JPH0352142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、錠剤選別装置、さらに詳しくは、
錠剤をその外径の大きさおよび欠けの有無によつ
て選別する装置に関する。

この明細書において、大径不良品とは所定の外
径より大きい外径の錠剤および２個以上の錠剤が
付着して外径が所定値より大きくなつたものを、
小径不良品とは所定の外径より小さい外径の錠剤
および広範囲の欠けにより外径が所定値より小さ
くなつたものを、欠け不良品とは比較的小さい欠
けのある錠剤を、良品とは上記の不良品以外の錠
剤をそれぞれ意味する。

従来の技術 錠剤をその外径の大きさによつて選別除去する
装置として、多数の不良品通過孔を有する多孔板
と、多孔板上に供給された被選別錠剤を所定の方
向に送るために多孔板を振動させるバイブレータ
とを備えたものが知られている。この装置によれ
ば、被選別錠剤が多孔板上を移動する間に、その
うちの小径不良品が不良品通過孔を通つて落下
し、除去される。ところが、この種の装置では、
バイブレータの振動を吸収しないように多孔板を
ある程度厚くする必要があり、しかも不良品通過
孔の内径は良品の外径よりわずかに小さくかつ多
孔板の厚さ全体にわたつて一定であるから、次に
説明するように、小径不良品の選別は可能である
が、欠け不良品の選別は不可能である。すなわ
ち、小径不良品の場合、錠剤全体にわたつて外径
が良品より小さくなつているから、不良品通過孔
を通過できる。ところが、欠け不良品の場合、欠
けの部分では外径が小さくなつているが、他の大
部分の外径は良品の外径と同じであるから、不良
品通過孔を通過できない。

考案が解決しようとする問題点 この考案の目的は、欠け不良品も選別除去でき
る錠剤選別装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案による錠剤選別装置は、篩台と、篩台
に臨ませられた供給口を有する被選別錠剤供給手
段と、篩台に供給された被選別錠剤を所定の方向
に送るために篩台を振動させるバイブレータとを
備えており、篩台が多数の不良品通過孔を有する
多孔板を備え、被選別錠剤供給手段の供給口がこ
の多孔板の上流側の部分に臨ませられており、不
良品通過孔の上端に内向きフランジ部が形成さ
れ、このフランジ部の内径が被選別錠剤の良品の
外径よりわずかに小さく、これより下側の不良品
通過孔の内径が上記良品の外径より大きいもので
ある。

作 用 篩台の多孔板上を移動する被選別錠剤のうち小
径不良品は不良品通過孔のフランジ部の内側およ
びこれより下側の部分を通つて落下し、除去され
る。また、欠け不良品は、移動中に縦または斜め
になつて欠けの部分が不良品通過孔のフランジ部
に引掛ることによりフランジ部の内側を通過し、
あとはこれより下側の部分を通つて落下し、除去
される。

そして、不良品通過孔の上端に内向きフランジ
部が形成されることによつて、このフランジ部の
内径が良品の外径よりわずかに小さく、これより
下側の部分の内径が良品の外径より大きくなつて
いるので、フランジ部のすぐ下から内径を良品の
外径より十分に大きくして欠け不良品を確実に除
去することができる。

しかも、フランジ部の上端周縁部は、通常、ほ
ぼ直角になり、鋭角にはならないので、この部分
に良品が当たつて欠けなどの損傷を受けるおそれ
も少ない。

実施例 以下、図面を参照して、この考案の実施例を説
明する。なお、以下の説明において、被選別錠剤
の移動方向の下流側を前、同上流側を後とし、上
記移動方向の左右を左右とする。すなわち、第１
図および第２図の右側が前、左側が後であり、第
２図の上側が左、下側が右である。

第１図および第２図に示すように、錠剤選別装
置は。主として、左右１対の篩台１０、各篩台１
０を個別に振動させる左右１対のバイブレータ１
１、左右の篩台１０の後方に配置された被選別錠
剤供給シユート１２、このシユート１２を振動さ
せるバイブレータ１３および供給シユート１２の
後側の部分の上方に配置されたホツパ１４より構
成されており、次のようにこれらが１つの筐体１
５に組込まれている。

