し出すには、前述の方法が同様に用いられる。
【0019】このようにして選択された形質転換体から
プラスミドDNAをアルカリ抽出法〔Birnboim, H. C.
and Doly, J., Nucleic Acids. Res., 7, 1513(1979)〕
によって単離し、 これを用いて酵母、 たとえばロイシン
要求性のサッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces c
erevisiae),たとえばAH22R-(leu2 his4 can1 cir+ pho8
0)〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, 1(1983)〕ある
いはAH22R-より誘導されたK33−7B(pho80−AH22, pho8
−2)またはK33−8D(pho80−AH22, pho8−2 trp1)を、公
知の方法〔Hinnen, A. ら, Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 75, 1927(1978)〕またはそれに準ずる方法によって
形質転換する。宿主としての酵母はこれらに限定される
ことはないが、サッカロミセス・セレビシェが好まし
い。得られた酵母の形質転換体は、それ自体公知の培地
で培養する。培地としては、たとえばBurkholder 最小
培地〔Bostian, K. L. ら, Proc. Natl. Acad. Sci.US
A, 77, 4505(1980)〕が挙げられる。酵母の形質転換体
の培養は通常15℃〜40℃, 好ましくは24℃〜37℃で10〜
96時間, 好ましくは24〜72時間行い、必要により通気や
撹拌を加えることもできる。
【0020】宿主として、たとえば枯草菌, 動物細胞を
使用する場合においては枯草菌, 動物細胞で機能しうる
プロモーター領域の3'末端にP31修飾蛋白質をコード
するDNAを挿入し、自体公知の方法により、該組み換
えDNAで宿主を形質転換させ、形質転換体を培養する
ことにより、P31修飾蛋白質を製造することができる
が、宿主としては酵母がより好ましい。生成物の修飾P
31活性は、たとえば試料をブロムシアンで活性化された
セルロース・ペーパーに結合させたのち、オーストリア
II−125(ダイナボット社製)の125I−抗HBsAg抗体と反
応させるdirect immunoassay法〔Fujisawa, Y. ら, Nuc
leic Acids Res., 11, 3581(1983)〕によって測定する
ことができる。培養後、公知の方法で菌体を集め、大腸
菌の形質転換体の場合には菌体を尿素, 塩酸グアニジン
などの蛋白変性剤を含む緩衝液に懸濁し、冷所で撹拌し
たのち、遠心分離により修飾P31を含む上澄液を得る方
法、あるいは緩衝液に懸濁し、超音波処理、リゾチーム
および(または)凍結融解によって菌体を破壊したのち、
遠心分離により修飾P31を含む上澄液を得る方法などが
適宜用い得るが、例えば菌体を集めて緩衝液に懸濁し、
リゾチームを加えてホモジナイズして溶菌後、尿素(3
〜10M)を含む緩衝液を加え撹拌(0〜10℃で0.5〜8時
間)後、遠心分離して上澄を得る方法が好ましい。
【0021】酵母の形質転換体の場合にはザイモリエー
ス〔キリンビール(株)製〕による溶菌あるいはガラスビ
ースなどによる機械的破砕によって菌体を破壊する。こ
こへ、トリトンX−100, デオキシコーレートなどの界
面活性剤, 尿素あるいは塩酸グアニジンなどの蛋白変性
剤を加えることによって修飾P31をより有利に抽出する
ことができる。修飾P31抽出液を、10mM EDTAと1mMジ
イソプロピルフルオロ燐酸等のプロテアーゼ阻害剤を含
む10mMリン酸緩衝液で平衡化したDEAE-ToyopearlやButy
l-Toyopearlを用いるクロマトグラフイー処理に付すこ
とができる。また、修飾P31の分離・精製は、アフィニ
ティークロマトグラフイー処理によって効率的に実施す
ることができる。これらのカラムに吸着した修飾P31
は、適切に設定した濃度の塩を含む緩衝液を用いて溶出
することができる。修飾P31を含む溶出画分を集め、所
望により限界ろ過等により濃縮することができる。上記
抽出液からのP31修飾蛋白質の分離, 精製は、アフィニ
ティークロマトグラフィー処理を含む精製工程により行
われる。
【0022】アフィニティークロマトグラフィーとし
て、重合ヒト血清アルブミン(poly−HSA)をリガンドと
するアフィニティークロマトグラフィーやHBsAgに対す
る抗体、とりわけモノクローナル抗体を用いる抗体カラ
ム処理が挙げられる。poly−HSAをリガンドとするアフ
ィニティークロマトグラフィーはP31修飾蛋白質の精製
に極めて有利に用いられる。アフィニティークロマトグ
ラフィーの担体としてフォルミルセルロファイン(生化
学工業), アフィゲル−15(バイオラッド社)などが用
いられ、とりわけフォルミルセルロファインが好まし
い。poly−HSAはヒト血清アルブミンを架橋剤(例えばグ
ルタルアルデヒド)を用いて重合することにより製造で
きる。これを上記担体に、例えば還元剤(NaCNBH3など)
を用いて結合させ、所望により洗浄し担体とpoly−HSA
の結合物を得て、これを通常カラムに詰めて使用する。
【0023】P31蛋白質をpoly−HSAをリガンドとする
アフィニティークロマトグラフィーにより精製するに
は、前記P31含有溶液(菌体抽出上澄)を、緩衝液〔リン
酸緩衝液など〕で平衡化した上記カラムに吸着させ、緩
衝液で溶出する。該緩衝液には界面活性剤(Tween 20な
ど)または蛋白変性剤(尿素)などを適量加えて使用で
き、これら添加物の種類や濃度を組合せ、適切な溶出液
として用いることができる。P31蛋白質を含む溶出画分
を集め、所望により限外ろ過等により濃縮する。該濃縮
を、セファクリールS−300などを用いるゲルろ過処理
に付すことができる。修飾P31はvoid volume付近に溶
出される。各種クロマトグラフイーによって得られる修
飾P31を含む画分は、さらに、ショ糖グラジエント超遠
心, 塩化セシウムグラジエント超遠心などの精製工程で
精製することができる。P31修飾蛋白質およびP25蛋白
質を製造するために用いられるP31修飾蛋白質をコード
するDNAは上記のDNAがあげられ、上記の方法に従
って作製することができる。
【0024】サブタイプadw型P25蛋白質をコードする
DNA(P25遺伝子)もまた特開昭58−194897号
公報または、Nucleic Acids Res., 11, 1747(1983)に記
載されている3.2kbのadw型HBV・DNAが組み込まれ
たプラスミドpHBV933から得ることができる。pHBV933か
ら分離したadw型P25遺伝子を大腸菌で直接発現させう
る発現プラスミドpTRP SS-6〔Fujisawa, Y. ら, Nuclei
c Acids Res. 11, 3581(1983)〕をClaIとPstIで2重消
化を行うと、P25遺伝子を含む0.82kbDNA断片を得る
ことができる。他のサブタイプのP25をコードするDN
Aも上記と同様な方法で調製することができる。このD
NA断片に適当なリンカーを付加し、ベクターに組み込
むことができる。なかでも、修飾P31とP25は異なるサ
ブタイプであるものが好ましく、修飾P31がadr型であ
りP25がadw型であるものがさらに好ましい。このP31
修飾蛋白質をコードするDNAと、P25蛋白質をコード
するDNAを各種宿主(例、大腸菌, 枯草菌, 酵母, 動
物細胞)で機能するプロモーター領域の3'末端にそれぞ
れ挿入することにより、修飾P31をコードするDNA
と、P25蛋白質をコードするDNAを同時に発現させう
る組み換えDNAを構築することができる。
【0025】プロモーター領域は、RNAポリメラーゼ
が結合することによってmRNA合成を開始させるのに必要
な部位を含む領域であれば、いかなるものであってもよ
い。たとえば大腸菌を宿主として用いる場合、修飾P31
をコードするDNAおよびP25をコードするDNAを大
腸菌で機能しうるプロモーター領域の3'末端に挿入す
れば、修飾P31およびP25をコードするDNAを発現し
うる組み換えDNAが構築できる。この組み換えDNA
を用いて、大腸菌(例、C600株, 294株, W3110株, R
R1株, PR13株など)を公知の方法〔Cohen, S. N. ら,
Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 69, 2110(1972)〕もしく
はそれに準ずる方法によって形質転換する。使用するプ
ロモーターは、trpプロモーター(trp−p)に限定する必
要はなく、たとえばrecAプロモーター〔特開昭59−6509
9号〕, lacプロモーター, λPL プロモーターなどを使
用してもよい。上記のようにして得られたP31修飾蛋白
質をコードするDNAおよびP25蛋白質をコードするD
NAを含む新規な組み換えプラスミドDNAを保持する
形質転換体は、たとえばアンピシリン耐性,テトラサイ
クリン耐性あるいはこれら両薬剤耐性を表現形として選
ぶことができる。これらの耐性株の中からP31修飾蛋白
質をコードするDNAおよびP25蛋白質をコードするD
NAを含有する新規な組み換えプラスミドDNAを保持
する菌株は前述の方法により探し出すことができる。
【0026】宿主として、たとえば酵母を利用するとき
は、酵母形質転換体を次のように作製することができ
る。大腸菌−酵母シャトル・ベクターYEp13〔Broach,
J. R.ら, Gene, 8, 121(1979)〕, pSH15とpSH19〔Haras
hima, S. ら, Mol. Cell. Biol., 4, 771(1984)〕に、
酵母プロモーター領域,たとえば抑制性酸性ホスファタ
ーゼ遺伝子プロモーター領域〔Meyhack, B. ら, EMBO
J., 6, 675(1982)〕, グリセルアルデヒド 3−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター領域〔Holland,
J. P. and Holland, M.J., J. Biol. Chem, 255, 2596
(1980)〕, あるいは3−ホスホグリセリン酸キナーゼ遺
伝子のプロモーター領域〔Dobson, M. J. ら, Nucleic
Acids Res., 10, 2625(1982)〕を2つ(異種または同種)
挿入したのち、その一方の直後にP31修飾蛋白質をコー
ドするDNAを、他の一方の直後にP25蛋白質をコード
するDNAをT4DNAリガーゼの作用によって結合さ
せる。前述と同様に、ターミネーターをP31修飾蛋白質
をコードするDNAおよび/またはP25蛋白質をコード
するDNAの直後に挿入してもよい。この反応液を用い
て、前述の宿主大腸菌を前述のCohenらの方法によって
形質転換する。このようにして得られたP31修飾蛋白質
をコードするDNAおよびP25蛋白質をコードするDN
Aを含む新規な組み換えDNAを保持する形質転換体
は、たとえばアンピシリン耐性を表現型として選ぶこと
ができる。この耐性株の中からP31修飾蛋白質をコード
するDNAおよびP25蛋白質をコードするDNAをもつ
新規な組み換えプラスミドDNAを保持する菌株は、た
とえばプラスミドDNAをアルカリ抽出法〔Birnboim,
H. C. and Doly, J., Nucleic Acids Res., 7, 1513
(1979)〕によって単離した後、種々の制限酵素を作用さ
せた時に生ずるDNA断片の大きさをアガロースゲル電
気泳動などで解析することにより、確実に探し出すこと
ができる。
【0027】このようにして選択された形質転換体から
プラスミドDNAをアルカリ抽出法〔Birnboim, H. C.
and Doly, J., Nucleic Acids. Res., 7, 1513(1979)〕
によって単離し、これを用いて酵母、たとえばロイシン
要求性のサッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces c
erevisiae),たとえばAH22R-(leu2 his4 can1 cir+ pho
80)〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, 1(1983)〕ある
いはAH22R-より誘導されたK33−7B(pho80−AH22, pho8
−2)またはK33−8D(pho80−AH22, pho8−2 trp1)を、公
知の方法〔Hinnen, A. ら, Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 75, 1927(1978)〕またはそれに準ずる方法によって
形質転換する。宿主としての酵母はこれらに限定される
ことはないが、サッカロミセス・セレビシェが好まし
い。宿主として、たとえば枯草菌, 動物細胞を使用する
場合においては枯草菌, 動物細胞で機能しうるプロモー
ター領域の3'末端にP31修飾蛋白質をコードするDN
AおよびP25蛋白質をコードするDNAを挿入し、自体
公知の方法により、該組み換えDNAで宿主を形質転換
させ、形質転換体を培養することにより、P31修飾蛋白
質およびP25蛋白質を製造することができるが、宿主と
しては酵母がより好ましい。
【0028】生成物の修飾P31およびP25の活性は、た
とえばオーストリアII−125(ダイナボット社製)あるい
はオースザイムII(アボット社製)によって測定すること
ができる。得られた形質転換体は上記のP31修飾蛋白質
をコードするDNAを含有するプラスミドDNAを保持
する形質転換体の場合と同様にして培養することができ
る。また、修飾P31およびP25の抽出は上記の修飾P31
の場合と同様にして行なうことができる。抽出液からの
修飾P31およびP25の分離, 精製はたとえばゲルろ過,
ヒドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー, イオ
ン交換カラムクロマトグラフィー, 超遠心, 抗HBsAg抗
体を用いるアフィニティクロマトグラフィーにより行う
ことができる。修飾P31DNA産物とP25DNA産物を
Western blottingで分析すると、酵母を宿主にした場合
には、38〜37kダルトンの蛋白(P37)と25kダルトンの蛋
白(P25)が検出される。このP37は、31kダルトン蛋白
に糖鎖が結合したものでありpoly−HSA受容体とHBsA
g活性を保持している。P25は、HBsAg活性を保持してい
る。また、酵母から抽出されたP37とP25は凝集体とし
て存在している。複数の抗原遺伝子が挿入された本発明
のプラスミドを保持する形質転換体は単独の遺伝子が挿
入されたプラスミドを保持するものより、抗原生産量が
顕著に上昇するという有利性がある。
【0029】本発明のP31修飾蛋白質およびP37とP25
は、公知のHBV感染者の血液を原料にして製造された
HBsAg小型粒子と同様の生物活性を有し、該HBsAg小型粒
子と同様にしてHBV感染の診断のための抗原およびH
BVの予防のためのワクチンとして用いることができ
る。なお、本願明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commissio
n on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
次に挙げる。またアミノ酸に関し光学異性体がありうる
場合は、特に明示しなければL−体を示すものとする。
【0030】DNA デオキシリボ核酸 RNA リボ核酸 mRNA メッセンジャーRNA A アデニン T チミン G グアニン C シトシン dATP デオキシアデノシン三リン酸 dTTP デオキシチミジン三リン酸 dGTP デオキシグアノシン三リン酸 dCTP デオキシシチジン三リン酸 ATP アデノシン三リン酸 EDTA エチレンジアミン四酢酸
【0031】SDS ドデシル硫酸ナトリウム DTT ジチオスレイトール Gly グリシン Ala アラニン Val バリン Leu ロイシン Ile イソロイシン Ser セリン Thr スレオニン Cys システィン 1/2Cys ハーフシスチン Met メチオニン Glu グルタミン酸
【0032】Asp アスパラギン酸 Lys リジン Arg アルギニン His ヒスチジン Phe フェニルアラニン Tyr チロシン Trp トリプトファン Pro プロリン Asn アスパラギン Gln グルタミン Apr アンピシリン耐性遺伝子 Tcr テトラサイクリン耐性遺伝子 ars1 オートノマス・レプリケーション・シークエ
ンス1(autonomous replication sequence 1) IR インバーテッド・リピート(inverted repea
t)
【0033】(4) 実施例および発明の効果 以下に参考例および実施例を示して本発明をさらに具体
的に説明するが本発明はこれらに限定されるべきもので
はない。
【0034】参考例1 酵母抑制性酸性ホスファターゼ
・プロモーター(PHO5−P)を含有する発現用ベクターの
作製 酵母Saccharomyces cerevisiae S288C株由来の抑制性酸
