JPH0349961B2 - - Google Patents
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- JPH0349961B2 JPH0349961B2 JP62237616A JP23761687A JPH0349961B2 JP H0349961 B2 JPH0349961 B2 JP H0349961B2 JP 62237616 A JP62237616 A JP 62237616A JP 23761687 A JP23761687 A JP 23761687A JP H0349961 B2 JPH0349961 B2 JP H0349961B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、粉末法による多結晶の異方性マンガ
ン−アルミニウム−炭素系合金磁石(以下異方性
Mn−Al−C系磁石と略称)の製造法に関するも
のである。 (従来の技術) Mn−Al−C系合金磁石は、主として強磁性相
である面心正方晶(以下τ相と略称)の結晶組織
で構成され、Cを必須構成元素として含むもので
不純物以外に添加元素を含まない3元素系及び少
量の添加元素を含む4元素以上の多元素系合金磁
石が知られており、これらを総称するものであ
る。 従来のMn−Al−C系合金磁石は、Mn65〜74
重量%(以下単に%と記す)、Al25〜34%、炭素
4%以下の組成から主としてなる鋳造合金であつ
て、適切な熱処理を施した場合、最大磁気エネル
ギー積(B・H)max.=1.0〜1.6MG・Oeの磁気
特性を有する永久磁石が得られることが知られて
いる。 さらに、Mn68〜73%、炭素0.2〜2.1%、残部
アルミニウムの組成の鋳造材に適切な熱処理を施
し、その後530℃〜830℃の温度領域で温間塑性加
工して、異方性を与えたMn−Al−C合金は、熱
処理だけで得られる前記の合金磁石よりも数倍の
(B・H)max.値を示すこともよく知られてい
る。例えば(B・H)max.=5〜6.5MG・Oe、
残留磁束密度Br=5200〜6000G、保磁力Hc=
2000〜26000e程度の磁気性能を保有する。(特公
昭54−31448号公報、特公昭54−20166号公報など
参照) しかし、最近の電子部品、電気製品の軽量薄形
化指向に対して、Mn−Al−C系磁石の磁気性能
の内、特に保磁力Hcをより高めることが強く要
望されている。又、Mn−Al−C系磁石の製造工
程における温間塑性加工には、加工圧力として40
〜70Kg/mm2程度を必要とし、この値は530〜830℃
の温間での条件下では一般の塑性加工における加
工圧力に比較して数十%高く、工具の寿命又はダ
イス構造等の制約から、1回の温間塑性加工の加
工率に制約があり、高い磁気特性を得る為の所定
の加工率を達成する為には数回の温間塑性加工を
実施しなければならない。従つて、温間塑性加工
における加工圧力の低減化又は、同じ加工率でよ
り高い磁気特性が得られるような磁石又は製造法
が望まれていた。 一方、Mn−Al−C系磁石の他の製造法として
は、粉末冶金法を利用し、溶湯の急冷粉末又は前
記の温間塑性加工後の材料の粉砕粉末を冷間成
形、焼結、熱処理することが提案されている。
(特開昭58−58241号公報、特開昭55−100944号公
報など参照) しかし、この方法においては、鋳造法による磁
石に比較して、その磁気特性は1/2以下で強度も
低く実用磁石として普及していないのが実情であ
る。 そこで、発明者等は既に、粉末法によつても、
きわめて優れた磁気特性、特に保磁力が大きい異
方性Mn−Al−C系磁石が得られることを見いだ
し、先に特許出願した。その要旨は次のとおりで
ある。即ち :面心正方晶を主体とするマンガン−アルミニ
ウム−炭素系磁石合金からなり、且つその合金
の塑性変形された針状形状又は円板形状の粒子
の集合体であつて、その針状形状の長軸方向が
特定の方向に配列しており、又は円板形状の平
面が互いに平行に配列していることを特徴とす
る異方性永久磁石。 :において、針状形状又は円板形状粒子の平
均寸法が、真球体換算値にて平均直径400μm