筐体１５内に固定された基台１６の前部上面に
左右一対の篩台用バイブレータ１１が固定され、
各バイブレータ１１上にそれぞれ篩台１０がほぼ
水平に取付けられている。

第３図および第４図に詳細に示すように、各篩
台１０は、バイブレータ１１に取付けられた底板
１７、底板１７の後端部を除く部分の上方に所定
の間隔をあけて平行に配置された下部多孔板１
８、下部多孔板１８の後側の部分の上方に所定の
間隔をあけて平行に配置された上部多孔板１９、
これらの多孔板１８，１９の後端および左右両側
に配置された後板２０および側板２１よりなる。
底板１７には内面にめねじが形成されるとともに
下部外面におねじが形成された複数の固定ねじ２
２が上からねじ込まれ、これらのねじ２２の上に
下部多孔板１８がのせられている。そして、底板
１７の前部においては、ボルト２３が下部多孔板
１８の上からこれを貫通して固定ねじ２２のめね
じにねじ込まれ、これによつて下部多孔板１８が
底板１７に固定されている。また、底板１７の後
部においては、下部多孔板１８上に複数のカラー
２４が固定ねじ２２と同心状に配置され、これら
のカラー２４に上部多孔板１９がのせられてい
る。

そして、ボルト２５が上部多孔板１９、カラー
２４および下部多孔板１８を貫通して固定ねじ２
２のめねじにねじ込まれ、これによつて２枚の多
孔板１８，１９が底板１７に固定されている。後
板２０は、２枚の多孔板１８，１９の後端面に接
するように底板１７の上面に固定され、上部多孔
板１９より上方に張出している。また、両側板２
１は、２枚の多孔板１８，１９の左右両側端面に
接するように底板１７および後板２０の両側端面
に固定され、２枚の多孔板１８，１９より上方に
張出している。

２枚の多孔板１８，１９は、バイブレータ１１
の振動を吸収しないように、ある程度の厚さ（た
とえば10mm）を有する。上部多孔板１９には、多
数の良品通過孔２６が千鳥状にあけられている。
これら各孔２６の内径は、良品の外径よりわずか
に大きく、かつ板１９の厚さ全体にわたつて一定
である。たとえば、良品の外径が７mmの場合、各
孔２６の内径は7.4mmである。下部多孔板１８に
は、多数の不良品通過孔２７が千鳥状にあけられ
ている。これら各孔２７の上端に内向きフランジ
部２８が一体に形成されており、フランジ部２８
の内径は良品の外径よりわずかに小さく、これよ
り下側の孔２７の内径は良品の外径より大きい。
たとえば、良品の外径が７mmの場合、フランジ部
２８の内径は6.9mm、これより下側の孔２７、の
内径は7.4mmである。なお、、フランジ部２８の厚
さは、１〜1.5mm程度が望ましい。また、フラン
ジ部２８の上面は多孔板１８の上面と面一であ
り、フランジ部２８の内面上端には面取りが施さ
れていない。

上部多孔板１９の前部上面に大径不良品せき止
め板２９が固定され、この板２９の左右両端は両
側板２１に接している。大径不良品せき止め板２
９は、平面から見て、左側の篩台１０については
左にいくにつれて、右側の篩台１０については右
にいくにつれて前に少し傾斜しており、左側の篩
台１０の左側板２１および右側の篩台１０の右側
板２１には、せき止め板２９の後面および上部多
孔板１９の上面に接する大径不良品排出孔３０が
あけられている。そして、左右の篩台１０の両側
の筐体１５に大径不良品受箱３１が設けられ、上
記の排出孔３０がこれらの箱３１に上方から臨ま
せられている。

下部多孔板１８のすぐ上の左右両側板２１の内
面に、錠剤案内板３２がそれぞれ固定されてい
る。これらの案内板３２の内面は、最も外側にあ
る不良品通過孔２７にほぼ接する位置にある。

筐体１５の前部に小径・かけ不良品受箱３３が
設けられ、左右の篩台１０の前端の底板１７と下
部多孔板１８の間の開口（小径・欠け不良品排出
口）３４がこの箱３３に上から臨ませられてい
る。

筐体１５の前部には、また、左右の篩台１０の
下部多孔板１８に連続する良品排出シユート３５
が固定され、このシユート３５の前端の良品排出
口３６は図示しない次工程の装置に臨ませられて
いる。