性ホスファターゼ遺伝子(PHO5)と構成性酸性ホスファタ
ーゼ遺伝子(PHO3)を含む7.9kb DNA断片を含む大腸菌
プラスミド(pJA1)〔Kramer, R. A, and Anderson, N, P
roc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 6541(1980)〕, 50μg
に20ユニットの制限酵素BamHI〔宝酒造(株)製〕と20ユ
ニットの制限酵素SalI〔宝酒造(株)製〕を100μl の反
応液〔10mMTris−HCl(pH 8.0),7mM MgCl2, 100mM NaC
l, 2mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 3時間
作用させた後、1.0%アガロース(Sigma 社製)・スラブ
ゲルを用いて緩衝液〔100mM Tris−HCl, 100mM ホウ酸,
2mM EDTA(pH 8.3)〕中,140V, 2時間電気泳動にかけ
た。泳動後、0.63kb DNA断片を含むゲル片を透析チ
ューブ内に封入し、泳動用緩衝液内に沈め、該DNA断
片をゲルから電気的に溶出した〔McDonell, M. W. ら,
J. Mol. Biol, 110, 119(1977)〕。透析チューブ内液を
フェノール抽出さらにエーテル抽出した後、NaClを0.2M
になるように加え、つづいて2倍量の冷エタノールを加
えて−20℃でDNAを沈澱させた。
【0035】1μgのプラスミドpSH19 に2ユニットの
制限酵素BamHIと2ユニットの制限酵素SalIを20μl の
反応液〔10mM Tris−HCl(pH 8.0), 7mM MgCl2, 100mM
NaCl,2mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 2時
間作用させた後、該反応液を0.8%アガロース・スラブ
ゲルを用いて上述の条件下で電気泳動にかけた。泳動
後、8.0kb DNA断片を上述の方法によってゲルから分
取し、フェノールで除蛋白し、冷エタノールでDNAを
沈澱させた〔図12〕。該8.0kbDNA断片400ngと前記
0.63kbDNA断片200ngとを混合し、20μl の反応液〔6
6mM Tris−HCl(pH 7.6), 6.6mM MgCl2, 10mMジチオスレ
イトール, 1mM ATP, 2ユニットのT4DNAリガーゼ
(宝酒造(株)製)〕中、14℃で一夜作用させてDNAを結
合させた。この反応液を用いて大腸菌294株を前記Cohen
らの方法に従って形質転換した。アンピシリン耐性を指
標として選択された形質転換体の中から、プラスミドD
NAを前記アルカリ抽出法によって単離し、分子量と制
限酵素による分解パターンを調べ、pSH19のBamHI−Sal
I部位に、pJA1から単離された0.63kbDNA断片が挿入
されたプラスミドpPHO12を分離した〔図12〕。
【0036】3μgのプラスミドpPHO12DNAに2ユニ
ットの制限酵素SalIを20μl の反応液〔10mM Tris−HC
l(pH 7.5),7mM MgCl2,175mM NaCl, 0.2M EDTA, 7mM
2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 2時間作用させ
た後、フエノールで除蛋白し、冷エタノールでDNAを
沈澱させた。このDNA, 3μgに12ユニットのBAL31ヌ
クレアーゼ(Bethesda Research Laboratories社製)を50
μl の反応液〔20mM Tris−HCl(pH 8.1), 12mM CaCl2,
12mM MgCl2,1mM EDTA〕中で30℃, 2分間作用させた
後、フェノールで除蛋白し、冷エタノールでDNAを沈
澱させた〔図12参照〕。200ngのXhoIリンカーd(CCTCG
AGG)〔New England BioLabs社製〕に3ユニットのT4
ポリヌクレオチド・キナーゼ〔宝酒造(株)製〕を50μl
の反応液〔50mM Tris−HCl(pH 7.6), 10mM MgCl2, 10mM
2−メルカプトエタノール, 100μM ATP〕中で37℃,
1時間作用させて、5′末端をリン酸化した。40ngの
5′末端がリン酸化されたXhoIリンカー〔5′−P−d
(CCTCGAGG)〕と400ngの前述のBAL−31で処理されたpPHO
12DNAとを混合し、前述の条件下でT4DNAリガー
ゼの作用で結合させた。この反応液を用いて大腸菌294
株をCohenらの方法に従って形質転換した。アンピシリ
ン耐性を指標として選択された形質転換体の中から、プ
ラスミドDNAを前記アルカリ抽出法によって単離し、
BamHIとXhoIによる2重消化物の大きさが0.55kbである
プラスミドpPHO17を選択した。BAL−31ヌクレアーゼ処
理によって、PHO5の開始コドンATGの上流20bpが除去さ
れたことが、Dideoxynucleo-tide法〔Sanger, F. ら, P
roc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463(1977)〕による
DNA塩基配列の分析によって明らかになった〔図12
参照〕。
【0037】次に、該プラスミドpPHO17, 2μgに4ユ
ニットの制限酵素XhoI〔宝酒造(株)製〕を20μlの反
応液〔6mM Tris−HCl(pH 7.9), 150mM NaCl, 6mM MgC
l2, 6mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 2時
間作用させた後、フェノールで除蛋白し、冷エタノール
でDNAを沈澱させた。該DNA1μgに5ユニットの
DNAポリメラーゼI ラージ・フラグメント(New Eng
land BioLabs社製)を30μl の反応液〔40mM リン酸カリ
ウム緩衝液(pH 7.5), 6.6mM MgCl2, 1mM 2−メルカプ
トエタノール, 33μM dATP, 33μM dGTP,33μM dTTP, 3
3μM dCTP〕中で12℃, 30分間作用させて、接着末端を
平滑末端にした後、フェノールで除蛋白し、冷エタノー
ルでDNAを沈澱させた。該DNA断片500ngと、前述
の条件下でリン酸化されたSalIリンカー〔5′−P−d
(GGTCGACC)〕(New England BioLabs社製), 50ngとを混
合し、前述の条件下でT4DNAリガーゼの作用で結合
させた。この反応液を用いて大腸菌294株をCohenらの方
法に従って形質転換させ、アンピシリン耐性の形質転換
体の中から、プラスミドpPHO17のXhoI部位がSalI部位に
変換したプラスミドpPHO17−1を取得した〔図12参
照〕。
【0038】参考例2 酵母ホスホグリセリン酸キナー
ゼ・プロモーター(PGK−P)を含有する発現用ベクターの
作製 ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子(PGK)のクロー
ニング Cryer, D. R. らの方法〔Methods in Cell Biology, Vo
l. XII, P.39〜44(1975)〕によって調整されたSaccharo
myces cerevisiae協会3号株(IFOから入手できる)の
染色体DNA, 350μgに200ユニットの制限酵素HindIII
〔宝酒造(株)製〕を1mlの反応液〔10mM Tris−HCl(pH
7.5), 7mM MgCl2, 60mM NaCl〕中37℃, 3時間作用さ
せた後、1%アガロース・スラブゲルを用いて参考例1
に記載の条件下で電気泳動にかけた。泳動後、アガロー
スゲルを分割することによりDNA断片を大きさの順に
1から10の画分に分けた。各画分のアガロースゲル片を
それぞれ透析チューブに封入し、参考例1に記載の条件
下でゲル片からDNAを電気的に溶出した。溶出液をフ
ェノール処理した後、冷エタノールを加えてDNAを沈
澱させた。各画分からのDNA 0.5μgを1%アガロー
ス・スラブゲルを用いて参考例1に記載の条件下で電気
泳動を行った後、ニトロセルロースフィルター(Schleic
her and Schull社製)にSouthernの方法〔Southern, E.
M., J. Mol. Biol., 98, 503(1975)〕に従ってDNAを
吸着させた。PGK〔Dobson, M. J.ら, Nucleic Acids Re
s, 10, 2625(1982)〕のN末端側からの5個のアミノ酸
をコードするオリゴヌクレオチドに相補な5′−TGAAGA
TAAAGACAT−3′をCrea, R. ら〔Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 75, 5765(1978)〕の方法によって合成し、該オ
リゴヌクレオチド1μgに10μCiのγ−〔32P〕ATP(Ame
rsham社製)と10ユニットのT4ポリヌクレオチド・キナ
ーゼとを30μl の反応液〔50mM Tris−HCl(pH7.6), 10m
M MgCl2, 10mM2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 3
0分間作用させ、5′末端を32Pで標識した。該反応液
に200mM EDTA(pH 8.0)を10μl 添加し、1容量のフェノ
ールで除蛋白した後、TEN緩衝液〔10mM Tris−HCl(pH
8.0), 200mM NaCl, 1mM EDTA〕で平衡化したセファロ
ース4B(Pharmacia社製)・カラム(0.25×25cm)にかけて
void volume付近に溶出される標識された該オリゴヌク
レオチドを集め、PGK遺伝子をスクリーニングするため
のプローブとして用いた。上記のニトロセルロースフィ
ルターと該プローブを用いて前記Southernの方法でブロ
ッティングを行ったところ、プローブは、2.6kb〜2.9kb
DNA断片が含まれる分画番号3の試料と強くハイブリ
ダイズした。
【0039】次に、クローニング・ベクターpTR262〔Ro
berts, T. M. ら, Gene, 12, 123(1980)〕, 10μgに10
ユニットの制限酵素HindIIIを50μlの反応液〔10mM Tri
s−HCl(pH 7.5), 7mM MgCl2, 60mM NaCl〕中で37℃,
2時間作用させた後、フェノールで除蛋白し、冷エタノ
ールでDNAを沈澱させた(HindIII 消化pTR262)。 Hind
III消化pTR262 0.1μgと分画番号3のDNA0.2μgとを
混合し、参考例1に記載の条件下でT4DNAリガーゼ
の作用によって結合させた。該反応液を用いて大腸菌DH
1〔Maniatis, T. ら, Molecular Cloning, Cold Spring
Harbor Laboratory, 254〜255(1982)〕を形質転換さ
せ、テトラサイクリン耐性を示す形質転換体約1300個を
得た。この中からPGK遺伝子を含有する形質転換体を、
上述の32P標識合成プローブを用いるコロニー・ハイブ
リダイゼーション〔Suggs, S. V. ら,Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 78, 6613(1981)〕によって選択した。オ
ートラジオグラフィーで強いシグナルが認められた形質
転換体から、前述のアルカリ抽出法によってプラスミド
pPKT3を単離し、HindIIIで分解したところ2.95kbDNA
のインサートが検出され、Southernの方法で調べると該
インサートは該プローブとハイブリすることが確認され
た。
【0040】 PGKプロモーター断片の単離 プラスミドpPKT3DNA 50μgに50ユニットの制限酵素H
indIIIを100μl の反応液〔10mM Tris−HCl(pH 7.5),
7mM MgCl2, 60mM NaCl〕中で37℃, 2時間作用させた
後、1%アガロース・スラブゲルを用いて参考例1に記
載の条件下で電気泳動にかけた。泳動後、2.95kbDNA
断片を参考例1に記載の方法によってゲルから分取した
〔図13参照〕。該2.95kbDNA断片5μgに5ユニッ
トの制限酵素SalIを20μl の反応液〔10mM Tris−HCl
(pH 7.5), 7mM MgCl2, 175mM NaCl, 7mM 2−メルカ
プトエタノール〕中で37℃, 3時間作用させた後、1.2
%アガロース・スラブゲルを用いて参考例1に記載の条
件下で電気泳動にかけた。泳動後、2.1kbDNA断片を
参考例1に記載の方法によつてゲルから分取した。該2.
1kbDNA断片0.5μgと、プラスミドpBR322のHindIII−
SalI消化によって得られた3.74kbDNA0.5μgとを混
合し、参考例1に記載の条件下でT4DNAリガーゼの
作用によって結合させた。該反応液を用いて大腸菌DH1
を形質転換させ、アンピシリン耐性の形質転換体から所
望するプラスミドpPKT101を取得した〔図13参照〕。
【0041】次に、PGK遺伝子の構造遺伝子領域を取り
除くために、まず該プラスミドpPKT101 DNA 10μgに
10ユニットの制限酵素SalIを30μl の反応液〔10mM Tr
is−HCl(pH 7.5), 7mM MgCl2, 175mM NaCl, 0.2M EDT
A,7mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 3時間
作用させ、フェノールで除蛋白し、冷エタノールでDN
Aを沈澱させた(SalI消化pPKT101)。つづいて、 SalI
消化pPKT101 1μgに10ユニットのBAL31ヌクレアーゼ
を20μl の反応液〔20mM Tris−HCl(pH 8.1), 12mM CaC
l2, 12mM MgCl2, 1mM EDTA〕中で室温, 5分間作用さ
せた後、直ちに1容量のフェノールを加えて反応を停止
させ、冷エタノールでDNAを沈澱させた(BAL消化pPKT
101)。参考例1に記載されたリン酸化XhoIリンカー50ng
とBAL消化pPKT101 0.2μgを混合し、 参考例1に記載の
条件下でT4DNAリガーゼの作用によつて結合させ
た。その後、該反応液で大腸菌DH1を形質転換させ、ア
ンピシリン耐性を示す形質転換体の中から、 pPKT101のS
alIサイトからプロモーター領域の方向へ0.69kbが除か
れたプラスミドpPKT567を得た。 Dideoxynucleotide法に
よってDNA塩基配列を調べたところ、pPKT567ではBAL
31の作用によってPGK構造遺伝子と5′−近傍領域−24
までが除かれたことが証明された〔図13参照〕。
【0042】 発現用ベクターの構築 大腸菌−酵母シャトル・ベクターpSH19 5μgに6ユニ
ットの制限酵素SalIを20μl の反応液〔10mM Tris−HC
l(pH 7.5), 7mM MgCl2, 175mM NaCl, 0.2mM EDTA, 7m
M 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 2時間作用さ
せた後、フェノールで除蛋白し、冷エタノールで沈澱さ
せた。該DNA 1μgにDNAポリメラーゼI ラージ
・フラグメントを参考例1に記載の条件下で作用させ、
SalIの接着末端を平滑末端に変えた。該DNA断片500
ngと参考例1に記載されたリン酸化XhoIリンカー50ngと
を混合し、参考例1に記載の条件下でT4DNAリガー
ゼの作用によって結合させた。該反応液で大腸菌DH1を
形質転換させ、アンピシリン耐性の形質転換体の中か
ら、pSH19のSalI部位がXhoI部位に転換したプラスミド
pSH19−1を保持する形質転換体を得た〔図13参
照〕。該プラスミドpSH19−1DNA15μgに24ユニット
の制限酵素HindIIIを100μlの反応液〔10mM Tris−HCl
(pH 7.5), 7mM MgCl2, 60mM NaCl〕中で37℃, 10分間
作用させた後、直ちに0.2M EDTAを10μl 添加し反応を
停止させた。反応液を、0.7%アガロース・スラブゲル
を用いて参考例1に記載の条件下で電気泳動にかけ、Hi
ndIIIで1箇所切断された8.3kbDNA断片を参考例1に
記載の方法でゲルから分取した。該8.3kbDNA断片3
μgに10ユニットの制限酵素XhoI〔宝酒造(株)製〕を30
μl の反応液〔10mM Tris−HCl(pH 7.5), 7mM MgCl2,
100mM NaCl, 7mM 2−メルカプトエタノール〕中で37
℃, 2時間作用させた後、0.7%アガロース・スラブゲ
ルを用いて参考例1に記載の条件下で電気泳動を行っ
た。泳動後、7.7kbDNA断片を参考例1に記載の方法
によってゲルから分取した〔図13参照〕。
【0043】参考例2のに記載のプラスミドpPKT567
DNA10μgに、各10ユニットの制限酵素HindIIIとXhoI
とを50μl の反応液〔50mM Tris−HCl(pH 7.6), 50mM N
aCl,1mM ジチオスレイトール, 10mM MgCl2〕中で37℃,
2時間作用させた後、1.2%アガロース・スラブゲルを
用いて参考例1に記載の条件下で電気泳動を行い、1.40
kbDNA断片をゲルから分取した〔図13参照〕。該1.