以下で構成されている異方性永久磁石。 :マンガン−アルミニウム−炭素系合金の粉末
を、530℃〜850℃の温度範囲で温間成形し、さ
らに530℃〜780℃の温度範囲で温間塑性加工す
ることを特徴とする異方性永久磁石の製造法。 :において粉末の粒径が平均直径400μm以
下である異方性永久磁石の製造法である。 (解決すべき問題点) しかし、上記先願発明の製造法においては粉
末の成形をホツトプレス等の温間成形手段を用い
て行うため、粉末及び成形用金型の加熱・冷却に
時間がかかる、また金型寿命が短くランニングコ
ストが高いなど、なお検討すべき点があつた。 本発明は前記した先願発明の製造方法における
問題点を解決するとともに、先願発明と同様の優
れた磁気特製を有する異方性Mn−Al−C系磁石
をより経済的に、生産性よく製造し得る方法を提
供するものである。 (問題点の解決手段および作用) 本発明者らは前記問題点について種々実験を重
ねた結果、Mn−Al−C系合金の溶湯から不活性
ガス・アトマイズ等によつて製造した粉末を可塑
性のある素材でできた容器に入れ、これを冷間静
水圧縮(以下CIPという)することにより冷間で
成形体とした後、さらに530〜780℃で温間塑性加
工を施すことによつて、先願発明と同様に、個々
の粉末粒子が塑性変形を受け針状又は円板状にな
り、塑性変形の方向に配列することにより強固で
磁気特性の優れた集合体を形成することを見い出
だした。 本発明において材料とする粉末を製造するため
の手段としては水及びガスアトマイズ法、回転電
極法等が一般的でありいずれも使用し得るが、不
活性ガスアトマイズ法が、球状粉末になること、
表面酸化がないこと、生産性が高いことなどで有
利である。但し粉末が球状または紡錘形など球形
類似の形状の場合は、普通の冷間形成ではハンド
リングに耐える成形体を得ることが困難であり
CIPする必要がある。例えばMn:69%、C:0.5
%、残りAlからなるガスアトマイズ粉末粒子の
うち400μm以下の篩分け粉末の所定量をカーボ
ンシート製容器(直径31mm)に充填し、更にゴム
型に封入して保持圧力を変化させてCIPを行つた
場合の結果を図に示す。尚、保持時間はいずれも
2分間とした。保持圧力と充填密度化(粉末粒子
の真密度と成形体の密度との比)はほぼ比例関係
にあり、保持圧力5000Kgf/cm2では初期充填密度
比68%から75%に上昇していることが判る。この
場合保持圧力3000Kgf/cm2以上で成形したビレツ
トはいずれもハンドリング途中に割れたりくずれ
たりすることなく良好な形状を保つていたが、
2000Kgf/cm2以下で成形したビレツトはハンドリ
ング途中に崩壊した。次に保持圧力を一定(5000
Kgf/cm2)とし保持時間を変化させて行つたとこ
ろ、第1表に見るとおり、保持時間はCIP後の粉
末充填密度比に影響を及ぼさないことを示した。
ン−アルミニウム−炭素系合金磁石(以下異方性
Mn−Al−C系磁石と略称)の製造法に関するも
のである。 (従来の技術) Mn−Al−C系合金磁石は、主として強磁性相
である面心正方晶(以下τ相と略称)の結晶組織
で構成され、Cを必須構成元素として含むもので
不純物以外に添加元素を含まない3元素系及び少
量の添加元素を含む4元素以上の多元素系合金磁
石が知られており、これらを総称するものであ
る。 従来のMn−Al−C系合金磁石は、Mn65〜74
重量%(以下単に%と記す)、Al25〜34%、炭素
4%以下の組成から主としてなる鋳造合金であつ
て、適切な熱処理を施した場合、最大磁気エネル
ギー積(B・H)max.=1.0〜1.6MG・Oeの磁気
特性を有する永久磁石が得られることが知られて
いる。 さらに、Mn68〜73%、炭素0.2〜2.1%、残部
アルミニウムの組成の鋳造材に適切な熱処理を施
し、その後530℃〜830℃の温度領域で温間塑性加
工して、異方性を与えたMn−Al−C合金は、熱
処理だけで得られる前記の合金磁石よりも数倍の
(B・H)max.値を示すこともよく知られてい
る。例えば(B・H)max.=5〜6.5MG・Oe、
残留磁束密度Br=5200〜6000G、保磁力Hc=
