JPH0346095B2

JPH0346095B2 -

Info

Publication number: JPH0346095B2
Application number: JP17639985A
Authority: JP
Inventors: Eiji Tsuji; Norio Igawa; Hiroshi Tabuchi; Tomoji Horiike
Original assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Current assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date: 1985-08-09
Filing date: 1985-08-09
Publication date: 1991-07-15
Also published as: JPS6236144A; US4676152A

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野」本発明は、青果物の蒸熱防疫処理装置に関す
る。

「従来の技術と発明が解決しようとする問題点」青果物の防疫処理方法としては、EDB（二臭化
エチレン）を用いる燻蒸法が一般的であつたが、
1984年９月、米国において、EDBに発癌性があ
ると云う理由からEDBの使用が禁止となつた。
同じくわが国でも、1985年中に事実上使用禁止の
状態となる。その他には、メチルブロマイドを用
いる方法や放射線を用いる方法等があるが、薬害
やコストの面で難点がある。

一方従来の蒸熱を用いる方法は、装置が未だ不
十分で、 ●適用範囲が極度に制限される ●全体が均一に処理できない ●果皮が黒く焼ける ●果皮の不熟、追熟不全を生ずる ●果実が硬くなる等々の問題点がある。

本発明は、蒸熱の温度、湿度を精度よく制御
し、適切に昇温、加湿させ、かつ、装置内の各所
で温度、湿度が均一になるように工夫して、従来
の問題点を一掃しようとするものである。

「問題点を解決するための手段」本発明は、処理室の上部に吹出口を配し、該吹
出口の噴出領域内に散水スプレーを配し、その吹
出口及び散水スプレーの下に通風可能な処理容器
を配し、かつ、吹出口と処理容器との間に連係・
離脱自在な密着連係手段を介在させ、吹出口から
吹き出す空気の温度、湿度を任意に制御する機構
を有することを特徴とする。

なお、吹出口から吹き出す空気の温度、湿度の
制御は、プログラムコントローラによつて行えば
よい。また、上記密着は、吹出口から吹き出され
た空気が処理容器内を有効に通過できる程度でよ
い。

「作用」如上の構成であり、青果物（例えばパパイヤ）
の蒸熱防疫処理に当たつては、処理容器内に青果
物を通風可能に収容し、処理室を閉じて外気から
遮断し、吹出口から処理容器内へ、そして、処理
室内へと空気を送ると共に、該空気の温度、湿度
を調整する。つまり、吹出口から処理容器内の青
果物へ所定の温度と湿度の熱風乃至冷風を適宜に
供給し、また、所要に応じ乾燥空気を送り余乗の
湿気を排出して低減での湿度を調整する。蒸熱処
理が終ると、散水スプレーから水を散布し、青果
物を冷却する。

「実施例」図面は、本発明に係る実施例を示している。

図において、１は、建屋内に設けた処理室、２
は、該処理室内の天井パネル、３は、該天井パネ
ルで区分して処理室の天井に設けた蒸熱供給用チ
ヤンバ、４…は、天井パネルに配列した方形の吹
出口、５…は、該吹出口にそれぞれ装着した風量
調整用ダンパ、６…は、各吹出口にそのダンパの
直下にて設けた散水スプレー、７…は、各吹出口
から垂設したスカート、８…は、各吹出口の下で
床に配列した架台、９…は処理室の側壁下部に設
けた吸込口、１０…は、該吸込口と上記チヤンバ
との間に介在させて設けた温度湿度調節装置、１
１…は、該温度湿度調節装置の蒸熱ダクトに設け
た流路切換え用ダンパ、１２，１２は、同蒸熱ダ
クトに連ねた排気ダクト、１３，１３は、該排気
ダクトに設けた排気ダンパ、１４は、上記吸込口
の近傍に設けた乾燥空気供給装置、１５は、処理
室の適所に設けた湿気排出装置である。また、２
０…は、所定段数積層した通風底を有する処理箱
で、吹出口へ密着させる処理容器をなしている。
なお、処理容器は、上記処理箱に限るものではな
い。

