JPH0349978Y2 - - Google Patents

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JPH0349978Y2
JPH0349978Y2 JP7472985U JP7472985U JPH0349978Y2 JP H0349978 Y2 JPH0349978 Y2 JP H0349978Y2 JP 7472985 U JP7472985 U JP 7472985U JP 7472985 U JP7472985 U JP 7472985U JP H0349978 Y2 JPH0349978 Y2 JP H0349978Y2
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chamber
valve seat
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piston
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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、鉄道車両の空気ブレーキ装置にお
いて使用される自動重なり式ブレーキ弁に関す
る。
〔従来の技術〕
周知のようにこの種ブレーキ弁は、鉄道車両の
空気ブレーキ装置中に組込んで使用されるもの
で、ハンドルの回転操作によりセルフラツプカム
を所定の回転角度で回転させ、該カムの回転によ
り連動する押圧部材の進退運動にもとづいて制御
管やブレーキ管などの空気管の圧力制御を行うも
のである。このような自動重なり式ブレーキ弁の
従来技術としては、新形電車空気ブレーキ装置解
説・第9版、201頁乃至214頁(昭和49年11月15日
交友社発行)に開示されるものがある。この従来
技術を第5図に基づいて以下説明する。
中空のケーシング101の内部は、中央部にそ
れぞれ貫通孔102を有する2つの仕切壁103
と膜板104を有するピストン100とによつ
て、図外の元空気溜に接続する供給室115と、
図外の制御管やブレーキ管などの空気管に接続す
る出力室116と、ピストン100側の仕切壁1
03の絞り117を介して前記出力室116に連
通する膜室106と、大気に開放された大気圧室
107と、に区分されている。
前記2つの仕切壁103の夫々の貫通孔102
及びケーシング101の一方の外壁140に形成
した貫通孔141には、外周に通気孔142,1
43,144を形成したブツシユ109が嵌着さ
れている。更に、該ブツシユ109の内側には、
外周に嵌着した3つの0リング136によつて気
密摺動する略円筒状の供給弁座筒112が設けら
れている。該供給弁座筒112のケーシング10
1の外側に面する端部には、ブツシユ109に固
定された係止片110によつて、ケーシング10
1の外側方向への移動を阻止された弁接当体11
9が固定されている。この接当体119の当接面
120には、図外のハンドルの回転操作によつて
進退運動する押圧部材122が当接している。
又、前記供給弁座筒112の外周には、前記供給
室115の圧力空気を前記通気孔142を経由し
て、前記供給弁座筒112の内部のばね室145
へ導く通気孔146が形成され、更に、前記出力
室116と前記通気孔143を経由して供給弁座
筒112内と連通する通気孔147が形成されて
いる。前記供給弁座筒112の内側の縮径部分に
おいては、供給弁座114が形成されると共に、
この供給弁座114に着離座する供給弁127の
頭部127aがばね室145に位置し、足部12
7bが開放端側へ突出するように配置されてい
る。そして、ばね室145に設けた供給弁ばね1
26によつて供給弁127が常に供給弁座114
に着座する方向へ付勢されている。尚、該供給弁
127には、離座した際に供給室115からの圧
力空気をばね室145から出力室へ導くための連
通孔148が足部127bに形成されている。
前記ピストン100の出力室116側への突出
部に形成された吐出弁座133が、前記ブツシユ
