JPH03473B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、主として小規模の建築工事におい
て、足場板、足場ネツト、手摺、布板等の層が低
い仮設足場を構築する際に使用される低層用足場
構築方法に関するものである。

［発明の技術的背景とその問題点］ 従来、この種の足場構築方法としては、垂直方
向の建地パイプに水平方向の足場受ブラケツト、
手摺受、布板受ブラケツトや斜め方向の筋違い等
の各横架部材を固定する際に、略半円状のクラン
プ本体と、このクランプ本体の一端部に揺動自在
に軸支された挟持体と、クランプ本体の他端部に
揺動自在に軸支された挟持体締付用の締付ボルト
とから成るボルト式クランプをすべて用いてい
た。しかしながら、建地パイプに足場受ブラケツ
ト、筋違い、手摺受、布板受ブラケツト等の各横
架部材を堅固には固定できるが、これらの各横架
部材の固定位置が一定していないため、足場受又
は足場ネツト、手摺、布板等のレベルが出にくい
ことと、締付ボルトのナツトの締緩操作が必要で
あることとによつて、足場の組立及び分解に長時
間かかり、作業性が頗る悪かつた。

［発明の目的］ そこで本発明は、叙上のような問題点を解消す
るために創出されたもので、足場受ブラケツト、
筋違い、手摺受、布板受ブラケツト等の各横架部
材の固定位置を一定にし、且つ締付ボルトのナツ
トの締緩操作を不要にすることによつて、足場の
組立時間及び分解時間を短縮して作業性の向上を
著しく図れるような低層用足場構築方法を提供す
るものである。

［発明の概要］ 本発明の要旨とするところは、相対向する左右
面及び前後面に固定穴が交互に且つ長手方向へ等
間隔に設けられた複数本の垂直方向の建地パイプ
と、クランプ本体の一端部及び他端部に夫々挟持
体及びクサビ付き締付杆を有し且つクランプ本体
の内面に固定突起を有するクサビ式クランプが一
端部又は長手方向中央部に設けられた複数個の水
平方向の足場受ブラケツト、手摺受、布板受ブラ
ケツトや斜め方向の筋違い等の各横架部材とを形
成し、前記各建地パイプの同一高さの相対向する
固定穴に各横架部材のクサビ式クランプの固定突
起を嵌入した後、クサビ式クランプの挟持体を締
付杆のクサビで締付けるように固定することに存
するものである。

［発明の実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面に基いて説明す
る。

本発明の低層用足場構築方法は図に示すように
複数本（図中は５本）の各建地パイプ１Ａ，１
Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅに複数個の足場受ブラケツ
ト２、筋違い３、手摺受４、布板受ブラケツト５
等の各横架部材をクサビ式クランプ６を用いて固
定するようにしたものである。

前記各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１
Ｅは、第１図に示すように相対向する左右面及び
前後面に同一径の固定穴７を交互に且つ長手方向
へ等間隔に設けるように形成されている。

前記足場受ブラケツト２は、第１図乃至第３図
に示すように、水平材８の長手方向中央部に前記
クサビ式クランプ６を設け、且つ水平材８の両端
部上側には足場板９又は足場ネツト両端のフツク
１０係止用の凹部１１を設けるように形成されて
いる。そして、クサビ式クランプ６は、水平材８
の長手方向中央部に略半円状のクランプ本体１２
を設け、このクランプ本体１２の一端部には、先
端部に嵌合部１３が凹設された略半円状の挟持体
１４を連結ピン１５にて揺動自在に支持し、且つ
クランプ本体１２の他端部には、先端部にクサビ
１６差込用の差込孔１７が穿設された締付板１８
付き締付杆１９を、コ字形状の軸受２０を介して
連結ピン２１にて揺動自在に支持し、クランプ本
体１２内面には前記各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１
Ｃ，１Ｄ，１Ｅの固定穴７嵌入用の固定突起２２
を固着するように形成されている。また、クサビ
１６は幅が一端から他端方向へ行くに従つて順次
広くし、且つ両端部には差込孔１７から抜出すの
を防止するための抜止突起２３が設けられてい
る。

前記筋違い３は、第１図及び第３図に示すよう
に前記足場受ブラケツト２と同様なクサビ式クラ
ンプ６の固定突起２２付きクランプ本体１２の両
端に連結孔２４付き連結片２５を突設し、この各
連結片２５の連結孔２４には、前記足場板９の両
端部下面に係止する斜板２６を連結するように形
成されている。

前記手摺受４は、第１図及び第４図に示すよう
に、水平材２７の一端に前記足場受ブラケツト
２、筋違い３と同様なクサビ式クランプ６の固定
突起２２付きクランプ本体１２の外面を固着し、
且つ水平材２７の他端部上面には手摺２８両端係
止用の出没自在なグラビテイロツク２９付き係止
ピン３０を突設するように形成されている。

前記布板受ブラケツト５は、第１図及び第５図
に示すように、水平材３１の一端に前記足場受ブ
ラケツト２、筋違い３、手摺受４と同様なクサビ
式クランプ６付きクランプ本体１２の外面を固着
し、この水平材３１の他端部下面には、一端にＵ
字形状のパイプ受３２の閉塞側外面が固着された
斜材３３のとの他端部側相互間には垂直な補強材
３４を架設し、更に水平材３１の両端部側面には
布板３５両端のクサビ片３６差込用の差込部３７
を夫々設けるように形成されている。

