JPH0350652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、左右方向に往復移動する傾斜姿勢の
苗のせ台に、載置苗の浮上がりを接当阻止可能な
苗浮上がり阻止ステーと、載置苗を強制的に苗取
出し口側に送る苗縦送り装置とを設けてある苗植
付け装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の苗植付け装置では、前記苗浮上がり阻
止ステーを、苗のせ台に対してその苗載置面に対
する遠近方向に高さ調節可能な状態で取付けてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この従来装置による場合は、前記ステーを載置
苗の茎葉部分に摺接する高さ位置に調節すること
により、載置苗の不測の脱落を防止することがで
きるばかりでなく、苗縦送り装置に対応位置する
苗部分の上方への逃げ移動を阻止して、苗の床土
部分に対する縦送り力の伝達の確実化を図ること
ができるものの、次のような問題がある。

即ち、植付け作業の開始時においてのみ、前記
ステーの高さ位置を勘に基づいて調節するだけで
あるため、苗の茎葉部の植立密度や成育度合或い
は床土部分の厚み等のバラツキにより、前記ステ
ーと苗の茎葉部分との間の摺接抵抗が増加した
際、載置苗の苗取出し口側への滑りが悪くなり、
苗縦送り精度が低下するといつた問題である。

本考案は、上述の実情に鑑みて為されたもので
あつて、その目的は、ステーに纒る高さ調節操作
の簡素化を図り乍ら前述の従来問題点を改善する
点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による苗植付け装置の特徴構成は、前記
苗浮上がり阻止ステーと載置苗との間の摺接抵抗
を検出するセンサーを設け、このセンサーの検出
信号に基づいて、その検出摺接抵抗値が設定値と
なるように、前記ステーを苗のせ台の苗載置面に
対する遠近方向に強制移動させる高さ調節機構を
設けた点にあり、その作用・効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

つまり、苗の茎葉部分の植立密度や成育度合或
いは床土部分の厚み等のバラツキにより、前記ス
テーと載置苗の茎葉部分との間の摺接抵抗が増加
しても、センサーの検出信号に基づいて作動する
高さ調節機構により、前記の摺接抵抗を設定値に
自動修正することができるから、載置苗の苗取出
し口側への滑りを適正な状態に維持することがで
きる。また、このような構成故に、ステーに対す
る人為的な高さ調節操作をなくする又は少なくす
ることができる。

〔効果〕

従つて、ステーに纒る高さ調節操作の簡素化を
図り乍ら、載置苗の苗取出し口側への滑りを適正
な状態に維持することができることと、苗の床土
部分に対する縦送り力の伝達を確実に行なうこと
ができることとの相乗により、苗縦送り精度の向
上を達成することができるに至つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第８図で示す乗用型田植機の苗植付
装置を構成するに、図中１は、乗用機体（図外）
から伝動軸２を介して駆動される伝動ケースであ
り、この伝動ケース１から後方に向けて左右一対
の植付ケース３，３を延設すると共に、前記植付
ケース３，３の後部の左右両側には夫々、植付爪
４を強制循環運動させる駆動機構５を設けてい
る。

６は、複数枚のマツト苗状Ａ・・を横方向に並
列載置可能で、かつ、左右方向に往復移動可能な
対地傾斜姿勢の苗のせ台であり、この苗のせ台６
およびこれに載置された苗Ａ群の下端部を摺動案
内するレール７には、左右方向に所定間隔を隔て
て苗取出し口８・・を形成している。

９は、苗のせ台６の傾斜下端部近くで、苗のせ
台６が往復移動経路の端部に位置する毎に作動し
て、載置苗Ａを苗取出し口８側に強制移行させる
スターホイル利用の苗縦送り装置である。