筐体１５内の基台１６の後部上面に被選別錠剤
供給シーユト用バイブレータ１３固定され、この
バイブレータ１３上に被選別錠剤供給シユート１
２がほぼ水平に取付けられている。シユート１２
は扁平角筒状をなし、その前端部には二股状に分
岐した供給口３７が設けられている。そして、こ
れらの供給口３７が左右の篩台１０の上部多孔板
１９の後端部に上から臨ませられている。

ホツパ１４は、左右の支柱３８により筐体１５
に支持されており、ホツパ１４底部の吐出口３９
は供給シユート１２の後端部に上から臨ませられ
ている。

また、筐体１５の側面には、操作盤４０が設け
られている。なお、図示は省略したが、篩台１０
と供給シユート１２の上面および周囲はカバーに
よつて覆われている。

上記の装置で錠剤の選別を行なう場合、篩台１
０および供給シユート１２がバイブレータ１１，
１３により連続的に振動させられる。

この振動の強さは、多孔板１９，１８の孔２
６，２７に入つてもこれを通過できない錠剤がか
ろうじてとび出す程度に調整される。振動が小さ
すぎると、孔２６，２７に入つてもこれを通過で
きない錠剤が孔２６，２７から出られずに総ての
孔２６，２７を塞いでしまうため、残りの錠剤は
孔２６，２７のない板の上を移動するのと同じこ
とになり、選別が不可能になる。逆に、振動が大
きすぎると、錠剤がとびはねて孔２６，２７に入
らなくなるため、やはり、選別が不可能になる。

ホツパ１４に投入された被選別錠剤は、その吐
出口３９から供給シユート１２上に一定量ずつ落
下する。供給シユート１２上に落下した錠剤は、
振動により前方に移動し、その供給口３７から左
右の篩台１０の上部多孔板１９上に供給される。
上部多孔板１９上に供給された錠剤は、振動によ
り前方に移動し、この間に、そのうちの大径不良
品が次にようにして選別除去される。すなわち、
大径不良品は、移動中にその下部だけが良品通過
孔２６に入るが、これを通過できないので、孔２
６からとび出し、このような動作を繰返しながら
上部多孔板１９上を大径不良品せき止め板２９ま
で移動する。そして、せき止め板２９に達した大
径不良品は、さらにこれに沿つて外側に移動し、
側板２１の大径不良品排出孔３０を通つて大径不
良品受箱３１に排出される。

また、残りの錠剤は、移動中に良品通過孔２６
に入ると、これを通過して下部多孔板１８上に落
下する。下部多孔板１８上に落下した錠剤は、振
動により前方に移動し、この間に、小径不良品お
よび欠け不良品が次のようにして選別除去され
る。すなわち、良品は、移動中にその下部だけが
不良品通過孔２７に入るが、これを通過できない
ので、すぐにまたは孔２７の上で少し自転したの
ち孔２７からとび出し、このような動作を繰返し
ながら下部多孔板１８の前端まで移動し、さらに
良品排出シート３５を通つて排出口３６から排出
される。残りの錠剤には小径不良品と欠け不良品
が含まれているが、小径不良品は、移動中に不良
品通過孔２７に入ると、フランジ部２８の内側お
よびその下側の部分を通過して底板１７上に落下
する。また、欠け不良品は、そのままでは不良品
通過孔２７のフランジ部２８の内側を通過できな
いので、良品とほぼ同様に下部多孔板１８上を移
動する。そして、欠け不良品は、次々に複数の不
良品通過孔２７に下部が入るうちまたは孔２７の
上で自転するうちに、縦または斜めになつて、欠
けの部分がフランジ部２８に引掛る。これによ
り、欠け不良品はフランジ部２８の内側を通過
し、あとはこれより下側の部分を通つて底板１７
上に落下する。このとき、フランジ部２８のすぐ
下から孔２７の内径が良品の外径より大きくなつ
ているので、欠けの部分がフランジ部に引掛つた
欠け不良品は孔２７を通つて確実に落下する。ま
た、フランジ部２８の上端周縁部はほぼ直角にな
つており、鋭角にはなつていないので、この部分
に良品が当たつて欠けなどの損傷を受けるおそれ
も少ない。底板１７上に落下した小径不良品およ
び欠け不良品は、振動により前方に送られ、小
径・欠け不良品排出口３４を通つて小径・欠け不
良品受箱３３に排出される。

