JPH0348336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、室内などを仕切るパネル装置におけ
る床面とパネル下端との間に設けるコンセントの
取付け装置の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、室内を仕切る組立式の壁面パネルの下
端と床面との間には、通常巾木を設けて隙間を塞
ぐようにしている。

そして、この隙間を配線空間として利用し、該
配線空間内に配線コードを配設し、巾木の外に開
口するようにしたコンセントを設けると、配線コ
ードが露出しないし、室内への電源部を増加させ
ることができる。

このような装置の先行技術として、例えば、実
公昭59−85812号公報では、壁面パネルの下端を
支持する支柱の側部に取付け金具にコンセントを
取付けする一方、支柱の両側には、配線空間を形
成すると共に前記コンセントの前面が外側に露出
できるようにする開口孔を備えた巾木を装着した
考案が開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記パネルの下端と床面との間の配線空間に配
線する場合に、室における電源部コンセントから
の配線コードを１つのコンセントに接続し、該コ
ンセントから別の配線コードにて次のコンセント
に接続するいわゆる縦列接続する場合、一般に室
内の電気機器用の配線コードの先端にはオスプラ
グが取付いているから、該オスプラグが差込みで
きる受け口を各コンセントの前面に設ける一方、
該コンセントの左右両側の一側にオスコネクタ
を、他側にメスコネクタを備え、これら隣接コン
セント間は一方の先端にメスプラグを、他方の先
端にオスプラグを取付けた配線コードにて各々接
続することが実行されている。

ところで、前記電源部コンセントも一般にオス
プラグが差込める受け口を備えている。そして、
パネル装置を室内に組み込むとき、その電源部コ
ンセントがパネル装置の左右いずれの側に位置す
るかよつて、前記パネル下端に位置させるコンセ
ントにおける左右両側のオスコネクタとメスコネ
クタとの位置を左右逆転させてその間を接続する
ための配線コードにおけるオスプラグ、メスプラ
グとの差込み関係を整合させる必要がある。

その場合に前記先行技術においては、パネル下
端を支持する支柱側部の取付け金具に対して螺子
止めにより取付くコンセントを一旦外し、当該コ
ンセントを上下逆転させて、再度取付け金具に螺
子止めしなければならないから、その着脱作業に
手間が掛かるし、コンセントを位置固定的な取付
け金具に対して螺子止めするので、その取付け位
置が巾木の開口孔に対して位置ずれしないように
調節する手間も掛るという問題があつた。

本考案は、この問題を解決したコンセント取付
け装置を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案では、床面に立設した左右一対の
支柱間にパネルを配設し、該パネルの下端と床面
との間に配線空間を設け、該配線空間を覆う巾木
を着脱自在に装着して成るパネル装置において、
前記配線空間にはパネルの下端に沿つて水平支持
枠を配設し、前面に受け口を、左右両側のうち一
側にオスコネクタを、他側にメスコネクタを各々
備えたコンセントの上下両側面には、パネルの長
手方向に沿つて長手のガイドレールを設け、前記
水平支持枠の係止孔に対して着脱自在に係止した
取付け片を、前記コンセントにおける上または下
の一方のガイドレールに摺動自在に装着するよう
に構成する一方、前記巾木には前記コンセントの
前面の受け口が臨む開口孔を設けた構成としたも
のである。

〔本考案の作用及び効果〕

本考案によれば、パネルの下端と床面との間の
配線空間に配置する水平支持枠に係止孔を穿設し
てあり、該係止孔に取付け片を着脱自在に係止
し、この取付け片とコンセントの上下両面に設け
たいずれか一方のガイドレールとを装着するの
で、取付け片を変更することなく当該取付け片に
対してコンセントを上下逆転させて装着するだけ
で、そのコンセントの左右位置のオスコネクタと
メスコネクタとの位置が左右逆転することにな
る。また、前記先行技述のように螺子止めする手
間が掛からず、いわゆるワンタツチでコンセント
を装着することができる。

そしてコンセントにおけるガイドレールがその
上下両面にパネルの長手方向に沿うように設けて
あるから、水平支持枠に係止した取付け片に対し
てコンセントがパネルの長手方向に沿つて摺動自
在で位置の変更が至極容易であり、且つ取り付け
片とガイドレールとの係合状態も確実である。