2000〜26000e程度の磁気性能を保有する。(特公
昭54−31448号公報、特公昭54−20166号公報など
参照) しかし、最近の電子部品、電気製品の軽量薄形
化指向に対して、Mn−Al−C系磁石の磁気性能
の内、特に保磁力Hcをより高めることが強く要
望されている。又、Mn−Al−C系磁石の製造工
程における温間塑性加工には、加工圧力として40
〜70Kg/mm2程度を必要とし、この値は530〜830℃
の温間での条件下では一般の塑性加工における加
工圧力に比較して数十%高く、工具の寿命又はダ
イス構造等の制約から、1回の温間塑性加工の加
工率に制約があり、高い磁気特性を得る為の所定
の加工率を達成する為には数回の温間塑性加工を
実施しなければならない。従つて、温間塑性加工
における加工圧力の低減化又は、同じ加工率でよ
り高い磁気特性が得られるような磁石又は製造法
が望まれていた。 一方、Mn−Al−C系磁石の他の製造法として
は、粉末冶金法を利用し、溶湯の急冷粉末又は前
記の温間塑性加工後の材料の粉砕粉末を冷間成
形、焼結、熱処理することが提案されている。
(特開昭58−58241号公報、特開昭55−100944号公
報など参照) しかし、この方法においては、鋳造法による磁
石に比較して、その磁気特性は1/2以下で強度も
低く実用磁石として普及していないのが実情であ
る。 そこで、発明者等は既に、粉末法によつても、
きわめて優れた磁気特性、特に保磁力が大きい異
方性Mn−Al−C系磁石が得られることを見いだ
し、先に特許出願した。その要旨は次のとおりで
ある。即ち :面心正方晶を主体とするマンガン−アルミニ
ウム−炭素系磁石合金からなり、且つその合金
の塑性変形された針状形状又は円板形状の粒子
の集合体であつて、その針状形状の長軸方向が
特定の方向に配列しており、又は円板形状の平
面が互いに平行に配列していることを特徴とす
る異方性永久磁石。 :において、針状形状又は円板形状粒子の平
均寸法が、真球体換算値にて平均直径400μm
以下で構成されている異方性永久磁石。 :マンガン−アルミニウム−炭素系合金の粉末
を、530℃〜850℃の温度範囲で温間成形し、さ
らに530℃〜780℃の温度範囲で温間塑性加工す
ることを特徴とする異方性永久磁石の製造法。 :において粉末の粒径が平均直径400μm以
下である異方性永久磁石の製造法である。 (解決すべき問題点) しかし、上記先願発明の製造法においては粉
末の成形をホツトプレス等の温間成形手段を用い
て行うため、粉末及び成形用金型の加熱・冷却に
時間がかかる、また金型寿命が短くランニングコ
ストが高いなど、なお検討すべき点があつた。 本発明は前記した先願発明の製造方法における
問題点を解決するとともに、先願発明と同様の優
れた磁気特製を有する異方性Mn−Al−C系磁石
をより経済的に、生産性よく製造し得る方法を提
供するものである。 (問題点の解決手段および作用) 本発明者らは前記問題点について種々実験を重
ねた結果、Mn−Al−C系合金の溶湯から不活性
ガス・アトマイズ等によつて製造した粉末を可塑
性のある素材でできた容器に入れ、これを冷間静
水圧縮(以下CIPという)することにより冷間で
成形体とした後、さらに530〜780℃で温間塑性加
工を施すことによつて、先願発明と同様に、個々
の粉末粒子が塑性変形を受け針状又は円板状にな
り、塑性変形の方向に配列することにより強固で
磁気特性の優れた集合体を形成することを見い出
だした。 本発明において材料とする粉末を製造するため
の手段としては水及びガスアトマイズ法、回転電
極法等が一般的でありいずれも使用し得るが、不
活性ガスアトマイズ法が、球状粉末になること、
表面酸化がないこと、生産性が高いことなどで有
利である。但し粉末が球状または紡錘形など球形
類似の形状の場合は、普通の冷間形成ではハンド
リングに耐える成形体を得ることが困難であり
CIPする必要がある。例えばMn:69%、C:0.5
%、残りAlからなるガスアトマイズ粉末粒子の
うち400μm以下の篩分け粉末の所定量をカーボ
ンシート製容器(直径31mm)に充填し、更にゴム
