JPS5927124Y2 - 履物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内部の空気の換気を行うことができる履物に関
するものである。

従来に釦いて、履物内部の空気を換気するものとしては
、外底に中空の突起より成る空気室を形成したもの、あ
るいは外底全体に柔軟性を与えて外底内部に空気室を形
成したもの等があり、これらは歩行者の荷重により空気
室を圧力収縮させてその圧縮空気を中底を通して履物内
に流出させて空気の循環を行うものである。

しかしながら、以上の如き従来の履物にむいては、履物
後部では歩行者の足首と履物との間隙を介して十分に換
気が行われるのであるが、履物前方部では十分な換気が
行われにくく、その結果前方周縁部に湿った空気が澱み
足が蒸れてしまうといった欠点を有している。

本考案はこのような問題を解決するために提案されたも
のであり、その目的とするところは履物の前方周縁部の
換気を十分に行い得るようにし、足の健康衛生に特に役
立つ履物を提供することを目的とするものである。

以下、本考案の構成について実施例を示す図面に基づき
詳細に説明する。

本考案に係る履物の一実施例を示す第１図から第４図に
おいて、参照番号１は履物であり、２はその外底である
。

外底２の周辺部には所定高さの起立部３が形成されてか
り、更に起立部３の頂部には内方に延びるフランジ部４
が形成されている。

２は外底２の踵部である。

また、外底２の材質は塩化ビニール、合成ゴム、ウレタ
ン等の弾力性を有するものから成っている。

５は外底２の起立部３の内方に形成された凹部の前方に
収容固着されたポンプであり、その形状は外底２の前方
部の形に適合するＵ字形を呈し、外周部分には筒状の空
気室６が構成されている（第２図、第３図）。

空気室６の上部には孔７が全体にわたって設けられ、そ
の後端部には排気孔８が設けられている（第３図）。

尚、このポンプ５の材質は外底２と同様のものから成る
。

９はポンプ５の排気孔８と連結する通気管であり、外底
２の土平踏部２′付近まで延びている。

人体の足は土平踏部においてくびれでいるため、靴内部
にかいて外部と空気の換気を行うスペースが土平踏部近
傍に多いためである。

土平踏部２′の靴と足との空間を利用して外界と空気の
交換を行うために土平踏部２′の近傍の甲皮１０をメツ
シュＭとすると更に効果的である。

参照番号１０は甲皮であって、そのつりこみ代が外底２
のフランジ部４の上面に接着固定されている。

１１は中底であり、フランジ部４の部分で甲皮１０のつ
りこみ代の上に固着されている。

１２は中底１１上全体に設けられた通気孔である。

尚、この通気孔１２は前記ポンプ５の空気室６の上に位
置する部分には設けないようにする。

１４は、外底２と中底１１の間に配された支持体であり
、弾力性を有する材料より成っている（第１図、第４図
）。

尚、以上の構成において、外底２の凹部に収容されたポ
ンプ５の高さは、空気室６の上面と中底１１０間にわず
かに間隙１３が形成される程の高さとする（第１図）。

ここで、以上の如く構成される本考案に係る履物の動作
について説明する。

履物１を着用した歩行者の荷重が負荷されると、中底１
１がポンプ５を押圧する。

このとき、中底１１はポンプ５の孔７を塞ぎつつポンプ
５を押圧し押しつぶすので、空気室６内の空気は排気孔
８より通気管９を通って後方に押し出される。

更に、このとき前記支持体１４の部分を中底１１が押し
つぶし外底２と中底１１の間の空気が収縮されるので、
その空間部分に溜っている空気と通気管９を通して押し
出された空気は中底１１の通気孔１２を介して歩行者の
足首周辺の隙間の部分より外部に放出される。

また、空気の外部への放出はポンプ５の圧縮のみによっ
ても行われる。

次に、歩行者の荷重が履物１を離れると、ポンプ５は元
の状態に復元するので、その復元の際に空気室６の孔７
よりその周りの空気（古い空気）が空気室６内に吸収さ
れると共に、支持体１４の復元力に上り外底２と中底１
１０間の空間が復元しその結果、外部の空気（新鮮な空
気）が足首周辺の隙間より履物１内及びその空間部に送
り込まれる。

以上により、古い空気と新鮮な空気の循環が行われる。

尚、ポンプ５による吸収は空気室６の上面と中底１１の
間の間隙１３が形成されているので何ら支障なく行われ
る。

更に、本考案の構成で、外底２の周辺部に起立部３及び
フランジ部４を形成した構成は、外底２の周辺部の変形
が容易となるようにするためであり、この結果中底１１
の押圧に伴い外底２の周辺部が十分に変形されるので、
ポンプ５の圧縮及び復元が確実にかつ短時間で行われ、
空気室６からの空気の移動量を犬とすることができるも
のである。

このため、より効果的な空気の循環が行われることは容
易に理解できよう。

また、外底２の構造を、第５図に示すような起立部３と
フランジ部４の間にくぼみ部１５を形成した構造とすれ
ば、外底２の周辺部はくぼみ部１５により更に変形容易
となり、よって空気の移動量を大とすることができる。

尚、本考案の構成にむいて、通気管９は必ずしも設ける
必要はないが、通気管９によりポンプ５内の空気（湿っ
た空気）を確実に後方に送ることができより効果的な空
気の循環が行える。

