JPH0346889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はクツシヨン体その他の発泡モールド成
形体の製造に用いる成形型に関する。

〔従来の技術〕

ポリウレタンフオームのモールド成形品は、例
えばクツシヨン体等の用途に広く用いられいる。
その中で、特に自動車用の座部クツシヨン体では
スプリング、或いは通称ボトムワイヤと呼ばれる
略製品形状に対応した立体ワイヤや鋼板を一体に
成形したタイプのものが多く使用されるようにな
つている。

第３図はこの種のクツシヨン体を一部切欠いて
示す斜視図である。同図において、１はモールド
成形されたポリウレタンフオーム層、２はその内
部に一体に埋設されたボトムワイヤである。

上記第３図のクツシヨン体は、通常のモールド
成形品と同様、クツシヨン体形状に対応した成形
室を有する金型を用いた発泡モールド成形で製造
する。その際、ボトム材２を成形室の所定位置に
配置固定した上で発泡原液を注入し、モールド成
形を行なう。

このボトム材２を所定位置に設置する方法とし
て、従来は上型成形面から吊りピンを垂下すると
い共にその先端に狭治具を設けたモールド型が用
いられ、該狭治具にボトム材２をみ込んで固定し
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように、従来のモールド型では上型にボ
トム材を装着しているため、例えばリアークツシ
ヨン等のようにボトム材２が大型で重量が大きく
なると、装着作業に困難を伴なう。のみならず、
上型を閉型する際に自身の重量に耐え切れずに狭
治具から落下して不良品となる問題がある。

また、落下を防止するために狭治具の挟着力を
大きくすると、今度は上型を開くときにボトム材
２が狭治具から離れ難くなり、ひどいときにはフ
オームを破いてボトム材が浮き出してしまう問題
を生じる。

上記事情に鑑み、本考案はボトム材等の装着作
業が容易で、且つ不良品発生率を顕著に低減でき
る発泡モールド成形型を提供しようとするもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による発泡モールド用成形型は、目的と
する成形体の形状に対応した成形室が形成される
ように構成された開閉自在な下型および上型と、
該下型の成形面側壁部に固定され且つ内部に向け
て突設された支持具とを具備し、該支持具によつ
て、前記成形体の内部に埋設すべき構造部材を、
成形体の脱型時には支持具から外れるように係止
して前記成形室内の所定位置に配置するようにし
たことを特徴とするものである。

本考案において、前記支持具の形状は問わない
が、成形体を脱型する観点から上向きが好まし
い。また、脱型した成形体には支持具の形状に対
応した穴が残るから、支持具はできるだけ小さい
方がよい。

〔作用〕

上記本考案の発泡モールド用成形型では、ボト
ム材等の埋設部材を支持するための支持具を下型
に設置固定するようにしたため、埋設部材の重量
が重い場合にも容易に装着作業ができる。

また、埋設部材の落下も防止され、不良発生も
生じない。

なお、発泡成形の後に成形体を脱型すると、ボ
トム材等の埋設部材は成形体内部に埋設された状
態で取り出され、当然ながら支持具は下型に固定
されて残る。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例になる発泡モールド
用成形型の断面図であり、第２図はその要部を示
す拡大図である。これらの図において、１１は下
型、１２は上型である。図示のように、これらは
目的とするクツシヨン体形状に対応した成形室空
間を限定しており、且つ上型１２は図示しない蝶
番を介して開閉自在に下型１１に結合されてい
る。また下型１１の側壁部には、任意箇所に任意
個数の支持具１３…が成形室内方に向けて突設さ
れている。図示のように、ワイヤ等のボトム材２
はこの支持具１３…に係止されることにより、成
形室内の所定位置に配置される。

上記実施例の発泡モールド用成形型でボトム材
を一体に埋設した成形体を製造する際には、図示
のように支持具１３…に係止してボトム材２を下
型１１に装着する。この作業は、従来のように上
型に装着する場合に比べて著しく容易である。そ
の後、成形室内にポリウレタン発泡原液を注入
し、上型１２を閉型して発泡モールドを行なえば
よい。この閉型に際しても、従来のようにボトム
材２が落下する虞れは殆どなく、不良発生が回避
されるから歩留を向上することができる。

発泡成形が終了したら、従来と同様にして成形
体を脱型すればよい。この脱型によりボトム材２
は支持具１３から外れ、成形体に埋設された状態
で取出される。一方、支持具１３は下型１１に固
定されているから、成形体と一緒に取出されるこ
とはなく、下型１１に固定されたまま残る。

なお、上記実施例において、必要に応じて下型
１１の底面から細い支持棒を立設し、ボトム材２
の中央部を支持するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案の発泡モールド成
形型によれば、ボトム材等の装着作業が容易で、
且つその落下による不良品発生率を顕著に低減で
き、生産性を向上できる等、顕著な効果が得られ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例になる発泡モールド
用成形型を示す断面図であり、第２図はその要部
を拡大して示す図、第３図はボトム材を一体に埋
設したポリウレタンフオーム製クツシヨン体を一
部切欠いて示す斜視図である。 １……ポリウレタンフオーム、２……ボトム
材、１１……下型、１２……上型、１３……支持
具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目的とする成形体の形状に対応した成形室が形
   成されるように構成された開閉自在な下型および
   上型と、該下型の成形面側壁部に固定され且つ内
   部に向けて突設された支持具とを具備し、該支持
   具によつて、前記成形体の内部に埋設すべき構造
   部材を、成形体の脱型時には支持具から外れるよ
   うに係止して前記成形室内の所定位置に配置する
   ようにしたことを特徴とする発泡モールド用成形
   型。