JPH0350302Y2 - - Google Patents

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JPH0350302Y2
JPH0350302Y2 JP1985077102U JP7710285U JPH0350302Y2 JP H0350302 Y2 JPH0350302 Y2 JP H0350302Y2 JP 1985077102 U JP1985077102 U JP 1985077102U JP 7710285 U JP7710285 U JP 7710285U JP H0350302 Y2 JPH0350302 Y2 JP H0350302Y2
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pump
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suction
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電磁コイルの軸心縦貫孔に挿嵌され
た大径、小径両シリンダ内をそれぞれ往復作動す
る電磁プランジヤおよびこれと同軸上タンデムに
連接する吐出プランジヤによつて流体を吐出する
縦貫型で、ポンプの停止時に流入側を遮断する電
磁プランジヤポンプであつて、その吸入特性、な
らびに特に貯液槽からの液体を吸入してこれを吐
出する場合の液面の低下時の吸入ヘツドの変化に
よるポンプの吸入力の低下を補償し、およびその
ための吐出量の変動を無くして吐出定量性を良好
にする改善にかゝるものである。
〔従来の技術〕
貯油槽から燃焼機器への燃料油給送などの用途
に供するための電磁プランジヤポンプの従来技術
としては、燃料油を加圧圧送してこれをノズルか
ら噴霧させて着火燃焼させるガンタイプバーナ用
の例えば、特公昭53−15207号、実開昭58−16366
号公報に開示せられたもの等があり、比較的低圧
力で燃料油をオリフイスから流出させてこれを燃
焼させるものには、さきに本願出願人が出願した
特公昭56−38796号公報そのほか実公昭53−51442
号、特開昭60−19969号公報に開示せられたもの
等枚挙に遑がない。
前記特公昭53−15207号公報記載の従来技術は、
“中空の磁極円筒体にプランジヤガイドとこれに
摺動自在に嵌合するプランジヤとを嵌合し、前記
プランジヤ内に逆止弁を設け、流体通路を吸入側
から吐出側まで同軸上に形成し、前記プランジヤ
ガイドを吐出側からの流体圧力により移動可能と
し、前記プランジヤガイドと前記プランジヤとの
間に弾性体を介在させ、前記プランジヤと吸入側
コネクタとの間に戻しばねを介在させ、前記プラ
ンジヤガイドの移動が弾性体を介して前記プラン
ジヤとの磁気間隙を変化させる構成として吐出圧
力を常時一定となるようにすることを目的とし
た”ものである。
前記実開昭58−16366号公報に開示せられた従
来技術は、“電磁コイルの軸心部にパイプを配置
させ、該パイプ内に電磁コイルの電磁力により往
復動する電磁プランジヤを設け、該電磁プランジ
ヤに連結されたシリンダ又は圧力プランジヤの往
復動によりポンプ作用を行う電磁プランジヤポン
プにおいて、ポンプ本体に設けた吐出継手にカツ
トオフ弁座、およびカツトオフ弁室を形成させ、
該カツトオフ弁室内にカツトオフ弁を上記カツト
オフ弁座に対峙させて配置させ、かつカツトオフ
バネをカツトオフ弁と吐出継手との間に介装さ
せ、カツトオフ弁をカツトオフ弁座側に付勢させ
ると共に、カツトオフ弁の下部ツバは、電磁プラ
ンジヤに連結させた吐出弁カバ内に配置させ、カ
ツトオフ弁を吐出弁カバに対して上下一定範囲内
で摺動自在に形成させ、電磁コイルへの非通電時
にはカツトオフ弁がカツトオフ弁座に着座し、通
電時には電磁プランジヤの移動によつてカツトオ
フ弁が連動され、カツトオフ弁座が開くことを特
徴とした”ものである。
前記従来技術例のものは何れも、圧力プランジ
ヤもしくはこれを兼ねたプランジヤガイドに外嵌
装された電磁プランジヤが往復作動したポンプ作