１０は、載置苗の浮き上がりを接当阻止可能な
側面視ほぼ三角ループ状の苗浮上がり阻止ステー
である。

Ｓは、前記ステー１０と載置苗との間の摺接抵
抗を検出するセンサーであり、これは、前記苗の
せ台６の左右両側に固着されたブラケツト１１，
１１に、横軸芯Ｐ周りで回転自在なパイプ状の支
持部材１２，１２を設け、この支持部材１２，１
２に亘つて、前記ステー１０を取付けてある苗送
り方向視ほぼコの字状の取付け杆１３をスライド
移動自在に挿嵌保持させるとともに、前記支持部
材１２，１２とブラケツト１１，１１との間に
は、支持部材１２，１２を揺動範囲の所定位置に
付勢保持するスプリング１４，１４及び１４，１
４を張設し、かつ、前記ステー１０に作用する摺
接抵抗を支持部材１２，１２の横軸芯Ｐ周りの変
位量として検出するポテンシヨメーター１５を設
けている。

前記スプリング１４の一端は、前記ブラケツト
１１の舌片１１ａにロツクナツト１６を介して螺
合されたネジ部材１７に係止保持されていて、こ
のネジ部材１７の螺合操作により、前記支持部材
１２の付勢保持位置を調節可能に構成されてい
る。

そして、前記ステー１０に作用する摺接抵抗が
設定値にあるとき、苗のせ台６に対するステー１
０の苗送り方向での取付け姿勢が適正姿勢となる
ように、前記ネジ部材１７を介してスプリング１
４，１４の弾性付勢力を調節する。この調節によ
り、前記ステー１０に作用する摺接抵抗が設定値
よりも増加すると、苗の縦送り作用に伴つてステ
ー１０が横軸芯Ｐ周りで苗送り方向下手側に揺動
変位し、また、これとは逆に、摺接抵抗が設定値
よりも減少すると、スプリング１４，１４の弾性
付勢力の差によつてステー１０が苗送り方向上手
側に揺動変位し、何れの場合も、前記ポテンシヨ
メーター１５にてアナログ的に検出される。

Ｂは、前記センサーＳの検出信号に基づいて、
その検出摺接抵抗値が設定値となるように、前記
ステー１０を苗のせ台６の苗載置面に対する遠近
方向に強制移動させる高さ調節機構である。この
高さ調節機構Ｂは、前記取付け杆１３の両端部に
形成されたラツク１８と、このラツク１８に噛合
うウオーム１９を備えたモータ２０、ならびに、
前記ポテンシヨメーター１５からの検出摺接抵抗
値と摺接抵抗設定器２１からの設定摺接抵抗値と
を比較して、検出摺接抵抗値が設定許容範囲内に
維持されるように、前記モータ２０の駆動回路２
２に対して制御信号を出力する制御部２３とから
構成されている。

〔別実施例〕

上述実施例では、摺接抵抗検出用センサーＳを
ステー１０及びそれの支持部材を利用して構成し
たが、専用に構成して実施してもよい。要する
に、前記苗浮上がり阻止ステー１０と載置苗との
間の摺接抵抗を検出することのできるものであれ
ば如何なる構造のセンサーＳを使用してもよい。

また、前記高さ調節機構Ａをネジ軸や流体圧シ
リンダなどを使用して構成してもよい。要する
に、センサーＳの検出摺接抵抗値が設定値となる
ように、前記ステー１０の高さ位置を自動修正で
きるものであれば如何なる構造のものを使用して
もよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る苗植付け装置の実施例を示
し、第１図は要部の縦断側面図、第２図は第１図
の−線断面図、第３図は苗植付け装置全体の
側面図である。 ６……苗のせ台、８……苗取出し口、９……苗
縦送り装置、１０……苗浮上がり阻止ステー、Ｓ
……センサー、Ｂ……高さ調節機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 左右方向に往復移動する傾斜姿勢の苗のせ台
   ６に、載置苗の浮上がりを接当阻止可能な苗浮
   上がり阻止ステー１０と、載置苗を強制的に苗
   取出し口８側に送る苗縦送り装置９とを設けて
   ある苗植付け装置において、前記苗浮上がり阻
   止ステー１０と載置苗との間の摺接抵抗を検出
   するセンサーＳを設け、このセンサーＳの検出
   信号に基づいて、その検出摺接抵抗値が設定値
   となるように、前記ステー１０を苗のせ台６の
   苗載置面に対する遠近方向に強制移動させる高
   さ調節機構Ｂを設けてある苗植付け装置。 前記センサーＳが抵抗によつて苗送り方向に
   変位するものである実用新案登録請求の範囲第
   項に記載の苗植付け装置。