109のピストン100側開放端に摺動自在に嵌
着されると共に、この吐出弁座133の内部に形
成した貫通孔149には頭部150aが前記供給
弁127の足部127b端に当接した吐出弁15
0が摺動自在に嵌着されている。そして、該吐出
弁150の足部150b端には、ピストン100
に固定した中空のばね受け134に一端側を支持
された吐出弁ばね151の他端が当接して、吐出
弁150を供給弁127方向へ常に付勢している
が、この吐出弁ばね151は前記供給弁ばね12
6の弾力よりも弱いために、供給弁ばね126の
付勢力が供給弁127を介して吐出弁150に伝
達されたときは、この供給弁ばね126の弾力に
従属する。又、ピストン100は、大気圧室10
7に設けた調整ばね131によつて常に供給弁1
27方向へ付勢されており、ブツシユ109の膜
室106側の開放端部に当接することによつて供
給弁127方向への移動を阻止される。尚、前記
吐出弁150には、吐出弁座133から離座した
ときに、出力室116と大気圧室107を連通す
る連通孔152を形成している。又、第5図にお
いて、135は調整ばね131のばね受け、13
6はこの調整ばね131の弾力を調整する調整ね
じである。
上記構成からなる従来ブレーキ弁の動作を、出
力室116に接続する空気管が制御管である場合
について説明する。
まず、ブレーキ作動すなわち出力室116に圧
力空気を供給する動作について説明する。
図外のハンドル操作により、押圧部材122が
矢符イ方向へ移動するのに伴い、これに当接する
接当体119、供給弁座筒112および供給弁1
27も同方向に移動するので、供給弁127の足
部127bに当接している吐出弁150が吐出弁
ばね151の付勢力に抗して吐出弁座133に着
座し、出力室116と大気圧室107との連通が
絶たれる。
更に、押圧部材122が矢符イ方向へ移動した
時には、調整ばね131によつて供給弁127方
向へ付勢されている吐出弁座133に吐出弁15
0が着座しているために、供給弁127は矢符イ
方向への移動を阻止されるが、供給弁座筒112
はそのまま移動し、供給弁ばね126が圧縮され
且つ供給弁座114が供給弁127より離座す
る。この結果、供給室115の圧力空気は、ばね
室145を経由して、出力室116へと導かれる
と共に、絞り117を通過して膜室106にも導
かれる。そして、膜板104を有するピストン1
00は、出力室116の圧力と調整ばね131の
弾力が釣り合うまで吐出弁150を吐出弁座13
3に着座させたままの状態で調整ばね131の付
勢力に抗して移動するが、この移動に伴つて、供
給弁ばね126によつて吐出弁150に押し付け
られている供給弁127も吐出弁150と同方向
へ移動するので、供給弁127と供給弁座114
の間隙も次第に縮まつて遂には供給弁座114に
着座して供給室115から出力室116への圧力
空気の供給を絶ち、ブレーキ重り状態となる。
次に、弛め作動すなわち出力室116から圧力
空気を排気する動作について説明する。
図外のハンドルをブレーキ時とは反対方向に回
転させると、押圧部材122が矢符ロ方向へ移動
する。これに伴つて供給弁座筒112が出力室1
16の圧力によつて供給弁127を供給弁座11
4に着座させたままの状態で供給弁ばね126の
付勢力に抗して矢符ロ方向へ移動する。このた
め、吐出弁ばね151の弾力によつて吐出弁15
0が吐出弁座133より離座して、出力室116
の圧力空気は吐出弁150に形成した連通孔15
2を経由して大気圧室107へと導かれて排気さ
れる。この出力室116の圧力降下によつて、膜
室106内の圧力空気も絞り117を通つて排気
されるために、ピストン100は吐出弁座133
と共に調整ばね131の弾力によつて矢符ロ方向
へ移動する。このため、吐出弁150と吐出弁座
133との間隙は次第に縮まつて遂には吐出弁座
133が吐出弁150に着座して出力室116か
ら大気圧室107への排気を絶ち、弛め重なり状
態となる。
尚、以上の説明においては、出力室116が図
外の制御管に接続された直通ブレーキ用として説
