JPH0345476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 利用産業分野 この考案は、防虫効果を有する畳表に係り、畳
表独特の構造に着目した防虫効果を有する畳表に
関する。

背景技術 今日、一般住居において、密閉構造の住居が多
くなつたことから、ダニ等の微細害虫の発生がみ
られ、生活環境衛生上、大きな問題となつてい
る。そこで、ダニ等の害虫を忌避あるいは殺虫す
るため、カーペツトのバツキング材に害虫忌避剤
を混入したり（実開昭57−120386号）、基布に殺
虫剤を処理加工して殺虫効果をもたせたカーペツ
ト（実開昭60−58075号）が提案されている。

また、畳において、殺虫剤を配合した油脂類、
ろう類あるいは樹脂を含浸または被覆してなる畳
糸を用いて縫製した畳床（特公昭56−25585号）
が提案されており、これは畳床の縫製時の針穴が
ダニの生息、通過箇所となるため、該畳糸の殺虫
剤で殺虫するものである。しかし、畳表は、原材
料が天然いぐさであり、かつ人体が直接接触する
ため、これまで、何らの害虫忌避、防虫処理も施
されていなかつた。

考案の目的 この考案は、防虫効果をもたせた畳表を目的と
している。

考案の構成と効果 この考案は、いぐさを緯糸とし、麻糸、綿糸を
経糸として製織した畳表において、畳表の表裏に
現われない経糸に、緩慢気化性を有する非接触型
の防疫用殺虫剤を含浸または付着させた糸を用い
て通織りしたことを特徴とする畳表である。

この考案による畳表は、経糸に緩慢気化性を有
する非接触型の防疫用殺虫剤を含浸あるいは付着
させた糸を用いることにより、畳表が有する３層
の断面構造といぐさ自体の弾性体の性質との相乗
効果による呼吸作用で、僅かずつ気化した殺虫剤
が畳表の表裏へ出入するため、畳表の表裏に付
着、生息しているダニなどの害虫を殺虫すること
ができる。

考案の図面に基づく開示 第１図は畳表の断面説明図である。

畳表は、いぐさを緯糸とし、麻糸、綿糸を経糸
として製織するもので、幅89cmから95.5cmのもの
では、122本〜134本の麻糸または綿糸からなる経
糸を用い、長さ191cm〜205cmに通織りしている。

すなわち、畳表は、隣接する相互の緯糸のいぐ
さ１は、略等間隔で配置される経糸２の２本ごと
の間隔で、交差して表裏を形成するよう通織りし
ているため、いぐさ１の交差間に空間３が形成さ
れ経糸２は表面には現われない。

いぐさはそれ自体が弾力性を有する円環構造を
なしており、上記の３層構造で製織することか
ら、いぐさが一種の板ばね機構にて、隣接するい
ぐさ間に極微細なスリツトを形成して並列してお
り、例えば、人体の荷重の有無に伴ない該極微細
なスリツトからの一種の呼吸作用が行なわれる。

ここで、経糸２に緩慢気化性を有する非接触型
の防疫用殺虫剤を含浸あるいは付着させた糸を用
いることにより、上記の呼吸作用で、僅かずつ気
化した殺虫剤が畳表の表裏へ出入するため、畳表
の内部及び表裏に付着、生息しているダニなどの
害虫を殺虫することができる。

このように考案による畳表は、畳表の構造を利
用して殺虫効果を高効率なものとしている。かか
る経糸に含浸または付着させる緩慢気化性を有す
る非接触型の防疫用殺虫剤は、人体等に対する急
性、慢性の毒性が少なく、畳表の耐用年数及び単
位当りの摂取許容量を考慮した緩慢気化性で残効
性の高い、ダイアジノン等が、適宜選定できる。

また、非接触型の防疫用殺虫剤を経糸に含浸ま
たは付着させる方法には、糸を殺虫液中に浸漬す
るなどの公知の含浸方法や、塗布、被覆、等の付
着方法がある。

また、経糸に用いる麻糸、綿糸は、麻糸、綿
糸、合成繊維糸等の他の糸を混入することがで
き、混入する他の糸の全部または一部に、殺虫剤
を含浸、塗布、被覆等の手段を施して用いるのも
よく、あるいは原料に殺虫剤を混入して製造した
他の糸を、麻糸または綿糸に混入使用するものも
よく、さらには、殺虫剤を含浸、塗布、付着した
テープ等を該経糸に巻着、添着するなど、種々の
殺虫剤の付着方法を採用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は畳表の断面説明図である。 １……いぐさ、２……経糸、３……空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. いぐさを緯糸とし、麻糸、綿糸を経糸として製
   織した畳表において、畳表の表裏に現われない経
   糸に、緩慢気化性を有する非接触型の防疫用殺虫
   剤を含浸または付着させた糸を用いて通織りした
   ことを特徴とする畳表。