JPH0347396B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、削孔装置および削孔方向の修正方法
に関するものである。

[イ] 本発明が解決しようとする問題点 オーガスクユーを用いて例えば、水平方向に削
孔を行う場合、自重によつて掘削方向が下方へず
れたり、あるいは下方以外にオーガスクリユーの
回転方向にずれる傾向があり、正確な直進性を保
持して削孔を行うことは困難である。

[ロ] 本発明の目的 本発明はこのような問題が解決するためになさ
れたもので、簡単な構造で、削孔時に掘削方向を
修正して削孔予定線通りに直線性を保持して削孔
できる、削孔装置および削孔方向の修正方法を提
供することを目的とする。

[ハ] 問題点を解決するための手段 本発明は、周面に削孔用の羽根を設け、軸心を
避けた位置に内挿孔を開設してなる中空オーガ
と、中空オーガの内挿孔に内挿するロツドであつ
て、このロツドの前端部をロツドの中心軸に対し
て平行に曲折し、曲折したロツドの前端部に掘削
用の羽根を設けてなるパイロツトロツドからな
り、パイロツトロツドと中空オーガに同時にまた
は任意に回転力と軸方向の推進力を与えられるよ
う構成してなる、削孔装置を使用して、修正方向
に中空オーガの内挿孔を位置させ、中空オーガの
回転を停止させた状態でパイロツトロツドで余掘
りして修正方向に寄つた拡孔を開設し、次に中空
オーガを回転させながら修正方向に掘進させて行
う削孔方向の修正技術である。

[ニ] 実施例 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例に
ついて説明する。

まず、削孔装置について説明する。

(1) 削孔装置全体の説明（第１図） 削孔装置１は、駆動手段を備えた中空オーガ
２とパイロツトロツド３で構成する。

(2) 中空オーガ（第１，２図） 中空オーガ２は、両端開放形の中空管の外周
にらせん状に羽根２１を取り付けて形成する。

中空オーガ２の内部には、中空オーガ２の軸
心線Ｃ１から外れた位置にパイロツトロツド３
を内挿するための内挿孔２２を開設する。

この内挿孔２２の中心軸線Ｃ２は中空オーガ
２の中心軸線Ｃ１と平行に位置をずらして形成
したものである。

また、内挿孔２２の口径は、パイロツトロツ
ド３の外径より僅かに大きく形成し、パイロツ
トロツド３を挿入したときに内挿孔２２との間
に必要以上の遊びを生じない程度とする。

中空オーガ２を形成するには、本実施例のよ
うに直接内挿孔２２を開設する方法の他に、パ
イロツトロツド３を内挿するための鋼管と、こ
の鋼管を収納するための鋼管を使用して形成し
た二重管構造のもの採用することもできる。

(3) パイロツトロツド（第１，２図） パイロツトロツド３は、先端ロツド３１と延
長用ロツド３２からなる。

先端ロツド３１の先端部には数巻程度のスク
リユー羽根３３を形成し、後端には延長用ロツ
ド３２を接続してパイロツトロツド３を形成す
る。

先端ロツド３１のロツド部分は、スクリユー
羽根３３の尾端を境にしてクランク形に曲折
し、平行な２本の軸心を持たせた形成する。

すなわち、延長用ロツド３２と接続する側の
ロツドの軸心（内挿孔２２の中心軸線Ｃ２と同
じ）とスクリユー羽根３３を有する側のロツド
の軸心Ｃ３は平行に形成する。

さらに、軸心Ｃ３を中空オーガ２の軸心線Ｃ
１に一致させて形成する場合もある。

両ロツド３１，３２間と延長用ロツド３２間
のの接続は、延長用ロツド３２の基端からの回
転運動を確実に先端ロツド３１へ伝達できるよ
う例えばねじ込みして接続する。

また、延長用ロツド３２の周面上には、例え
ば本実施例のように延長用ロツド３２の断面が
円形の場合には、平面図３４を形成しておく。

このパイロツトロツド３は、内挿孔２２に回
転自在で、かつ軸方向のスライドを可能に内挿
して使用する。

(4) 駆動手段（第１図） 通常の掘進時には中空オーガ２に機械的な回
転力と軸方向の推進力を与えて削孔を行う。
（中空オーガ２が回転すればその結果偏心位置
に内挿したパイロツトロツド３も回転すること
になる） 削孔方向を修正する際にのみ、パイロツトロ
ツド３に独立した回転を与えられるように構成
する。

このように２種類の回転力を与えるには、例
えば第１図に示すように、中空オーガ２の基端
に回転運動を発生する油圧モータ内蔵の駆動装
置４を、車輪４１付きの台車４２に登載して配
備する。

そして、中空オーガ２に回転と軸方向のスラ
イド運動を付与できるように構成する。

さらに、パイロツトロツド３のみに回転を伝
達出来るよう構成する。

そのために、中空オーガ駆動盤４３内に遊星
状にパイロツトロツド駆動盤４４を自転および
公転可能に設置する。

パイロツトロツド３に自動運動を伝達するに
は、例えば第３図に示す連結体５を使つて行う
事ができる。

パイロツトロツド駆動盤４４に係止溝２４を
凹設する。

一方、連結体５の一部に中心へ向けて、延長
用ロツド３２の平面部３４を狭持できる幅の切
り込み５１を開設し、さらにこの馬蹄形の鋼盤
の一面に係止溝２４と対応させて突起体５２を
突接して連結体５を形成する。

