JPH0348949Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、自動車のクオータスカート部構造
に係り、特に、大型リヤバンパーが取付けられる
クオータスカート部に採用して好適な、自動車の
クオータスカート部構造の改良に関する。

【従来の技術】

従来、大型リヤバンパーが取付けられるクオー
タパネルのクオータスカート部は、レマルバンパ
ー取付け時と同様なボデイ構造がとられていた。 例えば、第５図乃至第７図に示されるように、
大型リヤバンパー１が取付けられるクオータパネ
ル２のクオータスカート部２Ａは、レマルバンパ
ーが取付けられた車種と同様なボデイ構造がとら
れるため、前記クオータスカート部２Ａが下方に
不必要に出ている形状となつていた。又、レマン
バンパーの場合は、前記クオータスカート部２Ａ
の下端縁部が外側に露出されるため、見栄え向上
の観点から、該下端縁部は車両内側方向に折曲形
成されていた。このため、該クオータスカート部
２Ａをルーフサイドインナパネル３もしくはリヤ
フロアサイドパネル４等の車両内側部材の下端縁
部に接合してボデイシーラ５を塗布する場合、ボ
デイシーラ５の塗布面がクオータスカート部２Ａ
の下端縁部形状から車両内側に限定されていた。
なお、図中の符号６はエクステンシヨンリヤフロ
アサイドパネル、７はリヤフロアパン、８はクオ
ータ雨溝部を示す。

【考案が解決しようとする問題点】

従つて、大型リヤバンパー１が取付けられるク
オータスカート部２Ａを、レマルバンパーが取付
けられるものと同様なボデイ構造とした場合に
は、クオータスカート部２Ａが下方に不必要に出
ているため、ボデイ重量の増大に繋がるという問
題点を有していた。又、クオータパネル２のクオ
ータスカート部２Ａをルーフサイドインナパネル
３もしくはリヤフロアサイドパネル４等の車両内
側部材に接合するに際して、見栄え向上の観点か
らクオータスカート部２Ａの下端縁部が車両内側
に折曲されるため、ボデイシーラ５の塗布面が車
両内側に限定されて、ボデイシーラ５の塗布作業
が難しくなるという問題点を有していた。

【考案の目的】

この考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであつて、クオータスカート部の下端縁部
の露出がなく、見栄え向上のために下端縁部を車
両内側に曲げる必要がなく、且つ、重量軽減を図
ると共に、構成簡素としてボデイシーラの塗布を
容易に行うことができる自動車のクオータスカー
ト部構造を提供することを目的とする。

【問題点を解決するための手段】

この考案は、大型リヤバンパーがクオータパネ
ルのバンパー逃げ座に取付けられると共に、ルー
フサイドインナパネル又はリヤフロアサイドパネ
ルからなり且つリヤフロアパンに接合されている
車両内側部材の下端縁部に、前記バンパー逃げ座
の下端縁部が接合されてなる自動車のクオータス
カート部構造において、クオータパネルの前記バ
ンパー逃げ座が形成される下端縁部を上下方向に
配置させると共に、該下端縁部が接合される前記
車両内側部材の下端縁部を車両外側方向に折曲し
て前記クオータパネルの下端縁の下方で且つ該下
端縁と対峙する位置に外側フランジを設け、該外
側フランジを前記リヤバンパーによる被覆部分に
位置させると共に、該外側フランジのクオータパ
ネル下端縁との対峙面をボデイシーラ塗布面と
し、且つ、前記外側フランジの車両後部側を、前
記リアフロアパンと略同一高さ位置に切上げるこ
とにより、上記目的を達成するものである。 又、この考案の実施態様は、前記クオータパネ
ルの前記バンパー逃げ座上端部を形成する水平方
向段部を、前記外側フランジを切上げた範囲で、
前記リヤフロアパンと略同一高さとしたことによ
り、上記目的を達成するものである。

