JPH0351255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、工場内等において、所定の軌道に
沿つて走行する台車、より詳しくは、上記軌道に
沿つて配設された駆動軸に摩擦円板を押接して走
行する台車に関する。

＜従来の技術＞ 上記台車を、例えば工場内に導入し該台車によ
り物品の搬送を行なわせる場合、多くの場合は一
つの走行経路に複数の台車が導入されている。そ
のような場合、作業者により台車上の物品に所定
の作業を施こす位置、あるいは、台車の格納位置
において、複数の台車をアキユムレイトさせる即
ち停止させる必要がある。

上述の要請に応える技術として、例えば、特開
昭56−39957号の公報に記載された発明がある。
この発明を簡単に説明すれば、摩擦円板を台車停
止位置、台車走行位置に位置決めするカム板を移
動可能に台車に設け、かつ上記カム板には外部の
物体に衝突した際カム板を台車本体に対し相対移
動させるストツプ部材を固定し、該ストツプ部材
が外部の物体に衝突した際、カム板が相対移動す
ることにより摩擦円板を台車停止位置に旋回させ
台車を停止するようにしたものである。なお、駆
動軸に摩擦円板を押接して走行するタイプの台車
の走行速度は、摩擦円板の中心と摩擦円板の駆動
軸接触点とを結ぶ線分が駆動軸の軸線となす角度
によつて決まつている。この角度を零度即ち摩擦
円板の中心を駆動軸の軸線に一致させることによ
り、走行中の台車を停止させている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上述の従来技術によれば、ストツプ部材が外部
の物体（台車のアキユムレイトの場合はその物体
は先行し既に停止している台車である）に衝突す
る際に、その衝撃が原因となり、台車上載置物品
の荷崩れ、及び先行し既に停止している台車の停
止位置のずれ等が生じていた。上記衝撃はストツ
プ部材の台車本体に対する相対移動によりある程
度は吸収されるけれども、全くなくすことはでき
なかつた。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案は、台車の存否を検出する台車感知部
材を台車停車位置に設けるとともに、上記駆動軸
と直交する方向に上記摩擦円板を移動させる走行
停止用のカム板を、上記走行軌道に沿つて前記台
車停止位置後方の台車待機位置に配設し、前記台
車感知部材による台車の存在検出に連動して前記
カム板を走行停止作用位置に突出させる連動手段
を設けたものである。

＜作用＞ 台車停止位置に台車が停止していると、上記台
車感知部材が台車を感知する。該台車の感知によ
り、上記台車停止位置後方の台車待機位置のカム
板が移動し、該台車待機位置において、台車停止
可能な状態となる。

＜実施例＞ 第６図及び第７図に基づいて、本実施例が適用
される台車について説明する。この台車１は、車
輪２を介して軌道４，５上に支持されており、該
軌道４，５に沿つて駆動軸６が配設されている。

台車１の下面にはフレーム７が固着され、該フ
レーム７に２つのブラケツト８，９が垂下固着さ
れ、該ブラケツト間にロツド１０が駆動軸６の軸
線に直交して固定されている。

上記ロツド１０には、該ロツドに対して摺動自
在、かつ、旋回可能に支持ガイド１１が嵌合され
ている。該支持ガイド１１にはベアリングハウジ
ング１２が一体的に固着され、該ハウジング１２
内の図示しないベアリングにより回転軸１３が回
転自在に支持されている。該回転軸１３下端には
円盤体１４が固着され、該円盤体１４の下面には
回転軸１３の軸線に直交して、リング状の摩擦円
板１５が固着されている。上記回転軸１３の軸線
は駆動軸６の軸線に直交する面に対して、わずか
の角度傾斜し摩擦円板１５が一カ所で駆動軸６の
外周面に接触するように構成されている。

上記支持ガイド１１上面に突設した支持ブロツ
ク１８に軸支１９され先端に回転自在のローラ２
０を有する支持アーム２１と、前記ベアリングハ
ウジング１２の前側部に突設するブラケツト２２
に螺着された調節可能なプレート２３との間に付
勢されたスプリング２４が設けられ、該スプリン
グ２４により摩擦円板１５の接触面１５ａが駆動
軸６の外周面に押接するように構成される。

上記ベアリングハウジング１２の側部に突設し
た固定ピン２５と台車１下面に突設した固定ピン
２６との間にスプリング２７付勢され、摩擦円板
１５を間接的に支持する支持ガイド１１の側面
が、常時ブラケツト９に当接して位置規制されて
いる。

上記ベアリングハウジング１２の側部には、カ
ムローラ２９が回転自在に支持されている。該カ
ムローラ２９は後述する地上側に設けた所定勾配
を有するカム板３０に当接すると、上記ハウジン
グ１２及び支持ガイド１１はスプリング２７に抗
して駆動軸６の軸線に近接する方向にロツド１０
に沿つて移動する。上記支持ガイド１１の移動に
連動して、前記支持アーム２１の先端に設けたロ
ーラ２０もガイドフレーム３１上を走行する。

