JPH0122495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、足裏の乾燥と保湿を計りうる靴の中
敷に関する。

〔従来の技術〕

靴の中敷の通気性を向上するためには、従来
は、表裏に貫通する孔を、中敷の全面に多数設け
たり、足の裏と接する表層部材を、ナイロン製等
の目の粗い網からなるものとしたりしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

靴の中敷において、足の裏と常に密着している
部分における通気用の孔は、足の裏と靴の底によ
つて塞がれているため、足の裏の汗を吸い取つた
中敷の表層部材のこの部分は、容易に乾くことは
ない。

表層部材を、耐摩耗性と通気性を有するナイロ
ン網等としたものもあるが、ナイロン網自体には
吸湿性はないので、汗は吸いとられず、また、ナ
イロン網は滑り易いので、歩行上必ずしも好適と
は言えない。

一方、中敷の表層部材を、余りにも通気性の高
いものとすると、これに直接接している足の裏
の、保湿性は低下する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、吸湿性、通気性、乾燥性、及び保湿
性を高めた中敷を提供することを目的とするもの
で、少なくとも足の裏と密着する部分の表面に、
遠赤外線塗料を、適宜のパターンをもつて、分散
して塗布し、かつ足の土踏まずに相当する部分
に、表裏に貫通する多数の細孔を穿設した吸湿性
の高い表層部材と、該表層部材の直下に積層され
た、側方向に通気性の高い中間層部材と、該中間
層部材の下側に積層された、遠赤外線を反射する
ことができ、かつ通気性を有しない下層部材とも
つて、上述の問題点を解決する。

〔実施例〕

図は、本考案に係る靴の中敷の一実施例を示す
もので、以下図面に基づき詳述する。

中敷１における足の裏と接する表層部材２は、
吸湿性の高い皮又は不織布からなつている。

表層部材２の表面２ａ全面には、遠赤外線放射
性塗料３が、一定の形の単位模様４を２軸方向に
連続させたパターンとして塗布されている。遠赤
外線放射性塗料３の市販品としては、帝国インキ
製造（東京都荒川区西尾久８−43−２）から販売
されている「遠赤外線インキ」及び、日板研究所
（横浜市神奈川区東神奈川２−３−１）から販売
されている「CRC−001」等がある。

単位模様４は、黒塗りして示してある塗料の塗
布部分４ａの面積を、正方形の仮想線で示す単位
模様４の全領域の面積の約1/2とした塗布率50％
の文、文字、記号、図形等からなるものである。

白抜きしてある模様の抜き部分４ｂは、遠赤外
線放射性塗料３が塗布されておらず、表層部材２
の表面２ａが露出している部分であり、この抜き
部分４ｂの合計面積は、中敷１全体の面積の約1/
２となつている。

第１図において、単位模様４が欠除されている
部分は、足の土踏まず５の直下に位置する土踏ま
ず部２ｂで、この土踏まず部２ｂには、表層部材
２の表裏に貫通する多数の細孔２ｃが設けられて
いる。

遠赤外線放射性塗料３が塗布される部分は、少
なくとも、足の裏と密着する部分であり、上記土
踏まず部２ｂには、遠赤外線放射性塗料３の塗布
を省略しておいてもよい。

表層部材２の直下には、側方向に通気性を有す
る中間層部材６が積層されている。この中間層部
材６は、例えばナイロン網、又は粗目の織物等か
らなり、織目の間を横方向に通気しうるものであ
る。

中間層部材６の下側には、遠赤外線及びその他
の波長の幅射熱を良く反射することができ、かつ
通気性を有しない下層部材７が積層されている。
この下層部材７としては、アルミニユーム箔が適
している。

上述の如く構成された中敷１の使用状態におい
は、表層部材２の表面２ａが露出している塗料の
抜き部分４ｂは、足の裏の汗を吸収し、また、表
面２ａ上の遠赤外線放射性塗料３は、足の熱によ
つて加熱されて、遠赤外線を放射し、足の裏に遠
赤外線を照射する。

