JPH0352848Y2 - - Google Patents

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JPH0352848Y2
JPH0352848Y2 JP9896788U JP9896788U JPH0352848Y2 JP H0352848 Y2 JPH0352848 Y2 JP H0352848Y2 JP 9896788 U JP9896788 U JP 9896788U JP 9896788 U JP9896788 U JP 9896788U JP H0352848 Y2 JPH0352848 Y2 JP H0352848Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案はさく井や井筒における井戸の集水孔の
周辺地層の目詰まりを解消させる管内洗浄装置に
関する。
(従来の技術) 地下水を吸引して汲み上げると、吸水孔の外側
の地層内地下水が吸い込まれて揚水されるが、そ
の吸水時の水の流れで地下層が目詰りして、吸水
量が減少することになる。
これはさく井や井筒の井戸の場合、取水量に対
し地下水の流入する集水孔面積の絶対流入面積が
不足しているところから帯水層中の透水係数値
(流量)の数倍〜数十倍の流入速度で管内に地下
水を引き込むことになるので、帯水層中の細粗土
砂が水と一緒に移動して、井戸内或いは井戸外側
の裏込め砂利中に集中堆積し、年数の経過と共に
その堆積は拡大され、裏込め砂利の外側の帯水層
にまで達して管外周囲全体に目詰まりが発生し、
また圧密が起きている。
このような場合の対策とし洗浄などの手段によ
り目詰まりを取り除く必要がある。
従来、さく井戸および井筒内の水平集水管等の
洗浄には第8図および第9図に示すように例えば
井筒a内に地上より圧力ポンプで管bを通じてノ
ズルcへの送水を行い、その圧力水をノズル孔d
から放射状に噴射して洗浄するか、あるいは鉄、
マンガン等のスケールが管内壁などに蓄積されて
いる場合は薬品の投入によつてこれを溶かし、そ
の溶存物をスワツピング(吸引揚水)によつて洗
浄するなどの方法が一般に行われている。
これらの方法は、管内の水垢の除去や管内の帯
水層中に発生している目詰まり、すなわち管外壁
周囲に細粒子の密集堆積による地下水の管内流水
の障害、あるいは地層の圧密による障害や水垢等
による障害を解消することを目的としたものであ
る。
(考案が解決しようとする課題) しかし上記の方法は、管内のストレーナ、ある
いはスクリーンや集水孔に付着している水垢等の
除去は可能であるが、さく井戸における取水量減
少の主な原因は管外の帯水地層の目詰まりが主体
であつて、管内洗浄が完全に行われていても帯水
層内を流動している地下水が帯水層内を通過しな
い限り地下水の管内への流入は不可能であり、し
たがつて取水量の増大にはならない。
そこで高圧を使用した高圧洗浄工法もあるが、
この方法では可成りの水圧がかけられ水中を通し
ての噴射洗浄となり、地下水の中を噴射させるこ
とになるので、ノズルから噴射される水の水圧が
水中で弱められ、机上の計算で予想される管外の
帯水層中の目詰まりは、管外の限られた一部分に
すぎず、そして100%集水孔を通じて高圧水が管
外に噴射させることは不可能である。
もし実際には不可能であるが仮に集水孔より
100%全孔を通じて洗浄することができたとして
も、洗浄に費やす時間は計り知れず、結果的に洗
浄コストが高くなることは云うまでもない。
いずれにしても従来工法の洗浄では、実績によ
つても管外の帯水層中あるいは裏込め充填層内の
目詰まりが原因で、取水量の減少になつている既
設さく井戸等ではその効果はほとんど現われてい
ないのが現状である。
要するに、第8図および第9図に示すように水
中に高圧水を送りあるいは噴射させても、水中の
抵抗が大きいためノズルから一旦水中に出た高圧
水は弱められ、また管外の裏込めされている砂利
の抵抗もあり、管外への噴射あるいは放水される
距離は限られてしまうので、管外の裏込めされて
いる砂利の中の目詰まりの除去やその外側の帯水
層中に発生している目詰まりの解消効果は小さい
ものとなる。
それにノズル孔より高圧水を噴射させる機器本
体の大きさは、大きくても約150mmφ程度で、大
口径のさく井戸管内を洗浄する場合、管内側まで
の距離が長いだけ水中での抵抗も大きく、水圧も
減少することになる。
また機器の大きさが限られると云うことは、洗
浄中の土砂や小礫が機器本体上部に堆積したり側
面に小礫が狭まつた場合機器本体の引き上げ回収
が困難になることを考慮しているものとおもわれ
る。そしてこの工法は送水する水の確保が必要と
され、現場で間に合わない場合、タンクローリ車
