JPH0345190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は三相電源に３相用スイツチを介して接
続された三相負荷の運転制御回路の絶縁耐圧試験
回路に関する。

(ロ) 従来の技術 例えば実公昭59−30334号公報に示された空冷
式ヒートポンプ装置において、負荷である圧縮機
１用電動機及び送風機３ａ用電動機は圧縮機１用
電磁接触器の接点及び送風機３ａ用電磁接触器の
接点を介して三相電源に接続されている。

(ハ) 従来技術の問題点 上記従来の技術において、絶縁抵抗耐圧試験を
行う際には、夫々の接点が開状態のため、これら
接点間を例えばクリツプ等で短絡させ、絶縁耐圧
試験器を接続して試験を行う必要があり、この方
法では接点の短絡のためのクリツプ接続作業が必
要になるばかりでなく、試験終了後、クリツプの
取外し作業、電装ボツクス内の配線処理、配線固
定作業及び電装ボツクスの閉塞作業等も必要にな
り、試験作業は煩雑になり、又、前記配線処理、
配線固定及び閉塞作業時の配線のかみ等による配
線不良は、絶縁、耐圧試験後の作業のため、発見
されない場合があり、さらにクリツプの外し忘れ
や、一時的に配線移動を行つた場合には戻し忘れ
等が発生し、市場で正常な性能が発揮できない等
の問題点が発生していた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するために、三相電
源に接続された３接点とこれらの接点をオンさせ
る切換接片とを備えた三相用スイツチと、この三
相用スイツチに接続された三相負荷とを備えた運
転制御回路の絶縁耐圧試験回路において、前記３
接点のうち、任意の接点を短絡させる高インピー
ダンスの素子を備えた絶縁耐圧試験回路。

(ホ) 作用 三相電源と三相負荷との間に接続された三相用
スイツチの任意の接点を、インピーダンスの高い
抵抗等の素子により短絡させ、絶縁耐圧試験時に
は前記抵抗を介して前記三相負荷へ電力を送り、
絶縁耐圧試験を行うと共に、試験終了後は、前記
高インピーダンス素子を介して三相電源と三相負
荷との間に閉回路が形成されても前記高インピー
ダンス素子にはほとんど電流が流れない。

(ヘ) 実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

１は三相電源、２は例えば低温庫の圧縮機用電
動機、送風機用電動機、又は除霜用ヒータ等の三
相負荷、３は電源ライン４Ａ，４Ｂ，４Ｃに設け
られた三相用リレースイツチ、５，６は、電源ラ
イン４Ａ，４Ｃに設けられたオーバロードリレ
ー、７，８はオーバロードリレー５，６の間に接
続された例えば庫内温度検出用サーモスイツチ及
び運転スイツチである。ここで前記三相用リレー
スイツチ３は、夫々が電源ライン４Ａ，４Ｂ，４
Ｃに接続された第１、第２、第３接点３A₁，３
A₂，３A₃と、夫々の接点を開閉する第１、第２、
第３切換接片３S₁，３S₂，３S₃と、第２接点３Ｂ
に高インピーダンス素子として挿入してある高抵
抗値（例えば100V回路にて56KΩ１／4W、200V
回路にて200KΩ１／4W等）のカーボン抵抗等の
抵抗３Ｒと、サーモスイツチ７と運転スイツチ８
との間に接続され通電により第１、第２、第３切
換接片３S₁，３S₂，３S₃を同時にオンするリレー
コイル３Ｃとから構成されている。

以下、上記回路の動作について説明する。

絶縁耐圧試験を行うために、図面に２点鎖線に
て示したように電源ライン４Ａ，４Ｂ，４Ｃを
夫々絶縁耐圧試験器１０に接続し、この試験器１
０から各電源ライン４Ａ，４Ｂ，４Ｃへ電力が送
られる。ここで、第１、第３切換接片３S₁，３S₃
は共に開になつているため、第１、第３接点３
A₁，３A₃の試験器側まで電力は通る。一方、第
２切換接片３S₁も開になつているが、第２接点３
A₂は抵抗３Ｒにて接続されているため、この抵
抗を介して三相負荷２へ電力は伸びさらに第１、
第３接点３A₁，３A₃の負荷側まで通る。そして
絶縁耐圧試験が行われる。