40kbDNA断片0.2μgと上述の7.7kbDNA断片0.5μg
とを混合し、参考例1に記載の条件下でT4DNAリガ
ーゼの作用によって結合させた。該反応液で大腸菌DH1
を形質転換させ、アンピシリン耐性の形質転換体の中か
ら、所望するプラスミドpPKT700を保持する形質転換体
を取得した。次に、参考例1に記載した方法に従って、
該プラスミドpPKT700のXhoI部位がSalI部位に変換され
たプラスミドpPKT700−1を作製した〔図13参照〕。
【0044】参考例3 酵母グリセルアルデヒド3−リ
ン酸脱水素酵素・プロモーター(GLD−P)を含有する発現
用ベクターの作製 グリセルアルデヒド 3−リン酸脱水素酵素遺伝子
(GLD)のクローニング GLDのうちのpgap491〔Holland, J. P. ら, J. Biol. Ch
em, 258, 5291(1983)〕のN末端側からの5個のアミノ
酸をコードするオリゴヌクレオチドに相補な5′−AGCA
ACTCTAACCAT−3′を前述のCrea, R. らの方法によって
合成し、参考例2のに記載の方法に従って32Pで標識
し、プローブとして用いた。参考例2のに記載したニ
トロセルロースフィルターと該プローブを用いてSouthe
rnブロッティングを行ったところ、プローブは2.0〜2.3
kbDNA断片が含まれる分画番号7の試料と強くハイブ
リダイズした。参考例2のに記載されたHindIII消化p
TR262 0.1μgと分画番号7のDNA0.2μgとを混合し、
参考例1に記載の条件下でT4DNAリガーゼの作用に
よって結合させた。該反応液を用いて、参考例2のに
記載した方法で大腸菌DH1を形質転換させ、テトラサイ
クリン耐性形質転換体約1200個を取得し、コロニー・ハ
イブリダイゼーションによって32P標識プローブと強く
ハイブリする形質転換体を分離した。この形質転換体か
ら前述のアルカリ抽出法によってプラスミドpGLD9を単
離し、HindIIIで分解したところ、2.2kbインサートDN
Aが検出され、Southernの方法で調べると、このインサ
ートDNAは該プローブとハイブリすることが確認され
た〔図14参照〕。
【0045】 GLDプロモーター断片の単離 プラスミドpGLD9DNA 100μgに50ユニットの制限酵素
HindIIIを200μl の反応液〔10mM Tris−HCl(pH 7.5),
7mM MgCl2, 60mM NaCl〕中で37℃, 3時間作用させた
後、1.0%アガロース・スラブゲルを用いて参考例1に
記載の条件下で電気泳動にかけた。泳動後、2.2kbDN
A断片を参考例1に記載の方法によってゲルから分取し
た。該2.2kbDNA断片10μgに10ユニットの制限酵素Hi
nfI〔宝酒造(株)製〕を50μl の反応液〔10mM Tris−HC
l(pH 7.5), 7mM MgCl2, 100mMNaCl, 7mM 2−メルカ
プトエタノール〕中で37℃, 2時間作用させた後、GL
D用プローブを用いてSouthernの方法によってハイブリ
ダイゼーションを行ったところ、 該プローブは0.5kbD
NA断片と結合した〔図14参照〕。
【0046】該0.5kbDNA断片5μgに、各10ユニット
の制限酵素HhaI〔宝酒造(株)製〕とTaqI(New England B
iolabs 社製)とを30μl の反応液〔10mM Tris−
HCl(pH7.5), 50mM NaCl, 10 mM MgCl2,
1mM ジチオスレイト−ル〕中で37℃, 3時間作用
させた後、1.5%アガロース・スラブゲルを用いて参考
例1に記載された条件下で電気泳動にかけた。泳動後、
0.36kbDNA断片を参考例1に記載の方法によってゲル
から分取した〔図14参照〕。該0.36kbDNA断片1μ
gにDNAポリメラーゼI ラージ・フラグメントを参
考例1に記載の条件下で作用させ、TaqIの接着末端を平
滑末端に変えた。次に、この断片1μgと参考例1に記
載されたリン酸化XhoIリンカー50ngとを混合し、参考例
1に記載の条件下でT4DNAリガーゼを作用させて結
合させた。反応後、過剰量のXhoIを加え37℃, 4時間作
用させ、次に参考例2のに記載した条件下でセフアロ
ーズ4B・カラムを用いてリンカーの結合した0.36kbD
NA断片を分離した。
【0047】一方、上述の2.2kbDNA10μgにDNAポ
リメラーゼI ラージ・フラグメントを参考例1に記載
の条件下で作用させ、接着末端を平滑末端に変えた後、
参考例1に記載された条件下でリン酸化されたBamHIリ
ンカー〔5′−P−d(CGCGGATCCGCG)〕(New England Bi
oLabs社製)50ngを参考例1に記載の条件下でT4DNA
リガーゼの作用により結合させた。反応後、20ユニット
のBamHIを加えて、37℃,3時間作用させ、次に参考例2
のに記載した条件下でセフアローズ4B・カラムを用
いてリンカーの結合した2.2kbDNA断片を分離した。
該DNA断片6μgに2ユニットの制限酵素HhaIを50μl
の反応液〔10mM Tris−HCl(pH 7.5), 50mM NaCl, 10mM
MgCl2, 1mM ジチオスレイトール〕中で37℃, 2時間
作用させた後、1.0%アガロース・スラブゲルを用いて
参考例1に記載の条件下で電気泳動にかけた。泳動後、
0.75kbDNA断片を参考例1に記載の方法によってゲル
から分取した〔図14参照〕。
【0048】 発現用ベクターの構築 参考例2のに記載のプラスミドpSH19−1 DNA10μ
gに各10ユニットの制限酵素BamHIとXhoIとを50μl の反
応液〔10mM Tris−HCl(pH 7.5), 7mM MgCl2,100mM NaC
l, 7mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 2時間
作用させた後、1.0%アガロース・スラブゲルを用いて
参考例1に記載の条件下で電気泳動にかけた。泳動後、
8.0kbのDNA断片を参考例1に記載の方法によってゲ
ルから分取した。該8.0kbDNA断片500ng, 参考例3の
に記載の0.36kbDNA断片200ngおよび0.75kbDNA
断片200ngとを混合し、参考例1に記載の条件下でT4D
NAリガーゼの作用により結合させた。該反応液を用い
て大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシリン耐性形質転
換体の中から3種のDNA断片が結合したプラスミドpG
LD906を保持する形質転換体を分離した。次に、参考例
1に記載した方法に従って、該プラスミドpGLD906のXho
I部位がSalI部位に変換されたプラスミドpGLD906−1
を作製した〔図14参照〕。
【0049】参考例4 adr型B型肝炎ウイルス表面抗
原P31遺伝子を発現する組み換えDNA分子の構築およ
び該DNA分子による大腸菌の形質転換 特開昭59−74985号公報およびNucleic Acids Res. 11,
1747(1983)に記載されているプラスミドpBR322−BamHI/
HBr330DNA(pHBr330とも略す)は、特開昭58−201796
号公報に記載されている参考例1の方法によって調製し
た。該プラスミドpHBr330 50μgに各20ユニットの制限
酵素EcoRI〔宝酒造(株)製〕とBamHIとを100μl の反応
液〔100mM Tris−HCl(pH 7.5), 7mM MgCl2, 50mM NaC
l, 7mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃, 3時間
反応させた後、1.0%アガロース・スラブゲルを用いて
参考例1に記載の条件下で電気泳動にかけた。泳動後、
1.4kbDNA断片を参考例1に記載の方法によってゲル
から分取した〔図15参照〕。2μgのプラスミドpBR32
2DNAに各2ユニットの制限酵素BamHIとClaI(New Eng
land BioLabs社製)とを20μl の反応液〔10mM Tris−HC
l(pH 8.0), 7mM MgCl2, 100mM NaCl, 2mM 2−メルカ
プトエタノール〕中で37℃,2時間反応させた後、0.8
%アガロース・スラブゲルを用いて参考例1に記載の条
件下で電気泳動にかけた。泳動後、4.01kbDNA断片を
参考例1に記載の方法によってゲルから分取した。
【0050】500ngの前記4.01kbDNA断片, 500ngの前
記1.4kbDNA断片および参考例1で記載の方法によっ
て5′末端がリン酸化された合成アダプター d
【化2】 リガーゼの作用によって結合させた。なお、上記アダプ
ターはトリエステル法〔Crea, R. ら, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 75, 5765(1978)〕を用いて化学合成され
た。この反応液を用いて大腸菌294株を形質転換させ、
アンピシリン耐性の形質転換体から前記3種のDNAが
結合したプラスミドpHBrP31DNAが得られた〔図15
参照〕。
【0051】1μgのプラスミドpHBrP31DNAに2ユ
ニットの制限酵素BamHIを20μl の反応液〔10mM Tris−
HCl(pH 8.0), 7mM MgCl2, 100mM NaCl, 2mM 2−メル
カプトエタノール〕中で37℃, 2時間作用させた後、フ
ェノールで除蛋白し、冷エタノールを加えてDNAを沈
澱させた(BamHI消化pHBrP31)。500ngのBamHI消化pHBr
P31にDNAポリメラーゼI ラージ・フラグメント
を、参考例1に記載の条件下で作用させて、接着末端を
平滑末端にした後、フェノールで除蛋白し、冷エタノー
ルでDNAを沈澱させた。該DNA断片300ngと、参考
例1に記載の方法で5′末端がリン酸化されたPstIリン
カー〔5′−P−d(GCTGCAGC)〕(New England BioLabs
社製)50ngとを参考例1に記載の条件下でT4DNAリガ
ーゼの作用により結合させた。該反応液を用いて大腸菌
294株を形質転換させ、形質転換体を参考例1に記載の
方法によって調べ、プラスミドpHBrP31のBamHI部位がP
stI部位に変換したプラスミドpHBrP31−17を分離した
〔図15参照〕。
【0052】該pHBrP31−17 50μgに各20ユニットの制
限酵素ClaIとPstI〔宝酒造(株)製〕とを100μl の反応
液〔20mM Tris−HCl(pH 7.5), 10mM MgCl2, 50mM (NH4)
2SO4〕中で37℃, 3時間作用させた後、反応液を1.0%
アガロース・スラブゲルを用いて参考例1に記載の条件
下で電気泳動にかけた。泳動後、1.42kbDNA断片を参
考例1に記載の方法でゲルから分取した。特開昭58−20
1796号公報およびNucleic Acids Res., 11, 3581(1983)
に記載の発現用ベクターpTRP771 50μgに制限酵素ClaI
とPstIとを前記100μl の反応液中で同一条件下で反応
させた後、反応液を1.0%アガロース・スラブゲルを用
いて参考例1に記載の条件下で電気泳動にかけた。泳動
後、3.3kbDNA断片を参考例1に記載の方法でゲルか
ら分取した。200ngの該1.42kbDNA(P31をコードする
DNA)と500ngの3.3kbDNAとを参考例1に記載の条
件下でT4DNAリガーゼの作用によって結合させた。
該反応液を用いて大腸菌294株を形質転換させ、参考例
1の方法に従って該P31をコードするDNAが発現用ベ
クターに挿入されたプラスミドpTRP P31−Rを保持する
大腸菌株(294/pTRP P31−R)を分離した〔図15参
照〕。また、プラスミドpTRPP31−Rを用いて、大腸菌C
600を形質転換し、大腸菌C600/pTRPP31−Rを得た。
【0053】参考例5 adr型B型肝炎ウイルスの表面
抗原P31遺伝子を発現する酵母用組み換えDNA分子の
構築および該DNA分子による酵母の形質転換 参考例4に記載されたプラスミドpHBrP31DNA,
50μgに各20ユニットの制限酵素ClaIとBamHIとを100μl
の反応液〔100mM Tris−HCl(pH 8.0), 7mM MgCl2, 10
0mM NaCl, 2mM 2−メルカプトエタノール〕中で37℃,
3時間作用させた後、反応液を1.0%アガロース・スラ
ブゲルを用いて参考例1に記載の条件下で電気泳動にか
けた。泳動後、1.42kbDNA断片を参考例1に記載の方
法でゲルから分取した。2μgの該1.42kbDNA断片に
DNAポリメラーゼI ラージ・フラグメントを参考例
1に記載の条件下で作用させて接着末端を平滑末端にし
た後、フェノールで除蛋白し、冷エタノールでDNAを
沈澱させた。該DNA1.5μgと参考例1に記載のリン酸
化SalIリンカー, 50ngとを参考例1に記載の条件下でT
4DNAリガーゼの作用により結合させた。該反応液に
10ユニットの制限酵素SalIを添加し、37℃, 3時間作用
させて接着末端を生成させた。反応後、フェノールで除
蛋白し、試料を参考例2のに記載された条件下でセフ
ァローズ4B・カラムにかけ、void volume付近に溶出
されてくる1.43kbDNA断片(adr型P31をコードするD
NA)を含む画分を集め、冷エタノールで該DNAを沈
澱させた〔図16参照〕。
【0054】1μgの参考例1に記載された発現用ベク
ターpPHO17−1DNAに2ユニットの制限酵素SalIを20
μl の反応液〔6mM Tris−HCl(pH 7.5), 6mM MgCl2,
150mM NaCl, 6mM 2−メルカプトエタノール〕中で37
℃, 2時間作用させ、次に0.1ユニットのアルカリ性ホ
スファターゼを添加して65℃, 30分間反応を続けた。反
応後、フェノールで除蛋白し、冷エタノールを加えてD
NAを沈澱させた(SalI消化pPHO17−1)。次に、200ng
の前記1.43kbDNA断片と200ngのSalI消化pPHO17−1
とを、参考例1に記載の条件下でT4DNAリガーゼの
作用により結合させた。該反応液を用いて大腸菌294株
を形質転換させ、形質転換体を参考例1に記載された方
法によって調べ、adr型P31をコードするDNAを含む
1.43kbDNA断片がPHO 5プロモーターと順方向に挿入
されたプラスミドpPHO P31−Rを保持する菌株(Escheri
chia coli 294/pPHO P31−R)を分離した。この形質転
換体よりアルカリ抽出法によって分離された該プラスミ
ドpPHO P31−Rを用いて酵母宿主Saccharomyces cerevi
siae AH22R-を前述のHinnenらの方法で形質転換させ、
該プラスミドを保持する酵母形質転換体(AH22R-/pPHO
P31−R)を分離した〔図16参照〕。
【0055】参考例6 GLDプロモーターを持つ外来
遺伝子発現ベクターを用いたP25遺伝子発現プラスミド
の構築 特願昭59−193765号(昭和59年9月13日付
提出)〔特開昭61−70989号公報〕に添付の実施
例に記載のプラスミドpPHO17-58 5μgを10ユニットの
制限酵素XhoIで消化した後、サブタイプadw型のP25遺
伝子を含む0.82kbのDNA断片を参考例1に記載のアガ
ロース・スラブゲル電気泳動法で分取した。該DNA0.
5μgと参考例3で記載の外来遺伝子発現プラスミドpGLD
906-1をXhoIで消化したDNA0.1μgを混合し、T4D
NAリガーゼを用いて結合させた後、大腸菌DH1を形
質転換させ、アンピシリン耐性を示す組換え体を得た。
該組換え体の中から、P25遺伝子がGLDプロモーター
と順方向に挿入されたプラスミドpGLDP25−Wを得た
〔図21〕。
【0056】実施例1 adr型P31遺伝子の48番目のア
ルギニンコドンが欠失した修飾P31遺伝子の作製 プラスミドpTRPP31−R 1.0μgに2ユニットの制限酵素
XhoI(ニッポンジーン社製)を15μl の反応液〔50mM Tri
s-HCl(pH 7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオ
スレイトール〕中で37℃, 2時間作用させた後、フェノ
ールで除蛋白し、冷エタノールを加えてDNAを沈澱さ
せた。該DNAに2.5ユニットのS1ヌクレアーゼ〔Beth
esda Research Laboratories社製〕を20μl の反応液
〔30mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 4.6),
50mM NaCl, 1mM ZnSO4, 5%グリセロー
ル〕中で室温、30秒間作用させ、直ちにフェノールで除
蛋白し、冷エタノールを加えてDNAを沈澱させた。該
DNAと50ngの5′末端がリン酸化されたBamHIリンカ
ー〔5′−P−d(CCGGATCCGG)〕(Bethesda Research Lab
oratories社製)とを混合し、20μl の反応液〔66mM Tri
s-HCl(pH 7.6), 6.6mM MgCl2, 10mM ジチオスレイトー
ル, 1mM ATP, 2ユニットのDNAリガーゼ(New En
gland Biolabs社製)〕中、14℃で一夜作用させてDNA
を結合させた。該反応液に10ユニットのBamHI〔ニッポ
ンジーン社製〕を加え、37℃, 2時間作用させた後、該
反応液を0.8%アガロース・スラブゲルを用いて緩衝液
〔100mM Tris-HCl, 100mM ホウ酸, 2mM EDTA(pH 8.