等によつて確保することになり、工費が嵩むこと
になる。
本考案はこれに鑑み、管外の裏込めとして充填
されている砂利内の目詰まりと、その外側帯水層
中の目詰まりとを解消し、合わせて井戸の再生と
同時に取水量の増大を図つた管内洗浄装置を提供
することを目的としてなされたものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本考案の第1の請求項
は、上方より井筒管内の水面下に装入する揚水管
の下部に、該井筒管の内周径に可及的近似した外
径を有する洗浄器本体を固設し、該洗浄器本体に
は、下部に前記揚水管に連通する水取り入れ口を
設けるとともに、上面から下面に貫通した複数個
の排除通路を設け、この通路には下降時閉で引き
揚げ時水圧により開となる逆止弁を設けた構成を
特徴とし、請求項2は請求項1に加え前記洗浄器
本体の外径の周囲に前記井筒管壁に付着している
スケール等を除去するブラシを設けた構成を特徴
とするものである。
(作用) 上記構成により、請求項1では洗浄器本体を井
筒管内の水中に押し進めると該本体の下部の水中
面に圧力が加えられ、この圧力が目詰まりや圧密
している地層中に力を及ぼし、その結果目詰まり
や圧密が解消され、請求項2では前記洗浄器本体
のブラシにより前記管内壁に付着している水垢等
を落とすことができる。
(実施例) 以下、本考案を第1図乃至第4図に示す実施例
を参照して説明する。
本考案にかゝる管内洗浄装置は、請求項1では
上方より井筒管1内の水面下に装入する揚水管2
の下部に、該井筒管1の内周径1aに可及的近似
した外径3aを有する洗浄器本体3を固設して、
該洗浄器本体3には、下部に前記揚水管2に連通
する水取り入れ口2aを設けるとともに、上面か
ら下面に貫通した複数個(実施例では4個)の排
除通路4を設け、この通路4には下降時閉で、引
き揚げ時水圧により開となる逆止弁5を設けたも
ので構成され、請求項2は請求項1に加え前記洗
浄器本体3の外径3aの周囲に前記井筒管1内壁
に付着しているスケール等を除去するブラシ6を
設けたもので構成されている。
前記洗浄器本体3は上記に示すように、井筒管
1の内周径1aの断面積にできる限り近づけて自
在に設置できるようにしたもので、円盤形、楕円
形、円錐形、球形等の適宜形状であつてよく、本
実施例では円盤形で前記揚水管2に固設されてお
り、前記揚水管2の底部の水取り入れ口2aには
逆止弁7が設けられている。
また前記洗浄器本体3のブラシ6は井筒管1と
の間に外周方向に回転することもできる程度の隙
間を有しており、上面の肩部3bには下面に貫通
した4個の排除通路4が設けられ、そして揚水管
2は吸水管の役割りを果たすようになつている。
図中8は集水孔、9は裏込め砂利、10は帯水
層、11,12は砂利および帯水層の目詰まり部
分、13は良透水部分、14はスケール、15は
沈殿物、16は地下水、17は圧力水を示す。
次に作用を説明する。
本考案にかゝる管内洗浄装置を井筒管1内の地
下水16中に入れて押し下げることにより、地下
水16を利用して洗浄器本体3の底面下部に面圧
力が加えられ、井筒管1の周りにあるスクリー
ン、ストレーナ等を備えた集水孔8より圧力水1
7が裏込め砂利9を膨張させると同時に、その外
側の帯水層10まで圧入させることが可能とな
る。したがつて前記井筒管1の外側の裏込め砂利
9や帯水層10内に発生している目詰まり11や
12を解除することができるので、洗浄後は第3
図に円で示す良透水部分13が得られ、取水量の
増大を図ることがきるようになる。
また井筒管1の内壁に付着している水垢や鉄、
マンガン等のスケール14を目詰まりと同時の除
去にはブラシ6により行う。この場合洗浄器本体
3を回転させるとより効果が得られる。さらに洗
浄によつて除去された土砂やスケール14の浮遊
物や沈殿物15を一工程の中で処理できるように
揚水管2を井筒管1の深度に応じて継ぎ足し、地
上の油圧機械により下へ押し下げて行くようにす
ることができる。
したがつて下げは洗浄、上げは揚水と云う一工
程での作業が行え、洗浄中はスケール14などの
浮遊物や沈殿物15が洗浄器本体3の上部の肩周
辺に堆積しており、引き揚げる際に井筒管1の内
側と洗浄器本体3との間に小礫等が狭まると、本
体3の上面の排除通路4に設けられている逆止弁
5が引き揚げ時の水圧によつて開となり、上記の
堆積物が排除通路4を通つて下方に落下する。こ
の時揚水管2の逆止弁7は閉鎖され、引き揚げを
容易にしている。
第5図乃至第7図は本考案の他の変形例を示す
もので、洗浄器本体3を押し下げする際に洗浄器
本体3の外周、乃至は洗浄器本体3の外周のブラ
シ6と井筒管1の内周面との間隙から洗浄器本体
3の下部の圧力水が上方へ漏出して減圧されない
