JPH0345062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、イオン化によつて空気調節される
べき空間又は領域の調節に用いる空気のごとき流
体のイオン化方法、又はさらには静電気の放電方
法、及びイオン化により調節されるべき空間に放
出する前に、１対の電極のごとき少なくとも１つ
のイオン化機構に流体を暴露するための装置に関
する。

〔従来の技術〕

公知のイオン化装置は一般に、比較的高い交流
又は直流電流（例えば、相当量の空気が流れる装
置において２〜5kVである）が導入される電極対
を含んで成る。これらの電極は、イオン化される
べき気体又は空気が通過する導管又は管路中に幾
何学格子状に配置され、そして導管又は管路の壁
に支持された点又は線の形で存在する。このよう
なイオン化装置により、静電気的沈澱による除塵
装置のごときイオン化により気体を処理するため
の工業装置においては比較的満足すべき結果が得
られるが、イオン化による空気調節装置において
は効果的でないことが知られている。

小規模イオン化装置は、例えば摩擦により繊維
上に生ずる静電気又はコンピユータもしくは集積
回路のごとき敏感な電気器機中に、特にその製造
及び組立中に生ずる静電気を除去するために設計
される。中規模イオン化装置の効率が低いのは、
空気調節装置のコスト及び構造上の理由により、
イオン化電極が空気処理用閉鎖容器中に組込まれ
ており、そして処理された空気が比較的長い導管
を通つて使用領域、例えば糸のカバーの近く又は
プリント回路の組立テーブルに分散されるためで
ある。

処理されるべき空気の陽イオン化又は陰イオン
化の後、分配導管中でのイオン化空気の比較的激
しい通過により、一旦電離した陽イオン及び陰イ
オンの「再結合」が生じ、そして「再結合」又は
電気の脱分極により、イオン化により空気調節さ
れるべき空間を構成する使用領域に空気が導入さ
れた際、処理された空気のイオン化率が相当に低
下する。

イオンの再結合を少なくするために、イオン化
空気の放出管路内の放出口に直接隣接してイオン
化機構を配置することが提案されているが、経験
によれば、イオン化機構を構成する電極の近くに
配置する必要がある放出羽根又は保護装置を通気
する間にイオンが再結合する。

公知の他の具体例に従えば、自由空気流通スク
リユーの羽根に取付けることができる放射線放射
体を用いて空気のイオン化が行われる。これによ
り空気の放出中における再結合の危険は減少する
が、このような装置は噴流装置又は中央送風装置
に使用することができない。

〔考案が解決しようとする課題〕

この考案は、イオン化処理装置の価格を有意に
上昇させることなく、そして中央送風装置を使用
しながら、イオン化操作により処理された空気の
ごとき流体のイオンの再結合の欠点をほぼ完全に
除去することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的は、空気調節されるべき空間にイオン
化処理された空気が放出されるまでにイオンが再
結合又は脱分極する可能性を減少せしめるため
に、空気調節閉鎖容器から空気調節されるべき空
間への各放出口に直接隣接する位置に、１対の電
極のごときイオン化機構の少なくとも１個を配置
し、流体に静電気放電の作用を与えることによ
り、イオン化により空気調節されるべき空間又は
領域の調節に使用する空気のごとき流体をイオン
化する装置により達成される。

この考案に従えば、少なくとも１対のイオン化
電極を配置する必要があり、このためにコストが
上昇するが、高いイオン化電圧を発生せしめる簡
単な装置を使用することができるため、多くの場
合、イオン化装置全体としてのコストの上昇がわ
ずかであるのに対して装置の効率は相当に改良さ
れる。

この考案の他の具体例に従えば、イオン化機構
は空気調節閉鎖容器の放出管路の外側に配置さ
れ、そして分散室の壁により空気調節されるべき
空間から分離されている。この分散室の壁は流体
を空気調節されるべき空間に放出するためのじよ
うろのごとき多数の孔を有し、そしてイオン化機
構は好ましくは分散室の実質上中央に配置され
る。