又、冷却運転時、サーモスイツチ７及び運転ス
イツチ８が共にオンで、第１、第２、第３切換接
片３S₁，３S₂，３S₃が共に閉じているときには、
第２接点３A₂の接触抵抗は小さく抵抗３Ｒには
ほとんど電流が流れないため、三相負荷２は運転
を行う。又、サーモスイツチ７がオフしたときに
は第１、第２、第３切換接片３S₁，３S₂，３S₃は
共に開になり、閉回路は形成されず抵抗３Ｒには
電流が流れない。さらに、第１接点３A₁と第１
切換接片３S₁とが、又は第３接点３A₃と第３切
換接片３S₃とが経年変化により溶着した場合に
は、抵抗３Ｒを介して閉回路が形成されるが、抵
抗３Ｒは高抵抗のため前記閉回路にはほとんど電
流が流れない。

従つて、予じめ、第２接点３A₂に抵抗３Ｒを
挿入するだけで、絶縁耐圧試験時、クリツプ等の
接続、取外し作業の必要がないと共に、配線移
動、電装ボツクスの閉塞作業等を行う必要がなく
極めて容易に短時間にて絶縁耐圧試験作業を行う
ことができる。又、試験作業終了後のクリツプの
外し忘れ、配線戻し忘れの発生はなく、又、通常
の冷却運転時抵抗３Ｒを介して電流はほとんど流
れないため、閉回路が形成されることはなく、前
記抵抗３Ｒを接続したままで製品として出荷する
ことができ、たとえ、第１、第３接点３A₁，３
A₃に溶着が発生しても、夫々の接点に同時に溶
着が発生しないかぎり、抵抗３Ｒは高抵抗のため
三相負荷２にはほとんど電流は流れなく、この三
相負荷の長時間の継続運転、及び焼損を回避で
き、この結果市場にて正常な性能を長期間にわた
り発揮することができる。

尚、上記実施例において、第２接点３A₂に抵
抗３Ｒを接続したが、第２接点３A₂の他に第１
接点３A₁又は第３接点３A₂に抵抗等の高インピ
ーダンス素子を接続しても構わない。又、高イン
ピーダンス素子として抵抗の他にコンデンサ、コ
イル等を使用しても構わない。

(ト) 考案の効果 本考案は上記のように構成された絶縁耐圧試験
回路であるから、高インピーダンス素子を任意の
接点に接続させるだけで絶縁耐圧試験を極めて容
易に短時間にて行うことができ、又、前記試験終
了後前記高インピーダンス素子を取外す必要はな
く、そのまま製品として出荷でき、高インピーダ
ンス素子を接続した接点以外の１つの接点が溶着
しても、前記高インピーダンス素子にはほとんど
電流は流れなく、溶着による三相負荷の長時間に
わたる継続運転を回避でき、市場にて長期間にわ
たり三相負荷を正常に運転させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例として示した三相負荷
用絶縁耐圧試験回路図である。 １……三相電源、２……三相負荷、３……三相
用リレースイツチ、３A₁，３A₂，３A₃……第
１、第２、第３接点、３S₁，３S₂，３S₃……第
１、第２、第３切換接片、３Ｒ……高インピーダ
ンス素子として示した抵抗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 三相電源に接続された３接点とこれらの接点を
   オンさせる切換接片とを備えた三相用スイツチ
   と、この三相用スイツチに接続された三相負荷と
   を備えた運転制御回路の絶縁耐圧試験回路におい
   て、前記３接点のうち、任意の接点を短絡させる
   高インピーダンスの素子を備えたことを特徴とす
   る絶縁耐圧試験回路。