3)〕中、140V, 2時間電気泳動にかけた。泳動後、BamH
Iリンカーが付加した3.1kbおよび1.6kbDNA断片を含
むゲル片を透析チューブ内に封入し、泳動用緩衝液内に
沈め、DNA断片をゲルから電気的に溶出した〔McDone
ll, M. W. ら, J. Mol. Biol., 110 119(1977)〕。透析
チューブ内液をフェノール抽出さらにエーテル抽出した
後、NaClを0.2M になるように加え、つづいて2倍量の
冷エタノールを加えて該DNA断片を沈澱させた。該D
NA断片を環状DNAにするため、前記条件下T4DN
Aリガーゼを作用させた。該反応液に5ユニットの制限
酵素XhoIを加え、37℃, 2時間作用させた後、該反応液
を用いて大腸菌DH1〔Maniatis, T. ら, Molecular C
loning, Cold Spring Harbor Laboratory, 254〜255(19
82)〕を形質転換させ、テトラサイクリン耐性を示す組
換え体を得た。該組換え体の中からXhoI部位がBamHI部
位に変換し、adr型P31遺伝子の48番目のアルギニンコ
ドンが欠失したプラスミドpTRPP31−Raを得た。該プラ
スミドの変異部分の配列を〔図3〕に示す。
【0057】制限酵素XhoIで消化したプラスミドpTRPP
31−R 1.0μgに5ユニットのエキソヌクレアーゼBal 31
(Bethesda Research Laboratories社製)を20μl の反応
液〔20mM Tris-HCl(pH 8.1), 12mM CaCl2, 12mM MgCl2,
1mM EDTA〕中で室温, 3秒間作用させ、直ちにフェノ
ールで除蛋白し、冷エタノールを加えてDNAを沈澱さ
せた。該DNAを環状DNAにするため、前記条件下T
4DNAリガーゼを作用させた。つぎに制限酵素XhoIを
作用させた後、該反応液を用いて大腸菌DH1を形質転
換させ、テトラサイクリン耐性を示す組換え体を得た。
該組換え体の中から、P31遺伝子の読み枠(フレーム)が
正しく保たれているものを選び出すため、コロニーイム
ノアッセイ〔David J. K. ら, Methods in Enzymology,
79, 622〜630(1981)〕で抗HBsAg抗体と反応するクロー
ンを選択した。その結果、当該クローンとして、pTRPP
31−RbとpTRPP31−Rcを得た。該プラスミドの変異部分
の配列を、M13ダイデオキシ法〔善岡克次ら, 細胞工
学, , 79〜87(1982)〕で解析した結果を〔図4〕に示
す。
【0058】実施例2 修飾P31遺伝子の大腸菌におけ
る発現 実施例1で記載のpTRPP31−Ra, pTRPP31−RbおよびpT
RPP31−Rcを用いて、大腸菌294株およびC600株を形質
転換させ、294/pTRPP31−Ra, 294/pTRPP31−Rb, 294/
pTRPP31−Rc, C600/pTRPP31−Ra, C600/pTRPP31−
Rb, C600/pTRPP31−Rc を得た。各形質転換体を、2.0
%グルコース, 1.0%カザミノ酸を含むM−9培地で、37
℃, 8時間培養した後、菌体を集め、緩衝液〔30mM Tri
s-HCl(pH 8.0), 50mM NaCl, 5mM EDTA〕で洗浄した。菌
体を10mM Tris-HCl(pH 8.0), 5mM EDTA, 1mMフェニル
メチルスルホニルフルオライド, 5mg/mlリゾチームか
らなる溶菌液に懸濁し溶菌した。 該溶菌液に最終濃度7
Mになるように塩酸グアニジンを添加し、37℃で2時間
インキュベーションした。溶菌液を室温で15,000rpm, 1
5分間遠心分離にかけて上澄液を得た。この上澄液の一
定量を臭化シアンで活性化したろ紙片にスポットした。
このろ紙片を5%グリシン溶液〔5%グリシン, 50mM T
ris-HCl(pH 8.0), 0.5M NaCl, 0.1% Triton X-100〕に
16時間浸した後、洗浄溶液〔50mM Tris-HCl(pH 8.0),
0.5M NaCl, 0.1%Triton X-100, 0.2%BovineSerumAlbu
min〕で十分に洗った。該ろ紙片を125I−抗HBsAgモノ
クローナル抗体(106cpm/ml)と3時間反応させた後、洗
浄溶液で十分に洗った。風乾後、このろ紙片の放射能を
γ線カウンターで測定することにより、抗原量を算出し
た。その結果を〔表1〕に示すが、生成量はブロス1リ
ットルあたりとして計算された。なお、アッセイの標準
品としては、HBsAgP31精製標品を用いた。
【表1】 ───────────────────────── 形質転換体 HBsAg (mg/lブロス) ───────────────────────── Escherichia coli 294/pTRPP31-Ra 1.5 Escherichia coli 294/pTRPP31-Rb 1.8 Escherichia coli 294/pTRPP31-Rc 2.0 Escherichia coli C600/pTRPP31-Ra 2.3 Escherichia coli C600/pTRPP31-Rb 2.6 Escherichia coli C600/pTRPP31-Rc 2.4 ─────────────────────────
【0059】実施例3 PHO−5プロモーターを持つ外
来遺伝子発現ベクターを用いた修飾P31遺伝子発現プラ
スミドの構築と、該プラスミドによる酵母の形質転換 プラスミドpPHOP31−R, 5μgに10ユニットの制限酵素
SalI(ニッポンジーン社製)を30μl の反応液〔50mM Tri
s-HCl(pH 7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオ
スレイトール〕中で37℃, 2時間作用させた後、P31遺
伝子を含む1.42kbDNA断片を、前記条件下、アガロー
ス・スラブゲルで分離し、ゲルから該DNAを回収し
た。該DNA0.5μgと制限酵素SalIで消化したpBR322,
0.1μgを混合し、T4DNAリガーゼを用いて結合させ
た後、大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシリン耐性
を示す組換え体を得た。該組換え体の中からpBR322のSa
lI部位に、adr型P31遺伝子を含む1.42kbDNA断片が
組み込まれたプラスミドpBR-Sal-6を得た〔図5〕。
【0060】pBR-Sal-6, 20μgに10ユニットの制限酵素
EcoRI(ニッポンジーン社製)を50μlの反応液〔50mM Tr
is-HCl(pH 7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチ
オスレイトール〕中で、37℃, 10分間作用 (部分分解)
させた後、該プラスミド中に2箇所存在するEcoRI部位
のうち1箇所だけが切断された5.78kbDNA断片を前記
条件下、アガロース・スラブゲルで分離し、該DNA断
片を回収した〔図5〕。該5.78kbDNA 2μgに4ユニ
ットの制限酵素XbaI(ニッポンジーン社製)を20μl の反
応液〔50mM Tris-HCl(pH 7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl
2, 1mM ジチオスレイトール〕中、37℃, 2時間作用さ
せ、該反応液をアガロース・スラブゲル電気泳動にか
け、5.53kbDNAを分取した〔図5〕。pTRPP31-Ra 5
μgを10ユニットのEcoRI, 10ユニットのXbaIで消化し、
5%ポリアクリルアミド・スラブゲルを用いて、緩衝液
〔100mM Tris-HCl, 100mM ホウ酸, 2mM EDTA(pH 8.
3)〕中、150V, 1時間電気泳動にかけた。泳動後、0.25
kbDNA断片を回収した。また、pTRPP31-Rb, pTRPP3
1-Rcについても同様の操作を行い、それぞれの0.25kbD
NA断片を回収した。該DNA断片0.05μgに前記5.53k
bDNA0.1μgを混合し、T4DNAリガーゼを用いて
結合させた後、大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシ
リン耐性を示す組換え体を得た。該組換え体の中からpT
RPP31-Ra由来の0.25kbDNA断片が組み込まれたプラ
スミドpBR-Sal-6a, pTRPP31-Rb由来の0.25kbDNA断
片が組み込まれたプラスミドpBR-Sal-6b,およびpTRPP
31-Rc由来の0.25kbDNA断片が組み込まれたプラスミ
ドpBR-Sal-6cを得た〔図5〕。
【0061】pBR-Sal-6a 5μgに10ユニットの制限酵素
SalIを作用させた後、改良P31遺伝子を含む1.42kbDN
A断片を前記条件下、アガロース・スラブゲルで分断
し、ゲルから該DNAを回収した。該DNA0.2μgとプ
ラスミドpPHO17-1をSalIで消化したDNA0.1μgを混合
し、T4DNAリガーゼを用いて結合させた後、大腸菌
DH1を形質転換させ、アンピシリン耐性を示す組換え
体を得た。該組換え体の中から修飾P31遺伝子が、PHO
−5プロモーターと順方向に挿入されたプラスミドpPHO
P31-Raを得た。同様の方法でpBR-Sal-6bからSalI消化
で得られる1.42kbDNA断片がpPHO17-1に順方向に挿入
されたプラスミドpPHOP31-Rbと、pBR-Sal-6cからSalI
消化で得られる1.42kbDNA断片がpPHO17-1に順方向に
挿入されたプラスミドpPHOP31-Rcを得た〔図5〕。 pPHOP31-Ra, pPHOP31-RbおよびpPHOP31-Rcを用い
て、それぞれ酵母宿主サッカロミセス・セレビシェAH22
R-を形質転換し、 形質転換体(AH22R-/pPHOP31−Ra, AH
22R-/pPHOP31−Rb, およびAH22R-/pPHOP31-Rc)を取得
した。
【0062】実施例4 GLDプロモーターを持つ外来
遺伝子発現ベクターを用いた修飾P31遺伝子発現プラス
ミドの構築と、該プラスミドによる酵母の形質転換 プラスミドpGLD906-1をSalIで消化したDNA0.1μg
と、実施例3で記載したpBR-Sal-6a由来の1.42kbDNA
断片0.2μgを混合し、T4DNAリガーゼを用いて結合
させた後、大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシリン
耐性を示す組換え体を得た。該組換え体の中から、修飾
P31遺伝子がGLDプロモーターと順方向に挿入された
プラスミドpGLDP31-Raを得た。同様の方法で実施例3
で記載のpBR-Sal-6b由来の1.42kbDNA断片がpGLD906-
1に順方向に挿入されたプラスミドpGLDP31-Rbと、同じ
く実施例3で記載のpBR-Sal-6c由来の1.42kbDNA断片
がpGLD906-1に順方向に挿入されたプラスミドpGLDP31-
Rcを得た〔図6〕。pGLDP31-Ra, pGLDP31-Rb, および
pGLDP31-Rcを用いて、それぞれ酵母宿主サッカロミセ
ス・セレビシェAH22R-を形質転換し、 形質転換体(AH22R
-/pGLDP31-Ra, AH22R-/pGLDP31-Rb, およびAH22R-/pG
LDP31-Rc)を取得した。
【0063】実施例5 修飾P31遺伝子の酵母における
発現 実施例3および4で得られた修飾P31遺伝子発現プラス
ミドを含む各酵母形質転換体を、Burkholderおよびその
低リン酸培地で、30℃, 2日間培養した後、菌体を集
め、生理食塩水で洗浄した〔図7〕。Miyanohara, A.
ら〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, 1(1983)〕の方
法に従って菌体をZymolyase〔生化学工業(株)製〕によ
ってスフェロプラストにした後、スフェロプラストに0.
1%トリトンX−100を添加して修飾P31を抽出した。溶
菌液を室温で15,000rpm, 15分間遠心分離にかけて上澄
液を得た。 この上澄液のP31活性をオースザイムII〔ア
ボット(株)製〕を用いて測定した。その結果を〔表2〕
に示すが、P31の生成量はブロス1リットルあたりとし
て計算された。
【表2】 ────────────────────────────── 酵母形質転換体 修飾P31(μg/lブロス) ────────────────────────────── Saccharomyces cerevisiae AH22R-/pPHOP31-Ra 259 〃 〃 AH22R-/pPHOP31-Rb 548 〃 〃 AH22R-/pPHOP31-Rc 1391 〃 〃 AH22R-/pGLDP31-Ra 950 〃 〃 AH22R-/pGLDP31-Rb 950 〃 〃 AH22R-/pGLDP31-Rc 1402 ──────────────────────────────
【0064】実施例6 P31修飾蛋白質粒子の製造 実施例3で作製した酵母組み換え体AH22R-/pPHOP31-Rb
を5%のグルコースを含むBurkholderの低リン酸培地
で、30℃, 2日間培養した後、菌体を集め0.85%NaClで
洗浄した。湿菌体20gを、8mgのザイモリエース60000を
含む10mMリン酸カリウム緩衝液(KPB)pH 7.4, 10mM E
DTA-1mMフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)
14mM 2−メルカプトエタノール, 80mlに懸濁し室温で
3時間インキュベーションし、溶菌した。該溶菌液を5
℃で8000rpm, 10分間遠心分離にかけて細胞膜および壁
片を含む沈澱物を得た。この沈澱物を80mlの10mMKPB
(pH7.4)-10mM EDTA-1mM PMSFに懸濁したのち、5℃で8
000rpm, 10分間遠心分離にかけて残渣を得た。該沈澱物
を再び10mM KPB(pH 7.4)-10mM EDTA-1mM PMSFに懸
濁し、遠心分離によって沈澱物を得た。細胞膜および壁
片から成る該沈澱物を、80mlの10mM KPB(pH 7.4)-10
mM EDTA-1mM PMSF-0.1%Triton X−100に懸濁して5℃
で2時間撹拌することによってP31修飾蛋白質を抽出し
た。該懸濁液を5℃で8000rpm, 10分間遠心分離にかけ
て上澄液を得た。この抽出液中におけるP31修飾蛋白質
の含量は約5〜10%であった。
【0065】該抽出液80mlを、10mM KPB(pH 7.4)-10
mM EDTAで平衡にしたDEAE-トヨパール(東洋曹達工業製)
カラム(1.2×6.5cm)にかけた後、0.1M NaClを含む10mM
KPB(pH 7.4)-10mM EDTAでカラムを十分洗浄した。P
31修飾蛋白質を、NaCl濃度を漸進的に上昇させることに
よって溶出させた。得られた修飾P31溶出画分を限外ろ
過膜を用いて濃縮した後、該濃縮液を、0.1MKPB(pH
7.4)-0.1M NaCl-10mM EDTAで平衡にしたセファクリール
S−300(ファルマシア社製)カラム(1.7×77cm)を用いて
ゲルろ過に付した。void volumeに溶出されてきたP31
修飾蛋白質を、Beckman SW41用遠心チューブ中に作製さ
れた5〜40%のCsClグラジエントに重層し、5℃で40,0
00rpm, 16時間遠心にかけた。修飾P31画分を、10mM K
PB(pH 7.4)-10mM EDTAに透析した後、標品を上述のSW
41用遠心チューブ中に作製された5〜30%の蔗糖グラジ
エントに重層し、5℃で38,000rpm, 6時間遠心にかけ
た。遠心後、P31修飾蛋白質の画分を集めて、該標品を
還元条件下でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
にかけたところ、分子量37kダルトンの主バンドを示し
た。
【0066】実施例7 プラスミドpTB553及びpTB555の
構築 pTRPP31-R及びpTRPP31-RbのDNA各々10μgに100ユ
ニットのEcoRIメチラーゼ(ニューイングランドバイオラ
ボ社製)を50μl の反応液〔50mM Tris-HCl(pH 7.5), 1
mM EDTA, 5mM DTT, 50μM S−アデノシル−メチオニ
ン〕中で37℃, 1時間作用させた。EcoRIメチラーゼを6
5℃ 5分間の熱処理によって失活させたのち、エタノー
ル沈澱によりDNAを回収した。このプラスミドに30ユ
ニットの制限酵素ClaIとPstIを80μl の反応液〔10mM T
ris-HCl(pH 7.5), 10mM MgCl2, 1mM DTT, 50mM NaCl〕
中で37℃, 1時間作用させた後、アガローススラブゲル
電気泳動で分離し、P31遺伝子および修飾P31遺伝子を
含む1.4kbDNA断片を得た。このDNA2μgに4ユニ
ットのT4−DNAポリメラーゼ(PL社製)を30μlの反
応液〔33mM Tris-acetate(pH 7.9), 66mM K-acetate, 1
0mM Mg-acetate, 100μg/ml BSA, 0.5mM DTT, 0.2mM dN
TP〕と37℃, 5分間作用させた。0.2M EDTA(pH 7)を4
μl 加えて、反応を停止させフェノール−クロロホルム
(1:1)で抽出後、エタノール沈澱によりDNAを回収
した。これら末端を平滑化したDNA断片2μgを15μl
のライゲーション緩衝液〔66mM Tris-HCl(pH 7.6), 6.
6mM MgCl2, 10mM DTT, 66μM ATP〕に溶解し、 5′末端
をリン酸化した0.2μgのEcoRIリンカー〔5′−P−d(G
GAATTCC)〕と、 2ユニットのT4DNAリガーゼとを混
合し、14℃で17時間反応させた。リガーゼを65℃ 10分
間の熱処理によって失活させたのち、5倍量の蒸留水を
加えて、さらに制限酵素EcoRIの反応液〔50mM Tris-HCl
(pH 8), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM メルカプトエ
タノール, 100μg/mlBSA〕中30ユニットのEcoRIで3時
間処理した。セファロース4Bカラム(0.5cm直径, 15cm
長さ)でリンカー部分と、リンカーを結合したP31DN
Aを分離し、エタノール沈澱によりEcoRIリンカー結合
P31DNAを回収した。
【0067】一方、特願昭60−133490号〔特開昭61−
63282号公報〕の明細書に記載のプラスミドpTB106
のIL−2遺伝子領域の5′末端側のPstI切断部位及び
3′末端側のBamHI切断部位をEcoRIに変換し、IL−2
遺伝子領域を除去したpTB389を制限酵素EcoRIで切断
し、5′末端のリン酸基をアルカリ性ホスファターゼ処
理により除去した。EcoRIリンカー結合1.4kbP31DNA
断片を、pTB389DNAEcoRI断片と混合し、T4DNA
リガーゼを作用させて、SV40プロモーターを含む動物
細胞形質転換用プラスミドpTB553(P31)及びpTB555(修
飾P31)を構築した。〔図8〕
【0068】実施例8 プラスミドpTB556及びpTB558の
構築 特願昭60−133490号〔特開昭61−63282号公報〕
の明細書に記載のプラスミドpTB348のBamHI断片0.95kb
とプラスミドpTB399のBamHI断片3.8kbをT4DNAリガ
ーゼにより結合したpTB491を制限酵素HindIIIとPstIで
切断し、1.1kbのDHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)DNAを
分離した。また、トリ肉腫ウイルス(ASV)のLTRが
クローニングされたλY73−11A〔北村ら, ネイチャ
ー, 第297巻, 205−208頁(1982)〕のHindIII, SacI, 0.