明したが、出力室116が図外のブレーキ管と接
続された自動ブレーキ用として使用した場合は、
前記動作においてブレーキ作動と弛め作動が逆に
なるだけのことであるので、説明を省略する。
〔考案が解決しようとする問題点〕
上記従来技術によれば、前記したブレーキ重な
り状態において、膜板104を有するピストン1
00に対して作用する調整ばね131の弾力
W1′と釣り合いの関係をなす力は、出力室116
の圧力PBがピストン100の有効面積A1′に作
用する力と、出力室116の圧力PBが供給弁1
27に作用する有効面積すなわち供給弁座114
の有効面積A2′に作用する力と、の差に、供給室
115の圧力PAが供給弁127に作用する力を
加えた力に等しい関係となり次式が成立する。
(A1′−A2′)・PB+A2′・PA=W1′ …(a) 一方、弛め重なり状態においては、供給弁12
7に作用する上記第(a)式におけるA2′・PAなる
力は、供給弁座114へ作用するのみでW1′とは
相対しないために次式が成立する。
(A1′−A2′)・PB=W1′ …(b) これら第(a)式及び第(b)式から明らかなように、
ブレーキ重なり時と弛め重なり時においては
W1′に対抗する力が異なり、これがヒステリシ
ス、即ち、ハンドルの回転角度が等しいにもかか
わらずブレーキ作動時と弛め作動時では出力室1
16の圧力PBが異なり、ひいては、鉄道車両に
対する制動効果が異るという問題点がある。
この問題の原因は、上記(a)式におけるA2′・
PAなる力の存在である。
そこで、この考案は、ブレーキ重なり状態と弛
め重なり状態とで調整ばねの弾力に対抗する力が
同等になるようにするために、供給弁を調整ばね
方向へ押圧する力を出来るだけ小さくすることを
技術的課題とする。
(技術的手段) 上記技術的課題を解決するこの考案の技術的手
段は、 中央部に貫通孔を形成した仕切壁と外周に膜板
が付設されたピストンとによつて区分され、仕切
壁の一側に形成された収納室、仕切壁の他側とピ
ストンの一側との間に形成さた膜室、およびピス
トンの他側に形成された大気圧室を有する中空の
ケーシングと、 前記収納室内に固定した円筒状のブツシユ内に
摺動自在に嵌着された供給弁筒と、 該供給弁筒の前記仕切壁側の端部を内側へ環状
に突出させて形成され、その中央に開口部を有す
る供給弁座と、 該供給弁座によつて区分けされて前記収納室の
前記仕切壁側とは反対側に形成され、鉄道車両の
元空気溜に接続された供給室と、 該供給室内に固定され、ハンドル操作によつて
進退する押圧部材が一側に当接し他側に中空部を
有する接当体と、 該接当体の中空部に摺動自在に嵌着された摺動
部を有し、供給弁ばねによつて前記供給弁座方向
へ付勢され、通気孔を有する供給弁と、 前記供給弁座によつて区分けされて前記収納室
の前記仕切壁側に形成され、鉄道車両の制御管等
の空気管に接続されると共に、絞りを介して前記
膜室に連通する出力室と、 前記ピストンの前記仕切壁側を前記貫通孔から
前記出力室に突出させて形成され、その軸方向に
前記大気圧室に連通する排気孔を有する中空の吐
出弁と、 該吐出弁の前記供給弁に対向する先端に形成さ
れ、前記接当体の中空部の有効面積とほぼ同じで
且つ前記供給弁座の有効面積より少し小さい有効
面積を有する吐出弁座と、 前記大気圧室内に設置され、前記ピストンを前
記仕切壁方向へ付勢する前記供給弁ばねの弾力よ
り弾力の大きな調整ばねと、 とから構成したことである。
〔作用〕
前記技術的手段による作用は次の通りである。
直通ブレーキに使用した場合、ブレーキ時に押
圧部材が接当体を仕切壁方向へ押圧すると、供給
弁座筒および供給弁座も同方向へ移動して吐出弁
の先端の吐出弁座に供給弁が着座して大気圧室と
出力室を遮断する。更に押圧部材で押圧を続ける
と、ピストンは調整ばねの強力な弾力によつて停
止しているために、吐出弁座に着座した供給弁は
移動できず、供給弁座筒の供給弁座が供給弁から
離れて間隙が生じ、このため、供給室の圧力空気
が出力室へ流入し、更には絞りを経て膜室に流入
してピストンを調整ばねの弾力に相対して移動す
