JPH0348654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 本考案は、支持部材に回動可能に支持される偏
心板を所定量回動させ、止めねじで支持部材に固
定することにより、偏心板の偏心部と係合する調
整部材を位置決めする位置決め装置において、微
調整を容易に行えるようにすることを目的とした
もので、止めねじを回転させるドライバを用いて
微調整を行えるようにして目的の達成を図つてい
る。

〔産業上の利用分野〕

本考案は、偏心板の回動により該偏心板と係合
する調整部材を位置決めする際の微調整を容易に
行うことのできる回転調整機構に関するものであ
る。

プラテンに沿つて走行する印字ヘツドにより印
字を行うプリンタにおいては、プラテンに近接し
てカードガイドが設けられているが、プラテンに
対するカードガイドの間〓は、オートロードを確
実にし、かつ、ラインフイードの負荷を均一にす
るため所定の値に設定することが望まれる。この
ため間〓調整手段が必要になる。

〔従来の技術〕

従来、この間〓調整は、第６図に示す回転調整
機構を用いて行つている。図中、１は偏心部２を
有する偏心板である。偏心板１は、印字ヘツドを
取り付けるキヤリアに回転軸３を介し回動可能に
支持され、回転軸３の軸心を中心とする円弧状の
スリツト４を備えている。偏心部２はスリツト４
と偏心して円弧上に形成されている。カードガイ
ドの間〓調整時には、偏心板１を所定方向に所定
量回動させ、スリツト４に挿入される止めねじ５
をキヤリア側に螺合させて締め付けることにより
偏心板１を固定する。６はワツシヤである。これ
により、偏心部２と係合する片持状カードガイド
は移動して間〓調整が行われる。本図の場合は、
偏心板１を図の時計方向に回動させたときに間〓
が減少し、偏心板１を図の反時計方向に回動させ
たときに間〓が増大する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような構成の場合、間〓調整時における偏
心板１の回動は、偏心板１の端面１ａ，１ｂを矢
印で示すようにマイナスドライバ等で押して行つ
ているが、微調整が困難である等、作業性に問題
があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述の問題点を解決することのできる
回転調整機構を提供するもので、第１図にその原
理を示す。

第１図において、１９は偏心部２２を有する偏
心板である。

偏心板１９は、図示しない支持部材に回転軸２
３を介し回動自在に支持され、回動方向の所望の
位置で止めねじ２５により支持部材に固定される
ようになつている。

前記支持部材の偏心板１９の外周に対向する部
分には、止めねじ２５を回転させるドライバが回
動可能に嵌合する穴２１が設けられている。

また、偏心板１９には、穴２１に嵌合するドラ
イバの先端部と係合する複数の歯２０が、偏心板
１９の回動方向に等間隔に形成されている。

〔作用〕

偏心部２２と係合している調整部材を位置決め
する際には、止めねじ２５をゆるめておいて該止
めねじ２５操作用のドライバの先端を穴２１に嵌
合させる。この状態で、ドライバの先端部が偏心
板１９の歯２０と係合する。この場合、例えばプ
ラスドライバの場合は、止めねじ２５の頭部のプ
ラス溝に係合するための突出部の谷間が歯と係合
する。この状態でドライバを所定方向に所定量回
転させると、偏心板１９が所定量回動し、偏心部
２２と係合する調整部材は所定位置に位置決めさ
れる。その後、止めねじ２５を締め付けることに
より作業が完了する。

この場合の偏心板１９の回動量は、ドライバの
回転量に比例し、微調整が可能である。また、作
業はドライバを回転させるだけできわめて容易で
ある。さらに、ドライバとしては止めねじ２５操
作用のものを用いるので、特別な工具は不要であ
る。

〔実施例〕

以下、第２図乃至第５図に関連して本考案の実
施例を説明する。

第２図及び第３図に第１の実施例を示す。

第２図は本考案を適用したプリンタの要部を示
す斜視図で、図中、１１はプラテン、１２は印字
ヘツド、１３は回転調整機構である。

印字ヘツド１２は、キヤリア（支持部材）１４
に取り付けられており、キヤリア１４は、ガイド
バー１５，１６に案内されてプラテン１１に平行
な矢印Ａ，A′方向に移動可能である。キヤリア
１４には、カードガイド（調整部材）１７が片持
状に取り付けられており、印字ヘツド１２の先端
部はカードガイド１７の開口部１８内に位置して
いる。印字ヘツド１２は、上述のようにキヤリア
１４とともに移動し、所定時機に作動してプラテ
ン１１とカードガイド１７の間の用紙（図示せ
ず）に印字を行う。用紙の改行、排出は、プラテ
ン１１の回転により行われる。

回転調整機構１３は、第３図に詳細を示すよう
に、偏心板１９に複数個の歯２０を設けるととも
に、キヤリア１４に穴２１を設けて構成されてい
る。

偏心板１９は、カードガイド１７と係合する偏
心部２２を有し、キヤリア１４に回転軸２３を介
し回動自在に支持されるとともに、回転軸２３の
軸心を中心とする円弧状のスリツト２４を備えて
いる。歯２０は、偏心板１９の回動方向に等間隔
に形成されている。穴２１は、キヤリア１４の偏
心板１９の外周に対向する部分に形成されてい
る。