型に封入して保持圧力を変化させてCIPを行つた
場合の結果を図に示す。尚、保持時間はいずれも
2分間とした。保持圧力と充填密度化(粉末粒子
の真密度と成形体の密度との比)はほぼ比例関係
にあり、保持圧力5000Kgf/cm2では初期充填密度
比68%から75%に上昇していることが判る。この
場合保持圧力3000Kgf/cm2以上で成形したビレツ
トはいずれもハンドリング途中に割れたりくずれ
たりすることなく良好な形状を保つていたが、
2000Kgf/cm2以下で成形したビレツトはハンドリ
ング途中に崩壊した。次に保持圧力を一定(5000
Kgf/cm2)とし保持時間を変化させて行つたとこ
ろ、第1表に見るとおり、保持時間はCIP後の粉
末充填密度比に影響を及ぼさないことを示した。
【表】
また非球状の場合もCIPすることで、後の工程
を安定化させ、製品の質を向上させるので本発明
においてはCIPを必須要件とした。 発明者らは更にCIPを用いて冷間成形を行う際
のMn−Al−C系合金粉末に適した充填容器の材
料を見出す為、各種の金属および非金属材料につ
いて実験を重ねた結果、Mn−Al−C系合金の塑
性加工温度及び容器材料の経済性を考慮するとカ
ーボンを原料とする容器が最適であることを見出
した。すなわちMn−Al−C系合金粉末を可塑性
のある炭素質素材(例えばカーボンシート)から
なる容器に入れ、これをCIPにより高圧で等方的
に圧縮させることにより粉末と容器は機械的に接
合し、冷間でも良好な形状に固化され、ハンドリ
ングに充分耐える成形体を得ることができる。し
かし、薄肉鉄板、Al板製容器も使用できる。従
来工程ではハンドリングに耐える成形体を得るた
めには、粉末を530〜850℃の温度範囲で温間プレ
ス成形していたが、本発明ではCIPを用いるため
粉末の加熱工程が省けると共に金型を使用しない
ため経済性、生産性を大幅に高めることが可能で
ある。また従来工程では温間塑性加工時のダイと
の潤滑のためにカーボン粉末やガラス粉末を成形
体表面に塗布する工程が必要であつたが、本発明
でCIPの容器にカーボンシートを用いれば、カー
ボンが潤滑剤の役割をはたすのでその工程を省く
ことができる。 本発明は、この成形体を530〜780℃の温度で温
間押出し加工、温間圧延等の温間塑性加工を施す
ことにより成形体内粒子を針状又は円板状に変形
配列させ、強固で磁気特製の優れた集合体とする
ものである。 この温間塑性加工の温度は、530℃未満である
ときは、前記特公昭54−20166号公報に示されて
いるように、塑性加工が困難である。また同特許
公報によれば、塑性加工の可能な上限温度は830
℃とされているが、780℃〜830℃の間の温度で温
間押出加工を行うときは、(B・H)max値が
2MG・Oeを下廻るなど、良好な磁気特性が得ら
れず、これは組織が非磁性相に分解するためと考
えられる。 (実施例) 実施例 1 Mn:69%、C:0.5%、Al残部よりなる組成を
溶解し、ガスアトマイズ法にてMn−Al−C合金
の粉末を作成した。粉末形状は球状で、粒子の平
均直径はおよそ600μm以下であり、粒度選別に
よつて400μm以下のものを抽出した。尚、この
粒子の相状態はX線回折によつて調べた結果、ε
相(非磁性六方晶)が主体であつた。この粉末を
所定量計量後、肉厚0.35mmのカーボンシートを切
断・加工して製作した直径31mm×長さ31mmの容器
に充填し、更にゴム型に封入して、保持圧力5000
Kgf/cm、保持時間2分間の条件でCIPを行つ
た。得られた粉末成形ビレツト(直径30mm×長さ
30mm)はカーボンシート製容器がMn−Al−C系
合金粉末成形体を包んだ状態で良好な形状を維持
しており、ハンドリング途中にも割れたりくずれ
たりすることはなかつた。 前記の粉末成形ビレツトを温度700℃でビレツ
トの軸方向に温間押出加工を実施し、直径16.5×
長さ99mmの棒材を得た。押出比(押出加工前後の
ビレツトの断面積比)は3.3とした。押出加工後
の棒材の顕微鏡観察によれば、その合金組織は、
先願の方法によつたものと同じく、従来の鋳造材
の温間押出後の棒材には観察されない針状形状の
