JPH03469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、地中に下水道管、ガス管、ケーブル
挿入管などを埋設する場合、地表から開削せず
に、たて坑側壁から掘削しながら埋設管を地中に
圧入推進する装置の推進時の曲がり修正機構に関
するものである。

かかる埋設管推進装置として、埋設管の先端に
刃口を有する先導管を装着し、先導管及び埋設管
内にスクリユーを挿入したケーシングを設置して
二重管構造とし、スクリユー先端にオーガーヘツ
ドを取付け、オーガーヘツドで掘削した土砂を、
スクリユーで後方に排出し、同時に埋設管及び先
導管を押し進めるようにしたものがある。

この装置を使用すれば、地表を開削せずに工事
を行えるので非常に便利なものであるが、まず従
来の埋設管推進装置について説明し、よつて本考
案の目的を明らかにする。

第１図は従来例を示す一部切欠いた側面図で、
コンクリートヒユーム管等の埋設管１の先端にバ
ツクアツプパイプ３とこれに接続する先導管２を
取付け、先導管２の先端に断面三角匣状の刃口４
を遊嵌し、刃口４の背面に方向修正用の油圧ジヤ
ツキ５を取付け、埋設管１及びバツクアツプパイ
プ３、先導管２内にケーシング６を挿入し、この
ケーシング６を下面に設けた橇状の足で埋設管１
及び先導管２等の内壁上に支承する。

ケーシング６内にスクリユー８を貫通し、スク
リユー８の先端にオーガーヘツド９を取付け、こ
のオーガーヘツド９を刃口４の前方内部に位置さ
せる。

埋設管１の後端は、発進孔１０内に設置する基
台１１上を摺動させ、排土口１２を有する支持体
１３に嵌合させ、該支持体１３に推進ジヤツキ１
４を取付けて、発進孔１０の反力受１５で反力を
取る。

また、スクリユー８の後端はモーター及び歯
車、無端チエーンを枠体又は箱体に収納した駆動
装置１６に連結する。図中、１７は推進ジヤツキ
１４等の油圧操作盤、１８は方向修正用の油圧ジ
ヤツキ５の油圧操作盤を示す。

このようにして、駆動装置１６によりスクリユ
ー８及びオーガーヘツド９を回転させれば、先導
管２の刃口４の前部土砂は、ヘツド９で掘削さ
れ、スクリユー８で光導管２及び埋設管１内のケ
ーシング６内を後方に運ばれ、排土口１２より排
出される。

同時に推進ジヤツキ１４を伸長すれば、支持体
１３を介して埋設管１及び先導管２は前進し、方
向修正は油圧ジヤツキ５を作動して刃口４の向き
を変えることにより行う。

一定の距離だけ埋設管１を前進させたならば、
推進ジヤツキ１４を縮めて支持体１３を基台１１
上で後退させ、埋設管１の後端に新たな埋設管を
継ぎ足し、またケーシング６もスクリユー８も継
ぎ足し、上記一連の操作を繰返して掘削を続行
し、予定された到達孔に達したならば、埋設管１
から先導管２及びバツクアツプパイプ３を取り外
し、ケーシング６やスクリユー８等を徹去すれば
埋設管１のみが地中に残る。

ところで、方向修正について更に詳細に説明す
ると、ジヤツキ５はシリンダ５ｂからピストンロ
ツド５ａが１段階だけ突出駆動されるもので、刃
口４の向きを変えるには仮にジヤツキ５が上、
下、左、右の４本設けられているとしても必ず隣
り合う２組のジヤツキを同時駆動しなければなら
ず、その結果上、下、左、右のいずれか一方向の
修正しかできなかつた。仮に、油圧の制御回路を
きわめて高度なものとしてロツドの伸長を無限段
階に制御でききるようにすればかかる欠点はなく
なるが、このような制御回路は非常に高価なもの
となる。