る。そして、ピストンと膜板は、出力室の圧力と
調整ばねの弾力が釣り合うまで、供給弁ばねの作
用により供給弁を吐出弁座に着座させたまま調整
ばねの弾力に相対して移動するので、供給弁座と
供給弁の間隙は次第に縮まつて遂には供給弁が供
給弁座に着座して供給室から出力室への圧力空気
の供給を絶つてブレーキ重なり状態となる。
また、ブレーキ弛め時に押圧部材が接当体から
離れるのに伴い、供給弁座は供給弁を着座させた
まま押圧部材と同方向へ移動する、これによつて
供給弁は吐出弁先端の吐出弁座より離座するため
に排気孔を経由して出力室の圧力空気が大気圧室
に排気され、出力室と膜室の圧力が降下して膜板
及びピストンは調整ばねの弾力で供給弁方向へ移
動するので、供給弁と吐出弁座との間隙は次第に
縮まつて遂には吐出弁座が供給弁に着座して出力
室から大気圧室への圧力空気の排出を絶つて弛め
重り状態となる。
なお、上記ブレーキ重なり状態および弛め重り
状態のいずれの場合においても、供給弁背後の中
空部は、供給弁内部の通気孔および吐出弁内部の
排気孔を介して大気圧室に連通している。
したがつて、ピストンの有効面積をA1、供給
弁座の有効面積をA2、吐出弁先端の吐出弁座の
有効面積をA3、調整ばねの弾力をW1、供給弁ば
ねの弾力をW2、供給室の圧力をPA、出力室の圧
力をPBとしたときに、 ブレーキ重なり状態においては、 (A1−A3)・PB+(A2−A3) ・(PA−PB)+W2=W1 弛め重り状態においては、 (A1−A3)・PB=W1 が成立する。
すなわち、従来技術でヒステリシスの原因と考
えられていたブレーキ重なり状態と弛め重なり状
態の相違により発生する力は、 (A2−A3)・(PA−PB)+W2 となる。このうちの、 (A2−A3)・(PA−PB) は、供給弁座の径と吐出弁座の径を非常に近似さ
せているためにその面積差も非常に小さくなり、
その結果、 (A2−A3)・(PA−PB) は、非常に小さい値となる。
又、W2は、供給弁の摺動部の中空部における
摺動抵抗に打ち勝つて移動させるだけの力を有す
る供給弁ばねの弾力であるので非常に小さい値で
ある。このため、前記従来技術における供給弁を
押す力、すなわち、A2′・PA′と比較すると、 A2′・PA′>>(A2−A3) ・(PA−PB)+W2 となつて、ブレーキ重り状態と弛め状態で調整ば
ねに相対する力はほぼ同等することができるので
ある。こてによつて、ヒステリシスがほとんど生
じない。
〔実施例〕
この考案の実施例について以下第1図乃至第4
図に基づいて説明する。
中空のケーシング1の内部は、中央部に貫通孔
2を形成した仕切壁3と膜板4付きのピストン3
2によつて、収納室5、膜室6及び大気圧室7の
3つに区分されている。該収納室5の仕切壁3と
反対側端部は開放されているが、この内部には外
周に通気孔8を形成した円筒状のブツシユ9が係
止片10で固定されている。更に、該ブツシユ9
の内部には、外周に通気孔11を形成した円筒状
の供給弁座筒12が収納室5の開放端より抜け出
ないように摺動自在に嵌着されると共にこの供給
弁座筒12の内側端には内周方向へ環状に突出さ
せることにより中央に開口部13を形成した供給
弁座14が形成されている。そして、この供給弁
座14を境として、前記収納室5が図外の元空気
溜と接続する供給室15と図外の制御管あるいは
ブレーキ管と接続する出力室16とに区分される
と共に、この出力室16は仕切壁3に設けた絞り
17によつて膜室6とも連通している。前記供給
弁座筒12の収納室5の開放端側の内部には、一
方端に開口する中空部18を有する接当体19が
その当接面20をケーシング1に外側に向けて係
止片21等によつて固定されると共に、該当接面
20には、図外のハンドルの回転操作によつて進
退運動する押圧部材22が当接している。更に、
該接当体19の中空部18には内部に通気孔23
を形成し外周に摺動抵抗を極力軽減した0リング
24を嵌着した摺動部25がケーシング1の長手
方向に摺動自在に嵌着され、この摺動部25は、
前記供給弁座14に着座する方向へ供給弁ばね2
