JPH0348301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、水洗便器取付用フランジに水洗便
器のフランジを結合する際、これらの間に介在さ
せて、結合部の水密性を保持させるための水洗便
器シールに関する。

〈従来の技術〉 従来、上記の水洗便器シールは、第５図に示す
ような場所に使用されている。同図において、２
は洋式水洗便器取付用フランジで、合成樹脂製の
円筒状部４と、この円筒状部４の上端部に一体に
形成した合成樹脂製の鍔状部６とを有する。この
鍔状部６の内側縁部にシール受面５を形成してあ
る。円筒状部下端部７は排水パイプ８に結合され
ており、鍔状部６は、第６図及び第７図に示すよ
うな凹部２６、貫通孔２８の部分で床面１０にね
じ（図示せず）によつて結合されている。そのシ
ール受面５に漏水防止用の可塑性を有する水洗便
器シール（パテ）２０及び洋式水洗便器１２を載
せ、鍔状部６の孔３から洋式水洗便器１２の下部
に設けてあるフランジ１３の便器取付用孔１４に
ボルト１６を通してフランジ１３の上側からナツ
ト１８で締付けて鍔状部６に洋式水洗便器１２を
固定している。シール２０は半径方向の断面形状
を円形に外形を円環状に形成されたもので、洋式
水洗便器下部の内側面を形成する円筒状部９の下
端部１１と水洗便器取付用フランジの鍔状部上面
内側に形成された半径方向の断面形状が弧状のシ
ール受面５との間に挟まれ、ボルト１６によつて
締め付けられてこの接合部の水密を保持してい
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 水洗便器シール（パテ）は、１個づつ成形され
てパラフイン紙で包装されているので、使用する
前に水洗便器シールをパラフイン紙から取り出す
が、この時水洗便器シールが軟らかいために変形
することがあり、変形してしまうと、使用時に手
で丁寧に成形し直さねばならず面倒であり、成形
不良のパテを便器フランジと便器取付用フランジ
のシール受面との接合部に使用すると接合部の水
密を保持できず漏水するという問題がある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、水洗便器のフランジと水洗便器取付
用フランジとの間に介在せしめられる半径方向断
面形状が円形で円環状の可塑性を有するシール材
と、このシール材の水洗便器取付用フランジ側に
接する下側半面を包むように設けられ半径方向断
面形状が半円形で全周に渡り分断された窓孔を有
する円環状の保護材とからなるものである。

〈作用〉 シール材にパテ又はパテと等効な材料を用いた
水洗便器シールを使用するためにパラフイン紙の
包装紙から取り出すとき、水洗便器シールの下半
面を包む保護材は、パテを変形させることを防
ぎ、これによつてパテを便器取付用フランジのシ
ール受面上で成形し直すことなくそのまま使用で
きるようにするものであり、パテを保護材で包ん
である下面をシール受面に向けて押し付けると、
パテが保護材の窓孔部分を通つてシール受面に粘
着するので、水洗便器を便器取付用フランジ上で
取付位置調節してもパテはシール受面からみだり
に移動しない。このパテをシール受面に載せた状
態で便器のフランジを便器取付用フランジにボル
トで締付けると、パテは保護材の窓孔から押出さ
れ、この押出されたパテによつて保護材とシール
受面との間が全面的に水密になる。このようにし
て便器筒状部の下端とシール受面との間に水洗便
器シールが正確に位置した状態で固定されるから
この接続部の水密は確保される。

〈実施例〉 本考案の１実施例を第１図及び第２図を用いて
説明する。図において、３６が水洗便器シールで
ある。

水洗便器シール３６は、シール材３７と保護材
４０とからなる。シール材３７はパテ或いはこれ
らと等効な材料で形成され、図に示すように所定
のシール受面５に対応する環状をなし、半径方向
の断面形状が円形である。このシール材３７の下
面に保護材４０が設けられている。保護材４０は
半径方向の断面形状が半円に成形された円環状の
もので厚みが0.08mm程度で材質は塩化ビニル等の
合成樹脂模板を型押し成形し、全周に渡り分断さ
れた窓孔３９が穿設されている。この窓孔３９は
保護材４０の内側寄り位置の全周を６等分した位
置に一定間隔を隔てて設けた６つの長孔２７と、
この長孔２７よりも外側寄りの位置に沿つて同じ
く全周を６等分した位置で前記長孔２７に対して
30度円周方向にずれた位置に設けた長孔２９とか
ら成つている。この保護材４０は伸びがなくある
程度腰のあるもので、シール材３７の下面に設け
た状態では、通常の取扱でシール材３７の周長が
伸びるようなことはない。

第５図に示す従来の便器シール２０を本考案の
便器シール３６に置きかえて施工状態を前記第５
図乃至第７図を用いて説明すると、水洗便器シー
ル３６を第７図に仮想線で示すように、便器取付
用フランジのシール受面５に押し付けると、シー
ル材３７が窓孔３９を通つてシール受面５に粘着
するので、水洗便器１２を便器取付用フランジ２
の鍔状部６上で移動して位置調節を行なう時、水
洗便器シール３６はシール受面５の適正位置より
ずれることがない。便器のフランジ１３を便器取
付用フランジ２にボルト１６、ナツト１８で締め
付けると、便器の円筒状部９の下端１１が水洗便
器シール３６を上から押し付けてシール材３７を
窓孔３９から押出して保護材４０とシール受面５
との間の水密を全面的に確保する。

この例で示した水洗便器シールの保護材の窓孔
は第１図と第２図に示す形の他に、第３図と第４
図に示すような形状としてもよく、要は、保護材
が分断されないで１枚の保護材とするような窓孔
の形であつてシールが締め付けられたときに水洗
便器とシール受面との間が全面的に水密を確保で
きる形であればよい。

〈考案の効果〉 この考案によれば、シール材に保護材が設けら
れていてその保護材を設けたまま使用できるの
で、使用するために包装紙から取り出すとき、シ
ール材の予め成形された形が崩れにくく特に周方
向の伸び変形がなく、よつて水洗便器シールは便
器取付用フランジのシール受面にもとの成形され
た形のまま載せることができるという効果があ
り、また保護材には窓孔が形成されているので水
洗便器シールをシール受面に押し付けるとシール
材が窓孔を通つてシール受面に粘着するので、水
洗便器を便器取付用フランジに固定する際、便器
を移動して位置調節を行つたとしても便器シール
がシール受面の適正な位置から外れることがない
から、この接合部の水密を確保することができる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による水洗便器シールの１実
施例の正面図、第２図は同実施例の水洗便器シー
ルの底面図、第３図は水洗便器シールの他の実施
例の正面図、第４図は第３図に示す水洗便器シー
ルの底面図、第５図は従来の水洗便器シールを使
用した便器取付用フランジによつて洋式水洗便器
の下部と排水パイプとを接合した状態を示す部分
省略縦断面図、第６図は水洗便器取付用フランジ
の平面図、第７図は第６図のＡ−Ａ線に沿う断面
図である。 ２……水洗便器取付用フランジ、５……シール
受面、１３……水洗便器のフランジ、３６……水
洗便器シール、３７……シール材、３９……窓
孔、４０……保護材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水洗便器のフランジと水洗便器取付用フランジ
   との間に介在せしめられる半径方向断面形状が円
   形で円環状の可塑性を有するシール材と、このシ
   ール材の水洗便器取付用フランジ側に接する下側
   半面を包むように設けられ半径方向断面形状が半
   円形で全周に渡り分断された窓孔を有する円環状
   の保護材とからなる水洗便器シール。