処理室１は、鉄骨１．１…、パネル１．２…、
筋違１．３…等を組立てて適宜容積に形成し、前
面と後面を全面的に開放して、前面を入口１．
４、後面を出口１．５としており、該入口と出口
にそれぞれ逆Ｌ字状のドアレール１．６…，１．
７…を配して、該ドアレールを以てオーバースラ
イデイングドア１．８，１．８，１．９，１．９
を昇降自在に装備している。

吹出口４…は、第６図に示すように、天井パネ
ル２に窓孔２．１を穿設して装着し、内部で、上
層に、複数の羽根５．１…を並設して成る風量調
整用ダンパ５…を、また、下層に、並行する配管
６．１…に等間隔にノズル６．２…を配して成る
散水スプレー６を、それぞれ装備しており、その
ダンパ５は外部にて、ハンドル５．２を用いるこ
とにより調整できるようにし、散水スプレー６
は、バルブ（図示せず）を介して上水道の水道管
へ連ねている。

スカート７…は、屈伸自在な材料により形成し
て、吹出口４から垂設し、下端にロ字状の枠体
７．１を設けると共に、該枠体の下面にパツキン
グ７．２を付設し、かつ、枠体の両側に観音開き
の蓋板７．３，７．３を設けている。また、枠体
７．１にリフテイングビーム１６を連係し、該リ
フテイングビームを天井パネル３から垂下する複
数のエアシリンダ１７…により昇降自在に支持し
ている。

架台８…は入口１．４から出口１．５まで一連
に真直にのびる数条のローラコンベヤから成る。

温度湿度調節装置１０…は、吸込口９の側から
フイルタ１０．１、熱交換器（加熱、冷却）１
０．２、送風機１０．４を順次に連ね、蒸熱ダク
ト１０．５を通じてチヤンバ３へ送風するように
し、また、蒸熱ダクト内に加湿ノズル１０．３を
設けている（第１図参照）。

流路切換え用ダンパ１１…は、蒸熱ダクト１
０．５の末端に設けて、エアシリンダ１１．１に
より作動させるようにし、チヤンバ３に対する蒸
熱ダクト１０．５からの送風と外気の供給とを切
換え得るようにしている。

乾燥空気供給装置１４は、外気取入口を有する
除湿用空調機と、適宜なダクトと、補助ダンパと
から成り、湿気排出装置１５は、ダンパと、排気
ダクトとから成る。

如上の構成であり、処理室１は、その出口１．
５，１．５側をクリーンゾーンに連ねて他と区分
し、蒸熱処理に当つては、通風底を有する多数の
処理箱２０…内に、青果物（例えばパパイヤ）を
通風可能に収容して、それらの処理箱２０…を所
定段数に積層し、処理室入口１．４，１．４のオ
ーバースライデイングドア１．８，１．８を開い
て（出口１．５，１．５側閉）、ローラコンベヤ
の架台８…上に載せ、送り込んで吹出口４…の下
にセツトする。

次に、エアシリンダ１７…を働かせて、スカー
ト７…の下の枠体７．１…を下降させ、枠体下面
のパツキング７．２…を最上段の処理箱２０…の
上縁に密接させる。また、入口１．４，１．４の
オーバースライテイングドア１．８，１．８を閉
じると共に、流路切換え用ダンパ１１…を温度湿
度調節装置１０…の側に切換え、排気ダンパ１
３，１３を閉じ、蒸熱処理に入る。

この蒸熱処理は、第１図に示すように、温度湿
度調節装置１０の作動により、吹出口４…から処
理箱２０…内の青果物へ所定の温度と湿度の熱風
乃至冷風を適宜に供給し、また、所要に応じ、乾
燥空気供給装置１４及び湿気排出装置１５を働か
せる。

各吹出口４…のダンパ５…は、送風が均一にな
るよう予め調整する。

この場合、各吹出口４…からの送風は、チヤン
バ３を介することで、風圧、風量、風速、温度、
湿度等が全て均一となる。

なお、吹出口４…からの蒸熱の平均風速を0.5
ｍ／ｓ〜3.0ｍ／ｓの範囲とする。

この蒸熱処理を、パパイヤを例に説明すると、
次の通りである。

パパイヤの蒸熱処理は、植物検疫実施細則によ
り、果実の中心温度を飽和蒸気にて47.2℃にする
必要がある。

しかしながら、パパイヤは、非常にデリケート
であり、高温環境下や急激な温度変化により、果
皮の焼け、果実の硬化、不熟、追熟不完全等の障
害が発生し、商品価値を著しく損なうことにな
る。