また、図において３８は根搦３９の両端に固着
された締付金具であつて、この締付金具３８は略
し字形状の金具本体４０の長辺側一端部に建地パ
イプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅ締付用のクサ
ビ片４１を差込自在に貫装されており、そして各
建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅ相互間
の１スパンおきに水平材３１両端の締付金具３８
中心部内面には前記各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１
Ｃ，１Ｄ，１Ｅの固定穴７嵌入用の固定突起（図
示せず）が設けられている。

すなわち、叙上のような複数本の垂直方向の各
建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅと、複
数個の水平方向の足場受ブラケツト２、手摺受
４、布板受ブラケツト５や斜め方向の筋違い３等
の各横架部材とを形成し、各建地パイプ１Ａ，１
Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅの同一高さの相対向する固
定穴７に各横架部材のクサビ式クランプ６の固定
突起２２を嵌入した後、クサビ式クランプ６の挟
持体１４を締付杆１９のクサビ１６で締付けるよ
うに固定するものである。

［発明の効果］ 本発明は、叙上のような構築方法にしたから、
組立時においては、第１図に示すように各建地パ
イプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅを、下端にジ
ヤツキベース４２を介して適宜間隔に立設し、こ
の各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅの
最下位の同一高さの相対向する固定穴７に根搦３
９の締付金具３８の固定突起を嵌入してクサビ片
４１で仮り締めにしておき、各建地パイプ１Ａ，
１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅのジヤツキベース４２で
レベルを出してからクサビ片４１で本締めにする
ことにより、各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１
Ｄ，１Ｅがその後に組付ける足場受ブラケツト
２、筋違い３、手摺受４、布板受ブラケツト５等
の各横架部材の位置決めの役目を果すため、各横
架部材の固定位置が一定して足場受９又は足場ネ
ツト、手摺２８、布板３５等のレベルが容易に出
ることと、クサビ式クランプ６を用いているた
め、従来のような締付ボルトのナツトの締緩操作
が不要になることとが相俟つて、足場の組立時間
及び分解時間が従来よりはるかに短縮できて作業
性の向上を著しく図ることができる。

しかも、各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１
Ｄ，１Ｅの同一高さの相対向する固定穴７に足場
受ブラケツト２、筋違い３、手摺受４、布板受ブ
ラケツト５等の各横架部材のクサビ式クランプ６
の固定突起２２を嵌入した後、クサビ式クランプ
６の挟持体１４を締付杆１９のクサビ１６で締付
けるように固定することにより、クサビ式クラン
プ６の固定突起２２が各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，
１Ｃ，１Ｄ，１Ｅの固定穴７にしつかりと係止さ
れているため、従来のようなクランプ本体と挟持
体と締付ボルトとから成るボルト式クランプより
各建地パイプ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅに足
場受ブラケツト２、、筋違い３、手摺受４、布板
受ブラケツト５等の各横架部材をはるかに堅固に
固定することができる。

以上説明したように本発明の足場構築方法によ
れば、足場の組立時間及び分解時間が従来よりは
るかに短縮できて作業性の向上を著しく図ること
ができ、しかも、従来のボルト式クランプより各
建地パイプに足場受ブラケツト、筋違い、手摺
受、布板受ブラケツト等の各横架部材をはるかに
堅固に固定することができる等の諸効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は足場を組立てた状態の斜視図、第２図は足場受
ブラケツトを建地パイプに固定した状態の一部切
欠き平面図、第３図は同上の側面図、第４図は手
摺受を建地パイプに固定した状態の一部切欠き側
面図、第５図は布板受ブラケツトを建地パイプに
固定した状態の一部切欠き側面図である。 １Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅ……建地パイ
プ、２……足場受ブラケツト、３……筋違い、４
……手摺受、５……布板受ブラケツト、６……ク
サビ式クランプ、７……固定穴、８……水平材、
９……足場板、１０……フツク、１１……凹部、
１２……クランプ本体、１３……嵌合部、１４…
…挟持体、１５……連結ピン、１６……クサビ、
１７……差込孔、１８……締付板、１９……締付
杆、２０……軸受、２１……連結ピン、２２……
固定突起、２３……抜止突起、２４……連結孔、
２５……連結片、２６……斜材、２７……水平
材、２８……手摺、２９……グラビテイロツク、
３０……係止ピン、３１……水平材、３２……パ
イプ受、３３……斜材、３４……補強材、３５…
…布板、３６……クサビ片、３７……差込部、３
８……締付金具、３９……根搦、４０……金具本
体、４１……クサビ片、４２……ジヤツキベー
ス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 相対向する左右面及び前後面に固定穴が交互
   に且つ長手方向へ等間隔に設けられた複数本の垂
   直方向の建地パイプと、クランプ本体の一端部及
   び他端部に夫々挟持体及びクサビ付き締付杆を有
   し且つクランプ本体の内面に固定突起を有するク
   サビ式クランプが一端部又は長手方向中央部に設
   けられた複数個の水平方向の足場受ブラケツト、
   手摺受、布板受ブラケツトや斜め方向の筋違い等
   の各横架部材とを形成し、前記各建地パイプの同
   一高さの相対向する固定穴に各横架部材のクサビ
   式クランプの固定突起を嵌入した後、クサビ式ク
   ランプの挟持体を締付杆のクサビで締付けるよう
   に固定することを特徴とした低層用足場構築方
   法。