9kbDNA断片をS1ヌクレアーゼで処理し、HindIIIリ
ンカーを結合させ、pTB106のHindIII切断部位に挿入
し、pTB308を構築した。さらにこのプラスミドのASVLTR
の上流のHindIII切断部位を欠失させた(pTB311)のち、
制限酵素XhoIとHindIIIで切断して、SV40のプロモー
ター領域を除いた(pTB313)のち、制限酵素BstXIで切断
して0.3kbの断片を除き、2連結のASVLTRを一連結にし
たpTB401を構築した。このプラスミドを制限酵素SalIと
PstIで切断し、0.8kbのASVLTRを含む断片を得た。上
記、DHFRDNAを含む、1.1kbのHindIII, PstI断片と、
ASVLTRを含む0.8kbのSalI, PstI断片を、pTB553またはp
TB555を制限酵素HindIIIとSalIで切断した断片と混合
し、T4DNAリガーゼを作用させて、pTB556(P31)及
びpTB558(修飾P31)を構築した。〔図9〕,〔図1
0〕,〔図11〕これらのプラスミドは、ASVのLT
RをプロモーターとするDHFR遺伝子とSV40複製開
始領域をプロモーターとするP31遺伝子または修飾P31
遺伝子を同方向に連結した構造をしている。
【0069】実施例9 動物細胞の形質転換 ファルコンシャーレ(直径6cm)に10%牛胎児血清を含む
イーグルMEM培地を入れ、マウスTK欠損L細胞を37
℃で一晩培養した。培養後、この細胞(7×105個/ディ
ッシュ)に対して、プラスミドpTK61(ヘルペス シムプ
レックス ウイルス(HSV)のTK遺伝子を含む3.5kb
BamHI DNA断片をpBR322にクローニングした組み換え
体を有する大腸菌株LE578〔ジーン, 第7巻, 第335〜3
42頁(1979); Dr. エンキストより分与〕よりプラスミド
を単離し、TK遺伝子を含む2kbPvuII断片〔プロシー
ジング・オブ・ナショナル・アカデミー・サイエンスUS
A,第78巻, 1441〜1445頁(1981)〕をpBR322にリクローニ
ングしたもの)0.2μgとそれぞれ10μgのpTB553, pTB555
DNAとをグラハムらの方法〔ビロロジー, 第52巻, 4
56〜467頁(1973)〕に従って混合, 接種した。4時間37
℃で培養後、新たな培地に替えて一夜培養し、翌日10
%牛胎児血清を含むHAT培地(15μg/mlヒポキサンチ
ン, 1μg/mlアミノプテリン, 5μg/mlチミジン, 0.25
μg/mlグリシンを含むMEM培地)に替えて、37℃で
培養を続けた。3〜4日に一度培養液の交換を行って培
養を続けると、約2〜3週間後にTK+となった細胞が
増殖してコロニーを形成した。プラスミドpTB556 及び
pTB558については、DHFR- CHO細胞〔ウルラウブら,
プロシージング・オブ・ナショナル・アカデミーサイエ
ンスUSA, 第77巻, 4216〜4220頁(1980)〕を5%牛胎児
血清を含むハムF12培地にて培養し、シャーレあたり1
μgのプラスミドをグラハムらの方法(前出)に準じて遺
伝子感染した。2日後に、10%透析牛胎児血清及び35μ
g/mlプロリンを含むダルベッコ改変MEM培地で液替を
行なって、以後この選択培地で培養を続けると約2〜3
週間後に、DHFR+となって増殖した細胞がコロニー
を形成した。
【0070】実施例10 形質転換体のクローニング 実施例9で得た形質転換細胞のクローニングを、それぞ
れの細胞につき、公知の方法(例えばリミテッド ダイ
リューション法)に従っておこなった。クローニング終
了後は、L(TK+)細胞のクローンは10%牛胎児血清を
含むイーグルMEM培地, CHO(DHFR+)細胞のク
ローンは、5%牛胎児血清及び35μg/mlのプロリンを含
むダルベッコ改変MEM培地にて培養した。分離された
各クローンの細胞の培養上清中のHBsAg活性をオースリ
アII−125(ダイナボット社製)によって測定した。その
結果を〔表3〕に示す。
【表3】
【0071】実施例11 修飾P31遺伝子産物のエンド−
β−N−アセチルグルコサミニダーゼH処理 実施例6で記載のサッカロミセス・セレビシエAH22R-/p
PHOP31-Rbの湿菌体0.1gを、0.5mlの7.5M尿素, 10mM K
PB(pH 7.4), 10mM EDTA, 1mM PMSFに懸濁し、直径0.
45〜0.5mmのガラスビーズ1gを加え、ミキサー(大洋化
学, オートマチツクミキサー)で激しく振とうし菌体を
破壊した。該液を5℃で12,000rpm, 10分間遠心分離に
かけて、上澄液を得た。該上澄液0.2mlに等量の0.2M 2
−メルカプトエタノール, 0.4%SDS, 100mM クエン
酸ナトリウム緩衝液(pH 5.5)を加え、95℃で5分間熱処
理を行い、抽出液中の蛋白分解酵素を欠活させた。該液
0.4mlに0.8mlの冷エタノールを加え、氷上で15分間放置
した後、5℃で12,000rpm, 10分間遠心分離にかけ、沈
澱物を得た。該沈澱物を0.2mlの50mM クエン酸緩衝液(p
H 5.5)に懸濁し、その0.1mlに、0.05ユニットのエンド
−β−N−アセチルグルコサミニダーゼH(生化学工業)
を加え、37℃で2時間反応させた。該反応標品と未反応
標品を還元条件下でSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけ、蛋白質をニトロセルロース膜にトランス
ブロット装置(Bio-Rad社)を用いて写し取り、パーオキ
シダーゼで標識した抗HBsAg抗体(オースザイムII, アボ
ットラボラトリーズ)と、イミュン・ブロット アッセイ
キット(Bio-Rad社)を用いてHBsAgを検出した結果、反
応標品の方は、P31遺伝子産物が、34kダルトンに変化
していた。HBsAgに対するモノクローナル抗体を用いて
も同様の結果を得た。このことは、実施例6で記載の37
kダルトンの修飾P31遺伝子産物には糖鎖が付加してお
り、その糖鎖の一部は、エンド−β−N−アセチルグル
コサミニダーゼHで切断されることを示している。
【0072】実施例12 adr型P31遺伝子の16番目と18
番目のアルギニン・コドンを、グルタミン・コドンに変
換した修飾P31遺伝子の作製 実施例3で記載のプラスミドpBR-Sal-6c, 10μgを20μl
の反応液〔50mM Tris-HCl(pH7.5), 100mM NaCl, 10mM
MgCl2, 1mM ジチオスレイトール〕中、20ユニットのSa
lIと20ユニットのXbaIを加え、37℃, 2時間反応を行
い、反応液を5%ポリアクリルアミド・スラブゲル電気
泳動にかけた。泳動後0.25kbpのDNA断片を含むゲル
片を透析チューブ内に封入し、実施例1に記載の方法
で、0.25kbpDNA断片を回収した。ファージベクター
・M13mp11〔Messing, J., Methods in Enzymol., 101,
20(1983)〕の2本鎖DNA0.2μgを20μl の反応液〔5
0mM Tris-HCl(pH7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM
ジチオスレイトール〕中、2ユニットのSalIと2ユニッ
トのXbaIで2時間反応を行い、該DNAをSalI部位とXb
aI部位で開環させた。該反応液に65℃, 5分間の熱処理
を加え、制限酵素を失活させた。該DNA0.01μgに上
記の0.25kbpのDNA断片0.5μgを加え、10μlの反応液
中、T4DNAリガーゼの作用で両DNAを連結させた
後、Messing, J.の方法〔Methods in Enzymol., 101, 2
0(1983)〕で大腸菌JM103に導入し、プラーク(溶菌斑)を
作らせた。白色プラークの中からM13mp11に、上記0.25
kbpDNA断片がクローニングされたM13mp11-101を得
た。
【0073】M13mp11−101のファージ粒子から、Messi
ng, J. の方法でファージDNA(1本鎖DNA)を調製
した。該1本鎖DNAを用いて以下の方法でOligonucle
otide-directed Mutagenesis〔Smith, M., Gilliam,
S., Genetic Engineering, 3, 1(1981)〕を行った。M1
3mp11-101の1本鎖DNA1μgにフォスフォトリエステ
ル法で化学合成し、さらにT4ポリヌクレオチドキナー
ゼを用いて5′末端をリン酸化したDNA, 5′−P−
d(AGGCCTTGCACTTGGGGATCTAG)から成るプライマー18ngを
加え、10μlの反応液〔10mM Tris-HCl(pH7.5), 10mM Mg
Cl2〕中、90℃,5分間の熱処理を行った後、室温で30分
間放置し、アニーリングを行った。該反応液に10μlの
反応液〔10mM Tris-HCl(pH7.5), 1mM ATP, 10mM Mg
Cl2, 1mMdATP, 1mM dCTP, 1mM dGTP, 1mM
dTTP, 10mM DTT, 2ユニットDNAポリメラー
ゼI・ラージフラグメント〔宝酒造(株)製〕, 0.5ユニ
ットT4DNAリガーゼ〕を加え、室温で16時間反応さ
せ、1本鎖DNAを2本鎖DNAに修復した。該反応液
を用いて、上記 Messing, J. の方法で大腸菌JM103を形
質転換し、プラークを形成させた。得られたプラークの
中から上記の合成プライマーと同一の配列を含むファー
ジDNAを選択するために、プラークハイブリダイゼイ
ション〔Benton, W. D., Davis, R. W., Science, 196,
180(1977)〕を行った。前述の化学合成したDNA d(A
GGCCTTGCACTTGGGGATCTAG) 1μgを20μCi のγ−
32P〕ATP〔Amersham社製〕と5ユニットのT4−
ポリヌクレオチドキナーゼ〔宝酒造(株)製〕を用いて30
μl の反応液〔50mMTris-HCl(pH7.6)10mM MgCl2, 10mM
2−メルカプトエタノール〕中、37℃, 30分間反応さ
せ、DNAの5′末端を32Pで標識した。該反応液に等
量のフェノールを加え、除蛋白を行った後、TEN緩衝
液〔10mM Tris-HCl(pH8.0), 200mM NaCl, 1mMEDT
A〕で平衡化したセファロース4B(Pharmacia社製)カ
ラム(0.25×25cm)にかけて、はじめに溶出される32Pで
標識された合成DNAを回収し、プラークハイブリダイ
ゼイションのためのプローブとした。プラークハイブリ
ダイゼイションの方法は、Benton, W.D., Davis, R. W
の方法に従った。約4000プラークについて調べた結果、
36個のプラークが、プローブとハイブリダイズした。
その中の1つのプラークから、ファージDNAを分離
し、実施例1に記載のM13ダイデオキシ法でDNA塩基
配列を解析した結果、P31遺伝子のArg16とArg18のコド
ンが、両方ともGlnのコドンに変換していることが確認
された。該ファージをM13mp11-102と名付けた。
【0074】M13mp11−102の2本鎖DNA20μgを、40
ユニットのEcoRIと40ユニットのXbaIで100μl の反応液
〔50mM Tris-HCl(pH 7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2,
1mMジチオスレイトール〕中、37℃, 2時間作用させた
後、該反応液を5%ポリアクリルアミド・スラブゲル電
気泳動にかけ、230bpのDNA断片を分取し、ゲルから
該DNAを回収した。該DNA断片0.05μgに、実施例
2に記載のpBR-Sal-6由来の5.53kb DNA断片0.1μgを
混合し、T4DNAリガーゼを用いて結合させた合成、
大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシリン耐性を示す
組換え体を得た。該組換え体の中からM13mp11−102由
来の230bpDNA断片が組み込まれたプラスミドpBR-Sal
-6dを得た〔図17〕。該プラスミドが持つ修飾P31遺
伝子は、プロテアーゼによって切断を受けやすいArg48
が欠失し、またArg16とArg18がともにGlnに変換した遺
伝子である。
【0075】実施例13 GLDプロモーターを持つ外来
遺伝子発現ベクターを用いた修飾P31遺伝子発現プラス
ミドの構築と、該プラスミドによる酵母の形質転換 実施例12で記載のプラスミドpBR-Sal-6d 5μgに10ユ
ニットのSalIを作用させた後、修飾P31遺伝子が含まれ
る1.42kb DNA断片を、アガロース・スラブゲル電気
泳動で分離し、ゲルから該DNAを回収した。該DNA
0.2μgと参考例3で記載のプラスミド、pGLD906-1をSa
lIで消化したDNA0.1μgを混合し、T4DNAリガー
ゼを用いて結合させた後、大腸菌DH1を形質転換さ
せ、アンピシリン耐性の組換え体を得た。該組換え体の
中から修飾P31遺伝子がGLDプロモーターと順方向に
挿入されたプラスミドpGLDP31-Rdを得た〔図18〕。p
GLDP31-Rdを用いて酵母宿主サッカロミセス・セレビシ
エ AH22R-を形質転換し、ロイシン非要求性の形質転換
体(AH22R-/pGLDP31−Rd)を取得した。
【0076】実施例14 修飾P31遺伝子の下流に、PG
Kターミネーターを接続させた修飾P31遺伝子発現プラ
スミドの構築と、該プラスミドによる酵母の形質転換 参考例2に記載のホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)
遺伝子が組込まれたプラスミドpPKT3は、PGK遺伝子
の3′−非翻訳領域を約290bp含んでいる。該領域内に
メッセンジャーRNAの合成が終結するターミネーター
があることが、Hitzeman, R. A. らによって明らかにさ
れている〔Nucleic Acids Res., 10, 7791〜7808(198
2)〕。修飾P31遺伝子の転写の終結を速やかに行わせる
ために、PGK遺伝子の3′−非翻訳領域を修飾P31遺
伝子の直後に接続させることを行った。プラスミドpPKT
3, 60μgに50ユニットの制限酵素ClaIと50ユニットの
制限酵素HindIIIを100μlの反応液〔10mM Tris-HCl(pH
7.5), 50mM NaCl, 10mM MgCl2〕中で37℃, 5時間作用
させた後、5%ポリアクリルアミド・スラブゲルを用い
て緩衝液〔100mM Tris-HCl, 100mM ホウ酸, 2mM ED
TA(pH 8.3)〕中、150V,2時間電気泳動にかけた。泳
動後、0.28kb DNA断片を含むゲル片を透析チューブ
内に封入し、参考例1に記載の方法で、0.28kb DNA
断片をゲル片から溶出し、フェノール抽出とエーテル抽
出を行った後、エタノールを加え該DNAを回収した。
上記0.28kbDNA断片は、PGK遺伝子の3′−非翻訳
領域のうち、ストップコドンからの20bpが欠損している
ため、欠損しているDNA配列を化学合成し
【化3】 前述のCrea, R.らの方法によって合成し、参考例1に記
載された条件下で5′側をリン酸化した。
【0077】実施例12で記載のプラスミドpBR-Sal-6d,
10μgに10ユニットの制限酵素SalIと、10ユニットの制
限酵素AhaIIIを50μlの反応液〔50mM Tris-HCl( pH7.
