JPH0350193B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は冷蔵庫に係り、特に冷凍機用蒸発器に
付着した霜を加熱して除霜するのに好適な冷蔵庫
に関する。

〔従来の技術〕

従来の冷蔵庫は、冷気通路内に設けられた冷凍
機用蒸発器が、気流の進行方向に縦長のフイン等
間隔に複数枚配列し、配列されたフインに直線状
の冷媒管を複数本挿入し、複数本の冷媒管はそれ
ぞれ連結管によつて連通される。かかる冷媒管内
には冷媒が流されて、冷媒管及びフインが冷却さ
れる。かかる冷凍機用蒸発器の下部には蒸発器の
下端面から所定距離の間隔を介して除霜用ヒータ
が設けられている。かかる除霜用ヒータは冷気流
入側に付着した霜を加熱溶解するものである。

尚、この種の冷凍機用蒸発器に関連するものと
しては例えば特開昭52−130268号公報があげられ
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来技術は、冷気の進行方向に縦長のフイ
ンを、等間隔に複数枚配列した蒸発器であるか
ら、この蒸発器に流入した空気中の水分は熱伝達
率の高い冷気流入側のフイン先端部に霜となつて
集中して付着し、フイン先端以外のフイン面は空
気の流れによつて生じる熱境界層が発達して熱伝
達率が低下する為、霜の付着がきわめて少ない。

したがつて、ヒータからの暖気は上記フインの
先端に付着した霜との瞬間的な熱交換しかできず
十分な熱交換ができないことから、除霜が十分に
行なわれないとともに、ヒータからの暖気は高温
状態で蒸発器外に放出されてしまうものである。

したがつて、従来技術は除霜が不十分であり、
ヒータからの高温の暖気が充分に熱交換されずに
高温状態で冷凍室内に流入してしまうという問題
点があつた。

本発明の目的は除霜効率を向上させるとともに
ヒータからの暖気が冷凍室内に高温状態で流入し
ないようにした冷蔵庫を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、冷媒管とこの冷媒管に挿入された
複数枚のフインとからなり上記冷媒管が上下方向
に複数段折曲げられたことにより上記フインが上
下方向に間隔を介して複数段配列された蒸発器
と、上記蒸発器の冷気流入側に位置したヒータと
を備え、上記ヒータと上記蒸発器の冷気流入側の
フインの下側との距離が上記間隔より大きい冷蔵
庫とすることにより達成される。

〔作用〕

ヒータと上記蒸発器の冷気流入側のフインの下
端との距離が上下方向のフインの間隔より大きい
ので、除霜を行なう時点において、上下方向に隣
接する段の小片フインの下端と上端との間を霜が
連なるように発達していても、小片フインの下端
の霜がヒータに連なることはない。したがつて、
冷却中に通風抵抗の増加が防止され、冷却性能の
低下が防止される。また、フインが上下方向に間
隔を介して複数段配列されているので、気流の境
界層は各段毎に分離されることになる。このた
め、蒸発器の各段のフイン下端を中心にして付着
する霜の量は、冷気流入側の段のフインに多く流
出側の段のフインに行くにしたがい順次減少す
る。したがつて、霜はヒータからの暖気の温度に
比例して順次除霜されるので、除霜効率が増大す
るとともに、蒸発器から放出された暖気は低温と
なる。それによつて高温の暖気は冷凍室内に流入
することがない。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図により説明する。第
１図は本発明の実施例を備えた冷蔵庫の要部縦断
面図である。１は矩形状の小片フインである。１
ａは上記小片フイン１に設けられた冷媒管挿入用
筒状カラーである。１ｂは上記フインのコーナー
部に設けられたヒータ挿入用切込カラーである。
２は冷媒管である。上記フイン１を等間隔に複数
枚挿入した直線状の冷媒管２は冷気の進行方向に
蛇行する如く複数段折曲げられている。３は除霜
用のヒータで金属製ヒータパイプ３ａ内にヒータ
線３ｂを収納して構成されたものである。かかる
除霜用ヒータ３は蛇行状に折り曲げられ、上記小
片フイン１の切込カラー１ｂに挿入される。３ｃ
は冷気流入側の小片フイン１から所定距離を介し
て冷気の上流側に設けられたヒータである。４は
上記小片フイン１と冷媒管２とで構成された蒸発
器である。５は上記ヒータ３ｃと蒸発器４とを内
部に設けたダクトである。このダクト５は冷気通
路６を形成するものである。