用を営なむ流体通路を吸入側から吐出側まで同軸
に形成した所謂インライン型の電磁プランジヤポ
ンプでそれぞれ吐出側にカツトオフ弁を備えたも
ので、前者は、その構造により磁気空隙をポンプ
の吐出圧力の変化に対応して自動的に変化させ常
に所定吐出圧力を保持させるものであり、後者は
そのカツトオフ弁の構造にかゝるものである。
これらのものは前述の通り所謂ガンタイプバー
ナの燃料油圧送噴霧用として主に用いられること
が多いものでそのために、比較的高圧力例えば7
Kgf/cm2以上の吐出圧力を要するので、圧力プラ
ンジヤは小径であり、電磁プランジヤの性格から
してその行程長は短い。しかるにその構造上吸入
弁から吐出弁に至る間の吸入弁室および流路を含
む容積が比較的大きく、従つて圧力プランジヤ作
動時の容積効率が低く、ポンプよりも下方にある
油槽から燃料油を吸上げる始動時に吸入側配管が
空である場合に、圧力プランジヤが往復作動して
も、ポンプ内で空気の圧縮膨脹の繰返しとなつ
て、燃料油の吸上げが遅々として進まず、吸入性
能が甚だ悪い欠点がある。特に前者のものは、ポ
ンプの内圧が上昇しないと吐出側の遮断弁が開成
しないからこの傾向が甚だしいものである。
また、比較的低圧力で燃料油をバーナに供給
し、これをオリフイス等から吐出させる前記従来
技術のポンプとしては、電源電圧の変動に対対応
してポンプ駆動用電流のパルスの通電期間、すな
わちデユーテイ比を加減して吐出流量を制御し、
かつその定量性を保持するものに、特公昭56−
38796号公報に記載のものがある。
この種の低圧力流量制御型の電磁プランジヤポ
ンプは、一般に、吐出圧力凡そ0.3Kgf/cm2以下
で比較的微定量すなわち毎分1.5c.c.程度の定量吐
出制御を可能とすべき市場の要求があり、小型暖
房機に用いられるものは最大でも毎分30c.c.程度を
限度とし、まれに小型給湯機に用いられるもので
も毎分100c.c.位までゞある。
そして微定量のものに至るまで、所定燃焼量す
なわち所定吐出量に対する許容差は±1%以内で
調整時の設定すべき程度のきびしさを要求される
現状である。
これは燃焼廃気ガスの規制などによることと、
一段と小型化の傾向にある燃焼機器における空燃
比制御と完全燃焼させることおよび燃焼効率の関
係から必然的に要求されることによるものであ
る。
またこの電磁プランジヤに加わる磁力と復帰バ
ネの反発力との釣合いにより往復作動する吐出プ
ランジヤの作動が吐出圧力と吐出量とを定め、こ
れによつてその作動位置も変化するフリーピスト
ンである。
従つて、クランクやカムなど剛体によつて強制
駆動させられる一般の往復ポンプとは異なる。
前記特公昭56−38796号公報に開示の従来技術
のものは、電源電圧の変化に対応できるが、油槽
の油面が燃料油の吸上げ吐出するポンプ作用によ
つて消費されて低下してゆくと、その低下しただ
けポンプの吸入側の負圧が高まり、前述の様に比
較的低吐出圧力のこの種の電磁プランジヤポンプ
では、直ちに前記負圧の増加分だけ吐出圧力が低
下することになり、これによつて吐出量も減少し
て吐出定量性を失ない、この減少を補償する能力
はない。勿論この低吐出型のポンプはガンタイプ
バーナに使用する様な高圧力の吐出能力もない。
前記実公昭53−51442号、特開昭60−19969号公
報にそれぞれ開示の従来技術は何れも電磁プラン
ジヤが圧力プランジヤを兼ねたものであることは
前記特公昭56−38796号と同様で、かつまた欠点
も同様であり、且何れもポンプ停止時に吸入側を
遮断して吸入側配管からの燃料油が、油槽へ落下
するのを防止する考慮もなされていない。
そして、また、電磁コイルの軸心縦貫孔に挿嵌
された大径のシリンダ又はプランジヤケースと、
これに同軸タンデムに設けた小径のポンプ室また
はシリンダにそれぞれ、ソレノイドプランジヤ
(電磁プランジヤ)とポンププランジヤ(圧力プ
ランジヤ)を往復自在に嵌装させた流体縦貫型の
電磁プランジヤポンプには、実開昭58−51079号
公報および特公昭51−24726号公報にそれぞれ開
示された従来技術がある。
この特公昭51−24726号公報のものには、さら