本考案の目的は上記従来例の不都合を解消し、
ジヤツキの本数を増すことなくまた精巧な制御回
路を用いることなく従つて油圧ホース数も従来と
同じで従来の配管や操作盤をそのまま利用でき、
しかも上、下、左のみならず斜め45゜加えた８方
向というきめの細かい制御が可能な埋設管推進装
置の曲がり修正機構を提供することにある。

しかしてこの目的は本考案によれば、埋設管の
先端に装着する先導管に断面に三角匣状の刃口を
設け、該刃口の背後に方向修正用の油圧ジヤツキ
を配設した埋設管推進装置において、該方向修正
用の油圧ジヤツキは、シリンダチユーブの中間と
後部とに計２つの押側ポートを設け、さらに前部
には引側ポートを形成し、このシリンダチユーブ
の前記中間の押側ポートの直後に内側に向けてス
トツパーを突設し、該ストツパーと後部の押側ポ
ート間に第１のロツドを配設し、引側ポートと中
間の押側ポート間に第２のロツドを配設し、この
第２のロツドの後方は巾狭に形成してストツパー
の間から第１のロツドへ向い突設する接合部を形
成し、また該接合部端に一端が開口し、前方の側
部へ抜ける油抜き穴を第２のロツドに設け、一
方、第１のロツドの前端からは前記油抜き穴の内
部に挿入される突起を突設し、この突起の外周に
該油抜き穴との隙間を閉塞するパツキングを設け
たもので、かかる油圧ジヤツキを同一円周上に上
下左右計４個を均等間隔で設け、ジヤツキの各引
側ポートは１つの圧油管路系で接続し、また、後
部の押側ポートは左下のジヤツキと左上のジヤツ
キで１つの圧油管路系、右下のジヤツキと右上の
ジヤツキで１つの圧油管路系で接続し、さらに、
中間部の押側ポートは左上のジヤツキと右上のジ
ヤツキとで１つの圧油管路系、左下のジヤツキと
右下のジヤツキで１つの圧油管路系で接続したこ
とにより達成される。

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第２図に本考案の実施例を示す縦断側面図で、
第１図の先端部分に相当するものである。

図中は先導管、３はバツクアツプパイプ、４は
先導管２の先端に遊嵌する断面三角匣状の刃口、
６はケーシング、８はスクリユー、９はオーガー
ヘツド、７はケーシング６を支承する橇状の足で
これらの相互組合せは前記第１図で示した従来例
と同じである。

刃口４の背後と先導管２間に方向修正用の油圧
ジヤツキ１９を設けるが、このジヤツキ１９は第
４図に示すように１つのシリンダチユーブ２０の
中間と後部とに計２つの押側ポート２１と２２と
を設け、されに前部には引側ポート２３を形成し
た。このシリンダチユーブ２０の押側ポート２１
の直後に内側に向けてストツパー２４を突設し、
該ストツパー２４と押側ポート２２間のシリンダ
チユーブ２０内に第１のロツド２５を配設した。

また、同シリンダチユーブ２０内で引側ポート
２３と押側ポート２１間に第２のロツド２６を配
設し、この第２のロツド２６の後方は巾狭に形成
してストツパー２４から第１のロツド２５へ向い
突設する接合部２６ａを形成し、また該接合部２
６ａ端に一端が開口し、前方の側部へ抜ける油抜
き穴２６ｂをロツド２６の中心部に貫通させて設
けた。一方、ロツド２５の前端からは前記油抜き
穴２６ｂの内部に挿入される突起２５ａを突設
し、この突起２５ａの中央部分に該油抜き穴２６
ｂを閉鎖するためのパツキング２７を固設した。

ロツド２６の前端はチユーブ２０から大きく突
出し、その先端は刃口４側にボルト固定される取
付け金具２８内に挿入される。

さらに、このような油圧ジヤツキ１９は第３図
に示すように先導管２の縦軸線Ｘ、横軸線Ｙに対
して45゜の角度で19−１〜19−４まで計４個を同
一円周上に等間隔（90゜間隔）に設けた。

