JPH0351962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はチツプ型アルミニウム電解コンデンサ
に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

近年、電子機器の小形・軽量化指向が強まるな
かで各種電子部品におけるチツプ化の進展はめざ
ましいものがあり、小容量アルミニウム電解コン
デンサにおいても例外でなく、リードレス化した
チツプ型アルミニウム電解コンデンサが各種提案
され、本格的な実用化の段階を迎えている。しか
して、種々提案されているチツプ型アルミニウム
電解コンデンサの中で従来最も注目をあつめてい
る構造は特開昭59−211213号公報、特開昭59−
214216号公報および特開昭59−219922号公報など
に開示されているものである。

上記公報に開示されている技術は、例えば第６
図および第７図に示すように駆動用電解液を含浸
したコンデンサ素子２１を金属ケース２２内に収
容し、前記素子２１に接続したリード線２３を前
記ケース２２開口端を封口する封口部材２４をと
おして引出してなるコンデンサ本体２５と、該コ
ンデンサ本体２５のリード線２３を引出した端面
に当接して配設し、かつ前記リード線２３が貫通
する貫通孔２６と外表面に前記貫通孔２６につな
がる凹部２７を設けた絶縁板２８とで構成し、前
記貫通孔２６を貫通した前記リード線２３の先端
部を丸棒のまままたは扁平加工を施し前記凹部２
７内に納まるよう折曲げて折曲げ部分を基板との
接着部としてなるものである。しかして、上記構
成になるチツプ型アルミニウム電解コンデンサ
は、第８図に示すように駆動用電解液を含浸して
なる巻回型のコンデンサ素子２９を金属ケース３
０に収納し、開口端を封口材３１にて封口し構成
したアルミニウム電解コンデンサから引出された
リード線３２をコム状端子３３に接続し、該コム
状端子３３を除く全体にモールド樹脂外装３４を
施してなる構造のものと比較して、モールド樹脂
外装時における高温、高圧の過酷な条件下にさら
されないため、駆動用電解液の蒸散による静電容
量の減少やtanδの増大などの特性劣化がなく、ま
たモールド樹脂外装にともなうコストアツプの問
題もなく、さらに小形化に最大限貢献できる構造
として好適なものと言える。しかして、このよう
な構成になるチツプ型アルミニウム電解コンデン
サの基板への取付けに際しては、前記リード線２
３の折曲げ先端部にクリームハンダを塗布する
か、またはクリームハンダを印刷した状態で前記
リード線２３の折曲げ先端部を取付基板に当接
し、該取付基板を加熱し前記クリームハンダを溶
融するリフローハンダ付けをする。しかしなが
ら、上記構成になるチツプ型アルミニウム電解コ
ンデンサは、取付基板にマウントした場合、該取
付基板との間の隙間が十分でなく加熱によるクリ
ームハンダ溶融時の空気膨張による空気抜けが不
十分であるためコンデンサ本体２５が浮き、取付
基板への取付位置の移動による接続不完全または
接続不良の発生となる欠点をかかえていた。また
取付基板との接着面積を考慮しリード線２３先端
部を扁平加工する際の扁平加工は絶縁板２８に貫
通する前に行うのが一般的であるが、扁平化した
状態で絶縁板２８に設けた貫通孔２６に扁平部の
方向を一定化し、折曲げた場合に該扁平部を凹部
２７内に容易に納める作業は困難であり、いずれ
にしても実用上解決すべき課題をかかえていた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、作
業性容易にして基板に対する安定した取付状態を
確保でき、信頼性に富む接続状態を得ることので
きるチツプ型アルミニウム電解コンデンサを提供
することを目的とするものである。

〔考案の概要〕

本考案のチツプ型アルミニウム電解コンデンサ
は、有底筒状の金属ケースと、該ケース内に収容
したコンデンサ素子と、該素子から導出した一対
のリード線と、該リード線を貫通させ前記ケース
開口端を封口した封口体と、前記リード線先端部
を扁平化し外側に折曲げて設けた基板取付部とか
らなるコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前
記リード線引出端面に当接して配設した対向面側
面から中心部に向かつて設けた一対の切込み部
と、該切込み部と連通して設けたリード線導出部
と、該リード線導出部と連通し一方面に設けた基
板取付部係止溝と、該係止溝と前記切込み部先端
間に設けた基板取付部通過溝とからなる絶縁板と
を具備し、前記基板取付部を前記基板取付部係止
溝に嵌合係止したことを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して
説明する。すなわち第２図に示すように、陽極箔
と陰極箔との間にスペーサを介して巻回し駆動用
電解液を含浸したコンデンサ素子１を有底筒状の
金属ケース２内に収納し、該ケース２開口端を前
記コンデンサ素子１に接続した一対のリード線３
を貫通し、封口体４にて封口し、前記一対のリー
ド線３先端部を扁平化し外側に折曲げて基板取付
部５を形成してなるコンデンサ本体６の前記リー
ド線３引出端面に第３図に示すように対向両側面
それぞれから中心部に向かつて設けた一対の切込
み部７と、該切込み部７と連通して設けたリード
線導出部８と、該リード線導出部８と連通し一方
面に設けた基板取付部係止溝９と該係止溝９と前
記切込み部７間に設けた基板取付部通過溝１０と
からなる絶縁板１１の前記基板取付部係止溝９と
なる一表面を外側にして、かつ前記一対のリード
線３を前記切込み部７に位置させ当接し、前記コ
ンデンサ本体４または前記絶縁板１１いずれかを
回転させて前記基板取付部５を前記基板取付部通
過溝１０を通過させ、前記一対のリード線３を前
記リード線導出部８に位置させると同時に前記基
板取付部５を前記基板取付部係止溝９に嵌合係止
し前記コンデンサ本体６と前記絶縁板１１とを一
体化して第１図に示すような完成品としてなるも
のである。