粒子が軸方向(押出方向)に整列していた。 温間押出後の棒材から、押出方向に垂直な面と
押出方向に平行な面を有する一辺が10mmの立方体
試料を切出し、磁気特性を測定した。その結果、
押出方向に垂直の方向では、(B・H)max.=
0.5MG・Oeと低い値であつたが、押出方向では、
(B・H)max.=5.6MG・Oeの高い磁気特性を
示し、粉末粒子の針状形状の長軸方向に磁化容易
方向を有する優れた異方性永久磁石となつた。
又、残留磁束密度は、Br=5500G、保磁力は、
Hc=3300Oeを示した。これらの値は、先願の方
法によるものと比較して、ほぼ同一レベルにあ
る。 更に引張強度も25Kg/mm2であり、先願方法によ
るものと同一レベルを示した。 実施例 2 実施例1と同じ組成のガスアトマイズ法による
粉末粒子を、直径600μm以上、600〜400、400〜
200、200〜100、100〜50、50μm以下の分級粉末
及び400μm以下の非分級粉末に分け、それぞれ
の粉末を実施例1と同じカーボンシート製容器に
充填後ゴム型に封入して、保持圧力5000Kgf/
cm2、保持時間2min.の条件でCIPし、直径30mm×
長さ30mmの粉末成形材を得た。これらの試料を押
出比6.1、温度700℃にて温間塑性加工を実施し、
直径12.1mm×長さ184mmの丸棒状磁石を作製した。 この材料から実施例1と同様の方法で一辺8mm
の立方体試料を切り出し、その磁気特性を測定し
た結果、400μm以下の各分級粉末及び、400μm
以下の非分級粉末を用いた試料では、(B・H)
max.=7.6〜7.8MG・Oe、Hc=4400〜4500Oe、
Br=6100〜6300Gの高い磁気特性を示し、100μ
m以下の分級品で最高の磁気性能を示した。
400μmをこえる粉末粒子を含む場合は(B・H)
max.=5.3〜5.6MG・Oeと比較的低い値を示した
が充分使用に耐える価である。 さらに、前記の温間押出後の丸棒材の引張強度
及び、抗折力を測定した結果、粒径に関係なく、
引張強度の平均は22Kg/mm2、抗折力の平均が70
Kg/mm2であつた。これらの値はいずれも先願方法
で得た値とほぼ同一であつた。 以上の様に、本発明においても先願発明と同様
にMn−Al−C合金の粉末粒子の、特に400μm以
下のものを用いることによつて、温間塑性加工後
の磁気特性は、鋳造法によるものに比較して、
(B・H)max.で、約20%向上し、Brはほぼ同
等であるが、Hcは約80%の大巾な向上を示した。 (効果) 本発明の方法は、先願発明における粉末の温間
プレス成形をCIP(冷間等方静水圧縮)による成
形に変え、且つ、これを薄肉の可塑性素材からな
る容器に入れて行うことで、温間プレス成形に伴
うダイ寿命、生産性等の面の問題点を解消し、品
質面を同等に維持しつつ成形工程での生産性で約
4倍の向上と、生産コストで約50%の減少を行う
ことができた。
を安定化させ、製品の質を向上させるので本発明
においてはCIPを必須要件とした。 発明者らは更にCIPを用いて冷間成形を行う際
のMn−Al−C系合金粉末に適した充填容器の材
料を見出す為、各種の金属および非金属材料につ
いて実験を重ねた結果、Mn−Al−C系合金の塑
性加工温度及び容器材料の経済性を考慮するとカ
ーボンを原料とする容器が最適であることを見出
した。すなわちMn−Al−C系合金粉末を可塑性
のある炭素質素材(例えばカーボンシート)から
なる容器に入れ、これをCIPにより高圧で等方的
に圧縮させることにより粉末と容器は機械的に接
合し、冷間でも良好な形状に固化され、ハンドリ
ングに充分耐える成形体を得ることができる。し
かし、薄肉鉄板、Al板製容器も使用できる。従
来工程ではハンドリングに耐える成形体を得るた
めには、粉末を530〜850℃の温度範囲で温間プレ
ス成形していたが、本発明ではCIPを用いるため
粉末の加熱工程が省けると共に金型を使用しない
ため経済性、生産性を大幅に高めることが可能で
ある。また従来工程では温間塑性加工時のダイと
の潤滑のためにカーボン粉末やガラス粉末を成形
体表面に塗布する工程が必要であつたが、本発明
でCIPの容器にカーボンシートを用いれば、カー