5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオスレイトー
ル〕中、37℃, 2時間作用させた後、該反応液を0.8%
アガロース・スラブゲル電気泳動にかけ、修飾P31遺伝
子を含む0.85kb のDNA断片を分取し、ゲルから該D
NAを回収した。プラスミドpBR322を制限酵素HindIII
とSalIで消化して得られる3.74kb DNA断片0.2μg
と、上記の0.28kb DNA断片(PGK遺伝子のターミネ
ーターを含む)0.05μg, 上記のリン酸化した化学合成D
NA50ng, および上記の0.85kb DNA断片(修飾P31遺
伝子を含む)0.1μgを混合し、参考例1に記載の条件下
でT4DNAリガーゼを作用させて結合させた。該反応
液を用いて大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシリン
耐性形質転換体の中から4種のDNA断片が結合したプ
ラスミドpBR-Sal-6dT を保持する形質転換体を分離し
た。次に参考例1に記載した方法に従って、該プラスミ
ドpBR-Sal-6dT のHindIII部位がSalI部位に変換された
プラスミドpBR-Sal-6dTSを作製した。
【0078】pBR-Sal-6dTS, 5μgに10ユニットの制限
酵素 SalIを30μl の反応液〔50mM Tris-HCl(pH7.5), 1
00mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオスレイトール〕中
で37℃, 2時間作用させた後、修飾P31遺伝子とPGK
ターミネーターを含む1.15kbDNA断片を、前記条件
下、アガロース・スラブゲルで分離し、ゲルから該DN
Aを回収した。該DNA0.5μgと、プラスミドpGLD906-
1をSalIで消化したDNA0.1μgを混合し、T4DNA
リガーゼを用いて結合させた後、大腸菌DH1を形質転
換させ、アンピシリン耐性を示す組換え体を得た。該組
換え体の中から、修飾P31遺伝子−PGKターミネータ
ーがGLDプロモーターと順方向に挿入されたプラスミ
ド pGLDP31−RdTを得た〔図19〕。pGLDP31−RdT を
用いて、酵母宿主サッカロミセス・セレビシエAH22R-
形質転換し、形質転換体(AH22R-/pGLDP31−RdT)を取得
した。
【0079】実施例15 修飾P31遺伝子の酵母における
発現 実施例13および14で得られた修飾P31遺伝子発現プラス
ミドを含む酵母形質転換体を5mlの培養液〔1リットル
あたり、K2HPO4 3g, グルコース30g, アスパラギン4
g, L−ヒスチジン100mg, KI 0.1mg, MgSO4・7H2O 50
0mg, CaCl2・2H2O 330mg, CuSO4・5H2O 0.4mg, Fe
SO4・7H2O 2.5mg, MnSO4・4H2O 0.4mg, (NH4)3PO4
12MoO3・3H2O 0.2mg, ZnSO4・7H2O 3.1mg, イノシト
ール10mg, チアミン0.2mg, ピリドキシン0.2mg, Ca-パ
ントテン酸0.2mg, ナイアシン0.2mg, ビオチン0.002mg
を含む〕中で30℃で1日間振とう培養を行った後、その
2mlを18mlの新鮮培地〔1リットルあたり、KH2PO4 300
mg, ショ糖50g, アスパラギン4g, L−ヒスチジン100m
g, KCl 1.5g, KI 0.1mg, MgSO4・7H2O 500mg, CaCl2・2
H2O 330mg, グルコース10g, トリス-マレイン酸(pH6.5)
25mM, CuSO4・5H2O 0.4mg, FeSO4・7H2O 2.5mg, MnSO4
・4H2O 0.4mg, (NH4)3PO4・12MoO3・3H2O 0.2mg, ZnSO4
・7H2O 3.1mg, イノシトール10mg, チアミン0.2mg, ピ
リドキシン0.2mg, Ca-パントテン酸0.2mg, ナイアシン
0.2mg, ビオチン0.002mgを含む〕に移し、さらに30℃で
2日間振とう培養を行った。菌体を遠心で集めた後、実
施例5に記載の方法で菌体抽出液を得、P31活性を測定
した。その結果AH22R-/pGLDP31−RdのP31産生量は、
ブロス1mlあたり29μg と計算された。また、AH22R-/p
GLDP31−RdTのP31産生量は、ブロス1mlあたり47μg
と計算された。
【0080】実施例16 菌体からの抽出 実施例15記載の方法で培養し、−20℃で凍結して得た酵
母S.cerevisiae AH22R-/pGLDP31-Rd の凍結保存菌体1
kgを7.5M尿素-10mM エチレンジアミン四ナトリウム塩
(EDTA)-2mM フェニルメチルスルホニルフルオライ
ド(PMSF)-0.1mM (p−アミジノフェニル)メタンスル
ホニルフルオライド塩酸塩(P−APMSF)-10mM リン酸ナト
リウムを含む緩衝液(pH7.5)4000mlに均一に懸濁した。
この懸濁液をダイノーミルKDL型ボールミル(WAB
社, バーゼル, スイス)により流速4000ml/hrおよびガラ
スビース0.50〜0.75mmで処理し、細胞を連続的に破壊し
た。抽出効率を高める為にこの操作を2回繰り返した。
この抽出液を13900×gで30分間遠心して上清5500mlを得
た。HBsAg濃度はオースザイム(AUSZYME)により4.2μg/m
lであった。 ポリエチレングリコールによる分画 上記で得た上清に0.5倍量の33% 濃度(W/W)ポリエチレ
ングリコール6000(PEG−6000)をゆっくり添加し、13
900×gで30分間遠心してHBsAg画分を沈澱として回収し
た。得られた沈澱物を7.5M尿素-10mM EDTA-2mM P
MSF-0.1mM P-APMSF-10mM リン酸ナトリウムを含む緩
衝液(pH7.5)1000mlに溶解し、最終濃度が0.2Mになるよ
うに食塩を添加した。この溶液に0.25倍量の33% 濃度
(W/W)のPEG−6000を添加したのち、13900×gで30分
間遠心し、上清を得た。得られた上清に0.5倍量の33%
濃度(W/W)のPEG−6000をさらに添加したのち、13900
×gで30分間遠心して沈澱物を集めた。この沈澱物を5.0
M 尿素-0.145M 食塩-5mM EDTA−1mM PMSF-0.
05mM P-APMSF-10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)120
mlに溶解した。
【0081】 セファクリルS−300によるゲルろ過 上記で得た溶解液を5.0M 尿素-5mM EDTA−1mM P
MSF-0.05mM P-APMSF-10mM リン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.5)で平衡化したセファクリルS−300(ファルマシ
ア社, スエーデン)カラム(5×102cm, 2000ml)に負荷
し、同一緩衝液で溶出して、カラムの排除容積で溶出さ
れてくる画分240mlを集めた。 超遠心分離 次にBeckman SW−28用超遠心チューブに、40%セシウム
クロライド(CsCl)-5M尿素-2mM EDTA-1mM PM
SF-0.05mM P-APMSF-10mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.
4)8.5ml, 30%CsCl-5M尿素-2mM EDTA-1mM PM
SF-0.05mM P-APMSF-10mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.
4)8.5mlおよび上記溶解液20mlを重層し、28000rpm, 4
℃で16時間超遠心を行いHBsAgを密度1.2付近に濃縮・精
製した。 ハイドロキシルアパタイトカラム 超遠心により濃縮・精製されたHBsAg画分を0.05mM
P-APMSFを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に対
して一昼夜透析し、上記緩衝液で平衡化したハイドロキ
シルアパタイトカラム(2.5×10cm, 50ml)に通してHBsAg
を吸着させ、カラムを上記平衡化緩衝液で洗浄した。次
いで0.05mM P-APMSFを含む50mM リン酸カリウム緩衝液
(pH7.0)300mlと0.05mM P-APMSFを含む600mM リン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)300mlとによる直線濃度勾配溶出法に
よりHBsAgを溶出した。 HBsAg画分を分取し、PBSに対
して透析後、除菌ろ過してHBsAg蛋白濃度65μg/mlのHBs
Ag精製標品液42mlを得た。上記溶液10mlを1.18mg/mlの
濃度Alum液55mlと4℃3時間混合し、HBsAgをAlumに吸
着させることによりHBsAg 10μg/mlのワクチン65mlを調
製した。
【0082】実施例17 修飾P31遺伝子の下流に、
PGKタ−ミネ−タ−を接続させた修飾P31遺伝子発
現プラスミドの構築と、該プラスミドによる酵母の形質
転換 実施例3で記載のプラスミドpBR−Sal−6c, 10μ
gに10ユニットの制限酵素Sal Iと、10ユニットの
制限酵素Xba Iを50μlの反応液〔50mMTris−H
Cl(pH7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2
1mMジチオスレイト−ル〕中、37℃, 2時間作用さ
せた後、該反応液を5%ポリアクリルアミド・スラブゲ
ル電気泳動にかけた。泳動後、0.25kb DNA断片を
含むゲル片を透析チュ−ブ内に封入し、参考例1に記載
の方法でDNA断片をゲル片から溶出し、フェノ−ル抽
出とエ−テル抽出を行った後、エタノ−ル沈澱を行って
該DNAを回収した。実施例14で記載のプラスミドp
BR−Sal−6dT, 3μgに5ユニットの制限酵素Sal
Iと、5ユニットの制限酵素Xba Iを20μlの反応
液〔50mMTris−HCl(pH7.5), 100mM Na
Cl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイト−ル〕
中、37℃, 2時間作用させた後、該反応液を0.8%
アガロ−ス・スラブゲル電気泳動にかけ、4.65kb D
NA断片を分取し、ゲルから該DNAを上記の方法で回
収した。
【0083】前記の0.25kb DNA断片0.05μg
と、4.65kb DNA断片0.2μgを混合し、参考例1
に記載の条件下でT4DNAリガ−ゼを作用させて結合
させた。該反応液を用いて大腸菌DH1を形質転換さ
せ、アンピシリン耐性を示す形質転換体の中から、上記
2種類のDNA断片が結合したプラスミドpBR−Sal
−6cTを保持する形質転換体を分離した。次に参考例
1に記載した方法に従って、該プラスミドpBR−Sal
−6cTの HindIII部位がSal I部位に変換されたプ
ラスミドpBR−Sal−6cTSを作製した。pBR−Sa
l−6cTS, 5μgに10ユニットの制限酵素Sal Iを
30μl の反応液〔50mM Tris−HCl(pH7.5),
100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオス
レイト−ル〕中で37℃, 2時間作用させた後、1.1
5kbDNA断片を前記条件下アガロ−ス・スラブゲルで
分離し、ゲルから該DNAを回収した。該DNA0.5
μgと、プラスミドpGLD 906−1のSal I消化D
NA, 0.1μgを混合し、T4DNAリガ−ゼを用いて
結合させた後、大腸菌DH1を形質転換させ、アンピシ
リン耐性を示す組換え体を得た。該組換え体の中から、
修飾P31遺伝子−PGKタ−ミネ−タ−がGLDプロ
モ−タ−と順方向に挿入されたプラスミドpGLD P3
1−RcTを得た〔図20〕。pGLD P31−RcTを
用いて、酵母サッカロミセス・セレビシエAH22R-
を形質転換し、形質転換体(AH22R-/pGLD P3
1−RcT)を取得した。
【0084】実施例18 修飾P31遺伝子の酵母にお
ける発現 実施例17で得られた修飾P31遺伝子発現プラスミド
を含む酵母形質転換体を5mlの培養液〔1リットルあた
り、K2HPO4 3g, グルコ−ス30g, アスパラギン
4g, L−ヒスチジン100mg, KI 0.1mg, MgSO
4・7H2O 500mg, CaCl2・2H2O 330mg, C
uSO4・5H2O 0.4mg, FeSO4・7H2O 2.5m
g, MnSO4・4H2O 0.4mg, (NH4)3PO4・12
MoO3・3H2O 0.2mg, ZnSO4・7H2O 3.1m
g, イノシト−ル10mg, チアミン0.2mg, ピリドキシ
ン0.2mg, Ca−パントテン酸0.2mg, ナイアシン0.
2mg, ビオチン0.002mgを含む〕中で30℃で1日間
振とう培養を行った後、その2mlを18mlの新鮮培地
〔1リットルあたり、KH2PO4 300mg, ショ糖
50g, アスパラギン4g, L−ヒスチジン100mg, K
Cl 1.5g, KI0.1mg, MgSO4・7H2O500m
g, CaCl2・2H2O 330mg, グルコ−ス10g, ト
リス−マレイン酸(pH6.5)25mM, CuSO4・5H2
O 0.4mg,FeSO4・7H2O 2.5mg, MnSO4・4
2O 0.4mg, (NH4)3PO4・12MoO3・3H2
0.2mg, ZnSO4・7H2O 3.1mg, イノシト−ル1
0mg, チアミン0.2mg, ピリドキシン0.2mg, Ca−
パントテン酸0.2mg, ナイアシン0.2mg, ビオチン
0.002mgを含む〕に移し、さらに30℃で2日間振
とう培養を行った。菌体を遠心で集めた後、実施例5に
記載の方法で菌体抽出液を得、P31活性を測定した。
その結果AH22R-/pGLDP31−RcTのP31
産生量は、ブロス1mlあたり17.8μgと計算された。
【0085】実施例19 菌体からの抽出 実施例18記載の方法で培養し、−20℃で凍結して得
た酵母S.cerevisiaeAH22R-/pGLD P31−R
cTの凍結保存菌体500gを 0.1%ポリオキシエチ
レン(20)ソルビタンモノオレエ−ト(Tween 80)−
7.5M尿素−10mMエチレンジアミン四ナトリウム塩
(EDTA)−2mMフェニルメチルスルホニルフルオラ
イド(PMSF)−0.1mM(p−アミジノフェニル)メタ
ンスルホニルフルオライド塩酸塩(P−APMSF)−1
00mMリン酸ナトリウムを含む緩衝液(pH7.2)25
00mlに均一に懸濁した。この懸濁液をダイノ−ミルK
DL型ボ−ルミル(WAB社, バ−ゼル, スイス)により
流速4000ml/hrおよびガラスビ−ス0.50〜0.7
5mmで処理し、細胞を連続的に破壊した。抽出効率を高
める為にこの操作を2回繰り返した。この抽出液を13
900×gで30分間遠心して上清3300mlを得た。
HBsAg濃度はオ−スザイム(AUSZYMEII)により
34.6μg/mlであった。
【0086】 ポリエチレングリコ−ルによる分画 上記で得た上清に0.65倍量の33%濃度(W/W)ポ
リエチレングリコ−ル6000(PEG−6000)をゆ
っくり添加し、pHを6.0に調整したのち30分間撹拌
してから、13900×gで30分間遠心してHBsAg
画分を沈澱として回収した。得られた沈澱物を7.5M
尿素−10mM EDTA−2mM PMSF−0.1mM
P−APMSF−100mMリン酸ナトリウムを含む緩
衝液(pH7.2)1000mlに溶解し、pHを7.0に調整
したのち最終濃度が0.30Mになるように食塩を添加
した。この溶液に0.25倍量の33%濃度(W/W)の
PEG−6000を添加し、30分後に13900×g
で30分間遠心し、上清を得た。得られた上清に0.2
9倍量の33%濃度(W/W)のPEG−6000をさら
に添加し、pHを6.0に調整して、30分間撹拌を続け
たのち、13900×gで30分間遠心して沈澱物を集
めた。この沈澱物を5.0M 尿素−0.145M食塩−
5mM EDTA−1mM PMSF−0.05mM P−A
PMSF−10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
120mlに溶解した。
【0087】 セファクリルS−300によるゲルろ
過 上記で得た溶解液を5.0M 尿素−0.145M 食塩−
5mM EDTA−1mM PMSF− 0.05mM P−
APMSF−10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.