すなわち、上記支持ガイド１１の側面がブラケ
ツト９に当接した状態が台車の走行状態であり、
その台車の走行中に、上記カム板３０にカムロー
ラ２９が当接することによつて摩擦円板１５を支
持するベアリングハウジング１２がスプリング２
７に抗して、上記カム板３０の勾配角に応じて、
駆動軸６の軸線側へ移動し、駆動軸６の軸線上に
摩擦円板１５の中心が一致した時点、即ち、第６
図の鎖線位置で台車は完全に走行停止する。

３２は台車１の下面に固着したカムプレートで
あり、該プレート３２は傾斜部３２ａ、平面部３
２ｂ及び後部３２ｃより成り、後述する地上側の
ローラ６６と当接可能な位置に設けられている。

次に、地上側に設置する台車停止装置を、第１
図ないし第５図に基づいて説明する。第５図は台
車停止位置周囲の一例を概略的に示す平面図であ
り、台車１は矢印３３方向に走行しているとす
る。台車１は第１停止位置Ｓ１及び第２停止位置
Ｓ２で一時停止して、作業者Ｐ１〜Ｐ４による台
車上の載置物品への所定の作業を受けて再び発進
する。３４は台車停止装置を示し、その詳細構造
は後述する。

上記第１及び第２停止位置Ｓ１，Ｓ２間、及び
第１停止位置Ｓ１より後方（反矢印３３方向）に
は、それぞれ台車２台ぶんの台車待機位置Ｗ１，
Ｗ２，Ｗ３が設けられている。Ｗ３の後方の台車
待機位置は図示していない。３５は上記台車待機
位置に設けられる台車停止位置（以下、前記台車
停止装置３４と区別する意味で台車待機装置と称
すことにする）を示し、その詳細構造は後述す
る。

まず、台車停止装置３４を説明する。台車１の
停止位置Ｓ１には前述したカム板３０が配設され
ている。該カム板３０が傾斜部３０ａと平行部３
０ｂとより成り、該傾斜部３０ａの勾配は台車を
ゆつくり減速させて停止させるか急激に停止させ
るかにより設定される。また、平行部３０ｂは傾
斜部３０ａにおいて摩擦円板１５の中心を駆動軸
６の軸線に近接させて台車の速度を減速した後、
摩擦円板１５の中心と駆動軸６の軸線を完全に一
致させて台車を停止させるためのものである。

上記カム板３０はリンク連結機構３７を介して
カム架台３８に設置されている。すなわち、カム
板３０の傾斜部３０ａ端には突出片３９が設けら
れ、該突出片３９はカム架台３８に支柱４０Ａを
介して固定された突出片４１にピン４２により旋
回可能に連結されている。一方、カム板３０の平
行部３０ｂ端には突出片４３が固着され、該突出
片４３とリンク４４の一端、及び該リンク４４の
他端とリンクアーム４５のそれぞれがピン４６，
４７により旋回可能に連結されている。上記リン
クアーム４５はピン４８により支柱４０ｂを介し
てカム架台３８に旋回可能に支持されている。

上記リンク４４にはシリンダ４９のピストンロ
ツド５０先端が旋回可能に連結され、該シリンダ
４９の末端はカム架台３８に固着したブラケツト
５１に旋回可能に連結されている。上記リンクア
ーム４５にはストツパ５２が一体的に固着され、
該ストツパ５２はカム架台３８に固着した当接片
５３と当接可能になつている。

次に、台車待機装置３５を説明する。前述した
台車停止装置３４のカム板３０と同形のカム板５
４が台車の待機位置Ｗ１〜Ｗ３に配設される。該
カム板５４はリンク連結機構５５を介してカム架
台３８に設置されている。該リンク連結機構５５
は前述したリンク連結機構３７と同一構造であ
り、同一部材には同一符号を付し説明は省略す
る。

リンクアーム４５には一体的にストツパ５２及
びアーム５６が固着されている。該アーム５６の
先端にはピン５７によりロツド５８の一端が旋回
可能に支持され、該ロツド５８の他端には台車感
知部材５９が設けられている。すなわち、該ロツ
ド５８の先端５８ａはスペーサ６０を介して両側
より一対のプレート６１，６２かピン６３により
旋回可能に支持されている。該一対のプレート６
１，６２の下端は支持材６４を介してカム架台３
８にピン６５により旋回可能に支持される。ま
た、該一対のプレート６１，６２の上端にはロー
ラ６６がピン６７により回動自在に支持されてい
る。上記ロツド５８の末端とカム架台３８に固着
したブラケツト６８との間にはスプリング６９が
設置されており、該スプリング６９によりアーム
５６及びロツド５８は、矢印７０方向に付勢され
ている。

以上のような構成をした本実施例の動作を次に
説明する。

停止位置Ｓ１，Ｓ２に来た台車１は一時停止し
て、作業者による台車上の載置物品への所定の作
業を受ける。台車１の停止は作業者が図示しない
スイツチをONすることにより、シリンダ４９を
伸長させ、カム板３０を駆動軸６に接近させ、台
車１を停止位置Ｓ１，２で停止させる。上記シリ
ンダ４９の伸長によるカム板３０の移動は、スト
ツパ５２が当接片５３と当接した時点で停止し位
置決めされる。停止している台車上の載置物品へ
の作業者による所定の作業が終了したら、上記ス
イツチをOFFにして、カム板３０を駆動軸６か
ら離反させ、台車１を再発進させる。

