JP4205237B2 - トンネルの構築とパイプを敷設する装置と方法。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体トンネルの周囲に、パイプを並列状態で付設することができる、シールドトンネルの構築とパイプの敷設構築、およびその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、1本の大きな下水道管の内部に直径の小さいパイプを敷設する構造が利用されている。
このように直径の大きいトンネルの内部に、直径の小さいパイプを敷設するのは、トンネル内のパイプ群を送水管や返送汚泥管として利用することを目的としている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
前記したような構造のトンネルを構築するために、従来は次のような方法が採用されているが、それぞれ問題点を有する。
<イ>図5に示すように、大型管aのトンネルを敷設し、その内部に複数本の小径管bを敷設し、その後に小径管b群を床コンクリートcの内部に埋設してしまう方法。
この方法で構築したトンネルは、床コンクリートcによってその内部空間を占領してしまうから、一定の有効空間を確保するためにはトンネルの直径を大きくしなければならない。
<ロ>複数本のトンネルを平行に掘削する方法。
この方法では同時に平行してトンネルを構築することが困難であり、工期が長くなり不経済である。さらに人の入れないような小径管は独立したトンネルとして構築することは困難である。
<ハ>トンネル自体が円を複合した二重円、三重円形状のシールド掘進機を使用する方法。
この方法は、二重円、三重円に合致した特殊な形状のセグメントを使用しなければならず、高価なものとなる。
【0004】
【本発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、経済的にトンネルとパイプを敷設を平行して行うことができる、トンネルの構築とパイプを敷設する装置と方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明のトンネルの構築とパイプを敷設する装置は、シールド掘進機の外殻の外側に、半筒状のパイプ敷設部を、掘進方向と平行に突設し、このパイプ敷設部の前面には掘削装置を設置し、このパイプ敷設部の背面は開放して構成し、シールド掘進機の内部にはセグメント組み立て用エレクターを設置し、シールド掘進機の前記セグメント組み立て用エレクタ−の可動範囲の外殻には、パイプ敷設部に向けて短パイプ挿入口を開口して構成し、前記セグメント組み立て用エレクタ−で、パイプ敷設部を介してパイプの挿入を行うことを特徴としたものである。
【0006】
また本発明のトンネルの構築とパイプを敷設する方法は、シールド掘進機の外殻の外側に、半筒状のパイプ敷設部を掘進方向と平行に突設した、請求項1記載のトンネルの構築とパイプを敷設する装置を使用し、シールド掘進機の内部ではセグメント組み立て用エレクタ−で、セグメントを組み立て、パイプ敷設部の内部では掘進方向に平行に、前記セグメント組み立て用エレクタ−で、パイプ敷設部を介してパイプの挿入を行い、短パイプを順次接続して行うことを特徴としたものである。
【0007】
【本発明の実施の態様】
以下図面を参照しながら本発明のトンネルの構築とパイプを敷設する装置と方法の実施例について説明する。
【0008】
<イ>シールド掘進機。
シールド掘進機1は、外殻の内部で組み立てたセグメント11群に、推進ジャッキの伸張によって反力を取って外殻を地中に圧入して行く装置である。
シールド掘進機1は前面にカッター12を備え、その内部には推進ジャッキ、セグメント11を組み立てるエレクター13などを設置する。
さらに小さい半径の曲線を曲がるために、1本の外殻を中間で切断して中折れ可能に構成することもできる。
セグメント11群によって本体トンネルAを地中に構築する。
【0009】
<ロ>パイプ敷設部。
シールド掘進機1の外殻の外側には半筒状のパイプ敷設部2を掘進方向と平行に突設する。
シールド掘進機1が中折れ構造の場合には、パイプ敷設部2は前後に二分して設置することもできる。
このパイプ敷設部2の前面には例えばオーガ21を設置し、スクリューコンベアによって掘削土砂はシールド掘進機1の内部に取り込んで外部へ排出する。