に、その流入側にその通孔をポンプ停止時に閉塞
する電磁弁装置を備えているが、上記両者の引例
のものには、本考案の目的とする貯液槽の液体消
費による液面の低下の基づく吸入ヘツドの変化の
ためのポンプの吸入力低下を補償することを含む
吸入特性と吐出定量性を確保するための創意はな
されていない。
すなわちソレノイドプランジヤの流体通路に連
通するための溝をポンププランジヤの後端に設
け、或は電磁プランジヤに通孔25,32,3
2′を穿設してあるために、何れもポンププラン
ジヤもしくは圧力プランジヤの吸入力を助長する
作用は行い得ないものである。
さらに、特公昭48−31564号公報に開示せられ
た従来技術においても、前記創意は認められな
い。
〔考案が解決しようとする課題〕
本考案の目的は、上述した従来技術の欠陥を排
除し、前記ポンプの吸入特性と吐出定量性とを改
善しかつその安定化を計ることである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、前記問題点を解決するために、電磁
コイルの軸心縦貫孔に挿嵌された大径シリンダの
流出側に該大径シリンダと同軸タンデムに小径シ
リンダを配設し、前記大径シリンダおよび前記小
径シリンダ内をそれぞれ摺動往復自在に嵌装され
た電磁プランジヤおよび吐出プランジヤとを該吐
出プランジヤの吸入側要部に設けられている弁筒
部を介して連接し、この弁筒部は吸入弁を内蔵し
ていてかつこれと係合する吸入弁座と一体に形成
され、かつ、前記弁筒部と前記小径シリンダ側要
部に備えたバネ座との間に圧設した復帰バネによ
つて、ポンプの停止時に前記電磁プランジヤの流
入側端部が流入口弁座を閉塞する様に構成された
流体縦貫型のポンプであつて、前記弁筒部は、前
記大径シリンダ内に摺動自在にかつ、ポンプの吸
入力を助長せしめ得るピストン状に嵌合せしめら
れたことによつて、その目的を達成するものであ
る。
〔作用〕
本考案の前記構成の電磁プランジヤポンプはそ
の電磁コイルへ付勢するパルス状断続電流によつ
て発生する断続した磁力と、復帰バネの反発作用
とによつて、往復作動する電磁プランジヤおよび
これに連接して連動する吐出プランジヤならびに
その吸入側要部に設けられていて前記電磁プラン
ジヤと当接して大径シリンダ内を摺動往復自在
に、かつポンプの吸入力を助長させ得るようにピ
ストン状に嵌合された弁筒部も同時に往復作動す
るので、小径シリンダ内を摺動往復する吸入力の
少ない吐出プランジヤの吸入作用を補ない、ポン
プの吸入特性を高める。
すなわち、貯液槽からポンプまでの吸入配管内
で空である、ポンプの初期始動時および貯液槽の
液体を消費してこれを補給後再始動した際に、ポ
ンプ内に液体が無いからその流動抵抗が無く、フ
リーピストン状の前記両プランジヤの行程長が伸
長し、前記大径シリンダ内にピストン状の嵌合状
態をもつて摺動往復する弁筒部が、小径シリンダ
内を摺動往復する吐出プランジヤの吸引力の少な
さを補ない助長して、空気の吸入排出を速かにす
る。
この際、大径シリンダに嵌合する弁筒部の摺動
部に設けた油溜環状溝の残留液体はピストンリン
グの効果を有する。
前記吸入配管側の空気を排出し液体を吸上げ後
は、弁筒部によつて吸入された大径シリンダ内に
おける液体の余剰分は、弁筒部の大径シリンダと
の短かい摺動嵌合部分の間隙とニゲの部分から、
戻し流路ならびに電磁プランジヤの貫通孔を経て
ポンプの流入側へ戻される。
そして、ガンタイプバーナなど高吐出圧力のも
のに利用するときは、大径シリンダに比してはる
かに断面積の少ない小径シリンダを撰べばよく、
その前記初期始動時燃料油吸上吐出までの時間を
短縮することができる。
また、前記低圧力流量制御型の微定量吐出型に
利用するときは、大径シリンダに比してそれより
も断面積の少ない範囲で小径シリンダの径を適宜
選べば、例えば燃料油槽からの吸上ヘツドが、燃
料油の消費による油面の低下によつて増大して、
吸入側の負圧が増大しても、前記弁筒部による前
記吸引力を補ない助長して余りありこれによつて
充分吐出プランジヤは、前記吸入側の負圧の変化