上記停止位置Ｓ１，Ｓ２に台車１が停止すれ
ば、該停止位置Ｓ１，Ｓ２後方の待機位置Ｗ１，
Ｗ３の台車待機装置３５が作動し、該待機位置Ｗ
１，Ｗ３で後続の台車１は停止する。すなわち、
第４図Ａ〜Ｃで図示しているように、台車１が停
止位置に接近してくると、（第４図Ａ）、台車１下
面に設置したカムプレート３２が台車感知部材５
９のローラ６６と当接し（第４図Ｂ）、該ローラ
６６がカムプレート３２の傾斜部３２ａ及び平面
部３２ｂと連続して乗り上がることにより、一対
のプレート６１，６２はピン６５を支点として矢
印７１方向に揺動し、該揺動と連動してロツド５
８がスプリング６９力に抗して矢印７２方向に移
動する（第４図Ｃ）。

上記ロツド５８の移動と連動して、アーム５６
とストツパ５２及びリンクアーム４５は、ピン４
８を中心にして時計針方向に旋回し、該リンクア
ーム４５の旋回によりリンク連結機構５５を介し
てカム板５４が駆動軸６に接近してくる。第２図
にはロツド５８移動前の状態を示し、第１図には
移動後の状態を示している。

このようにして、カム板５４が駆動軸６に接近
している状態で後続の台車１が待機位置Ｗ１，Ｗ
３に接近してくると、該台車１は該待機位置Ｗ
１，Ｗ３で停止する。同様に、待機位置Ｗ１，Ｗ
３に台車１が停止していると、該待機位置Ｗ１の
後方の待機位置Ｗ２のカム板５４も同様に駆動軸
６に接近し、台車１停止可能な状態となる。

停止位置Ｓ１，Ｓ２に停止していた台車１が所
定の作業を終え再発進すると、ローラ６６とカム
プレート３２との当接は解かれ、一対のプレート
６１，６２はピン５７を中心に、時計針方向に揺
動して第４図Ａで示す状態になり、ロツド５８、
アーム５６及びリンク連結機構５５が上述とは逆
の動きをして、カム板５４を駆動軸５５から離反
させる方向に移動させる。該カム板５４の移動に
より、待機位置Ｗ１，Ｗ３に停止していた台車は
再発進する。

以上のように、本実施例によれば、非常に簡単
な構造で台車をアキユムレイトすることが可能と
なり、先行している台車が停止していれば後続の
台車は自動的に停止し、該先行台車の発進と連動
して後続の台車も自動的に発進する。また、従来
のようにストツプ部材等の台車停止装置を台車に
設ける必要がないので、特に、多数台の台車を導
入する場合、低コストとなる。

なお、本考案においては、上述した台車感知部
材５９を台車側部材との非接触により台車を感知
する部材、例えば金属片を感知する近接スイツチ
等とすることも可能である。また、台車待機装置
３５にも台車停止装置３４と同様にシリンダを設
け、該シリンダによりカム板５４を移動させ、先
行台車の停止状態をリミツトスイツチ等で感知
し、上記シリンダを作動させるようにしてもよ
い。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案によれば、既に台
車停止位置で停止している台車と、後続の待機位
置で停止する台車とが接触しないで、該後続の台
車を停止させることが可能になつた。したがつ
て、台車と台車間の衝突がなくなり、台車上載置
物品の荷崩れや先行し既に停止している台車の停
止位置ずれ等が皆無となつた。さらに、上記先行
停止している台車上の載置物品に所定の作業を行
なう作業者の上記衝突の衝撃による作業ミス等を
皆無にした。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は同じくリンク連結機構のみを示す平面図、第３
図は同じく本考案の実施例を示す側面図、第４図
Ａ〜Ｃは台車感知部材の動作を説明するための側
面図、第５図は台車停止装置の周囲の一例を概略
的に示す平面図、第６図は本考案が適用される台
車の一側を示す正面図、第７図は同じく側面図で
ある。 １……台車、４，５……軌道、６……駆動軸、
１３……回転軸、１５……摩擦円板、５４……カ
ム板、５９……台車感知部材、Ｓ１，Ｓ２……台
車停止位置、Ｗ１〜Ｗ３……台車待機位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 台車の走行軌道に沿つて駆動軸を配設し、該駆
   動軸の軸線に直行する面に対してわずかに傾斜し
   た回転軸を中心に回転自在に台車上に支持された
   摩擦円板を設け、上記駆動軸に台車の摩擦円板を
   押接して走行する台車であつて、 台車の存否を検出する台車感知部材を台車停止
   位置に設けるとともに、上記駆動軸と直交する方
   向に上記摩擦円板を移動させる走行停止用のカム
   板を、上記走行軌道に沿つて前記台車停止位置後
   方の台車待機位置に配設し、前記台車感知部材に
   よる台車の存在検出に連動して前記カム板を走行
   停止作用位置に突出させる連動手段を設けた台車
   の停止装置。