0)で平衡化したセファクリルS−300(ファルマシア
社, スエ−デン)カラム(5×102cm, 2000ml)に
負荷し、同一緩衝液で溶出して、カラムの排除容積で溶
出されてくる画分240mlを集めた。 抗体カラム 次に上記で得た溶出液240mlを0.145M食塩−5m
M EDTA−0.1mM P−APMSF−10mM リン
酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で5倍に希釈し、同一緩
衝液で平衡化したマウス由来の抗HBsAg抗体(国際出
願PCT/JP85/00161の参考例1〜3に記
載)〔特願昭61−4092号:昭和61年1月10日
提出〕を結合させたホルミル−セルロファインカラム2
00mlを通過させた。次いでHBsAgを吸着させたカラ
ムを1Mチオシアン酸アンモニウム−10mMリン酸ナ
トリウム緩衝液(pH6.0)で洗浄したのち、4Mチオシ
アン酸アンモニウム−10mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0)で溶出した。約300mlの溶出液を40mlに
まで濃縮した。
【0088】 セファクリルS−400によるゲルろ
過 上記で得た濃縮液を5.0M尿素−0.145M食塩−5
mM EDTA−1mMPMSF−0.05mM P−APM
SF−10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)で平
衡化したセファクリルS−400(ファルマシア社, ス
エ−デン)カラム(5×102cm, 2000ml)に負荷
し、同一緩衝液で溶出して、HBsAg画分186mlを集
めた。溶出液を120mlまで濃縮した。 超遠心分離 次にBeckman SW−28用超遠心チュ−ブに、40%セ
シウムクロライド(CsCl)−5M尿素−2mM EDTA
−1mM PMSF−0.05mM P−APMSF−10m
M リン酸カリウム緩衝液(pH7.4)8.5ml, 30%Cs
Cl−5M尿素−2 mM EDTA−1mM PMSF−
0.05mM P−APMSF−10mMリン酸カリウム緩
衝液 (pH7.4)8.5mlおよび上記濃縮液20mlを重層
し、28000rpm, 4℃で16時間超遠心を行いHBs
Agを密度1.2付近に濃縮・精製した。上記超遠心によ
り濃縮, 精製されたHBsAg画分をPBSに対して透析
後、除菌ろ過してHBsAg蛋白濃度250μg/mlのH
BsAg精製標品液50mlを得た。
【0089】実施例20 実施例16で得たHBsAgについて以下の性質を調べ
た。 (1) ラエムリ 〔Nature, 227,680(197
0)〕に準じてSDS−ポリアクリルアミドスラブゲル
電気泳動を行ったあと、銀染色を行なった結果、該HB
sAg蛋白質は分子量約37000ダルトンおよび340
00ダルトンにバンドを示した。 (2) N末端アミノ酸配列 該HBsAg蛋白質74.2μgに気相プロテイン シ−ク
エネ−タ−(アプライド・バイオシステシ−クエネ−タ
−(アプライド・バイオシステムズ社製470A型、ア
メリカ)を用いる自動エドマン分解法を適用して、N末
端アミノ酸配列を分析した。フェニルチオビダントイン
アミノ酸 (PTH−アミノ酸)はミクロパックSP−O
DSカラム(バリアン社製, アメリカ)を用いる高速液
体クロマトグラフィ−により同定した。各ステップで検
出されたPTH−アミノ酸を〔表4〕に示す。
【0090】
【表4】 表中Xについては未決定である。 (3) 電子顕微鏡観察 該HBsAgの粒子を日本電子の1200E型電子顕微鏡
で観察した結果、19.1±2.0nmの粒子が観察され
た。なお、実施例19で得たHBsAgについても同様な
性質であった。
【0091】実施例21 サブタイプadr型の修飾P31遺
伝子とサブタイプadw型のP25遺伝子を同時に発現させ
るプラスミドの構築1 実施例3で記載のサブタイプadr型の修飾P31遺伝子発
現プラスミドpPHOP31-Rc 30μgに60ユニットの制限酵
素SalIを100μl の反応液〔50mM Tris-HCl(pH 7.5), 10
0mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオスレイトール〕中
で37℃, 10分間作用(部分分解)させた後、該プラスミド
上に2箇所存在するSalI部位のうち、1箇所だけが切断
された9.7kbDNA断片を参考例1で記載の方法でアガ
ロース・スラブゲルで分離し、該DNA断片を回収し
た。このDNA断片2μgに4ユニットの制限酵素ScaI
(New England Biolabs社製)を20μlの反応液〔10mM Tri
s-HCl(pH 7.5), 50mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオ
スレイトール〕中、37℃, 2時間作用させ、該反応液を
アガロース・スラブゲル電気泳動にかけ、6.85kbDNA
を分取した。特願昭59−193765号〔特開昭61
−70989号公報〕に添付の明細書に記載のサブタイ
プadw型のP25遺伝子発現プラスミドpPHO17-5820μgに4
0ユニットの制限酵素BamHI(ニッポンジーン社製)と40ユ
ニットのHindIII(ニッポンジーン社製)を100μl の反応
液〔10mM Tris-HCl(pH 7.5), 50mM NaCl, 10mM MgCl2,
1mM ジチオスレイトール〕中で37℃, 2時間作用させ
た後、該反応液をアガロース・スラブゲル電気泳動にか
け、5.5kbDNAを分取した。つぎにこのDNA断片2
μgを30μl の反応液〔40mM リン酸カリウム緩衝液(pH
7.5), 6.6mM MgCl2, 1mM 2−メルカプトエタノール,
33μM dATP, 33μM dGTP, 33μM dTTP, 33μ
M dCTP〕中で、5ユニットのDNAポリメラーゼI
ラージ・フラグメント(New England Biolabs社製)を用
いてDNA断片の両端の1本鎖部分を2本鎖に修復し
た。次に、50ngの5′末端がリン酸化されたSalIリンカ
ー〔5′-P-d(GGTCGACC)〕(New England Biolabs社製)
と、 上記の両末端が修復されたDNA断片2μgを、T
4DNAリガーゼを作用させ、連結させた。該反応液を
フェノール抽出さらにエーテル抽出した後、NaClを0.2
Mになるように加え、つづいて2倍量の冷エタノールを
加えて−20℃でDNAを沈澱させた。該DNA断片2μ
gに10ユニットの制限酵素SalIと、 4ユニットの制限酵
素ScaIを30μl の反応液〔50mM Tris-HCl(pH 7.5), 10m
M NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール〕中、
37℃, 3時間作用させた後、該反応液をアガロース・
スラブゲル電気泳動にかけ、4.2kbDNA断片を分取し
た。上記の6.85kbDNA断片(pPHOP31-Rc由来)0.5μg
と、 4.2kbDNA断片(pPHO17-58由来)0.5μgとを、 20μ
l の反応液中でT4DNAリガーゼの作用で連結させ
た。この反応液を用いて大腸菌DH1を形質転換させ、
アンピシリン耐性を示すコロニーの中から、ミニスクリ
ーニング法〔Birnboim, H. C. and Doly, J.,Nucleic A
cids Res., 7, 1513(1979)〕で、 pPHO3125を選択した
〔図22〕。
【0092】実施例22 サブタイプadr型の修飾P31遺
伝子とサブタイプadw型のP25遺伝子を同時に発現させ
るプラスミドの構築2 参考例6で記載のサブタイプadw型のP25遺伝子発現プ
ラスミドpGLDP25−W30μgに50ユニットの制限酵素XhoI
(ニッポンジーン社製)を100μlの反応液〔50mM Tris-HC
l(pH 7.5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mM ジチオスレ
イトール〕中で37℃, 10分間作用(部分分解)させた後、
該プラスミド上に2箇所存在するXhoI部位のうち、 1箇
所だけが切断された10.2kbDNA断片を参考例1で記載
の方法でアガロース・スラブゲルで分離し、該DNA断
片を回収した。このDNA断片4μgに4ユニットの制
限酵素ScaIを作用させ、 生じたDNA断片をアガロース
・スラブゲルで分離し、 7.3kbDNA断片を分取した。
該7.3kbDNA断片1μgに、実施例21に記載の方法で
DNAポリメラーゼIラージ・フラグメントを作用さ
せ、XhoIで切断された一端の1本鎖DNAを2本鎖DN
Aに修復した。実施例4で記載のサブタイプadr型の修
飾P31遺伝子発現プラスミドpGLDP31-Rc 20μgに40ユ
ニットの制限酵素ScaIと、 40ユニットの制限酵素BamHI
を100μlの反応液〔10mM Tris-HCl(pH 7.5), 50mM NaC
l, 10mM MgCl2, 1mM ジチオスレイトール〕中で、37
℃, 2時間作用させた後、該反応液をアガロース・スラ
ブゲル電気泳動にかけ、5.4kbDNA断片を分取した。
該5.4kbDNA断片1μgに、実施例21に記載の方法で
DNAポリメラーゼIラージ・フラグメントを作用さ
せ、BamHIで切断され一端の1本鎖DNAを2本鎖DN
Aに修復した。上記の7.3kbDNA断片(pGLDP25−W由
来)0.5μgと、 5.4kbDNA断片(pGLDP31-Rc由来)0.5μ
gとを、 20μlの反応液中でT4DNAリガーゼの作用で
連結させた。この反応液を用いて大腸菌DH1を形質転
換させ、アンピシリン耐性を示すコロニーの中から、ミ
ニスクリーニング法で、pGLD2531を選択した〔図2
3〕。
【0093】実施例23 pPHO 3125 およびpGLD 2531に
よる酵母の形質転換と該形質転換体によるHBsAgの産生 実施例21で記載のpPHO 3125 10μgを用いて、 公知の
方法〔Hinnen, A. ら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 7
5, 1927(1978)〕によってサッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22R- を形質転換し、 ロ
イシン非要求性を示す形質転換体AH22R-/pPHO 3125を得
た。 また実施例22で記載のpGLD 253110μgを用いて、
同様の方法でAH22R-/pGLD 2531を得た。上記のサブタイ
プadr型修飾P31遺伝子とサブタイプadw型P25遺伝子を
同時に発現させるプラスミドを含む各酵母形質転換体
を、 Burkholderおよびショ糖5%を含むその低リン酸培
地で、 30℃,2日間培養した後、菌体を集め、生理食塩
水で洗浄した。
【0094】Miyanohara, A. ら〔Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 80,1(1983)〕の方法に従って菌体をZymolyase
〔生化学工業(株)製〕によってスフェロプラストにした
後、スフェロプラストに0.1%トリトンX−100を添加し
てHBsAgを抽出した。 溶菌液を室温で15,000rpm, 15分間
遠心分離にかけて上澄液を得た。 この上澄液のHBsAg活
性をオースザイムII〔アボット(株)製〕を用いて測定し
た。 その結果を〔表5〕に示すが、HBsAgの生成量はブ
ロス1リットルあたりとして計算された。
【表5】 ────────────────────────────── 酵母形質転換体 HBsAg(μg/lブロス) ────────────────────────────── Saccharomyces cerevisiae AH22R-/pPHO 3125 8000 Saccharomyces cerevisiae AH22R-/pGLD 2531 10000 ────────────────────────────── 該上清液20μlを還元条件下でSDS−ポリアクリルア
ミド・スラブゲル電気泳動〔Laemmli, U. K., Nature,
227, 680(1970)〕にかけ、蛋白質をニトロセルロース膜
にトランスブロット装置(Bio−Rad社)を用いて写し取
り、パーオキシダーゼで標識した抗HBsAg抗体〔オース
ザイムII, アボット(株)製〕と、イミュン・ブロット
アッセイ キット(Bio−Rad社)を用いてHBsAgを検出し
た結果、AH22R-/pPHO 3125の抽出液では、37kダルトン
(+微量の34kダルトン)のHBsAg蛋白と、 25kダルトンのH
BsAg蛋白が、約1対9の量比で検出された。またAH22R-
/pGLD2531の抽出液では、37kダルトン(+微量の34kダル
トン)と25kダルトンのそれぞれのHBsAg蛋白は、ほぼ等
量で検出された。
【0095】実施例24 サブタイプadr型の修飾P31遺
伝子とサブタイプadw型のP25遺伝子を同時に発現させ
るプラスミドの構築3 参考例3に記載のプラスミドpGLD906−1、12μgに1
0ユニットのBamHIと10ユニットのXhoIを加え50
μlの反応液〔50mM Tris−HCl(pH7.5),100mM
NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール〕
中、37℃で3時間作用させた後、該反応液を前記条件
下、1%アガロース・スラブゲル電気泳動にかけた。泳
動後、GLDプロモーターを含む1.1kbDNA断片を参考例
1に記載の方法で回収した。特開昭61−70989号
公報に記載のプラスミドpPHO17-58、15μgに15ユニ
ットのXhoIと15ユニットのAhaIIIを加え、50μlの
反応液〔50mM Tris−HCl(pH7.5),100mM Na
Cl,10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール〕中、
37℃で3時間作用させた後、該反応液を前記条件下、
1.2%アガロース・スラブゲル電気泳動にかけた。泳動
後、サブタイプadw型のP25遺伝子を含む0.69kbDNA
断片を回収した。
【0096】実施例17に記載のプラスミドpBR-Sal-6c
T 10μgに、8ユニットのHindIIIと8ユニットのA
haIIIを加え、30μlの反応液〔10mM Tris−HCl
(pH7.5), 50mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジ
チオスレイトール〕中、37℃で3時間作用させ、該反
応液を5%ポリアクリルアミド・スラブゲル電気泳動に
かけた。泳動後、PGKターミネーターを含む0.29kbDN
A断片を回収した。プラスミドpBR322、 3μgに8ユニ
ットのHindIIIと8ユニットのBamHIを加え、20μ
lの反応液〔10mM Tris−HCl(pH7.5), 50mM
NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオスレイトール〕
中、37℃で2時間作用させ、該反応液を0.8%アガロ
ース・スラブゲル電気泳動にかけた。泳動後4.02kbDN
A断片を回収した。上記の操作で得られた4種のDNA
断片(GLDプロモーターを含む1.1kbDNA断片0.1μg, a
dw型P25遺伝子を含む0.69kbDNA断片0.1μg, PGKタ
ーミネーターを含む0.29kbDNA断片0.03μg, およびp
BR322由来の4.02kbDNA断片0.2μg)を混合し、20μ
lの反応液〔66mM Tris−HCl(pH7.6), 6.6mM M
gCl2,10mMジチオスレイトール, 1mMATP〕中、
200ユニットのT4DNAリガーゼを加えて14℃で
16時間結合反応を行った。該反応液を用いて大腸菌D
H1を形質転換させ、アンピシリン耐性を示す組換え体
を得た。該組換え体の中から、GLDプロモーターとP25
遺伝子とPGKターミネーターが予想通りに結合したプラ
スミドpSC-HBw1を得た。〔図24〕
【0097】プラスミドpSC-HBw1 5μgを、20μlの
反応液中、4ユニットのHindIIIで37℃, 3時間消化
し、6.1kbDNA断片を得た。次に該DNA断片5μgを
30μlの反応液〔40mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.
5), 6.6mM MgCl2, 1mM2−メルカプトエタノール,
33μMdATP, 33μMdGTP, 33μMdTT
P, 33μMdCTP〕中で5ユニットのDNAポリメ
ラーゼI・ラージフラグメントを用いてDNA断片の両
端の1本鎖部分を2本鎖に修復した。該DNA断片に、
5′末端がリン酸化されたBglIIリンカー〔5′−CAGA
TCTG−3′〕(New England BioLabs社製)100ngを加
え、T4DNAリガーゼを用いて両者を連結させた後、
エタノールを2倍量加えてDNAを沈澱させた。該DN
Aに8ユニットのBamHIと、20ユニットのBglIIを
加え、30μlの反応液〔50mMTris−HCl(pH7.
5), 100mM NaCl, 10mM MgCl2, 1mMジチオ
スレイトール〕中、37℃で5時間反応させた。該反応
液を1%アガロース・スラブゲル電気泳動にかけ、2.1k
bD断片を分取した。実施例17に記載のプラスミドpGL
DP31-RcTをBamHIで消化した11kbDNA断片0.2μg
と、上記2.1kbDNA断片0.2μgを混合し、20μlの反
応液〔66mM Tris−HCl(pH7.6), 6.6mM MgC
l2, 10mMジチオスレイトール, 1mMATP〕中、1
00ユニットのT4DNAリガーゼを加えて14℃, 1
6時間反応を行った。該反応液を用いて大腸菌DH1を
形質転換させ、アンピシリン耐性を示す組換え体を得
た。該組換え体の中から、プラスミドpGLD25T31cTを得
た。〔図24〕
【0098】実施例25 pGLD25T31cTによる酵母の形質
転換と該形質転換体によるHBsAgの産生 実施例24で記載のpGLD25T31cT 10μgを用いて、酵
母サッカロミセス・セレビシエAH22R-を形質転換し〔Hi
nnen, A. ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75, 1927
(1978)〕、 形質転換体(AH22R-/pGLD25T31cT)を取得し
た。上記の酵母形質転換体を5mlの培養液〔1リットル
あたり、K2HPO4 3g, グルコース30g, アスパラギン
4g, L−ヒスチジン100mg, KI 0.1mg, MgSO4・7H
2O 500mg, CaCl2・2H2O 330mg, CuSO4・5H2O 0.4
mg, FeSO4・7H2O 2.5mg, MnSO4・4H2O 0.4mg,(NH4)3P
O4・12MoO3・3H2O 0.2mg,ZnSO4・7H2O 3.1mg,イノシ
トール10mg, チアミン0.2mg, ピリドキシン0.2mg, Ca
−パントテン酸0.2mg, ナイアシン0.2mg, ビオチン0.00
2mgを含む〕中で30℃で1日間振とう培養を行った
後、その2mlを18mlの新鮮培地〔1リットルあたり、
K2HPO4300mg, ショ糖50g, アスパラギン4g, L−
ヒスチジン100mg, KCl 1.5g, KI 0.1mg, MgSO4
7H2O 500 mg, CaCl2・2H2O 330mg, グルコース
10g, トリス−マレイン酸(pH6.5)25mM, CuSO4・5H2
O 0.4mg, FeSO4・7H2O2.5mg, MnSO4・4H2O 0.4mg,
(NH4)3PO4・12MoO3・3H2O 0.2mg, ZnSO4・7H2O3.1mg,
イノシトール10mg, チアミン0.2mg, ピリドキシン0.2
mg, Ca−パントテン酸0.2mg, ナイアシン0.2mg, ビオチ
ン0.002mgを含む〕に移し、さらに30℃で2日間振と
う培養を行った。菌体を遠心で集め、生理食塩水で洗滌
した。
【0099】Miyanohara, A. ら〔Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 80, 1(1983)〕の方法に従って菌体をZymolyas
e〔生化学工業(株)製〕によってスフェロプラストにし
た後、スフェロプラストに0.1%トリトンX−100を
添加してHBsAgを抽出した。溶菌液を室温で15,000rpm,
15分間遠心分離にかけて上澄液を得た。この上澄液の
HBsAg活性をオースザイムII〔アボット(株)製〕を用い
て測定した。その結果ブロス1リットルあたり、20mg
から30mgのHBsAgを産生していることが判明した。菌
体15mgを100μlのサンプル緩衝液 〔Laemmli, U.