この考案の改良法に従えば、分散室の有孔壁
は、イオン化機構が電極であれば電気的危険、放
射線源であれば放射能の危険のごとき使用上の危
険を有する場合には、イオン化機構に対して外部
を保護するように構成される。

空気調節閉鎖容器中の各イオン化機構に直接隣
接した位置に乱流減少手段を配置することができ
る。このような乱流減少手段は、好ましくは流体
の流れの方向に関して各イオン化機構の上流に配
置する。

この考案の方法を実施するための装置において
は、空気調節閉鎖容器からの流体の放出は多数の
放出部位により行い、その各放出口に隣接して少
なくとも１個のイオン化機構を配置し、イオン化
機構により発生したイオンの再結合及び／又は脱
分極の可能性を減少せしめる。この考案に従え
ば、イオン化機構は放出口に隣接し、空気調節閉
鎖容器の放出管路のそれぞれの外側であつて空気
調節されるべき空間中に配置する。

この考案の他の態様に従えば、イオン化機構は
分散室の多数の通気孔を有する壁により空気調節
されるべき空間から分離され、この壁から気体が
じょうろの噴水口の孔のような多数の出口を通つ
て空気調節されるべき空間に放出される。好まし
くは、イオン化機構は分散室の実質上中央に配置
し、そしてイオン化機構が電極の場合には電気的
危険、放射線源の場合には放射能の危険のごとき
使用上の危険を有する場合には、分散室の有孔壁
は保護機能を有するように構成される。

この考案の他の態様に従えば、乱流を減少せし
めるための手段が空気調節閉鎖容器中にイオン化
機構に隣接して配置される場合には、これらの乱
流減少手段は流体の流れの方向に関して空気調節
機構のすぐ下流に配置する。

乱流減少手段はイオン化機構の電極により構成
することができ、これらの電極は羽根又は糸の形
に構成される。

同様に、比較的薄板状の空気流をイオン化機構
に向けるために空気調節閉鎖容器の放出部位を平
板状に構成することにより乱流減少手段を構成す
る。さらに、空気調節閉鎖容器の放出管路は、イ
オン化又は脱イオン化される空気噴射が、少なく
とも一方の電極のごときイオン化機構に正確に集
中するように、イオン化機構の方向に一点に集ま
る形を有することができる。

〔実施例〕

この考案の他の目的、利点及び特徴を図面と関
連させて種々の具体的な態様を記載することによ
り明らかにする。しかしこれによりこの考案の範
囲を限定するものではない。

第１図に示した公知の空気イオン化装置は、空
気調節部位１中の機械又は装置２，３の静電放電
の要求に従つて、空気調節部位に放出される空気
の陽イオン又は陰イオンに含量を増加することを
目的としている。このために空気管路６の中に陽
極４及び陰極５が配置されており、この空気管路
にあらかじめ過された外部空気が送風機７によ
り吹き込まれ、そして多数の放出口すなわち開口
部８により部位１に放出される。電極の電気的効
率を上昇せしめるために、１つ又は複数のシート
状に形成された電極４及び５に点９を装着する。
この点９は処理すべき空気中の電圧勾配の集中領
域を構成し、ここでイオンが生成し、開口部８に
より分散されるべき空気中に分散する。

電極４及び５はそれぞれ電線１０及び１１を介
して直流又は交流の高電圧を発生する変圧器１２
及び１３〔直流の場合は整流器（図には示してな
い）が挿入されている〕に連結されている。変圧
器１２及び１３は位相指示器１５及び１６を介し
て電気グリツドの相１４に連結されており、位相
指示器は１８中の電気グリツドに連結され、そし
て増幅器２０を介して指令弁１９の調整により調
節される電子調節器１７により制御される。電子
調節器１７は電界指示器２１に連結されており、
これは必要により線２２を介して電界記録計に連
結されている。管路６中に配置されたイオン化指
示器２３は、負帰還信号を電子調節器１７に供給
することができ、所望により電極４及び５の電圧
及び電圧の方向を監視する。