【作用】

この考案において、車両内側部材の下端縁部を
車両外側方向に折曲して、クオータパネルの下端
縁の下方で且つ該下端縁と対峙する位置に外側フ
ランジを設け、この外側フランジの車両後部側
を、リヤフロアパンと同一高さ位置に切上げるこ
とにより、レマルバンパーが取付けられるボデイ
構造のものに比較して、クオータスカート部の切
上げによつて下方への不必要な露出を解消して、
見栄えを向上させると共に車両重量を軽減するこ
とができる。又、リヤフロア面の拡大を容易に図
ることができる。 又、前記外側フランジをリヤバンパーによる被
覆部分に位置させると共に、該外側フランジのク
オータパネルの下端縁側の面をボデイシーラ塗布
面とすることにより、ボデイシーラの塗布を車両
外側から行うことができるようになる。従つて、
ボデイシーラの塗布作業を容易に行うことがで
き、又、ロボツト化によるボデイシーラの自動塗
布にも容易に対応できるものとなる。

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。 この実施例は、第１図乃至第４図に示されるよ
うに、大型リヤバンパー１０がクオータパネル１
２のバンパー逃げ座１２Ａに取付けられると共
に、ルーフサイドインナパネル１４又はリヤフロ
アサイドパネル１６からなり且つリヤフロアパン
１８に接合されている車両内側部材２０の下端縁
部１４Ａ，１６Ａに、前記バンパー逃げ座１２Ａ
の下端縁部１２Ｂが接合されてなる自動車のクオ
ータスカート部構造において、クオータパネル１
２の前記バンパー逃げ座１２Ａが形成される下端
縁部１２Ｂを上下方向に配置させると共に、該下
端縁部１２Ｂが接合される前記車両内側部材２０
の下端縁部１４Ａ，１６Ａを車両外側方向に折曲
して前記クオータパネル１２の下端縁１２Ｃの下
方で且つ該下端縁１２Ｃと対峙する位置に外側フ
ランジ２２，２４を設け、該外側フランジ２２，
２４を前記リヤバンパー１０による被覆部分に位
置させると共に、該外側フランジ２２，２４のク
オータパネル１２の下端縁１２Ｃとの対峙面をボ
デイシーラ２６塗布面としたものである。 前記外側フランジ２４の車両後部側は、前記リ
ヤフロアパン１８と略同一高さ位置に切上げられ
ている。 前記ルーフサイドインナパネル１４は、ホイー
ルハウスアウタパネル２８と一体化されており、
該ホイールハウスアウタパネル２８はホイールハ
ウスインナパネル３０と接合されている。 前記クオータパネル１２のクオータスカート部
の前部は、従来のホイールハウス長さと同じにな
るように、後部の下端縁部１２Ｂの切り上げ構成
とは相違して、切り上げることなく、従来のもの
と同じように形成されている。 前記ルーフサイドインナパネル１４の後端部１
４Ａよりも前方のリヤフロアサイドパネル１６の
車両内側の端縁部は、第３図に示されるように、
前記リヤフロアパン１８の車両幅方向外側端縁に
形成された接合段部１８Ａに載置されてスポツト
溶接等により接合されており、該リヤフロアサイ
ドパネル１６の車両外側の端縁部は上方に折曲さ
れて上向きフランジ１６Ｂが形成され、該フラン
ジ１６Ｂをルーフサイドインナパネル１４にスポ
ツト溶接等により固着することで接合されてい
る。 又、前記ルーフサイドインナパネル１４の後端
部１４Ａよりも後方のリヤフロアサイドパネル１
６の内側端縁部は、第４図に示されるように、前
記リヤフロアパン１８の接合段部１８Ａに載置さ
れてスポツト溶接等により接合され、外側端縁部
は下方に折曲されると共に、該折曲された縁部の
先端部は外方に折曲されて、外側フランジ２４と
され、該外側フランジ２４の面と前記クオータパ
ネル１２の下端縁１２Ｃとの間にボデイシーラ２
６を配すると共に、クオータパネル１２の下端縁
部１２Ｂとリヤフロアサイドパネル１６の外側下
端縁部１６Ａとをスポツト溶接等により接合して
いる。 この実施例の場合は、クオータパネル１２の後
部の下端縁部１２Ｂはリヤフロアパン１８のレベ
ルに対し接近した位置とされるため、レマルバン
パーが取付けられるボデイ構造のものに比較し
て、クオータスカート部が切上げられた構成とな
る。従つて、クオータスカート部の切上げによつ
て車両重量を軽減することができる。 又、クオータパネル１２の下端縁部１２Ｂはリ
ヤバンパー１０による被覆部分に位置されること
により、クオータスカート部がリヤバンパー１０
によつて被い隠されて、外側に露出されることが
なくなる。従つて、クオータスカート部の下端縁
部１２Ｂの構造が外観品質による見栄え向上の観
点から制約されることがなく、該下端縁部１２Ｂ
の断面形状を自由に設計することができる。従つ
て、車両内側部材２０の下端縁部を外側に折曲し
て外側フランジ２２，２４として形成でき、この
外側フランジ２２，２４により、クオータパネル
１２の下端縁部１２Ｂと車両内側部材２０の下端
縁部とのシールのためのボデイシーラ２０の塗布
面を車両外側に位置することができるようにな
る。これににより、ボデイシーラ２０の塗布作業
を容易に行うことができ、又、ロボツト化による
ボデイシーラの自動塗布にも容易に対応できるも
のとなる。 特に、この実施例においては、第４図に示され
るように、クオータパネル１２のバンパー逃げ座
１２Ａを形成するための水平方向の段部１２Ｃを
リヤフロアパン１８と略同じ高さに形成すること
によつて、該クオータパネル１２の段部１２Ｃを
もトランクスペースとして利用することができ、
トランクスペースの拡大を図ることができる。 即ち、従来はリヤフロアサイドパネル１６とク
オータパネル１２との間は凹構造となつており、
そのためボート板等を設けて該凹部へ蓋をして、
トランクルームの床面を拡大するようにしていた
が、本実施例によれば、ボート板等を設けること
なく、板金構造のみでトランクルームの床面を拡
大することができる。