第５図は各ジヤツキ１９−１〜１９−４の操作
を行う圧油管路系を示す配管説明図で、各ジヤツ
キ１９−１〜１９−４の各引側ポート２３に接続
するホースは１つの圧油管路系すなわち１本のホ
ースＣにまとめられ、また、左下のジヤツキ１９
−１と左上のジヤツキ１９−２の押側ポート２２
に接続するホースは１つの圧油管路系すなわち１
本のホースA₁に、右上のジヤツキ１９−３と右
下のジヤツキ１９−４の押側ポート２２に接続す
るホースは１本のホースA₂にまとめられる。

さらに、ジヤツキ１９−１とジヤツキ１９−４
の押側ポート２１に接続するホースは１本のホー
スB₁に、ジヤツキ１９−３とジヤツキ１９−２
の押側ポート２１に接続するホースは１本のホー
スB₂にまとめられる。

各ホースA₁，A₂，B₁，B₂，Ｃはそれぞれカブ
ラを介して油圧操作盤１８の接続される。

なお、このような方向修正用の油圧ジヤツキ１
９以外については第１図に示す従来装置と変には
ないので説明を省略する。

次に使用法及び作用について説明すると、掘進
を続け刃口４及び先導２等が予定の方向からずれ
た場合、刃口４を曲げて方向修正を行う。

上、下、左、右のいずれか一方向にのみ刃口４
を曲げるには、操作盤２８を動かしてホースA₁，
A₂，B₁，B₂のいずれか一つに油を送り込む。

例えば刃口４を右に向ける場合には、ホース
A₁に油を送り込めば左下のジヤツキ１９−１と
左上のジヤツキ１９−２で、押側ポート２２から
注入され、第６図イ〜ロに示すようにロツド２５
がストツパー２４に当るまで前進し、これに伴い
ロツド２６もその分だけ前進してジヤツキ全体が
１段伸長することになつてまだ伸びていないジヤ
ツキ１９−３，１９−４の方、すなわち右側に刃
口４は曲がる。

同様にして刃口４を左側に向けるにはホース
A₂に油を送り込めば、ジヤツキ１９−３，１９
−４が１段だけ伸長し刃口４は左側に曲がる。

なお、その際ジヤツキ１９−１，１９−２はホ
ースＣを介して引側ポート２３に注油したもとの
位置まで縮める。

一方、刃口４を上に向けるには、ホースB₁か
らジヤツキ１９−１，１９−４の押側ポート２１
に注油すると第６図イから同図ニに示すようにロ
ツド２６のみが前進し、このロツド２６の油抜き
穴２６ｂからロツド２５の突起２５ａのパツキン
２７が離れたところで油は穴２６ｂから引側ポー
ト２３へ逃げロツド２６は止まる。従つてこのロ
ツド２６が動いた分だけジヤツキ１９−１，１９
−４が伸長して刃口４は上に向く。

同様に刃口４を下に向けるには、ホースB₁か
らジヤツキ１９−２，１９−３の押側ポート２１
へ注油してこれらを伸長すればよく、その際反対
側のジヤツキ１９−１，１９−４が前記のごとく
伸びていればホースＣを介して引側ポート２３へ
注油してこれらを縮めることになる。

次に、45゜の方向、即ち斜めに刃口４を曲げる
場合について述べる。

例えば左上斜めに修正の場合には、ホースA₂，
B₁とに送油すれば、ジヤツキ１９−４では押側
ポート２１と２２の両方に注油され、第６図イの
状態からロを経てハの状態となる。即ち、ロツド
２５の前進にロツド２６の独自の前進が加えられ
てこのジヤツキ１９−４は２段階に伸長する。

一方、ジヤツキ１９−１では押側ポート２１だ
けに注油されて第６図ニに示すようにロツド２６
だけが１段前進し、ジヤツキ１９−３では押側ポ
ート２２だけに注油されて第６図ロに示すように
ロツド２５が先ず１段前進し、このロツド２５で
押されてロツド２６が１段前進する。

