JPH0347653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、脱臭性を改善した脱臭剤含浸具に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、トイレ等の悪臭を除去するための活
性炭等の脱臭剤が広く使用されている。このよう
な脱臭剤は通常粒状ないし粉状の形態を有してお
り、これを所定の容器に収容し室内の棚に載置し
たり、あるいは壁面に吊り上げたりして使用され
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このように容器に脱臭剤を収容する場合は、脱
臭剤のうち実際の脱臭に使用される、すなわち臭
気成分を捕足するものは表面またはその近傍に限
られるため、脱臭効率がわるいという問題があつ
た。

また、容器に収容した脱臭剤は脱臭効果が消失
すれば、これを取り替える必要があるが、脱臭剤
を容器から取り出して交換するものでは脱臭剤で
手や衣服が汚れるなどの問題がある。また、容器
ごと取り替えるものではコストが高いものにつ
き、経済的ではない。

したがつて、この考案の目的は、高い脱臭性能
を発揮し、しかも脱臭剤の補充を簡単に行うこと
ができ、経済的な脱臭剤含浸具を提供することで
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案の脱臭剤含浸具は多孔質セラミツクス
で構成され、かつ一面から他面にかけて多数の通
風孔を貫設し、上面の一部に脱臭剤を収容する凹
部を形成したものである。

〔作 用〕

この考案によれば、脱臭剤含浸具を多孔質セラ
ミツクス製で構成したため、それ自体で吸液性を
有しており、したがつて脱臭剤の溶液を容易にか
つ多量に含浸させることができ、また液の補充が
可能である。

また、多数の通風孔が貫設されているため、空
気の流通がよく、したがつて通風孔の内壁面で脱
臭剤と空気とが接触するため、脱臭効率が向上
し、高い脱臭性能を発揮させることができる。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図および第２図に基
づいて説明する。第１図はこの実施例にかかる脱
臭剤含浸具を示す斜視図、第２図はその縦断面図
である。

すなわち、この脱臭剤含浸具１は、第１図およ
び第２図に示すように、一面から他面にかけて多
数の通風孔２を貫設するとともに、上面の一端に
脱臭剤を収容する凹部５を形成した多孔質セラミ
ツクス製の直方体で構成される。なお、凹部５は
上面の一端のみならず上面の全周にわたつて設け
てもよく、あるいは上面の中央部に設けるように
してもよい。

ここで、多孔質セラミツクスとは、たとえばシ
リカ等を主成分とした原料に可燃性の粉粒体を混
入して所定形状に成形し焼成したものであつて、
自重の約50％以上の水を吸収することができる。

この多孔質セラミツクスは可燃性の粉粒体の粒
度や添加量を適宜選択することにより、気孔率、
したがつて脱臭剤の含浸量を自由に調節すること
ができる。

前記通風孔２は多孔質セラミツクスの成形時に
同時に形成するか、あるいは成形後に穿設され
る。

通風孔２の大きさは通風孔２を通過する空気の
流速により決定される。

かかる脱臭剤含浸具１に含浸される脱臭剤は、
あらかじめ水や他の有機溶媒に脱臭成分を溶解し
た溶液状のものである。脱臭剤としては、たとえ
ば商品名「アニコ」（森下仁丹(株)製の硫酸第一
鉄・Ｌ−アスコルビン酸）などが使用可能であ
る。

脱臭剤の長期間の使用で脱臭性能を低下したと
きは、再び脱臭剤溶液を脱臭剤含浸具１に含浸さ
せて繰り返し使用する。ただし、繰り返し使用に
より多孔質セラミツクスが目詰まりしたような場
合は水洗等により脱臭剤成分を洗い流せばよい。

このように、この実施例では、脱臭剤溶液を含
浸した多孔質セラミツクスからなる直方体の脱臭
剤含浸具１に通風孔２を貫設したため、この通風
孔２内に悪臭を含む空気を導入し通過させること
により、通風孔２の内壁面で悪臭成分を脱臭剤が
捕捉する。このため、多孔質セラミツクスの内部
にまで含浸された脱臭剤溶液を悪臭の除去に効率
よく活用することができ、脱臭効率が向上する。

しかも、上面の一端に凹部５を設けたため、脱
臭剤溶液をこの凹部５内に入れておくことで、多
孔質セラミツクスの吸液性により徐々に浸透して
長時間にわたつて脱臭効果を発揮する。

次にこの考案にかかる脱臭剤含浸具１を使用し
た脱臭装置を第３図に基づいて説明する。

この脱臭装置は便器６内の臭気を除去するため
のものであつて、便器６の背部に設けた吸気口７
より便器６内の臭気を吸引し通気路８を経て排気
口９よりフアン１０にて排出する。前記脱臭剤含
浸具１は通気路８内に設置され、便器６内から排
出される臭気が通風孔２を通過するように構成さ
れる。

このため、便器６内の臭気を効率よく除去する
ことができる。なお、第３図において、１１は便
座、１２はフアンの制御手段であり、フアン１０
を運転開始後、一定時間で停止させるものであ
る。また、通気路８には扉（図示せず）を設け、
この扉を開いて脱臭剤含浸具１を脱臭剤を補充し
たり、あるいは脱臭含浸具１を取り出したりでき
るように構成するのが好ましい。

〔考案の効果〕

この考案によれば、脱臭剤含浸具を吸液性を有
する多孔質セラミツクスで構成するとともに、上
面の一端に脱臭剤を収容する凹部を形成したた
め、脱臭剤溶液を容易にかつ多量に含浸させるこ
とができ、また液の補充による繰り返し使用が可
能であるため、経済的である。しかも、脱臭剤溶
液を凹部内に入れておけるため、脱臭剤を溜めて
おく容器等を別に取付ける必要がなく構造が簡単
で、脱臭剤が多孔質セラミツクスの吸液性により
徐々に浸透して長時間にわたつて脱臭効果を発揮
する。

また、多数の通風孔を貫設したため、通風孔の
内壁面で脱臭剤と空気とが接触し、脱臭効率が高
くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図、第２図
はその縦断面図、第３図はこの考案の脱臭剤含浸
具を使用した脱臭装置の断面図である。 １…脱臭剤含浸具、２…通風孔、５…凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の通風孔を一面から他面に貫設した多孔質
   セラミツクス製の脱臭剤含浸具において、上面の
   一部に脱臭剤を収容する凹部を形成したことを特
   徴とする脱臭剤含浸具。