に影響されることなく定量吐出を行ない得るもの
である。
しかして、ポンプ停止時に、前記電磁プランジ
ヤの流入側端部が流入口弁座を閉塞して、ポンプ
内の液体が吸入側配管から油槽への落下を遮断し
て、ポンプ始動時の吸上に備えていることは勿論
である。
これらの作用効果に関しては、以下本考案の実
施例の説明によつてさらに、詳らかにされる。
〔実施例〕
以下本考案を図示する実施例を参照して説明す
る。
電磁コイル30の軸心縦貫孔には、その上部に
環状磁極10、その下部に環状磁路11をそれぞ
れ介して大径シリンダ3が嵌装され、該大径シリ
ンダ3の前記環状磁極10側すなわち流出側端部
に小径シリンダ9を同軸タンデムに連結配設し、
流出口18を有し吐出弁13および吐出弁座14
を内蔵した流出接手16を嵌着する。一方前記環
状磁路11側すなわち流入側端部には、流入口1
7を有し流入口弁座19を備えた流入接手15が
嵌着してある。これらはオーリング28,27,
26によつて内部気密が保持されている。
前記大径シリンダ3と小径シリンダ9内には、
それぞれ摺動往復自在に嵌装された電磁プランジ
ヤ1および吐出プランジヤ2とが、該吐出プラン
ジヤの一端部位に吸入弁5およびこれを吸入弁バ
ネ7で押圧し係合する吸入弁座6とをもつて構成
された吸入逆止弁を含み前記大径シリンダ3内に
摺動往復自在にかつポンプの吸入力を助長させ得
るピストン状に嵌合する様に嵌装された弁筒部4
を介して連接し、かつ前記電磁プランジヤ1の流
入側他端部が前記流入口弁座19を閉塞するごと
く前記弁筒部4と前記小径シリンダ9側の要部に
設けたバネ座31との間に復帰バネ12を圧設介
在させてなり、流入口17から大径シリンダ3、
電磁プランジヤ1、弁筒部4、吐出プランジヤ
2、小径シリンダ9、吐出弁13を経て流出口1
8まで流体縦貫型に構成している。
前記流入接手15と流出接手16との間にそれ
ぞれ止め輪22,25を介して外板20と天板2
4とがネジ29,29′によつて螺締合され、こ
の間に磁気座金21,23を介して電磁コイル3
0と共に前記環状磁極10、環状磁路11大径シ
リンダ3等が挟設固定される。
かくの如き構成の電磁プランジヤポンプの電磁
コイル30へのパルス電流などの断続電流を付勢
して得られる断続磁気吸引力により、磁力発生時
には電磁プランジヤ1および吐出プランジヤ2は
図に於いて上方に移動し、流入口弁座19は開成
され、流体は流入口17から大径シリンダ3内に
流入すると共に、小径シリンダ9内の流体は吐出
弁座14、吐出弁13を経て流出口18から吐出
され、磁力消滅時には復帰バネ12の反発力で前
記両プランジヤは旧位置に復帰しようとして、大
径シリンダ3内の流体は吸入弁座6、吸入弁5を
経て小径シリンダ9内に導かれる。この動作を繰
返してポンプ作用が営まれる。
ポンプの据付位置が油槽の上部にあり該油槽内
の液面との間の吸入ヘツドが大きい場合には、吸
入配管内が空であるポンプ初期始動時に小径のプ
ランジヤの電磁プランジヤでは液体の吸上が遅々
として進まず吸入性能が甚だ悪いのが従来技術の
欠点であることは前述の通りである。それ故本考
案の実施に於ては、この欠点を排除するために、
前記吐出プランジヤ2にこれと連接する電磁プラ
ンジヤ1との間に、大径シリンダ3に摺動往復自
在にピストン状の嵌合をもつて嵌装されていてか
つ前記吐出プランジヤ2よりもはるかに大径で電
磁プランジヤとほゞ等径の弁筒部4を設けたもの
である。前記吸入配管内が空であるポンプ初期始
動時は、この弁筒部4と大径シリンダ3との間に
於いてもポンプの吸入作用が行われ、小径シリン
ダ9内に於ける吐出プランジヤ2の吸入作用を助
長するので前記初期始動時の吸上げが速かに行わ
れるのである。
この種類の電磁プランジヤポンプがガンタイプ
バーナに利用される場合、吐出プランジヤ2の直
径寸法は凡そ4〜6m/m大径シリンダ3の内径
寸法は凡そ12〜20m/mであるから、前記吐出プ
ランジヤ2と、該、大径シリンダ3に嵌合した前
記弁筒部4との断面積の比は凡そ1:10以上であ
り、これによつても吸入効率のよいことが理解で
きよう。