従つて、コンセント前面の受け口に対するオス
プラグの差込み、取り外しに際してもコンセント
がガタ付かない。

このように、パネルの長手方向に沿つてコンセ
ントの位置の変更調節が可能であると、巾木に予
め穿設された開口孔に対してコンセント前面の受
け口が臨むように位置合わせすることが容易とな
り、しかも、このコンセントを前記取付け片に対
して外すことなく位置調節ができるから、巾木に
て前記配線空間を覆うように装着した後において
も、コンセントの前面に指を押し当てて左右移動
できるという顕著な効果を有するのである。

〔実施例〕

次に実施例について説明すると、パネル装置１
は、床面２に適宜隔てて立設する断面中空矩形状
等の支柱３，３と、該両支柱３，３間に配設した
表裏一対の板状のパネル４，４とから成る。

各支柱３の下端には脚体５，５を嵌挿固定し、
各脚体５の下端には回動操作等にて上下動調節で
きるアジヤスタ６を設けてある。

前記支柱３の前面、後面に平行に張設するパネ
ル４，４の左右両側端部に固着した取付けブラケ
ツト体７における爪片８は、支柱３の側面係合孔
９に着脱自在に係合する。

前記パネル４，４の下端と床面２との間は配線
空間１１となつている。符号１０，１０は前記配
線空間１１を覆うようにする前後一対の巾木で、
断面偏平コ字状の各巾木１０には後述のコンセン
ト（ソケツトアウトレツト）１２の前面受け口１
３が臨む略矩形状の開口孔１４を穿設してあり、
各巾木１０の下端孔１０ａは前記脚体５，５下部
寄りの前後面に設けた上向き係止爪１５に嵌挿支
持され、巾木１０の上端屈曲縁１０ｂは、前記取
付けブラケツト体７におけるコ字型の挟持片１６
に挟持されて着脱自在となる構成である。

符号１７はパネル４の下端と床面２との間の配
線空間１１内にパネル４下端と略平行の水平状に
配設される水平支持枠で、該水平支持枠１７の長
手方向両端部は、左右両側端部のブラケツト体７
の下片７ａにねじ１８止めされている。

該水平支持枠１７の水平板部には、その長手方
向の中途部に平面視凸状の一対の係止孔１９，１
９を穿設してあり、各係止孔１９には、以下の構
成によりコンセント１２の上下いずれかの面に着
脱自在に装着される取付け片２０を着脱自在に係
止することができる。

即ち、コンセント１２にはその前面に、一対の
オスピンとアース用ピンとを有するオスプラグ
（図示しない）を差込みできる２つの受け口１３，
１３を設け、該前面に向かつて右側面にはメスコ
ネクタ２１を設け、左側面にはオスコネクタ２２
を設けてある。

そしてコンセント１２の上下両側面には、その
長手方向に沿う前後一対のガイドレール２３，２
３を各々一体的に設ける。該各前後一対ガイドレ
ール２３は、第２図及び第６図に示すように、相
対向する左右長手溝が形成され、ガイドレール２
３の長手方向の一端は側方に開設し、他端２３ａ
は閉じている。そしてこの上下両ガイドレール２
３，２３の他端２３ａ，２３ａは当該コンセント
１２を上下逆転させたとき、同じ側で閉じるよう
に左右逆位置に設けている。

取付け片２０は、第２図に示すように、前記ガ
イドレール２３の左右長手溝に摺動自在に嵌る舌
片２４，２４と、前記水平支持枠１７の係止孔１
９の小径部に係止する頚部付き鍔部２５，２５と
から成り、本実施例では、一対の舌片２４，２４
を連設片２４ａにて一体的に連設することによ
り、鍔部２５，２５を前記一対の係止孔１９，１
９のピツチ寸法（l1）だけ左右に隔ている。そし
て、各鍔部２５は各係止孔１９における大径部に
対して下側から挿入可能に構成されている。

この構成において、第１図に示すように、パネ
ル装置１の下部（パネル４下端と床面２との間）
の配線空間１１にコンセント１２を着脱自在且つ
上下逆転自在に装着し、その各コンセント１２間
を配線コード２６にて電気的に接続するにあた
り、配線コード２６の一端にはオスプラグ２７を
他端にはメスプラグ２８を設けておく。

この場合、本実施例における前記各プラグにお
ける一つのピン又は挟持ジヤツクはアース用であ
り、該アース部は各コンセント１２におけるオス
コネクタ及びメスコネクタの一つに接続すると共
に各受け口１３における一つの接続口に接続さ
れ、またコンセント１２の裏面のアース取出し部
２９からアース線３０を介して金属製の取付けブ
ラケツト体７にねじ３１止めされ、パネル４や支
柱３等のパネル装置１に帯電する静電気を各コン
セント１２及び配線コード２６を介して接地部
（図示せず）に流すことができる。

