JPS5913843Y2 - 履物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内部空気の換気を可能とした履物に関するもの
である。

これまで、内部空気の換気を可能とした履物としては、
本願出願人による実願昭５６−４５７５１号（実開昭５
７−１５７２０２号）及び実願昭５６−４５７５２号（
実開昭５７−１５７２０３号）等において提案されたも
のがある。

その履物の構成につき簡単に説明すると、外底と中底と
の間に形成した空間部の前方に、弾性部材より成る中空
状のポンプ体であって上面に吸気孔を有しかつ後端部に
排気孔を有するポンプ体を配置させると共に、中底には
履物内と空間部内を連通ずる通気孔を設けて成る構成で
ある。

そして、上記のような構成から、歩行者の荷重が負荷す
ると、中底が下方へ変形して吸気孔を塞ぎつつポンプ体
を圧縮するため、ポンプ体内の空気は排気孔から履物後
方へ放出されると共に、その放出された空気は更に中底
の通気孔を介して履物外部へと排出される。

また、歩行者の荷重の負荷が解除すると、ポンプ体はそ
の復元力により自ら復元してその吸気孔から空間部内の
空気を吸入すると共に、中底の通気孔を介して履物内部
の空気を吸入する。

以上により、履物内の空気の換気（循環）が行われるも
のである。

しかしながら、以上のような履物にあっては、ポンプ体
の上面部と中底下面間に形成した間隙の部分を介してポ
ンプ体の吸気孔から空気の吸入を行うようにしているが
、長期の使用等により中底が変形して上記間隙の幅が狭
くかつ不均一となったりまた中底がポンプ体の吸気孔を
塞いだままになってしまう結果、吸気孔からの空気の吸
入が良好かつ確実に行われなくなるといった欠点があっ
た。

本考案は以上述べたような問題点を解決するために提案
されたものであり、その目的とするところは中底の変形
等が生じてもポンプ体の吸気孔からの空気の吸入が良好
に維持され、もって内部空気の効果的な換気を保つこと
ができる履物を提供することにある。

以下、本考案につき好適なる一実施例を示す図面を用い
て詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る履物の側断面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ’線部分における縦断面図、第３図
はその実施例に係る履物の外底上面を示す平面図である
。

図中、１は履物であり、２はその外底である。

外底２にはその周辺部に所定の高さの起立部３が形成さ
れており、起立部３の上部にはフランジ部４が形成され
ている。

２′は外底２の土手踏部である。また、この外底２の材
質は塩化ビニール、合成ゴム、ウレタン等の弾力性を有
するものがら戊る。

５は履物１の甲皮であって、そのつりこみ代が外底２の
フランジ部４上に接着固定されている。

６は中底であって、フランジ部４の部分で甲皮５のつり
こみ代の上に固着されている。

７は中底６上の全面に設けられた通気孔である。

以」二によって、外底２と中底６との間には起立部３に
対応する所定の高さをもつ空間部が形成される。

８ａは上記空間部内前方で外底２上に収容固定された弾
性部材により中空状に形成されて成る２本のポンプ体で
ある。

このポンプ体８ａの形状は第３図及び第４図に示す如く
所定長の棒状を呈しており、その内部には空気室９が形
成されている。

第４図と第５図にポンプ体８ａの構造を詳しく示す。

ポンプ体８ａの上面部にはその長さ方向にわ＼ たって複数個の吸気孔１０が設けられていると共に、そ
の後端部には排気孔１１が設けられている。

また、その上面部には第５図に示すようにポンプ体８ａ
側部から各々の吸気孔１０に続く溝部１２が形成されて
いる。

１３はポンプ体８ａの排気孔１１に連結された通気管で
あり、外底２の土平踏部２′付近まで延びている。

これは、人体の足は上方踏部においてくびれているため
、靴内部において外部と空気の換気を行うスペースが土
手踏部近傍に多いためである。

また、通気管１３の先端部である通気口１３′は通気管
１３を斜めに切断してその断面積を大きくしである。

これは、ポンプ体８ａから送られてくる空気をできるだ
け広範囲に分散させるためである（第１．３図）。

この場合、土手踏部２′の靴と足との空間を利用して外
界と空気の交換を行う上で土手踏部２′の近傍の甲皮５
をメツシュＭとすると、その空気の交換がより効果的と
なる（第１図）。

尚、以上の構成において、中底６がポンプ体８ａをその
上部の吸気孔１０を塞ぎつつ圧縮し空気室９内の空気を
排気孔１１より通気管１３を介して排出できるように、
中底６の通気孔７はポンプ体８ａの上部に位置する部分
には設けないものとする。

また、外底２と中底６間の空間部に収容されたポンプ体
８ａの高さは、ポンプ体８ａの上面と中底６の間にわず
かに間隙１４が形成される程の高さである。

２０は外底２に対し中底６を一定の弾力性を持って支持
するために設けられた弾性部材より戊る支持部材であり
、その形状は断面がＳ字形の長尺状を呈している（第２
図、第３図）。

また、支持部材２０の高さはポンプ体８ａの上面部と中
底１１の裏面との間に上記間隙１４を保持させた状態で
外底２上で外底６を支持する程の高さである（第１図、
第２図）。

２１は空間部後方の外底２と中底６間に設けられた中間
部材であり、支持部材２０と同様弾性部材より成る。

この中空部材２１は空間部を所定の高さに保つため設け
られている。

更に、２２は空間部内方周縁で外底２に対し中底６を弾
力性を持って所定間隔に支持するため、外底２内側とポ
ンプ体８ａの間の空間にそれぞれ設置された弾性部材よ
り戒るクッション部材である。