なお、前述の説明およびさらに後述する説明に
よつて明かな様に、大径シリンダ3に挿嵌された
弁筒部4とのはめあいとほゞ同等の狭いすきま寸
法で、大径シリンダ3には電磁プランジヤ1が摺
動往復自在に嵌装されているのであるから、吐出
プランジヤ2と電磁プランジヤ1とのそれぞれ軸
心に直角方向の断面積の比も凡そ前記比率と同じ
であることを意味する。
この種類の電磁プランジヤポンプでは、当然吐
出圧力流量に対応した磁力を求めて吐出プランジ
ヤ2と電磁プランジヤ1との直径寸法が定められ
るが、前記比率の変換によつてポンプの吐出圧力
流量は変化する。
すなわち、吐出プランジヤ2の直径が電磁プラ
ンジヤ1のそれに比して小さいほど吐出圧力は増
大し流量は減少する。反対に吐出プランジヤ2の
直径が大きくなるか電磁プランジヤ1の直径が小
さくなれば吐出圧力は低下し吐出流量は増大す
る。このことにより用途によつて吐出圧力流量を
変換することができるわけである。
因みに、吐出プランジヤ2と小径シリンダ9と
の寸法公差およびはめあいは、日本工業規格
B0401に規定されるh6F6程度であり、弁筒部4と
大径シリンダ3との関係は同じくh9C9程度であ
る。
前者は、摺動摩擦抵抗を排除し吐出プランジヤ
2の作動を円滑ならしめ、しかも圧力流体の漏洩
を防ぐ範囲に於いて定めたものであり、後者は前
記小径シリンダ9と吐出プランジヤ2および大径
シリンダ3間の軸心上の避けにくい偏心誤差をカ
バーして弁筒部4の作動が阻害されずになおかつ
前記吸引作用の可能な範囲で定めたはめあいの寸
法公差である。
なお、前記弁筒部4の外周には油溜環状溝32
を設けて吸上げ性能を一層良好ならしめ、これに
よつて、油槽内の燃料油が消費されて空になつた
所謂油切れの際に油槽に油を補給してポンプを再
始動させたとき更に吸上げを早くする効果があ
る。
かくして一たん液体即ち燃料油を吸上げた後
は、上昇した油圧流量による抵抗と復帰バネ12
の反発力とに対する磁力の釣合関係により、磁力
消滅時に電磁プランジヤ1と吐出プランジヤ2は
その静止時の位置に復するには、磁力発生のパル
スの周期が例えば一般的に使用される商用電源の
半波整流電流では50乃至60Hzなので、充分復帰す
るいとまがなく、前記静止時よりも図に於いて上
方に偏位した点を死点としてそこから更に上方で
往復作動して定量吐出をする。従つて、電磁プラ
ンジヤ1の下端部が流入口弁座19をその作動中
常に開成していることは勿論、これに常時当接し
て損傷せしめるおそれもない。
弁筒部4によつて吸上られた液体の、吐出プラ
ンジヤ2から吐出される以外の余剰分および、大
径シリンダ3の復帰バネ12側に廻込んだ液体は
その部分の大径シリンダ3の内圧により、弁筒部
4との間隙およびニゲ8から戻し流路33を経て
大径シリンダ3の流入側方向に戻され、油槽の液
面が低下している吸入ヘツドが大きくなつても、
また油補給によつて該液面が上昇して吸入ヘツド
が小さくなつても前記戻し量を自動的に加減し
て、吐出プランジヤ2は常に定量吐出を行ない
こゝに吐出定量性を得ることができる。
こゝで、前記フリーピストン構成である電磁プ
ランジヤポンプにおける吸上ヘツドの変化がポン
プの吐出圧力および流量に与える影響について説
明を加えて置く。
燃料油槽など貯液槽から液体をポンプによつて
吸上げ吐出して、貯液槽の液面が低下してゆく際
は、その低下が例えば30cmとなると吸入側の負圧
は、燃料油の比重を0.8とすれば−0.024Kgf/cm2
の増加となり、吐出圧力はこの負圧の増加分だけ
低下する。
オリフイスからの吐出量は吐出圧力の平方根に
比例するから、前述した低圧流量制御型の電磁プ
ランジヤポンプの吐出圧力が0.2Kgf/cm2で定量
吐出制御されているものとすれば、吸入側の負圧
が増加すれば吐出量の低下は すなわち、6%以上も所定値よりも減少する。
これではポンプの燃料油吐出量、すなわちバー
ナの燃焼量の前記許容限界をはみ出して規格に外
れてしまうのである。
前記低圧力流量制御型の電磁プランジヤポンプ
においての吐出圧力の規制は、ポンプからオリフ
イスに至るまでの配管による燃料油の流動抵抗