下部多孔板１８には、その左右両側縁に接する
ように完全な不良品通過孔２７をあけることは困
難である。このため、そのままでは、左右両側板
２１の内面に接しながら下部多孔板１８上を移動
する錠剤は不良品通過孔２７に１回も入らずに良
品排出シユート３５に排出されてしまい、選別が
不確実になる。ところが、上記実施例の場合は、
下部多孔板１８のすぐ上の左右両側板２１の内面
に最も外側にある不良品通過孔２７にほぼ接する
ように錠剤案内板３２が固定されているから、案
内板３２の内面に接しながら下部多孔板１８上を
移動する錠剤は必ず不良品通過孔２７に入るよう
になり、選別が確実である。

篩台１０は、必ずしも２列にする必要はなく、
１列でもよい。また、小径不良品および欠け不良
品だけを選別除去するような場合には、上部多孔
板１９は不要である。この場合、供給シユート１
２の供給口３７は下部多孔板１８の後端部に臨ま
せられる。

考案の効果 この考案による錠剤選別装置は、篩台１０と、
篩台１０に臨ませられた供給口３７を有する被選
別錠剤供給手段と、、篩台１０に供給された被選
別錠剤を所定の方向に送るために篩台１０を振動
させるバイブレータ１１とを備えており、篩台１
０が多数の不良品通過孔２７を有する多孔板１８
を備え、被選別錠剤供給手段の供給口３７がこの
多孔板１８の上流側の部分に臨ませられており、
不良品通過孔２７の上端に内向きフランジ部２８
が形成され、このフランジ部２８の内径が被選別
錠剤の良品の外径よりわずかに小さく、これより
下側の不良品通過孔２７の内径が上記良品の外径
より大きいから、上述のように、小径不良品だけ
でなく、欠け不良品も選別除去することができ
る。そして、不良品通過孔２７の上端に内向きフ
ランジ部２８を形成することにより欠け不良品を
選別除去するようにしたので、欠け不良品の除去
が確実であり、不良品通過孔の上端周縁部に良品
が当たつて欠けなどの損傷を受けるおそれも少な
い。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は錠剤
選別装置の側面図、第２図は同平面図、第３図は
篩台の垂直断面図、第４図は同平面図、第５図は
上部多孔板の部分拡大垂直断面図、第６図は下部
多孔板の部分拡大垂直断面図である。 １０…篩台、１１…バイブレータ、１２…被選
別錠剤供給シユート、１８…下部多孔板、１９…
上部多孔板、２６…良品通過孔、２７…不良品通
過孔、２８…フランジ部、３７…供給口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 篩台１０と、篩台１０に臨ませられた供給口
   ３７を有する被選別錠剤供給手段と、篩台１０
   に供給された被選別錠剤を所定の方向に送るた
   めに篩台１０を振動させるバイブレータ１１と
   を備えており、篩台１０が多数の不良品通過孔
   ２７を有する多孔板１８を備え、被選別錠剤供
   給手段の供給口３７がこの多孔板１８の上流側
   の部分に臨ませられており、不良品通過孔２７
   の上端に内向きフランジ部２８が形成され、こ
   のフランジ部２８の内径が被選別錠剤の良品の
   外径よりわずかに小さく、これより下側の不良
   品通過孔２７の内径が上記良品の外径より大き
   い錠剤選別装置。 (2) 篩台１０が、多数の不良品通過孔２７を有す
   る多孔板１８と、この多孔板１８の上流側の部
   分の上方に配置されかつ多数の良品通過孔２６
   を有する多孔板１９とを備え、被選別錠剤供給
   手段の供給口３７が上側の多孔板１９の上流側
   の部分に臨ませられており、下側の多孔板１８
   の不良品通過孔２７の上端に内向きフランジ部
   ２８が形成され、このフランジ部２８の内径が
   被選別錠剤の良品の外径よりわずかに小さく、
   これより下側の不良品通過孔２７の内径が上記
   良品の外径より大きい実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の錠剤選別装置。