ボンが潤滑剤の役割をはたすのでその工程を省く
ことができる。 本発明は、この成形体を530〜780℃の温度で温
間押出し加工、温間圧延等の温間塑性加工を施す
ことにより成形体内粒子を針状又は円板状に変形
配列させ、強固で磁気特製の優れた集合体とする
ものである。 この温間塑性加工の温度は、530℃未満である
ときは、前記特公昭54−20166号公報に示されて
いるように、塑性加工が困難である。また同特許
公報によれば、塑性加工の可能な上限温度は830
℃とされているが、780℃〜830℃の間の温度で温
間押出加工を行うときは、(B・H)max値が
2MG・Oeを下廻るなど、良好な磁気特性が得ら
れず、これは組織が非磁性相に分解するためと考
えられる。 (実施例) 実施例 1 Mn:69%、C:0.5%、Al残部よりなる組成を
溶解し、ガスアトマイズ法にてMn−Al−C合金
の粉末を作成した。粉末形状は球状で、粒子の平
均直径はおよそ600μm以下であり、粒度選別に
よつて400μm以下のものを抽出した。尚、この
粒子の相状態はX線回折によつて調べた結果、ε
相(非磁性六方晶)が主体であつた。この粉末を
所定量計量後、肉厚0.35mmのカーボンシートを切
断・加工して製作した直径31mm×長さ31mmの容器
に充填し、更にゴム型に封入して、保持圧力5000
Kgf/cm、保持時間2分間の条件でCIPを行つ
た。得られた粉末成形ビレツト(直径30mm×長さ
30mm)はカーボンシート製容器がMn−Al−C系
合金粉末成形体を包んだ状態で良好な形状を維持
しており、ハンドリング途中にも割れたりくずれ
たりすることはなかつた。 前記の粉末成形ビレツトを温度700℃でビレツ
トの軸方向に温間押出加工を実施し、直径16.5×
長さ99mmの棒材を得た。押出比(押出加工前後の
ビレツトの断面積比)は3.3とした。押出加工後
の棒材の顕微鏡観察によれば、その合金組織は、
先願の方法によつたものと同じく、従来の鋳造材
の温間押出後の棒材には観察されない針状形状の
粒子が軸方向(押出方向)に整列していた。 温間押出後の棒材から、押出方向に垂直な面と
押出方向に平行な面を有する一辺が10mmの立方体
試料を切出し、磁気特性を測定した。その結果、
押出方向に垂直の方向では、(B・H)max.=
0.5MG・Oeと低い値であつたが、押出方向では、
(B・H)max.=5.6MG・Oeの高い磁気特性を
示し、粉末粒子の針状形状の長軸方向に磁化容易
方向を有する優れた異方性永久磁石となつた。
又、残留磁束密度は、Br=5500G、保磁力は、
Hc=3300Oeを示した。これらの値は、先願の方
法によるものと比較して、ほぼ同一レベルにあ
る。 更に引張強度も25Kg/mm2であり、先願方法によ
るものと同一レベルを示した。 実施例 2 実施例1と同じ組成のガスアトマイズ法による
粉末粒子を、直径600μm以上、600〜400、400〜
200、200〜100、100〜50、50μm以下の分級粉末
及び400μm以下の非分級粉末に分け、それぞれ
の粉末を実施例1と同じカーボンシート製容器に
充填後ゴム型に封入して、保持圧力5000Kgf/
cm2、保持時間2min.の条件でCIPし、直径30mm×
長さ30mmの粉末成形材を得た。これらの試料を押
出比6.1、温度700℃にて温間塑性加工を実施し、
直径12.1mm×長さ184mmの丸棒状磁石を作製した。 この材料から実施例1と同様の方法で一辺8mm
の立方体試料を切り出し、その磁気特性を測定し
た結果、400μm以下の各分級粉末及び、400μm
以下の非分級粉末を用いた試料では、(B・H)
max.=7.6〜7.8MG・Oe、Hc=4400〜4500Oe、
Br=6100〜6300Gの高い磁気特性を示し、100μ
m以下の分級品で最高の磁気性能を示した。
400μmをこえる粉末粒子を含む場合は(B・H)
max.=5.3〜5.6MG・Oeと比較的低い値を示した
が充分使用に耐える価である。 さらに、前記の温間押出後の丸棒材の引張強度
及び、抗折力を測定した結果、粒径に関係なく、
引張強度の平均は22Kg/mm2、抗折力の平均が70