と、バーナ火炉内の気圧に打勝つて燃料油の定量
を吐出させるに必要な値を保持するためである。
ガンタイプバーナの燃料油を圧送噴霧させる電
磁プランジヤポンプの吐出圧力は一般に7Kgf/
cm2程度の比較的高圧であるから、吸上ヘツドの低
下による吸入側の負圧の増加は殆んど吐出圧力を
低下させるほどの影響を与えることはないが、前
述した通りポンプの初期始動時の吸入側の空気排
出に本考案のポンプは効果を奏するものである。
ポンプ停止時には、電磁プランジヤ1が復帰バ
ネ12の反発力によつて流入口弁座19を閉塞
し、吸入配管への通路を遮断して、油槽への燃料
油の落下を防止する。
本考案実施例の電磁プランジヤポンプは、前述
の説明によつて明かな様に燃焼機器への燃料油ポ
ンプとして比較的吐出圧力の高いガンタイプバー
ナ用および、比較的低吐出圧力の定量吐出燃焼型
のバーナにも利用できるものである。
〔考案の効果〕
本考案の電磁プランジヤポンプは、以上詳述し
た通りの構成をもつて作用するから、つぎの様な
効果を有する。
ポンプ作動時に、前記電磁プランジヤに連接す
る吐出プランジヤの吸入側端部に備えた吸入弁を
内蔵する弁筒部の要部が、大径シリンダ内を摺動
往復自在に、かつポンプの吸入力を助長させ得る
ようにピストン状に嵌合されていることにより、
その往復作動によつて、小径シリンダ内を摺動往
復する吐出プランジヤによる吸入作用を補ない、
ポンプの吸入力を助長する。
この弁筒部の吸入作用によつて、ポンプより下
方に据付けた油槽など貯液槽から燃料油など液体
を吸上げるときに、吸入側配管が空のポンプの初
期始動時の空気排除を速かにして吸入特性を高め
る。
さらに、燃料油消費による前記油槽の液面低下
による吸上ヘツドの増大や、燃料油補給による液
面上昇による吸入ヘツドの減小などに対応して吐
出流量の低下もしくは増大することなく常に定吐
出流量を保持し、すなわち吐出量の安定性を維持
し、かつポンプ停止時に復帰バネの反発力により
電磁プランジヤが流入口弁座を閉塞して、ポンプ
内の液体の吸入配管から油槽への落下を遮断する
ことにより、これを防止し得るものであり、また
この構成の電磁プランジヤポンプは、従来燃料油
給送に使用するにあたり比較的高吐出圧力のガン
タイプバーナ向けおよび比較的低吐出圧定量燃焼
バーナ向けと二分されていた構造のものを共用と
して利用を可能としたものであつて産業上寄与す
る処が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
図は本考案の電磁プランジヤポンプの実施例の
縦断説明図である。 1……電磁プランジヤ、2……吐出プランジ
ヤ、3……大径シリンダ、4……弁筒部、5……
吸入弁、9……小径シリンダ、10……環状磁
極、11……環状磁路、12……復帰バネ、17
……流入口、18……流出口、19……流入口弁
座、30……電磁コイル。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 電磁コイルの軸心縦貫孔に挿嵌された大径シリ
    ンダの流出側に該大径シリンダと同軸タンデムに
    小径シリンダを配設し、前記大径シリンダおよび
    前記小径シリンダ内をそれぞれ摺動往復自在に嵌
    装された電磁プランジヤおよび吐出プランジヤと
    を、該吐出プランジヤの吸入側要部に設けられて
    いる弁筒部を介して連接し、前記弁筒部は吸入弁
    を内蔵していてかつこの吸入弁と係合する吸入弁
    座と一体に形成され、かつ、前記弁筒部と前記小
    径シリンダ側要部に備えたバネ座との間に圧設し
    た復帰バネによつてポンプの停止時に前記電磁プ
    ランジヤの流入側端部が流入口弁座を閉塞する様
    に構成された流体縦貫型のポンプであつて、 前記弁筒部は前記大径シリンダ内に摺動往復自
    在にかつポンプの吸入力を助長させ得るようにピ
    ストン状に嵌合せされたことを特徴とする電磁プ
    ランジヤポンプ。
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