パイプ敷設部2の背面は開放し、周囲にはシールを取り付ける。
敷設部2の背面は開放しているから、内部に収納した敷設パイプBを残してシールド掘進機1が前進できる。
【0010】
<ハ>短パイプ挿入口。
シールド掘進機1の外殻には、筒状態のパイプ敷設部2に向けて短パイプ23を挿入する挿入口22を開口する。したがってシールド掘進機1の推進ジャッキはこの挿入口22の位置を避けて配置してある。
この挿入口22から、一定寸法の鋳物パイプ、合成樹脂パイプなどをパイプ敷設部2に挿入する。
シールド掘進機1の前進時にパイプ23が敷設部2から円滑に押し出されるように、あるいはパイプ23相互の連結のために、パイプ敷設部2の一部に押し出しジャッキを設置することもできる。
これは推進用のジャッキではないから、簡易なもので足りる。
セグメント11を扱うエレクター13の一部に、短パイプ23吸引用のバキューム装置を取り付けておけば、短パイプ23の挿入、落とし込みを容易に行うことができる。
【0011】
<ニ>作動の説明。
シールド掘進機1は推進ジャッキを伸張してセグメント11に反力を取って前進する。
一定の距離だけ前進したら、シールド掘進機1の内部から、パイプ敷設部2の内部に新たな短パイプ23を掘進方向と平行に落とし込む。そしてすでに敷設してある敷設パイプBの端部に連結する。
前進した量に応じてエレクター13を使用して新たにセグメント11を組み立てる。
短パイプ231本の長さと、セグメント11の1枚の進行方向の長さとが違えば、どちらかが先行することになり、両方の長さが同一であれば同じサイクルで作業を繰り返す。
このように、パイプ敷設部2の内部では掘進方向に平行に短パイプ23を順次接続し、シールド掘進機1の内部ではセグメント11を組み立てる作業を繰り返し、パイプBの敷設と本体トンネルAの構築とを平行して行う。
【0012】
【本発明の効果】
本発明のトンネルの構築とパイプを敷設する装置と方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>敷設するパイプは、本体トンネルの内部空間を占領しないから、本体トンネルの全空間を有効に利用することができる。
<ロ>本体トンネルの構築と平行して、同時にパイプの敷設ができる。したがって従来のように完成したトンネルの内部に新たにパイプを敷設したり、その後に床コンクリートを打設する時間が不要であり、工期を短縮することができる。
<ハ>本体トンネルの全空間を有効に利用できるから、相対的に断面を小さくすることができる。その結果、セグメント11の厚さは薄くなり、掘削土量も減少するからきわめて経済的である。
<ニ>敷設するパイプのコストは従来の工法と同一である。したがって、本発明の方法を採用することによって不経済になることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって構築するトンネルとパイプの設置例を示す説明図。
【図2】構築に使用する装置の説明図。
【図3】装置の要部の説明図。
【図4】装置を前面からみた説明図。
【図5】従来のトンネルの説明図。
Claims (2)
- シールド掘進機の外殻の外側に、半筒状のパイプ敷設部を、掘進方向と平行に突設し、
このパイプ敷設部の前面には掘削装置を設置し、
このパイプ敷設部の背面は開放して構成し、
シールド掘進機の内部にはセグメント組み立て用エレクターを設置し、
シールド掘進機の前記セグメント組み立て用エレクタ−の可動範囲の外殻には、パイプ敷設部に向けて短パイプ挿入口を開口して構成し、
前記セグメント組み立て用エレクタ−で、パイプ敷設部を介してパイプの挿入を行う、
トンネルの構築とパイプを敷設する装置。 - シールド掘進機の外殻の外側に、半筒状のパイプ敷設部を掘進方向と平行に突設した、請求項1記載のトンネルの構築とパイプを敷設する装置を使用し、
シールド掘進機の内部ではセグメント組み立て用エレクタ−で、セグメントを組み立て、
パイプ敷設部の内部では掘進方向に平行に、
前記セグメント組み立て用エレクタ−で、パイプ敷設部を介してパイプの挿入を行い、
短パイプを順次接続して行う、
トンネルの構築とパイプを敷設する方法。
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