遠赤外線は、足の裏の皮下深部に浸透して、足
の血行を良くし、足を暖める。

表層部材２に吸収された汗の水分は、表層部材
２の中に分散して、それを湿らせる。

表層部材２の土踏まず部１ｂの上部には、土踏
まず５と中敷１の間に空間Ａができ、この空間Ａ
は、歩行に際して、狭くなつたり広くなつたりす
る。

歩行中に足に体重を掛けると、土踏まず５の部
分がやや下降して、空間Ａが狭くなり、圧縮され
た空間Ａ内の空気は、表層部材２における細孔２
ｃを通つて、中間層部材６内に流入する。

空間Ａにある空気には、靴の外からの新鮮な空
気が混入するので、空間Ａの空気は、爪先部や踵
部に溜つている空気に比較して、湿度が低くなつ
ている。

この空間Ａの比較的低湿度の空気が、表層部材
２を通過することにより、表層部材２中の水分は
除去される。

足を上げると、空間Ａは拡大するが、この際外
気は、土踏まず５の側方から流入するので、細孔
２ｃに負圧が作用して、中間層部材６内の空気を
空間Ａへ逆流させることはない。

このように、歩行に伴う空間Ａの拡縮は、ポン
プ作用をして、比較的新鮮な空気を、細孔２ｃを
経て中間層部材６の中に断続的に送り込む。従つ
て、表層部材２は裏面から乾かされ、かつ中敷１
の中、及び靴の中に空気溜りが生じるのが防止さ
れる。

下層部材７は、非通気性のものであるから、中
間層部材６の中を空気が横方向に流れるための壁
となるとともに、表層部材２の裏面から放散され
る幅射熱と、靴底側から放射される幅射熱を反射
して、靴の内部を保温する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、中敷１の表面から遠赤外線を
放射して、足の血行を良くし、しかも、中敷１の
層部材の中、及び靴の中に、澱んだ空気溜りを生
じることなく、かつ汗を吸い取つた表層部材２
は、その裏面から乾燥されるため、足の裏の一部
が表層部材２に接触していても、表層部材２の全
面は、常に低温度に保たれる。

また、表層部材２を乾燥するための空気の流れ
は、足の裏に直接接触しないので、足の保湿性が
高く、しかも、表層部材２の裏面における下層部
材７が、赤外線等の幅射熱を反射するため、保湿
性はより高いものとなる。

従つて、本考案に係る中敷を使用すると、靴の
内部を、常に汗を吸収し易い状態に保ち、しかも
足の血行を良くし、また澱んだ空気溜りを生じな
いので、足の健康を保つ上で好適である。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の一実施例を示すもので、第１図
は、本考案に係る靴の中敷の遠赤外線塗料による
模様の１部を除去して示す、平面図、第２図は、
第１図における−線断面図である。 １……中敷、２……表層部材、２ａ……表面、
２ｂ……土踏まず部、２ｃ……細孔、３……遠赤
外線放射性塗料、４……単位模様、４ａ……塗布
部分、４ｂ……抜き部分、５……土踏まず、６…
…中間層部材、７……下層部材、Ａ……空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 少なくとも足の裏と密着する部分の表面に、
   遠赤外線塗料を、適宜のパターンをもつて、分
   散して塗布し、かつ足の土踏まずに相当する部
   分に、表裏に貫通する多数の細孔を穿設した吸
   湿性の高い表層部材と、該表層部材の直下に積
   層された、側方向に通気性の高い中間層部材
   と、該中間層部材の下側に積層された、遠赤外
   線を反射することができ、かつ通気性を有しな
   い下層部材とからなる靴の中敷。 (2) 遠赤外線塗料が、単位模様の連続繰返しによ
   つて、表層部材の全面に塗布されている実用新
   案登録請求の範囲第(1)項に記載の靴の中敷。 (3) 遠赤外線塗料が、単位模様の連続繰返しによ
   つて、表層部材の土踏まずの直下を除く表面に
   塗布されている実用新案登録請求の範囲第(1)項
   に記載の靴の中敷。 (4) 表層部材が皮である実用新案登録請求の範囲
   第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の靴の中
   敷。 (5) 表層部材が不織布である実用新案登録請求の
   範囲第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の靴の
   中敷。 (6) 中間層部材が織物である実用新案登録請求の
   範囲第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の靴の
   中敷。 (7) 中間層部材がナイロン網である実用新案登録
   請求の範囲第(5)項に記載の靴の中敷。 (8) 下層部材がアルミニユーム箔である実用新案
   登録請求の範囲第(1)項乃至第(7)項のいずれかに
   記載の靴の中敷。