以上のように構成してなるチツプ型アルミニウ
ム電解コンデンサは、取付基板にクリームハンダ
を塗布または印刷した基板取付部５を当接し、リ
フローハンダ付けを行う訳であるが、絶縁板１１
に基板取付部５が嵌合係止された基板取付部係止
溝９とリード線導出部８を介して連通して設けた
切込み部７と、該切込み部７と基板取付部係止溝
９間に設けた基板取付部通過溝１０部が隙間とし
て存在し、この部分がクリームハンダ溶融時の空
気膨張による空気抜けとして作用するため、所期
の当接位置から移動することなく、所望の取付位
置に容易にかつ確実に取付接続することができ
る。またコンデンサ本体４と絶縁板１１の一体化
構造はコンデンサ本体４としてあらかじめ成形折
曲げて設けたリード線３先端部の基板取付部５を
絶縁板１１を構成する切込み部７に位置させコン
デンサ本体４または絶縁板１１を回転させ基板取
付部通過溝１０を通過させ、基板取付部係止溝９
に嵌合係止するのみであるため、第６図および第
７図に示した従来構造のように絶縁板２８に先端
部を扁平部としたリード線２３の扁平部の方向を
一定化し、折曲げた場合に扁平部を凹部２７内に
納めるというめんどうな作業と比較し組立作業が
容易である利点を有する。

なお、上記実施例では絶縁板１１に設けた一対
の切込み部７に対する基板取付部係止溝９の角度
を直角としたものを例示して説明したが、第４図
に示すように一対の切込み部７に対する基板取付
部係止溝９の角度を直角以下とした絶縁板１１を
用いることができることは勿論である。

また、上記実施例とは別に第５図に示すように
コンデンサ本体当接面となる絶縁板１１にコンデ
ンサ本体をガードする突起ガード１２を設けるよ
うにすれば絶縁板１１配設上有効である。第４図
および第５図中第３図と同一部分については同一
番号を付し説明を省略した。

〔考案の効果〕 本考案によれば、作業性容易にして基板に対す
る安定した取付状態を確保できる実用的価値の高
いチツプ型アルミニウム電解コンデンサを得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例に係るもの
で第１図はチツプ型アルミニウム電解コンデンサ
を示す斜視図、第２図は第１図を構成するコンデ
ンサ本体を示す一部断面正面図、第３図は第１図
を構成する絶縁板を示す斜視図、第４図は他の実
施例に係る絶縁板を示す斜視図、第５図は他の実
施例に係る絶縁板を示す底面斜視図、第６図およ
び第７図は従来例に係るチツプ型アルミニウム電
解コンデンサを示すもので第６図は斜視図、第７
図は一部断面正面図、第８図は従来の他の参考例
に係るチツプ型アルミニウム電解コンデンサの正
断面図である。 １……コンデンサ素子、２……金属ケース、３
……リード線、４……封口体、５……基板取付
部、６……コンデンサ本体、７……切込み部、８
……リード線導出部、９……基板取付部係止溝、
１０……基板取付部通過溝、１１……絶縁板、１
２……突起ガード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底筒状の金属ケースと、該ケース内に収容し
   たコンデンサ素子と、該素子から導出した一対の
   リード線と、該リード線を貫通させ前記ケース開
   口端を封口した封口体と、前記リード線先端部を
   扁平化し外側に折曲げて設けた基板取付部とから
   なるコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前記
   リード線引出端面に当接して配設した対向面側面
   から中心部に向かつて設けた一対の切込み部と、
   該切込み部と連通して設けたリード線導出部と、
   該リード線導出部と連通し一方面に設けた基板取
   付部係止溝と、該係止溝と前記切込み部先端間に
   設けた基板取付部通過溝とからなる絶縁板とを具
   備し、前記基板取付部を前記基板取付部係止溝に
   嵌合係止したことを特徴とするチツプ型アルミニ
   ウム電解コンデンサ。