6によつて付勢された供給弁27の一部を構成す
る。
前記仕切壁3の貫通孔2には、ブツシユ28が
嵌着されると共にこのブツシユ28の内部には中
心部に前記出力室16と大気圧室7を連通させる
排気孔29を形成した吐出弁30が摺動自在に嵌
着されると共に、この吐出弁30の仕切壁3より
大気圧室7側には前記ピストン32が形成されて
いるので、吐出弁30はピストン32と一体とな
つて作動する。更に、該ピストン32は、大気圧
室7に収納している調整ばね31によつて常に出
力室16側へ付勢されているが、仕切壁3に当接
することによつてその移動を阻止されている。
又、該吐出弁30の出力室16側へ突出した先端
部分には、前記供給弁座14の中心の開口部13
を通り抜けて供給弁27に密着離反自在な吐出弁
座33が形成されている。
上記構成において、供給弁座14の有効面積
A2は吐出弁座33の有効面積A3より若干大きめ
に設定してあり、また、供給弁27の摺動部25
が挿入された中空部18の有効面積は吐出弁座3
3の有効面積A3とほぼ同じに設定してある。
なお、34は調整ばね31のばね受け、35は
ケーシング1に設けられ調整ばね31の弾力を調
整する調整ねじ、36は供給弁座筒12の外周に
設けた0リング、37は接当体19の外周に設け
た0リングをそれぞれ示す。
上記構成からなるこの実施例の動作を、出力室
16に制御管を接続した直通ブレーキ用とした場
合について説明する。
まず、ブレーキ時すなわち出力室16に圧力空
気を供給する動作について説明する。
図外のハンドルを回転させると、押圧部材22
が第1図の状態から第2図の状態へと矢符イ1方
向へ移動するのに伴い、これに当接する接当体1
9、供給弁座筒12も同方向へ移動して、吐出弁
座33に供給弁27が着座して排気孔29を閉じ
て大気圧室7と出力室16を遮断する。
更に、押圧部材22が第2図の状態から第3図
の状態へと矢符イ2方向へ移動するのに伴い、こ
れに当接する接当体19、供給弁座筒12も同方
向へ更に移動するが、ピストン32は調整ばね3
1の強力な弾力によつて停止しているために、こ
のピストン32の先端の吐出弁座33に着座した
供給弁27は移動できない。このため、供給弁2
7の摺動部25は中空部18内を相対的に摺動し
て供給弁ばね26を圧縮する。そして、供給弁座
14が供給弁27から離座して間隙が生じるため
に、この間隙より供給室15の圧力空気が出力室
16へ流入し、更に出力室16から絞り17を経
て膜室6にもこの圧力空気が流入してピストン3
2を調整ばね31の弾力に相対して移動させる。
そして、ピストン32と膜板4は、出力室16の
圧力と調整ばね31の弾力が釣り合うまで、供給
弁ばね26の作用により供給弁27を吐出弁座3
3に着座させたまま調整ばね31の弾力に相対し
て移動するので、供給弁座14と供給弁27の間
隙は次第に縮まつて遂には供給弁27が供給弁座
14に着座して供給室27から出力室16への圧
力空気の供給を絶つて第4図に示すようなブレー
キ重なり状態となる。
次に、弛め時すなわち出力室16から圧力空気
を排気する動作について説明する。
図外のハンドルをブレーキ時とは反対方向に回
転させると、押圧部材22が第4図の状態から矢
符ロ方向へ移動するのに伴い、供給弁座14は供
給弁27を着座させたまま同方向へ移動する。こ
れによつて供給弁27が吐出弁30の吐出弁座3
3より離座するために、排気孔29を経由して出
力室16の圧力空気が大気圧室7に排気され、出
力室16の圧力は減圧される。この出力室16の
圧力の降下によつて膜室6の圧力も降下しその結
果膜板4及びピストン32は調整ばね31の弾力
で供給弁27方向へ移動するので、供給弁27と
吐出弁座33との間隙は次第に縮まつて遂には供
給弁27に吐出弁座33が着座して出力室16か
ら大気圧室7への圧力空気の排出を絶つて弛め重
なり状態となる。
尚、従来例と同様に出力室16をブレーキ管と
接続して使用してもよく、このときは前記動作に
おけるブレーキ作動と弛め作動が逆になるだけの
ことであるから説明を省略する。
〔特有の効果〕