２５は、スリツト２４を挿通してキヤリア１４
に螺合する偏心板固定用の止めねじ（プラス溝付
ねじ）で、穴２１はこの止めねじ２５操作用のプ
ラスドライバ２６の先端部が嵌合する大きさのも
のである。また、上述の歯２０は、この穴２１に
嵌合するドライバ２６の先端部と係合（止めねじ
２５の頭部のプラス溝に係合するための突出部の
谷間と係合）するように形成されている。２７は
ワツシヤである。

偏心部２２と係合しているカードガイド１７の
間〓（プラテン１１との）調整を行う際には、止
めねじ２５をゆるめておいて、第３図に示すよう
に、止めねじ２５操作用のプラスドライバ２６の
先端を穴２１に嵌合させる。この状態では、ドラ
イバ２６の先端部が偏心板１９の歯２０と係合す
る。従つて、この状態でドライバ２６を所定方向
に所定量回転させると、偏心板１９が反対方向に
所定量回動し、弾性支持アーム２８（第２図参
照）が偏心部２２と係合しているカードガイド１
７はプラテン１１と対向する方向に移動して間〓
調整が行われる。

このように、間〓調整はドライバを回転させる
だけで行われるため、微調整を容易に行うことが
可能である。また使用するドライバは止めねじ操
作用のものをそのまま使用すれば良く、特別な工
具は不要である。

第４図に第２の実施例を示す。

第４図の回転調整機構３１は、第２図のガイド
バー１５の位置調整を行うような場合に適用され
るもので、回転調整機構３１は、偏心板３２に複
数個の歯３３を設けるとともに、プリンタのフレ
ーム（支持部材）３４に扇形の穴３５を設けて構
成されている。フレーム３４は、プラテン及びキ
ヤリアのガイドバー等を支持している。

偏心板３２には、偏心孔（偏心部）３６を有す
る円筒状部材３７が嵌着され、偏心孔３６には、
ガイドバー（調整部材）３８が回転自在に支持さ
れている。又、偏心板３２は、円筒状部材３７の
円筒の軸心を支点とする円弧状のスリツト３９を
備えている。上述の歯３３は、偏心板３２の外周
部分に、スリツト３９と同心の円周方向に等間隔
に形成されている。このような構成の偏心板３２
はフレーム３４に支持されて円筒状部材３７の軸
線の周りに回動可能である。穴３５は、フレーム
３４の偏心板３２の外周に対向する部分に形成さ
れている。

４０は、スリツト３９を挿通してフレーム３４
に螺合する偏心板固定用の止めねじ（マイナス溝
付ねじ）である。

ガイドバー３８の位置調整に際しては、止めね
じ４０をゆるめておいて、第４図に示すように、
止めねじ４０操作用のマイナスドライバ４１の先
端を穴３５に嵌合させる。この状態では、ドライ
バ４１の先端部が偏心板３２の歯３３と係合する
ので、この状態でドライバ４１を所定方向に所定
量回転させることにより、偏心板３２を所定量回
動させることができる。この場合、ドライバ４１
は、第５図のイ，ロの状態の間を回転可能で、必
要に応じ、ドライバ４１を挿抜しながらこの範囲
の回転を何回も行うようにする。この操作によ
り、偏心板３２が所定量回動すると、円筒状部材
３７に偏心して支持されているガイドバー３８が
移動して位置調整が行われる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、偏心板の
偏心部と係合する調整部材の微調整を容易に行う
ことが可能で、しかもそのための偏心板を固定す
る止めねじ用のドライバを用いるだけで良く、特
別な工具を必要としないという各種の優れた効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理図、第２図は本考案の第
１の実施例の回転調整機構を適用したプリンタの
要部を示す斜視図、第３図は同回転調整機構の作
用説明図、第４図は本考案の第２の実施例の回転
調整機構を示す斜視図、第５図は同ドライバ操作
要領説明図、第６図は従来の回転調整機構を示す
平面図で、 図中、１３，３１は回転調整機構、１４はキヤ
リア（支持部材）、１７はカードガイド（調整部
材）、１９，３２は偏心板、２０，３３は歯、２
１，３５は穴、２２は偏心部、２５，４０は止め
ねじ、２６，４１はドライバ、３６は偏心孔（偏
心部）である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 偏心部を有し支持部材に回動可能に支持される
   偏心板を所定量回動させて止めねじで前記支持部
   材に固定することにより、前記偏心部と係合する
   調整部材を位置決めする位置決め装置において、 前記支持部材の前記偏心板の外周に対向する部
   分に、前記止めねじを回転させるドライバが回動
   可能に嵌合する穴を設けるとともに、 前記偏心板に、該偏心板の回動方向に等間隔に
   設けられ、前記支持部材の穴に嵌合するドライバ
   の先端部と係合する複数の歯を形成したことを特
   徴とする回転調整機構。