従つて、左上のジヤツキ１９−２は全く伸びず
左下、右上のジヤツキ１９−１，１９−３は１
段、右下のジヤツキ１９−４は２段伸長すること
により刃口４は左上斜め方向に曲がることにな
る。

同様にして、左下斜め修正ではホースA₂とB₂
に、右上斜め修正ではホースA₁とB₁に、右下斜
め修正ではホースA₁とB₂にそれぞれ油を送り込
めばよい。

以上述べたように本考案の埋設管推進装置の曲
がり修正機構は、埋設管の先端に装着する先導管
に断面三角匣状の刃口を設け、該刃口の背後に方
向修正用の油圧ジヤツキを配設した埋設管推進装
置において、従来行つていた上、下、左、右の４
方向修正の他にそれぞれの斜め方向を加えた８方
向の修正が可能となりきめの細かい正確な方向修
正ができるものである。

また、従来と比べてジヤツキ数は増さずにす
み、従つて制御ホースの数も同じで従来品の配管
及び操作盤をそのまま使用でき、既存装置に簡単
に改良を加えるだけで安価に実現できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の埋設管推進装置を示す一部切欠
いた側面図、第２図は本考案の曲がり修正機構の
実施例を示す縦断側面図、第３図は第２図のジヤ
ツキ部分の縦断側面図、第４図は方向修正用油圧
ジヤツキの縦断側面図、第５図は各ジヤツキの操
作を行う配管説明図、第６図はジヤツキの動きを
示す縦断説明図である。 １……埋設管、２……先導管、３……バツクア
ツプパイプ、４……刃口、５……油圧ジヤツキ、
５ａ……ピストンロツド、５ｂ……シリンダ、６
……ケーシング、７……橇状の足、８……スクリ
ユー、９……オーガーヘツド、１０……発進孔、
１１……基台、１２……土砂排土口、１３……支
持体、１４……推進ジヤツキ、１５……反力受、
１６……駆動装置、１７，１８……油圧操作盤、
１９，１９−１，１９−２，１９−３，１９−４
……ジヤツキ、２０……シリンダチユーブ、２
１，２２……押側ポート、２３……引側ポート、
２４……ストツパー、２５，２６……ロツド、２
５ａ……突起、２６ａ……接合部、２６ｂ……油
抜き穴、２７……パツキン、２８……取付け金
具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 埋設管の先端に装着する先導管に断面に三角匣
   状の刃口を設け、該刃口の背後に方向修正用の油
   圧ジヤツキを配設した埋設管推進装置において、 該方向修正用の油圧ジヤツキは、シリンダチユ
   ーブの中間と後部とに計２つの押側ポートを設
   け、さらに前部には引側ポートを形成し、このシ
   リンダチユーブの前記中間の押側ポートの直後に
   内側に向けてストツパーを突設し、該ストツパー
   と後部の押側ポート間に第１のロツドを配設し、
   引側ポートと中間の押側ポート間に第２のロツド
   を配設し、この第２のロツドの後方は巾狭に形成
   してストツパーの間から第１のロツドへ向い突設
   する接合部を形成し、また該接合部端に一端が開
   口し、前方の側部へ抜ける油抜き穴を第２のロツ
   ドに設け、一方、第１のロツドの前端からは前記
   油抜き穴の内部に挿入される突起を突設し、この
   突起の外周に該油抜き穴との隙間を閉塞するパツ
   キングを設けたもので、 かかる油圧ジヤツキを同一円周上に上下左右計
   ４個を均等間隔で設け、 ジヤツキの各引側ポートは１つの圧油管路系で
   接続し、また、後部の押側ポートは左下のジヤツ
   キと左上のジヤツキで１つの圧油管路系、右下の
   ジヤツキと右上のジヤツキで１つの圧油管路系で
   接続し、さらに、中間部の押側ポートは左上のジ
   ヤツキと右上のジヤツキとで１つの圧油管路系、
   左下のジヤツキと右下のジヤツキで１つの圧油管
   路系で接続した ことを特徴とする埋設管推進装置の曲がり修正機
   構。