したがつて、処理プロセスにおいては、処理対
象とする全パパイヤの温度上昇が緩かで、かつ、
固体別の差が小さいことが重要になる。個々のパ
パイヤの温度上昇が異なる場合、全パパイヤの中
心温度が47.2℃になる前に早く47.2℃に到達した
パパイヤは、高温環境下にある時間が長くなり、
障害発生の可能性が高くなる。

本装置は、蒸熱の温度、湿度を任意に高精度で
設定でき、各々のパパイヤに均一な蒸熱の通風が
可能であるため、全体の処理プロセスを均質に進
めることが可能である。また、吹出口から吹出す
蒸熱の温度、湿度を徐々に上げて行き、最終的に
48.9℃の飽和蒸気にすることで、パパイヤの急激
な温度変化を防止し、かつ、高温環境下での保持
時間を長くすることがなくパパイヤの中心温度を
47.2℃に到達させ、処理を完了する。

なお、本装置は、パパイヤ以外の青果物にも使
用でき、それぞれに最適な処理が可能であること
勿論である。

処理後は、流路切換え用ダンパ１１…を作動さ
せて、該ダンパにおいて蒸熱ダクト１０．５側を
閉、外気側を開とし、また、排気ダンパ１３，１
３を開ける。而して、温度湿度調節装置１０の送
風機を働かせ、処理室１内の空気を排気ダクト１
２，１２から外へ排出し、外気を処理室１内に導
入し、置換させると共に、散水スプレー６…から
の散水によつて青果物を速やかに冷却する。

続いて、エアシリンダ１７…を作動させて、ス
カート７…及び枠体７．１…を引き上げ、出口
１．５，１．５側のオーバースライデイングドア
１．９，１．９を開いて、全ての処理箱２０…を
クリーンゾーンへ搬出する。搬出後は、速やかに
オーバースライデイングドア１．９，１．９を閉
じて、クリーンゾーンの汚染を防ぐ。

ところで、処理すべき青果物が少なく、一部の
吹出口４…が不要のときは、その箇所の蓋板７．
３，７．３を閉じる。

なお、枠体７．１…したがつてスカート７…を
エアシリンダ１７…で昇降させているが、それ以
外の電動手段、あるいは、手動で昇降させるよう
にしてもよい。

「発明の効果」本発明によれば、被処理物にあわせて温度、湿
度を任意に調整することにより、また、散水スプ
レーによる散水によつて、各種多様な防疫処理を
高効率で行うことができ、その適用範囲を拡大で
きる。

また、処理を各所均一にでき、従来の蒸熱防疫
処理に見られた、果皮が黒く焼ける、不熟、追熟
不全を生ずる、硬くなる、等々の問題点を一掃で
き、商品価値の低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の実施例で、第１図は、構成要
領説明図、第２図は、截断正面図、第３図は、平
面図、第４図は、截断平面図、第５図は、側面
図、第６図は、要部の拡大截断正面図である。１……処理室、２……天井パネル、３……チヤ
ンバ、４……吹出口、５……風量調整用ダンパ、
６……散水スプレー、７……スカート、８……架
台、９……吸込口、１０……温度湿度調節装置、
１１……流路切換え用ダンパ、１２……排気ダク
ト、１３……排気ダンパ、１４……乾燥空気供給
装置、１５……湿気排出装置。

Claims

【特許請求の範囲】

１処理室の上部に吹出口を配し、該吹出口の噴
出領域内に散水スプレーを配し、その吹出口及び
散水スプレーの下に通風可能な処理容器を配し、
かつ、吹出口と処理容器との間に連係・離脱自在
な密着連係手段を介在させ、吹出口から吹き出す
空気の温度、湿度を任意に制御する機構を有する
ことを特徴とする青果物の蒸熱防疫処理装置。