JPH0348471Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、一般に自動車、或いは各種の機械、
設備装置等に給油、給気及び排気等の供給路とし
て配設多用される管径30ｍ／ｍ程度以下の比較的
細径からなる肉厚２ｍ／ｍ程度以下の金属配管端
部と所望形状をなす継手本体の接続構造の改良に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の接続構造としては例えば第５図
に示すように、所望形状からなる継手本体１１の
軸芯内部の流通孔１２に連つて設けた接続方向の
段付き拡径口１２′部に、配管P′側の端部を挿着
した状態で相互の重合周面をバーナー等による手
炙り作業又は加熱炉によつて鑞熔着Ｗして構成さ
れていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような鑞熔着Ｗによる接続
構造のものにあつては、継手本体１１との該鑞熔
着作業後に配管P′を含む製品全体を耐食性の要求
に関連して例えば亜鉛や亜鉛合金等の電鍍処理を
施すこととなるため、該電鍍処理時の作業工数を
増し、取扱上の煩わしさとによつて生産性を阻害
される結果となつた。また、前記電鍍処理におい
ては極間距離及び電流密度を一定となし得ず、電
鍍膜厚にバラツキを招いて品質面でも信頼性に乏
しく、電鍍膜厚のバラツキを吸収するためには充
分な電鍍処理時間を必要とする等の問題を有する
ものであつた。更に、手炙り作業においては局部
加熱による鑞熔着作業により、しばしば過熱等に
起因して配管P′側に機械的強度の劣化を生ぜし
め、配設使用時の機関或いは機械振動とに相俟つ
て鑞熔着部附近に亀裂、折損を招く問題を有する
ものであつた。

本考案は上記した従来の問題を極めて効果的に
解決するため、配管側の接続端部に設けた突起壁
の背面に振動吸収リング部材と弾性シールリング
部材とを交互に配列して係合せしめ、更に外側よ
り押圧部材を組込んで継手本体側の段付き拡径口
部に挿着して筒壁端部を内方にカシメ等により屈
曲して前記押圧部材を前方に押圧し、該押圧に伴
つて振動吸収リング部材と弾性シールリング部材
とを圧縮して対向する周面とに密接係合して構成
することにより、接続時の鑞熔着作業を一切不要
とし、予め鍍金処理を施した継手本体並びに配管
の使用を可能とし、以後の鍍金処理作業を不要と
し、且つ簡易な取扱いとによつて著しく生産性を
向上すると共に、鍍金膜厚上での品質面を一定と
なし、更に、接続部附近での機械的強度の劣化が
なく、亀裂、折損を軽減、防止することのできる
接続構造を提案することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、軸芯内部の流通孔に連つて接続方向
に段付き拡径口を有する継手本体の該拡径口部
に、配管側の端部を挿着して接続してなる構造に
おいて、前記配管側の端部に設けた外方への環状
突起壁の背面に少なくともそれぞれ１つの振動吸
収リング部材と弾性シールリング部材とを交互に
配列、係合せしめ、更に外側よりリング状もしく
はスリーブ状からなる押圧部材を組込んで前記継
手本体側の段付き拡径口部に挿着し、且つ、該段
付き拡径口部をなす筒壁端部を内方に屈曲せしめ
て前記押圧部材を前方へ押圧し、前記振動吸収リ
ング部材並びに弾性シールリング部材を圧縮して
対向する周面に密接係合して構成した細径金属配
管端部と継手本体との接続構造を要旨とするもの
であり、更に前記振動吸収リング部材を弾発体の
構造造による円周上の一部に切欠き部を有して構
成するものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
れば、第１図は本考案の細径金属配管端部と継手
本体との接続構造を多岐路継手に有する接続状態
を示す一部切欠きによる断面図、第２図は他の実
施例を示す本考案の要部の一部断面図、また第３
図は更に他の実施例を示す第２図相当図、第４図
は振動吸収リング部材単体の平面図であつて、１
は軸芯内部の流通孔２に連つて接続方向に段付き
拡径口２′を有する直軸ジヨイント、アイジヨイ
ント、エルジヨイント、或いは多岐路ジヨイント
等の所望形状からなる継手本体、３は予め鍍金処
理を施した配管Ｐ側の端部に設けてなる二重折り
曲げ等による外方への環状突起壁であつて、該突
起壁の背面に少なくともそれぞれ１つの金属、ゴ
ム、樹脂等の弾発体の振動吸収リング部材４とゴ
ム、樹脂等の弾性シールリング部材５とを交互に
配列、係合せしめてある。６は更に、外側より組
込んだリング状（第２図）、もしくはスリーブ状
（第１図，第３図）からなる押圧部材であつて、
前記継手本体１側の段付き拡径口２′部に前記配
管Ｐ端部附近を挿着せしめた状態で該段付き拡径
口部の筒壁端部１′をカシメ等により内方に屈曲
して前記押圧部材６を前方に押圧せしめ、同時に
前記振動吸収リング部材４並びに弾性シールリン
グ部材５を圧縮して対向する筒壁側の内周面と配
管Ｐ側の外周面とに密接係合してなるものであ
る。

