JPH0347526Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は通気性インナーソールに関する。

(ロ) 従来の技術 靴を長時間履くと足裏の発汗により靴内に熱気
や湿気が篭もり履用者に不快感を与える。

従来、履用者にこのような不快感を与えないよ
うに、種々の工夫を凝らしたインナーソールが提
案されており、比較的効果があるインナーソール
として、例えば、布帛または皮革と発泡体との重
層体よりなり、該発泡体裏面には互いに連絡し合
う溝が穿設されており、該溝の適宜個所には重層
体を上下に貫通している通気孔が穿設されている
インナーソールが提案されていた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このようなインナーソールは、
短時間しか靴を履かず、足裏での発汗が少なく、
靴内で熱気や湿気がそれほど篭もらない場合には
あまり不快感を履用者に与えないが、激しい運動
を長時間行つて靴内に多量の熱気や湿気が篭もつ
た場合には、上記のような溝と通気孔だけでは、
熱気や湿気を十分に排除し得ず、履用者に対する
不快感を減じることができないのが実情であつ
た。

(ニ) 考案の目的 本考案は、履用者が激しい運動を長時間行つて
靴内に多量の熱気や湿気が篭もつた場合にも、イ
ンナーソールの溝や通気孔を通して熱気や湿気を
靴外に排出しうるインナーソールを提供しようと
するものである。

(ホ) 問題を解決するための手段 本考案は、上記目的を達成しようとして第１図
〜第４図に示すように、布帛または皮革１と発泡
体２との重層体よりなり、該発泡体２裏面の踏付
部区域３には、不踏部に穿設されている凹陥部４
から放射状に延び互いに連絡し合つている複数の
溝５が穿設されており、踵部区域６には凹陥部７
が穿設されており、該溝５と該凹陥部７とは踏付
部区域３と踵部区域６との接際部区域８で広巾の
溝９で連絡されており、且つ、該溝５の適宜個所
には複数個の通気孔１０が穿設されており、該凹
陥部７の適宜個所には複数個の支柱１１が穿設さ
れている通気性インナーソールが提供されたもの
である。

(ヘ) 作用及び効果 激しい運動を長時間行うと、発汗により多量に
発生した熱気や湿気は靴内に篭もり、これらの熱
気や湿気は、インナーソールの溝５や凹陥部７に
も篭もる。

このような状態では、着地している足が履用者
の体重を支え、その体重がインナーソール全体を
押圧し、インナーソールを構成している発泡体２
が圧縮されるが、その圧縮度合は、体重の殆どが
かかる踵部が最も大きい。従つて、先ず体重によ
り踵部区域６の凹陥部７を支えている支柱１１が
押し潰され、凹陥部７の空隙は殆ど消失してしま
い、そこに存在していた熱気や湿気は広巾の溝９
を通つて互いに連絡し合つている放射線状の溝５
に急速に移動し、次いで、該溝５に存在していた
熱気や湿気は、移動して来た熱気や湿気と共に、
踏付部区域３の発泡体２の体重による押圧に促進
されて放射線状の溝５の起点となつている凹陥部
４に集まり、最後に二重矢印１２方向に、該凹陥
部４に近接して胛被下部に穿設された単数又は複
数の通気孔（図示せず）を経て靴外に排出され
る。そして、着地していた足が地面を離れインナ
ーソール全体が押圧から解放され、押し潰されて
いた支柱１１、空隙を消失していた凹陥部７、圧
縮されていた発泡体２は元の状態に復元し、上記
のような作用は中断されるが、着地すると再び上
記作用は繰返され、靴内には熱気や湿気等が篭も
つてしまうことはなく、常時靴を気持よく履くこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の通気性インナーソールの底面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は
同じくＢ−Ｂ線断面図、第４図は同じくＣ−Ｃ線
断面図を示す。 １……布帛又は皮革、２……発泡体、３……踏
付部区域、４，７……凹陥部、５……溝、６……
踵部区域、８……接際部区域、９……広巾の溝、
１０……通気孔、１１……支柱、１２……熱気や
湿気が靴外に排出する方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 布帛または皮革１と発泡体２との重層体よりな
   り、該発泡体２裏面の踏付部区域３には、不踏部
   に穿設されている凹陥部４から放射状に延び互い
   に連絡し合つている複数の溝５が穿設されてお
   り、踵部区域６には凹陥部７が穿設されており、
   該溝５と該凹陥部７とは踏付部区域３と踵部区域
   ６との接際部区域８で広巾の溝９で連絡されてお
   り、且つ、該溝５の適宜個所には複数個の通気孔
   １０が穿設されており、該凹陥部７の適宜個所に
   は複数個の支柱１１が穿設されている通気性イン
   ナーソール。