このクッション部材２２の全体形状はポンプ体８ａと外
底２の内側部間の空間の形に適合すると共に、それ自体
の伸縮を自在としかつ空気の移動を良くするためにポン
プ体８ａ及び外底２の内側部に対しわずかな間隙を形成
するような形状であり、その断面形状は外底２と中底６
との間に弾力性を与えかつその伸縮により空間部周縁の
空気を良好に拡散できるよう各々外方を向いたコ字形を
呈している（第２図）。

また、その高さは空間部周縁の空気がポンプ体８ａ側へ
良好に移動できるよう中底６の裏面との間にわずかな間
隙２３を形成する程のものである（第２図）。

ここで、以上の如く構成される本考案の一実施例に係る
履ｅ７１の動作について説明する。

履物１に着用した歩行者の荷重が負荷されると、中底６
が下方に押されて変形しポンプ体８ａをその吸気孔１０
を塞ぎつつ圧縮する。

このため、ポンプ体８ａは押しつぶされ、空気室９内の
空気は排気孔１１より通気管１３を通って土平踏部２′
付近（後方）へ放出される。

また、その放出された空気は、中底６の通気孔７を介し
て履物１内部に送られ足首周辺に形成される隙間部分よ
り、また、前記メツシュＭの部分より外部へ放出される
。

次に、歩行者の荷重が履物１を離れると、空間部自体の
復元力及び支持部材２０等の弾性により中底６が元に戻
ると共に、同時に吸気孔１０の閉塞を解かれたポンプ体
８ａが自らの復元力により復元する。

このポンプ体８ａの復元力により空間部前方に溜ってい
る空気が吸気孔１０より空気室９内に吸入されると共に
、外部の空気が足首周辺の隙間部分及びメツシュＭの部
分より履物１内部及び中底６の通気孔７を介して空間部
内に供給される。

この際、吸気孔１０からの空気の吸入は、ポンプ体８ａ
の上面と中底６の下面との間に形成された間隙１４を介
して安定的に行われる。

以上により、履物１内に溜った古い空気と外部の新鮮な
空気の循環が行われ履物１内部が換気される訳である。

また、以上の動作において、長期の使用等により中底６
が変形しポンプ体８ａの上面部に当接した状態になって
も、前述したようにポンプ体８ａの上面部には吸気孔１
０に通じる溝部１２が形成されているのでポンプ体８ａ
復元に伴う空気の吸入はその溝部１２を介して何ら支障
なく行われる。

更に、支持部材２０の弾力性により空間部自身の圧縮、
復元も良好に行われるので、ポンプ体８ａの圧縮、復元
による空気の排出、吸入がより良好なものとなる。

また、上記動作に際し、空間部の周縁はクッション部材
２２により支持されているのでフランジ部４の縁の部分
での中底６の変形が良好に防止されると共に、空間部局
縁の空気はクッション部材２２の伸縮により拡散される
のでポンプ体８ａの空気の吸収、排出による換気がより
効果的に行われるようになることは容易に理解されよつ
。

尚、ポンプ体の構造については第４図及び第５図に示す
ものに限定されるものではなく、その他のものとしては
第６図と第７図に示すもの等がある。

第６図に示すポンプ体８ｂは吸気孔１０の部分で幅方向
にくびれ部２３を形成した形状であり、その他の構成は
ポンプ体８ａと同じである。

また、第７図に示したポンプ体８Ｃは、ポンプ体８ａの
ように溝部１２を設けず上面部のうち吸気孔１０が位置
する部分がくぼみ部２５をそれ以外の部分が突出部２６
を威すよう形成されている。

よって、ポンプ体８Ｃの上面部に中底が変形して当接し
たとしても、くぼみ部２５が溝部１２と同様の働きをし
空気の吸入が妨げられることはない。

このポンプ体８Ｃも当然本考案に含まれる。

また、溝部の形状についてであるが、第８図に示すポン
プ体８ａの溝部１２の他、第９図及び第１０図に示す溝
部１２′及び１２″のような形状のものが考えられる。

以上説明したように本考案によれば、中底が変形してポ
ンプ体上に当接した状態となっても吸気孔からの空気の
吸入が良好に持続するので、長期にわたって効果的な換
気が保たれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る履物の側断面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ’線部分における縦断面図、第３図
は上記実施例に係る履物の外底上面を示す平面図、第４
図はポンプ体の一部を切欠いた状態の斜視図、第５図は
そのポンプ体の側断面図、第６図はポンプ体の他例を示
す斜視図、第７図はポンプ体の更に他例を示す側断面図
、第８図から第１０図はポンプ体の溝部の形状を示した
平面図である。 ここで、１・・・・・・履物、２・・・・・・外底、５
・・・・・・甲皮、６・・・・・・中底、７・・・・・
・通気孔、８ａ、８ｂ、８Ｃ・・・・・・ポンプ体、１
０・・・・・・吸気孔、１１・・・・・・排気孔、１２
・・・・・・溝部、１３・・・・・・通気管、２０・・
・・・・支持部材である。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）外底と中底との間に形成した空間部の前方に該空
   間部内で空気の吸入と排出を行う弾性部材より戊る中空
   状のポンプ体であって上面部に吸気孔を後端に排気孔を
   有する該ポンプ体を備えかつ前記中底上に履物内部と連
   通ずる複数個の通気孔を設けた履物において、前記ポン
   プ体の上面部に前記中底が当接した場合にも前記吸気孔
   が前記ポンプ体外部と連通ずるよう前記吸気孔を前記ポ
   ンプ体の上面部に形成したくぼみ部に設けたことを特徴
   とする履物。
2. （２）くぼみ部が吸気孔からポンプ体の幅方向に延びる
   溝であることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の履物。
3. （３）くぼみ部がポンプ体の長さ方向に波状に形成した
   上面部の一部であることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の履物。