一方、第２図及び第３図を参照して理解できる
ように、予め水平支持枠１７における一対の係止
孔１９，１９に取付け片２０における各々の鍔部
２５，２５を下から嵌挿して横に位置をずらせる
と、当該各鍔部２５の下側における顎部が係止孔
１９の小径部に嵌り、位置固定できる。

この状態において、前記取付け片２０の舌片２
４に対してコンセント１２の上側のガイドレール
２３を横向き摺動移動させると、コンセント１２
は吊下げ状態にて装着することになる。

この後前記配線空間１１をパネル装置１下端部
の表裏側において、一対の巾木１０，１０にて覆
うように、各々の巾木１０の上下部分を係止爪１
５と挟持片１６とに係止及び挟持させる。

このとき、巾木１０における開口孔１４がコン
セント１２の前面における受け口１３，１３箇所
に臨むようになるが、横方向に位置ずれしている
ときには、コンセント１２を横方向にずらさせる
だけで、コンセント１２の位置合わせが至極簡単
に実行できるのである。

コンセント１２におけるメスコネクタ２１とオ
スコネクタ２２の左右位置を変えるには、前記コ
ンセント１２を一旦取付け片２０から外し、討該
コンセント１２の上下を逆転させ、その上面のガ
イドレール２３を取付け片２０の舌片２４に摺動
嵌挿すれば良いのである。

なお、取付け片２０を左右一対の舌片２４およ
び鍔部２５からなる分離したものにするため、第
２図の一点鎖線で示すように、連設片２４ａ箇所
を分断する構成であつても良いし、舌片２４及び
鍔部２５からなる一つの取付け片２０にてコンセ
ント１２を装着するようにしても良い。

また、水平支持枠１７に穿設する係止孔１９
は、水平支持枠１７の長手方向に沿つて複数箇所
に予せ穿設しておいても良く、表裏のパネル４，
４のいずれの側にコンセント１２の受け口１３を
向けることができるように、水平支持枠１７の幅
方向に偏らせて係止孔１９を穿設しても良い。

さらに、水平支持枠１７の上面側にコンセント
１２が位置するように、当該水平支持枠１７の高
さ位置を下げ、取付け片２０を上下逆にして取付
け、これにコンセント１２の下面側のガイドレー
ル２３を嵌挿するようにすれば、コンセント１２
は水平支持枠１７上に載置された状態にて装着す
ることもできるのである。

また、巾木１０には、前記開口孔１４と略一致
する範囲の部分を囲むように不連続状の切目線
（図示せず）を施し、その内部を外から押圧すれ
ば簡単に抜け離脱できるように構成すれば、前記
コンセント１２を装着する必要箇所のみの開口孔
１４を開けることができる。

本考案は、室の床面から天井面まで仕切るパネ
ル装置に対しても適用できることはいうまでもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の各部材の斜視図、第２図は要
部の斜視図、第３図は要部の正面図、第４図は第
３図の−視側面図、第５図は第３図の−
視断面図、第６図はコンセントの側面図である。 １……パネル装置、２……床面、３……支柱、
４……パネル、５……脚体、６……アジヤスタ、
７……取付けブラケツト、１０……巾木、１４…
…開口孔、１１……配線空間、１２……コンセン
ト、１３……受け口、２１……メスコネクタ、２
２……オスコネクタ、２３……ガイドレール、１
７……水平支持枠、１９……取付け片、２４……
舌片、２５……鍔部、２４ａ……連設片、２６…
…配線コード、２７……オスプラグ、２８……メ
スプラグ、３０……アース線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に立設した左右一対の支柱間にパネルを配
   設し、該パネルの下端と床面との間に配線空間を
   設け、該配線空間を覆う巾木を着脱自在に装着し
   て成るパネル装置において、前記配線空間にはパ
   ネルの下端に沿つて水平支持枠を配設し、前面に
   受け口を、左右両側のうち一側にオスコネクタ
   を、他側にメスコネクタを各々備えたコンセント
   の上下両側面には、パネルの長手方向に沿つて長
   手のガイドレールを設け、前記水平支持枠の係止
   孔に対して着脱自在に係止した取付け片を、前記
   コンセントにおける上または下の一方のガイドレ
   ールに摺動自在に装着するように構成する一方、
   前記巾木には前記コンセントの前面の受け口が臨
   む開口孔を設けたことを特徴とするパネル装置に
   おけるコンセント取付け装置。