かかる本発明の冷蔵庫に使用される蒸発器４の
除霜特性を第２図に示し、従来の冷蔵庫に使用さ
れる蒸発器の除霜特性を第３図に示す。図中、横
軸は着霜量と温度、縦軸は蒸発器の冷気進行方向
の距離を示す。更に、実線は蒸発器の冷気進行方
向の除霜開始時における着霜量の分布状況を示
し、点線は蒸発器のフイン間を流れるヒータから
の暖気が熱交換により定温化する状況を示し、一
点鎖線は除霜中の蒸発器を表面温度を示す。

第２図において、蒸発器４の冷気流入から流出
側に向つて通過する冷気の湿度は、冷気流入側は
高湿であるが、気流中の水分が各段毎の小片フイ
ン１に吸着されて霜となり、冷気流出側に行くに
したがつて低湿となる。

このため各段の小片フイン１先端を中心にして
付着する霜の量は、第２図実線の如く湿度に比例
して冷気流入側に多く、流出側に行くにしたがい
順次減少する。

かかる着霜分布において、ヒータ３ｃからの暖
気も冷気流入側は高温であるが、各段の小片フイ
ン１の霜により冷却された低温となるため、ヒー
タ３ｃからの暖気の温度分布も着霜量に比例す
る。

これに対し、従来の冷蔵庫に使用される蒸発器
の除霜特性を第３図に示すと、着霜はフインの冷
気流入側先端に集中した第３図実線に示す着霜分
布となることにより、流出側の霜が全て溶けて無
くなつても流入側には霜が残つた状態となるの
で、流入側の霜が無くなるまではヒータからの暖
気が十分熱交換しないまま高温の状態で蒸発器よ
り放出される。

本実施例によれば、ヒータ３ｃと上記蒸発器４
の冷却流入側の小片フイン１の下端との距離が上
下方向の小片フイン１と小片フイン１との間隔よ
り大きいので、除霜を行なう時点において、上下
方向に隣接する段の小片フイン１の下端と上端と
の間を霜が連なるように発達していても、小片フ
イン１の下端の霜がヒータ３ｃに連なることはな
い。したがつて、冷却中に通風抵抗が増加するの
を防止し、冷却性能の低下を防止できる。また、
小片フイン１が上下方向に間隔を介して複数段配
列されているので、蒸発器４の各部の除霜が同時
に終了し、除霜効率が向上し、蒸発器４から放出
された暖気は低温となり、暖気が冷凍室内に流入
することを防止できる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ヒータと上記蒸発器の冷気流
入側のフインの下端との距離が上下方向のフイン
の間隔より大きいので、除霜を行なう時点におい
て、上下方向に隣接する段の小片フインの下端と
上端との間を霜が連なるように発達していても、
小片フインの下端の霜がヒータに連なることはな
い。したがつて、冷却中に通風抵抗の増加が防止
され、冷却性能の低下が防止される。また、ヒー
タからの暖気は各段ごとの小片フインに付着した
霜と熱交換するので、除霜効率が向上するととも
に、蒸発器から放出された暖気は低温となるた
め、暖気が冷凍室内に流入することのない冷蔵庫
を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を備えた冷蔵庫の要部の縦断
面図、第２図は、本発明の冷蔵庫の蒸発器の除霜
時の特性図、第３図は、従来の冷蔵庫の除霜時の
特性図である。 １……小片フイン、１ａ……円筒状カラー、１
ｂ……切込カラー、２……冷媒パイプ、３……除
霜用ヒータ、３ａ……ヒータパイプ、３ｂ……ヒ
ータ線、３ｃ……気流流入側ヒータ、４……蒸発
器、５……ダクト、６……冷気流通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷媒管とこの冷媒管に挿入された複数枚のフ
   インとからなり上記冷媒管が上下方向に複数段折
   曲げられたことにより上記フインが上下方向に間
   隔を介して複数段配列された蒸発器と、上記蒸発
   器の冷気流入側に位置したヒータとを備え、上記
   ヒータと上記蒸発器の冷気流入側のフインの下端
   との距離が上記間隔より大きいことを特徴とする
   冷蔵庫。