尚、６′は押圧部材６の後端部に一体に有する
外方への鍔壁であつて、この鍔壁６′の前方への
押圧により、シールリング部材５と振動吸収リン
グ部材４の適正位置への挿着を容易にするもので
ある。

〔作用〕

本考案はこのように構成されているため、押圧
部材６を軸芯前方へ押圧することによつて簡易に
接続することができることとなり、また、予め単
体で鍍金処理を施した継手本体１並びに配管Ｐが
使用でき、且つ接続を容易となすことができるの
である。更に配設使用時に交互に配列、係合した
振動吸収リング部材４によつて弾性シールリング
部材５に加わる振動を吸収して保護する結果とな
るため、該弾性シールリング部材での疲労、破損
等の憂いがなく、長期に亘つて気密を保持するこ
とができ、また、配管Ｐ側の接続端部附近での疲
労応力を軽減する結果となる。更に前記振動吸収
リング部材４と弾性シールリング部材５との圧縮
挟持による気密接続構造によつて、接続時の相互
の捩れに対して相手部材を回動して調整を自在と
して、無理なく接続することができるのである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案による続続構造は、
特に配管Ｐ側に交互に配列、係合した少なくとも
それぞれ１つからなる振動吸収リング部材４と弾
性シールリング部材５とを押圧部材６によつて前
方に押圧した状態で圧縮して対向する周面に密接
係合して構成するため、接続時の加熱鑞熔着作業
を一切不要とし、予め鍍金処理を施したそれぞれ
の継手本体１並びに配管Ｐの使用を可能として以
後の鍍金処理作業を不要とし、且つ容易な取扱い
によつて著しく生産性を向上することができると
共に、鍍金膜厚上での品質面を一定となし、接続
部附近での機械的強度の劣化なく、亀裂、折損を
軽減、防止することのできる極めて有用な細径金
属配管端部と継手本体との接続構造である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の細径金属配管端部
と継手本体との接続構造を多岐路継手に有する接
続状態を示す一部切欠きによる断面図、第２図は
他の実施例を示す本考案の要部の一部断面図、第
３図は更に他の実施例を示す第２図相当図、第４
図は振動吸収リング部材単体の平面図、第５図は
従来例を示す一部切欠きによる断面図である。 １……継手本体、１′……筒壁端部、２′……段
付き拡径口、３……環状突起壁、４……振動吸収
リング部材、４′……切欠き部、５……弾性シー
ルリング部材、６……押圧部材、Ｐ……配管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 軸芯内部の流通孔に連つて接続方向に段付き
   拡径口を有する継手本体の該拡径口部に、配管
   側の端部を挿着して接続してなる構造におい
   て、前記配管Ｐ側の端部に設けた外方への環状
   突起壁３の背面に少なくともそれぞれ１つの振
   動吸収リング部材４と弾性シールリング部材５
   とを交互に配列、係合せしめ、更に外側よりリ
   ング状もしくはスリーブ状からなる押圧部材６
   を組込んで前記継手本体１側の段付き拡径口
   ２′部に挿着し、且つ、該段付き拡径口部をな
   す筒壁端部１′を内方に屈曲せしめて前記押圧
   部材６を前方へ押圧し、前記振動吸収リング部
   材４並びに弾性シールリング部材５を圧縮して
   対向する周面に密接係合して構成したことを特
   徴とする細径金属配管端部と継手本体との接続
   構造。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載におい
   て、前記振動吸収リング部材４を弾発体の構造
   による円周上の一部に切欠き部４′を有して構
   成したことを特徴とする細径金属配管端部と継
   手本体との接続構造。