K., Nature, 277, 680(1970)〕に懸濁し、100℃で1
0分間処理した後、上清液30μlをSDS−ポリアクリル
アミド・スラブゲル電気泳動(Laemmli, U. K., Nature,
277, 680(1970))にかけた。蛋白質をニトロセルロース
膜にトランスブロット装置(Bio-Rad社)を用いて写し取
り、パーオキシダーゼで標識した抗HBsAg抗体〔オース
ザイムII, アボット(株)製〕と、イミュン・ブロット・
アッセイ・キット〔Bio-Rad社〕を用いてHBsAgを検出し
た結果、37kダルトン, 34kダルトン, 25kダルト
ンの蛋白質が抗HBsAg抗体と反応した。各微生物および
動物細胞の寄託機関への寄託およびその受託番号は〔表
6〕に示すとおりである。
【0100】表中、IFOは財団法人発酵研究所を、F
RIは日本国通商産業省工業技術院微生物工業技術研究
所を、E.coliはEscherichia coliを、S. cerevisiaeは
Saccharomyces cerevisiaeを表わす。FERM BP番
号はブダペスト条約に基づく寄託の受託番号を表わす。
【表6】 ────────────────────────── 寄託株 IFO FRI (IFO) (FERM) ────────────────────────── E.coli 294 14171 E.coli 294/pTRP P31-R 14355 BP-802 E.coli C600 14410 BP-808 E.coli C600/pTRP P31-R 14425 BP-807 S.cerevisiae AH22R- 10134 BP-804 S.cerevisiae AH22R-/pPHO P31-R 10135 BP-805 S.cerevisiae AH22R-/pPHO P31-Ra 10154 BP-1060 S.cerevisiae AH22R-/pGLD P31-RdT 10172 BP-1066 S.cerevisiae AH22R-/pGLD P31-Rb 10155 BP-1061 S.cerevisiae AH22R-/pGLD P31-Rc 10156 BP-1062 S.cerevisiae AH22R-/pGLD P31-Rd 10169 BP-1063 S.cerevisiae AH22R-/pGLD P31-RcT 10206 BP-1059 S.cerevisiae AH22R-/pPHO 17-58 10137 BP- 854 S.cerevisiae AH22R-/pPHO 3125 10171 BP-1065 S.cerevisiae AH22R-/pGLD 2531 10170 BP-1064 S.cerevisiae AH22R-/pGLD 25T31cT 10208 BP-1073 C-P31-558-1 50058 ────────────────────────── なお、E.coli 294は公知である〔Backman, Kら, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 73, 4174(1974)〕。
【0101】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:846 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus) 配列: ATG CAG TGG AAT TCC ACA ACA TTC CAC CAA GCT CTG CTA GAT CCC AGA 48 Met Gln Trp Asn Ser Thr Thr Phe His Gln Ala Leu Leu Asp Pro Arg GTG AGG GGC CTA TAT TTT CCT GCT GGT GGC TCC AGT TCC GGA ACA GTA 96 Val Arg Gly Leu Tyr Phe Pro Ala Gly Gly Ser Ser Ser Gly Thr Val AAC CCT GTT CCG ACT ACT GCC TCA CCC ATA TCG TCA ATC TTC TCG AGG 144 Asn Pro Val Pro Thr Thr Ala Ser Pro Ile Ser Ser Ile Phe Ser Arg ACT GGG GAC CCT GCA CCG AAC ATG GAG AAC ACA ACA TCA GGA TTC CTA 192 Thr Gly Asp Pro Ala Pro Asn Met Glu Asn Thr Thr Ser Gly Phe Leu GGA CCC CTG CTC GTG TTA CAG GCG GGG TTT TTC TTG TTG ACA AGA ATC 240 Gly Pro Leu Leu Val Leu Gln Ala Gly Phe Phe Leu Leu Thr Arg Ile CTC ACA ATA CCA CAG AGT CTA GAC TCG TGG TGG ACT TCT CTC AAT TTT 288 Leu Thr Ile Pro Gln Ser Leu Asp Ser Trp Trp Thr Ser Leu Asn Phe CTA GGG GGA GCA CCC ACG TGT CCT GGC CAA AAT TCG CAG TCC CCA ACC 336 Leu Gly Gly Ala Pro Thr Cys Pro Gly Gln Asn Ser Gln Ser Pro Thr TCC AAT CAC TCA CCA ACC TCT TGT CCT CCA ATT TGT CCT GGC TAT CGC 384 Ser Asn His Ser Pro Thr Ser Cys Pro Pro Ile Cys Pro Gly Tyr Arg TGG ATG TGT CTG CGG CGT TTT ATC ATA TTC CTC TTC ATC CTG CTG CTA 432 Trp Met Cys Leu Arg Arg Phe Ile Ile Phe Leu Phe Ile Leu Leu Leu TGC CTC ATC TTC TTG TTG GTT CTT CTG GAC TAC CAA GGT ATG TTG CCC 480 Cys Leu Ile Phe Leu Leu Val Leu Leu Asp Tyr Gln Gly Met Leu Pro GTT TGT CCT CTA CTT CCA GGA ACA TCA ACC ACC AGC ACG GGG CCA TGC 528 Val Cys Pro Leu Leu Pro Gly Thr Ser Thr Thr Ser Thr Gly Pro Cys AAG ACC TGC ACG ATT CCT GCT CAA GGA ACC TCT ATG TTT CCC TCT TGT 576 Lys Thr Cys Thr Ile Pro Ala Gln Gly Thr Ser Met Phe Pro Ser Cys TGC TGT ACA AAA CCT TCG GAC GGA AAC TGC ACT TGT ATT CCC ATC CCA 624 Cys Cys Thr Lys Pro Ser Asp Gly Asn Cys Thr Cys Ile Pro Ile Pro TCA TCC TGG GCT TTC GCA AGA TTC CTA TGG GAG TGG GCC TCA GTC CGT 672 Ser Ser Trp Ala Phe Ala Arg Phe Leu Trp Glu Trp Ala Ser Val Arg TTC TCC TGG CTC AGT TTA CTA GTG CCA TTT GTT CAG TGG TTC GTA GGG 720 Phe Ser Trp Leu Ser Leu Leu Val Pro Phe Val Gln Trp Phe Val Gly CTT TCC CCC ACT GTT TGG CTT TCA GTT ATA TGG ATG ATG TGG TAT TGG 768 Leu Ser Pro Thr Val Trp Leu Ser Val Ile Trp Met Met Trp Tyr Trp GGG CCA AGT CTG TAC AAC ATC TTG AGT CCC TTT TTA CCT CTA TTA CCA 816 Gly Pro Ser Leu Tyr Asn Ile Leu Ser Pro Phe Leu Pro Leu Leu Pro ATT TTC TTT TGT CTT TGG GTA TAC ATT TAA 846 Ile Phe Phe Cys Leu Trp Val Tyr Ile
【0102】配列番号:2 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus) 配列: CCC ATA TCG TCA ATC TTC TCG AGG ACT GGG GAC CCT GCA CCG 42 Pro Ile Ser Ser Ile Phe Ser Arg Thr Gly Asp Pro Ala Pro 配列番号:3 配列の長さ:54 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 一部合成DNA 配列: CCC ATA TCG TCA ATC TTC CCG GAT CCG GGG TCG AGG ACT GGG GAC CCT 48 Pro Ile Ser Ser Ile Phe Pro Asp Pro Gly Ser Arg Thr Gly Asp Pro GCA CCG 5
4 Ala Pro
【0103】配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 一部合成DNA 配列: CCC ATA TCG TGG ACT GGG GAC CCT GCA CCG 30 Pro Ile Ser Trp Thr Gly Asp Pro Ala Pro 配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 一部合成DNA 配列: CCC ATA TCT GGG GAC CCT GCA CCG 24 Pro Ile Ser Gly Asp Pro Ala Pro
【0104】配列番号:6 配列の長さ:16 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CGATACAATG CAGTGG 16 配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AGGCCTTGCA CTTGGGGATC TAG 23
【0105】配列番号:8 配列の長さ:16 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CCCAGTCTGC GAGAAG 16 配列番号:9 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AATTCCACTG CATTGTAT 18
【0106】配列番号:10 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: TGAAGATAAA GACAT 15 配列番号:11 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AGCAACTCTA ACCAT 15
【0107】配列番号:12 配列の長さ:12 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CGCGGATCCG CG 12 配列番号:13 配列の長さ:10 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CCGGATCCGG 10
【0108】配列番号:14 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: AAATTGAATT AATTGAATTG AAAT 24
【図面の簡単な説明】
【図1】はウェスタン・ブロッティング(Western blott
ing)による遺伝子産物の分析結果を示す。図中、レーン
1は大腸菌C600/pTRPP31-Rの菌体抽出液の、レーン2
は大腸菌C600/pTRPP31-Rの菌体抽出液をトリプシン処
理したものを、レーン3はサッカロミセス・セレビシエ
AH22R-/pPHO P31-Rの菌体抽出液の分析結果を示す。
【図2】はadr型HBsAgP31の塩基配列(上)およびアミノ
酸配列(下)を示す。
【図3】はpTRPP31-Raの変更部分の塩基配列(上)お
よびアミノ酸配列(下)を示す。
【化4】
【図4】はpTRPP31-RbおよびpTRPP31-Rcの変更部の塩
基配列(上)およびアミノ酸配列を示す。図中、斜線は欠
損部分を示す。
【図5】はpPHO P31-Ra, pPHO P31-RbおよびpPHO P3
1-Rcの構築図を示す。図中、B,C,E,H,Sおよび
XbはそれぞれBamHI, ClaI, EcoRI, HindIII,SalIおよ
びXbaIを示す。
【図6】はpGLDP31-Ra, pGLDP31-RbおよびpGLDP31-R
cの構築図を示す。
【図7】はサッカロミセス・セレビシエAH22R-/pPHO P
31-Ra(レーン1), AH22R-/pPHO P31-Rb(レーン2), AH
22R-/pPHO P31-Rc(レーン3)およびAH22R-/pPHO P31-
R(レーン4)の菌体抽出液のウェスタン・ブロッティン
グによる分析結果を示す。
【図8】はpTB553およびpTB555の構築図を示す。
【図9】はpTB556およびpTB558の構築図を示す。
【図10】はpTB556およびpTB558の構築図を示す。
【図11】はpTB556およびpTB558の構築図を示す。
【図12】はpPHO 17-1の構築図を示す。
【図13】はpPKT700-1の構築図を示す。
【図14】はpGLD906-1の構築図を示す。
【図15】はpTRPP31-Rの構築図を示す。
【図16】はpPHO P31-Rの構築図を示す。
【図17】はプラスミドpBR-Sal-6d の構築図を示す。
【図18】はプラスミドpGLDP31-Rd の構築図を示す。
【図19】はプラスミドpGLDP31-RdT の構築図示す。
【図20】はプラスミドpGLDP31-RcTの構築図を示す。
【図21】はpGLD P25-Wの構築図を示す。
【図22】はpPHO 3125の構築図を示す。
【図23】はpGLD 2531の構築図を示す。
【図24】はpGLD 25T31cTの構築図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 D 8310−2J 33/576 B 9015−2J // A61K 39/29 ADY 9284−4C (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:865) (31)優先権主張番号 特願昭61−128918 (32)優先日 昭61(1986)6月2日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 藤井 朋子 大阪府豊中市緑丘3丁目25番9号

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    トリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも1ケ
    所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウイル
    ス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合能を
    有するP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する
    DNA。
  2. 【請求項2】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から48番目のアルギニンまたはそれを含むペプ
    チド鎖を欠損あるいはアルギニンおよびリジン以外のア
    ミノ酸またはペプチド鎖に置換したP31修飾蛋白質を
    コードするDNAを含有する請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から48番目のアルギニンまたはそれを含むペプ
    チド鎖を欠損あるいはアルギニンおよびリジン以外のア
    ミノ酸またはペプチド鎖に置換し、さらにB型肝炎ウイ
    ルス表面抗原P31蛋白質のN末端から16番目と18
    番目のアルギニンをアルギニンおよびリジン以外のアミ
    ノ酸に置換したP31修飾蛋白質をコードするDNAを
    含有する請求項1記載のDNA。
  4. 【請求項4】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目の
    アルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損あるいは
    アルギニンおよびリジン以外の1〜4個のアミノ酸に置
    換したP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する
    請求項1記載のDNA。
  5. 【請求項5】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目の
    アルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損あるいは
    TrpもしくはPro−Asp−Pro−Glyに置換したP3
    1修飾蛋白質をコードするDNAを含有する請求項1記
    載のDNA。
  6. 【請求項6】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目の
    アルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損あるいは
    TrpもしくはPro−Asp−Pro−Glyに置換し、P3
    1蛋白質のN末端から16番目および18番目のアルギ
    ニンをグルタミンに置換したP31修飾蛋白質をコード
    するDNAを含有する請求項1記載のDNA。
  7. 【請求項7】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目の
    アルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損させたP
    31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する請求項1
    記載のDNA。
  8. 【請求項8】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質の
    N末端から44〜49番目のペプチド鎖を欠損させたP
    31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する請求項1
    記載のDNA。
  9. 【請求項9】adr 型B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋
    白質のN末端から44〜49番目のペプチド鎖を欠損さ
    せたP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する請
    求項1記載のDNA。
  10. 【請求項10】酵母プロモーターの直後にP31修飾蛋
    白質をコードするDNAを結合させた請求項1記載のD
    NA。
  11. 【請求項11】プラスミドpGLD P31−Rc また
    はプラスミドpGLDP31−RcTである請求項1記
    載のDNA。
  12. 【請求項12】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のトリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも1
    ケ所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウイ
    ルス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合能
    を有するP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有す
    るDNAを保持する形質転換体。
  13. 【請求項13】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から48番目のアルギニンまたはそれを含むペ
    プチド鎖を欠損あるいはアルギニンおよびリジン以外の
    アミノ酸またはペプチド鎖に置換したP31修飾蛋白質
    をコードするDNAを含有するDNAを保持する請求項
    12記載の形質転換体。
  14. 【請求項14】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から48番目のアルギニンまたはそれを含むペ
    プチド鎖を欠損あるいはアルギニンおよびリジン以外の
    アミノ酸またはペプチド鎖に置換し、さらにB型肝炎ウ
    イルス表面抗原P31蛋白質のN末端から16番目と1
    8番目のアルギニンをアルギニンおよびリジン以外のア
    ミノ酸に置換したP31修飾蛋白質をコードするDNA
    を含有するDNAを保持する請求項12記載の形質転換
    体。
  15. 【請求項15】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目
    のアルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損あるい
    はアルギニンおよびリジン以外の1〜4個のアミノ酸に
    置換したP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有す
    るDNAを保持する請求項12記載の形質転換体。
  16. 【請求項16】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目
    のアルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損あるい
    はTrpもしくはPro−Asp−Pro−Glyに置換したP
    31修飾蛋白質をコードするDNAを含有するDNAを
    保持する請求項12記載の形質転換体。
  17. 【請求項17】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目
    のアルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損あるい
    はTrpもしくはPro−Asp−Pro−Glyに置換し、P
    31蛋白質のN末端から16番目および18番目のアル
    ギニンをグルタミンに置換したP31修飾蛋白質をコー
    ドするDNAを含有するDNAを保持する請求項12記
    載の形質転換体。
  18. 【請求項18】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から44〜49番目のペプチド鎖内で48番目
    のアルギニンまたはそれを含むペプチド鎖を欠損させた
    P31修飾蛋白質をコードするDNAを含有するDNA
    を保持する請求項12記載の形質転換体。
  19. 【請求項19】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のN末端から44〜49番目のペプチド鎖を欠損させた
    P31修飾蛋白質をコードするDNAを含有するDNA
    を保持する請求項12記載の形質転換体。
  20. 【請求項20】adr 型B型肝炎ウイルス表面抗原P31
    蛋白質のN末端から44〜49番目のペプチド鎖を欠損
    させたP31修飾蛋白質をコードするDNAを含有する
    DNAを保持する請求項12記載の形質転換体。
  21. 【請求項21】宿主が酵母である請求項12記載の形質
    転換体。
  22. 【請求項22】酵母プロモーターの直後にP31修飾蛋
    白質をコードするDNAを結合させたDNAを保持する
    請求項12記載の形質転換体。
  23. 【請求項23】サッカロミセス・セレビシェAH22R
    -/pGLD P31−Rc またはサッカロミセス・セ
    レビシェAH22R-/pGLD P31−RcTである
    請求項12記載の形質転換体。
  24. 【請求項24】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のトリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも1
    ケ所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウイ
    ルス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合能
    を有するP31修飾蛋白質をコードするDNAおよびB
    型肝炎ウイルス表面抗原P25蛋白質をコードするDN
    Aを保持する請求項1記載のDNA。
  25. 【請求項25】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のトリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも1
    ケ所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウイ
    ルス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合能
    を有するP31修飾蛋白質をコードするDNAおよびB
    型肝炎ウイルス表面抗原P25蛋白質をコードするDN
    Aを含有するDNAを保持する請求項12記載の形質転
    換体。
  26. 【請求項26】B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋白質
    のトリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくとも1
    ケ所を不感受性化せしめるように修飾したB型肝炎ウイ
    ルス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合能
    を有するP31修飾蛋白質をコードするDNAおよびB
    型肝炎ウイルス表面抗原P25蛋白質をコードするDN
    Aを含有するDNAを保持する形型質転換体を培養する
    ことを特徴とする、B型肝炎ウイルス表面抗原P31蛋
    白質のトリプシン様プロテアーゼ感受性部位の少なくと
    も1ケ所を不感受性せしめるように修飾したB型肝炎ウ
    イルス表面抗原活性および重合ヒト血清アルブミン結合
    能を有するP31修飾蛋白質およびB型肝炎ウイルス表
    面抗原P25蛋白質の製造法。
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