Kg/mm2であつた。これらの値はいずれも先願方法
で得た値とほぼ同一であつた。 以上の様に、本発明においても先願発明と同様
にMn−Al−C合金の粉末粒子の、特に400μm以
下のものを用いることによつて、温間塑性加工後
の磁気特性は、鋳造法によるものに比較して、
(B・H)max.で、約20%向上し、Brはほぼ同
等であるが、Hcは約80%の大巾な向上を示した。 (効果) 本発明の方法は、先願発明における粉末の温間
プレス成形をCIP(冷間等方静水圧縮)による成
形に変え、且つ、これを薄肉の可塑性素材からな
る容器に入れて行うことで、温間プレス成形に伴
うダイ寿命、生産性等の面の問題点を解消し、品
質面を同等に維持しつつ成形工程での生産性で約
4倍の向上と、生産コストで約50%の減少を行う
ことができた。
図は、本発明の方法におけるCIPの際の保持圧
力と充填密度およびハンドリング性(崩壊性)の
関係を示す図である。
力と充填密度およびハンドリング性(崩壊性)の
関係を示す図である。
Claims (1)
- 1 面心正方晶を主体とするMn−Al−C系合金
の塑性変形された針状形状又は円板形状の粒子の
集合体であつて、その針状形状の長軸方向が特定
の方向に配列しており、又は円板形状の平面が互
いに平行に配列していることを特徴とする異方性
磁石の製造方法において、Mn−Al−C系合金の
粉末を可塑性のある薄肉の容器に充填後、冷間静
水圧縮により形成し、さらに530〜780℃の温度範
囲で温間塑性加工することを特徴とする異方性永
久磁石の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62237616A JPS6479305A (en) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | Production of anisotropic mn-al-c magnet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62237616A JPS6479305A (en) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | Production of anisotropic mn-al-c magnet |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6479305A JPS6479305A (en) | 1989-03-24 |
JPH0349961B2 true JPH0349961B2 (ja) | 1991-07-31 |
Family
ID=17017959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62237616A Granted JPS6479305A (en) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | Production of anisotropic mn-al-c magnet |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6479305A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6213423B2 (ja) | 2014-08-25 | 2017-10-18 | トヨタ自動車株式会社 | 希土類磁石の製造方法 |
JP6424754B2 (ja) * | 2015-07-10 | 2018-11-21 | トヨタ自動車株式会社 | 成形体の製造方法 |
-
1987
- 1987-09-22 JP JP62237616A patent/JPS6479305A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6479305A (en) | 1989-03-24 |
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