ようにするための減圧防止手段の付加、および洗
浄器本体3を通じて井筒管1に振動を伝達し、井
筒管1の外側の裏込め砂利や帯水層の内部の隙間
に詰つている細粗土砂を分離させて、圧力水の圧
入時に一層目詰まり解消効果を高めるための振動
付与手段を付加したものである。
減圧防止手段は、洗浄器本体3の上部外周辺に
ゴム等の弾性体からなるリング状のチユーブ18
が保持具19により定着して設けられ、地上から
ホース20を通じて気体あるいは液体等の圧力流
体を給排自在とされていて、このチユーブ18を
膨張させたときその外周が井筒管1の内周面に密
着させるようになつている。
したがつて洗浄器本体3を押し下げるときチユ
ーブ18を膨張させておくことにより洗浄器本体
3により加圧される水は集水孔8,8…を通じて
裏込め砂利層中に圧入され、裏込め砂利層中に詰
つている細粗土砂を分離させて詰りを確実に解消
することができる。
振動付与手段は、洗浄器本体3の外周面下方部
に鉄塊等の衝撃部材21,21…が周方向で偏つ
た位置に適当数(1〜3箇所程度)配設固定さ
れ、地上から洗浄器本体3に振動を伝達するか、
あるいは洗浄器本体3に振動発生装置を搭載して
洗浄器本体3に振動を与えることにより前記衝撃
部材21,21…を通じて井筒管1に間欠的に振
動が伝えられ、井筒管1の外側の裏込め砂利層へ
振動を伝達して細粗土砂を分離させるようになさ
れている。これにより裏込め砂利層や帯水層中の
詰まりが解消され、取水量の増大が図られる。
なお、本実施例は井筒管の洗浄の場合を示した
が、井筒管の側壁から外へ放射状に集水管を張り
出した場合にも、この集水管の洗浄に本考案が適
用できることは云うまでもない。
(考案の効果) 以上説明したように請求項1による管内洗浄装
置は、自然の原理を応用して目詰まりや圧密を起
こしている地層中に洗浄器本体により水中で大き
な面圧力を加えることで圧力水は管周囲に設けら
れている殆どの集水孔より噴水するようにしたか
ら、地層は膨張し、目詰まりや圧密は第4図の右
側に示すように解除されている洗浄後の状態が得
られる。
また、膨張する際に砂利等の空隙に詰まつてい
た物質の解除された目詰まり土砂は洗浄器本体が
水中を下降する際に生ずる本体上部の引き揚げ圧
(下方に引つ張られる水)によつて管内に流入さ
れ、あるいは垂直に面圧力が働き、その圧力水は
集水孔を通過して裏込め砂利間やその外側の帯水
層に達したのち圧力がなくなる時や圧力水が管外
に放出される時、上に押し上げる圧により下部か
ら上部の集水孔を通じて対流現象によつて土砂が
管内に流入されるので、目詰まりしている土砂等
の物質は管外から管内に流入することで裏込め充
填の砂利の間や砂礫などの帯水層中に空隙ができ
て透水性がよくなり、井戸の再生=取水量の増大
が図れる優れた効果を奏するものである。
さらに請求項2は1に加えて洗浄器本体の外径
の周囲にブラシを設けたことにより管内に付着し
ているスケールや目詰まりを除去できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案にかゝる管内洗浄
装置を示し、第1図は縦断面図、第2図は平面
図、第3図は本考案の管内洗浄装置により洗浄中
の井筒管の側面の断面図、第4図は第3図の平面
図で、左半分は洗浄前、右半分は洗浄後の状態、
第5図乃至第7図は他の変形例を示し、第5図は
縦断面図、第6図は平面図、第7図はチユーブ膨
張時の断面図、第8図および第9図は従来の管内
洗浄装置による洗浄状態を示し、第8図は側面の
断面図、第9図は平面図である。 1……井筒管、1a……内周径、2……揚水
管、2a……水取り入れ口、3……洗浄器本体、
3a……外径、4……排除通路、5……逆止弁、
6……ブラシ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 上方より井筒管内の水面下に装入する揚水管
    の下部に、該井筒管の内周径に可及的近似した
    外径を有する洗浄器本体を固設し、該洗浄器本
    体には、下部に前記揚水管に連通する水取り入
    れ口を設けるとともに、上面から下面に貫通し
    た複数個の排除通路を設け、この通路には下降
    時閉で引き揚げ時水圧により開となる逆止弁を
    設けてなる管内洗浄装置。 2 前記洗浄器本体は外周に前井筒管内壁に付着
    しているスケール等を除去するブラシを設けて
    なる請求項1記載の管内洗浄装置。
JP9896788U 1988-07-26 1988-07-26 Expired JPH0352848Y2 (ja)

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