この連結体５の突起体５２を係止溝２４に挿
入して装着することによつて、パイロツトロツ
ド駆動盤４４の回転をパイロツトロツド３へ伝
達する構造である。

なお、装着時に連結体５が離脱しないよう
に、切り込み５１内に止めバネ５３の自由端を
突出させておく。

次に削孔方法について説明する。

(1) 直進削孔 駆動装置４の中空オーガ駆動盤４３を回転さ
せながら中空オーガ２に回転運動を与えながら
削孔を進める。

中空オーガ２の中心軸線Ｃ１上に先端ロツド
３１の削孔部分が位置するので、外形上は、従
来のオーガスクリユーとなんら変わりなく、羽
根２１とスクリユー羽根３３の外径と等しい径
の孔Ｌ１が開設されて行く。

(2) 削孔方向の修正 削孔方向にずれを生じたら、次のようにして
修正する。

＜修正方向の確定＞ まず、ずれの方向を確認する。

本実施例では、削孔予定線から下方にずれた
場合を一例に説明する。

ずれの方向を確認したら中空オーガ２の内挿
孔２２を、ずれの反対方向（修正方向）に位置
させ、すなわち、本実施例では最上位に位置さ
せた後、中空オーガ２の回転を停止する。

＜パイロツトロツドによる掘進＞（第４図） 次に連結体５を延長用ロツド３２の基端に取
り付け、パイロツトロツド駆動盤４４に回転を
与えてパイロツトロツド３のみを前進させる。

先端ロツド３１は、内挿孔２２の中心（中心
軸線Ｃ２）を中心に回転しながら前進するの
で、修正方向に向けた拡孔が開設される。

パイロツトロツド３は、スクリユー羽根３３
が土との接触面積を削孔に必要な最少面積を確
保して形成してあるから、土圧抵抗が小さくて
済み、容易にパイロツトロツド３を前進させる
ことができる。

パイロツトロツド３をある程度掘進させたら
パイロツトロツド３の回転を停止する。

＜中空オーガの掘進＞ 次に、駆動装置４を使つて中空オーガ２のみ
に回転を与える。

あらがじめ中空オーガ２の掘進に先行して、
パイロツトロツド２によつて修正方向に余掘り
してある。

従つて、中空オーガ２に回転を与えて推進さ
せると、中空オーガ２は羽根２１に受ける土圧
抵抗の小さい修正方向（本実施例の場合は上
方）に徐々に向きを変えて前進し、第５図のＬ
２の範囲の拡孔が形成される。

以上のようにして、中空オーガ２を削孔予定線
上まで復帰させたら、中空ロツド２に駆動装置４
からの回転を伝えて削孔を行う。

また、ずれが大きい場合には、以上の修正作業
を何度か繰り返して行う。

[ホ] 効果 本発明は以上説明したようになるから次のよう
な効果を期待することができる。

(1) 削孔予定線からずれた場合には、中空オーガ
の内挿孔をずれの逆方向（修正方向）に位置さ
せて、パイロツトロツドによつて修正方向に寄
つた拡孔を開設した後、中空オーガを回転させ
て掘進して削孔方向の修正を行う。

従つて、削孔方向の修正が容易であり、修正
精度が従来技術に比べて著しく向上する。

(2) 削孔装置の前部に削孔方向の修正のための油
圧装置やその他の機器を装備しないので、削孔
装置の構造が簡単となり、コンパクト化が可能
である。

(3) 削孔方向を修正する際、パイロツトロツドで
地中の各種埋設物を確認しながら掘進できるの
で、埋設管等が存在する場合でも事前に発見で
き破損せずに対処できる。

従つて、削孔作業の安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図：削孔装置の一実施例の説明図、第２
図：削孔装置の主要な個所の部分断面図、第３
図：連結体の装着方法の説明図、第４図：削孔方
向の修正方法の説明図、第５図：削孔方向の修正
前後の削孔径の説明図 １：削孔装置、２：中空オーガ、３：パイロツ
トロツド、４：駆動装置、２２：内挿孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周面に削孔用の羽根を設け、 軸心を避けた位置に内挿孔を開設した中空オー
   ガと、 中空オーガの内挿孔に内挿するロツドであつ
   て、このロツドの前端部をロツドの中心軸に対し
   て平行に屈折し、屈折したロツドの前端部に掘削
   用の羽根を設けたパイロツトロツドからなり、 パイロツトロツドと中空オーガに同時にまたは
   任意に回転力と軸方向の推進力を与えられるよう
   に構成した、 削孔装置。 ２ ロツドの前端部をロツドの中心軸に対して平
   行に屈折し、屈折したロツドの前端部に掘削用の
   羽根を設けたパイロツトロツドを、 外周に削孔用の羽根を設けた中空管であつて、
   この空中管の軸心から外れた位置に軸心と平行に
   内挿孔を開設してなる中空オーガ内に挿入し、 修正すべき方向に中空オーガの内挿孔を位置さ
   せ、 中空オーガの回転を停止した状態でパイロツト
   ロツドにより修正方向に削孔中心が偏つた拡孔を
   余掘し、 つぎに中空オーガを掘進させて中空オーガの削
   孔中心を土圧抵抗の小さい拡孔方向へ移動させて
   削孔方向を修正する、 削孔方向の修正方法。