【考案の効果】

この考案は、上記のように構成したので、クオ
ータスカート部の切上げにより、下方への余計な
露出を解消して見栄えを向上させると共に車体重
量の軽減を図ることができ、且つ、クオータパネ
ル下端縁部と車両内側部材下端縁部とのシールの
ためのボデイシーラを車両外側から容易に塗布す
ることができるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る自動車のクオータスカ
ート部構造の実施例を示す斜視図、第２図は同実
施例におけるホイールハウスアウタパネルとリヤ
フロアサイドパネルとの結合状態を示す斜視図、
第３図は第１図−線に沿う拡大断面図、第４
図は第１図−線に沿う拡大断面図、第５図は
従来のクオータスカート部構造を示す斜視図、第
６図は同じくホイールハウスアウタパネルとリヤ
フロアサイドパネルとの結合状態を示す斜視図、
第７図は同じく第５図−線に沿う拡大断面図
である。 １０……リヤバンパー、１２……クオータパネ
ル、１４……ルーフサイドインナパネル、１６…
…リヤフロアサイドパネル、１８……リヤフロア
パン、２０……車両内側部材、２２，２４……外
側フランジ、２６……ボデイシーラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 大型リヤバンパーがクオータパネルのバンパ
   ー逃げ座に取付けられると共に、ルーフサイド
   インナパネル又はリヤフロアサイドパネルから
   なり且つリヤフロアパンに接合されている車両
   内側部材の下端縁部に、前記バンパー逃げ座の
   下端縁部が接合されてなる自動車のクオータス
   カート部構造において、 クオータパネルの前記バンパー逃げ座が形成
   される下端縁部を上下方向に配置させると共
   に、該下端縁部が接合される前記車両内側部材
   の下端縁部を車両外側方向に折曲して前記クオ
   ータパネルの下端縁の下方で且つ該下端縁と対
   峙する位置に外側フランジを設け、該外側フラ
   ンジを前記リヤバンパーによる被覆部分に位置
   させると共に、該外側フランジのクオータパネ
   ル下端縁との対峙面をボデイシーラ塗布面と
   し、且つ、前記外側フランジの車両後部側を、
   前記リヤフロアパンと略同一高さ位置に切上げ
   たことを特徴とする自動車のクオータスカート
   部構造。 (2) 前記クオータパネルの前記バンパー逃げ座上
   端部を形成する水平方向段部を、前記外側フラ
   ンジを切上げた範囲で、前記リヤフロアパンと
   略同一高さとしたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の自動車のクオータス
   カート部構造。