更に１本考案に係る履物の構成要素であるポンプ５の構
造としては、前記のものの細筒２の実施例として次に示
すようなものがある。

第６図及び第７図においてその一例を示すと、ポンプ２
０は第７図に示す如き形状の上板２１と下板２２をその
周辺部で接着して形成されその内部には空気室２３が形
成される。

また、その接着面の内方近傍には図示の如くくさび形状
の隙間部２５が形成され、その部分で上板２１と下板２
２に孔２４及び２４′が互いに食い違うように設けられ
ている。

更に、ポンプ２０の後部には排気孔２６が設けられ、排
気孔２６には通気管２７が連結されている。

尚、上板２１と下板２２はそれぞれ弾力性を有する部材
より成っている。

よって、ポンプ２０を外底２と中底１１の間に配置させ
れば、中底１１がポンプ２０を押圧することにより、ポ
ンプ２０は押しつぶされる。

このとき、前記くさび形状の隙間部２５が密閉され、孔
２４及び２４′がそれぞれ下板２２及び上板２１の周辺
部により閉塞されるので、空気室２３内の空気は排気孔
２６から通気管２７を通って送り出される。

中底１１の押圧が解かれればポンプ２０はその復元力に
より元の状態に復元するので、その際ポンプ２０周辺の
空気を孔２４及び２４′より吸収する。

その他は前記の第１の実施例と同様の動作を行うことは
言うまでもない。

更に他の実施例としては第８図に示す如きものがある。

第８図においてポンプ３０は履物１の外底２の前方部に
適合する形状をしてむり、その周辺には壁部３１が形成
されている。

よって、壁部３１の内方には凹部３２が形成される。

壁部３１の上面縁部には所定間隔で溝部３３が設けられ
てむり、溝部３３相互間には接着面３４が形成されてい
る。

また、ポンプ３０の後部には排気孔３５が設けられ、排
気孔３５には通気管３６が連結されている。

尚、ポンプ３０の材質は弾力性を有する部材より戒るこ
とは言うまでもない。

このように構成されるポンプ３０は、その接着面３４の
部分に弾力性を有する部材を固着して独立のポンプとな
し外底２の所定位置に設置してもよいが、第９図に示す
如く使用することもできる。

この場合中底１１を前記接着面３４０部分に固着してポ
ンプ３０の蓋部として機能させる。

尚、その際には中底１１のポンプ３０上に位置する部分
には通気孔１２を設けない。

また、溝部３３の深さは中底１１を押圧した場合に、そ
の中底１１の周辺部で溝部３３が十分閉塞されるような
深さに形成する。

よって、上記の実施例にむいては、中底１１を押圧すれ
ば、ポンプ３０は溝部３３が閉塞され押しつぶされるの
で、ポンプ３０の凹部３２内の空気は排気孔３５を介し
て通気管３６より送り出される。

その他の動作については前記のその他の実施例と同様で
あるので説明は省略する。

また、更に他の実施例としては、第１０図に示す如きも
のがある。

ポンプ４０は図示の如く２本の棒状又はＵ字形を呈して
むり、その内部には空気室が形成されていることは言う
までもない。

また、その上面及び後端には孔４１及び排気孔４２が設
けられ、孔４２には通気管４３が連結している。

尚、その動作については第１の実施例のポンプ５の場合
と同様であり、説明は省略する。

以上述べた如く本考案によれば、起立部とフランジ部に
よって外底周辺の変形が容易となり、中底への荷重の負
荷及び解除により空間部の中空体の圧縮、復元が確実か
つ良好に行われるため、中空体による全間部前方の空気
の吸収及び後方への空気の排出が充分になされ極めて効
果的な空気の循環が可能となる。

従って、履物の前方部に湿った空気が澱み足が蒸れてし
まうことがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側断面図、第２図は本考案
の一実施例の縦断面図、第３図は本考案の構成部分であ
るポンプの第１の例を示す見取図、第４図は本考案の一
実施例の内部を示す見取図、第５図は本考案に係る履物
の外底の一例を示す見取図、第６図はポンプの第２の例
を示す見取図、第７図はその断面図、第８図はポンプの
第３の例を示す見取図、第９図は第８図に示すポンプを
備えた本考案の他の実施例の側断面図、第１０図はポン
プの第４の例を示す見取図である。 符号の説明、１・・・履物、２・−・外底、５・・・ポ
ンプ、６・−・空気室、７，８・・・孔、９・・・通気
管、１０・・・甲皮、１１・・・中底、１２・・・通気
孔、１４・・・支持体、１５・・べぼみ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外底周辺の起立部の頂部から内方に延びる所定幅のフラ
   ンジ部を形成し、該外底のフランジ部上に中底の周囲を
   固定することにより前記外底周辺の変形を容易とし、か
   つ前記外底と中底間に形成した空間部内の前方に該全間
   部前方の内周縁の形状に沿う外形を有する弾性材料によ
   り中空状に形成したポンプ体であって、周囲に前記中底
   の押圧により閉塞可能な空気の吸収孔を有しかつ後部に
   内部の空気を排出する排気孔を有する該ポンプ体を設置
   すると共に、前記中底上に複数の通気孔を設けて成り、
   前記外底周辺の変形により前記ポンプ体の圧縮、復元を
   確実とし前記全間部周縁の空気の換気を良好に行うよう
   にしたことを特徴とする履物。