従来の問題である、ヒステリシスを軽減する他
の手段として、第5図の従来弁において、第1に
供給弁座の有効面積をできるだけ小さくして、供
給室内の圧力空気が供給弁座の有効面積に働く
力、即ちヒステリシスの原因となる力を減少させ
ることが考えられるが、このような構成とすれ
ば、供給室から出力室への圧力空気の供給量を充
分には確保できない欠点がある。又、第2の手段
として、供給室内の空気圧力を出力室の空気圧力
に必要な最小の圧力に減圧するようにしたなら
ば、供給弁座の有効面積に働く力を小さくできる
のであるが、この場合には空気源である元空気溜
から供給室への圧力供給経路に圧力調整弁を1個
追加する必要が生じると共に、出力室内の空気圧
力が最高値付近になると供給室の空気圧力との差
圧が小さくなり、供給室から出力室への圧力空気
の供給速度が低下してブレーキ作動の遅延をもた
らす欠点がある。
しかるにこの考案においては、供給弁座に設け
る開口部面積を大きくできて、しかも、吐出弁座
をこの開口部を通気可能な最大値の有効面積にで
きるのであるから、供給室から出力室へ供給する
圧力空気を十分に確保できて、圧力の低下による
ブレーキ作動の遅延を防止でき、同時に供給弁座
と吐出弁座の有効面積差に基づくヒステリシスを
最小限にできるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、この考案の実施例の自動
重なり式ブレーキ弁の動作説明断面図、第5図は
従来技術の自動重なり式ブレーキ弁の断面図であ
る。 1……ケーシング、2……貫通孔、3……仕切
壁、4……膜板、5……収納室、6……膜室、7
……大気圧室、9……ブツシユ、12……供給弁
座筒、13……開口部、14……供給弁座、15
……供給室、16……出力室、17……絞り、1
8……中空部、19……接当体、23……通気
孔、25……摺動部、26……供給弁ばね、27
……供給弁、29……排気孔、30……吐出弁、
31……調整ばね、32……ピストン、33……
吐出弁座。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央部に貫通孔を形成した仕切壁と外周に膜板
    が付設されたピストンとによつて区分され、仕切
    壁の一側に形成された収納室、仕切壁の他側とピ
    ストンの一側との間に形成さた膜室、およびピス
    トンの他側に形成された大気圧室を有する中空の
    ケーシングと、 前記収納室内に固定した円筒状のブツシユ内に
    摺動自在に嵌着された供給弁筒と、 該供給弁筒の前記仕切壁側の端部を内側へ環状
    に突出させて形成され、その中央に開口部を有す
    る供給弁座と、 該供給弁座によつて区分けされて前記収納室の
    前記仕切壁側とは反対側に形成され、鉄道車両の
    元空気溜に接続された供給室と、 該供給室内に固定され、ハンドル操作によつて
    進退する押圧部材が一側に当接し他側に中空部を
    有する接当体と、 該接当体の中空部に摺動自在に嵌着された摺動
    部を有し、供給弁ばねによつて前記供給弁座方向
    へ付勢され、通気孔を有する供給弁と、 前記供給弁座によつて区分けされて前記収納室
    の前記仕切壁側に形成され、鉄道車両の制御管等
    の空気管に接続されると共に、絞りを介して前記
    膜室に連通する出力室と、 前記ピストンの前記仕切壁側を前記貫通孔から
    前記出力室に突出させて形成され、その軸方向に
    前記大気圧室に連通する排気孔を有する中空の吐
    出弁と、 該吐出弁の前記供給弁に対向する先端に形成さ
    れ、前記接当体の中空部の有効面積とほぼ同じで
    且つ前記供給弁座の有効面積より少し小さい有効
    面積を有する吐出弁座と、 前記大気圧室内に設置され、前記ピストンを前
    記仕切壁方向へ付勢する前記供給弁ばねの弾力よ
    り弾力の大きな調整ばねと、 を備えた自動重なり式ブレーキ弁。
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