この考案の具体例を示す第２図においては第１
図と対応する要素に第１図と同じ参照番号が付し
てある。空気出口８の相当上流であり管路６の１
つの領域に配置されていた陽極４及び陰極５は、
管路６の外側であつて空気調節されるべき部位の
中にある分散した放出口２４，２５，２６，２７
のそれぞれに配置される。このため、高圧電線１
０及び１１は管路６の内側又は外側に延長され、
そしてそれぞれ電極板４及び５に連結され、この
電極板には所望により点９が装着されている。こ
の電極板は一般に第１図のそれよりも小さい寸法
を有する。

管路６は、例えば糸２９のシートの静電気放電
作業部位に供給するための直径の小さい供給口２
７を有する導管２８により延長することができ
る。電極の数は放出口の数に従つて増加するが、
高圧イオン発生の装置及び作用は先行技術に係る
第１図のそれと同じである。第２図から容易に予
想される通り、乱流及び導管壁に対する衝撃効果
による導管６内での陽イオン及び陰イオンの再結
合は根本的に除去され、そしてイオン化の効率
は、電極の数の増加及び高圧発生装置の出力線１
０及び１１からの高圧線すなわち絶縁導線３０及
び３１を設置する必要性を十分に補償する程度に
上昇する。

公知の解決策においては、電極は放出口の短い
連結管内に設置されており、この構成により偶然
的な短絡の危険から電極を保護するという利点が
得られる。この考案に従えば、イオンの再結合の
危険を根本的に減少せしめ、そして空気調節され
る環境へのイオンの急速な拡散を行うことが望ま
しい。このため、例えば糸のシートの形にした電
極４及び５を、空気調節閉鎖空間を構成する供給
管路の放出口連結管に配置することができる。第
２図は１つの解決方法を示しており、この方法に
おいては、電極４及び５を出口管路２４〜２７の
出口であつて空気調節される空間に収束型に配置
し、点９の間の内部空間３８に、出口から放出さ
れて空気調節される空間の雰囲気中に希釈される
空気噴流を通す。電極４及び５が短絡又は感電の
危険を有する場合には、該電極を多数の通気孔を
有する壁又は膜３９により包囲することができ
る。電子調節器１７に帰還を供給するイオン指示
器２３は電極４及び５の後の放出口から離して、
又はそれに接近して配置する。

第３図に示す具体例においては、管路に対する
イオン化電極４及び５の配置と空気又は一般的に
は流れの分散導管のみを示す。壁に設けられた多
数の小孔３３により全方向に空気を分散せしめる
ために管路６に連結されたじょうろの噴口形の分
散ヘツド３２からの空気の雨型分散を予想するこ
とができよう。

この考案の空気イオン化システムを伴う空気分
散装置を構成するために、各出口孔に１対のイオ
ン化電極を設けることはできない。１対の棒３０
及び３１を介して高圧発生及び監視装置の高圧電
線１０及び１１に連結されているイオン化電極４
及び５は、分散室３４の実質上中央に配置されて
おり、そしてじょうろ形部３２の内側であつて放
出導管３５の下流に配置されている。この導管３
５は空気調節閉鎖容器６の放出口を構成してい
る。じょろ形部３２を再結合を生じさせることの
少ないプラスチツク材料のごとき材料で作ること
ができるので第１図の先行技術に比べてイオンの
再結合の可能性が減少する。

第４図に示す具体例は、イオン化空気の分散に
適用される。この図は装置の一部を成す分散箱３
６のみを透視図で示すものである。

この考案に従えば、箱３６は壁３７により多数
の出口３８に分割されており、この出口３８は平
らな区画を有し、各出口３８の両側に１対のイオ
ン化電極４及び５が配置されている。出口区画３
８が平らな形状を有するために空気の乱流が減少
し、空気の大きな放出流量を保証する箱３６から
出た後のイオンの再結合及び脱分極の可能性を減
少せしめる。

第２図及び第３図の具体例において乱流を減少
せしめるために、管路６中のイオン化電極４及び
５からすぐ上流に板又は材を配置する。イオン
化電極４及び５を通路する際及びイオン化によつ
て空気調節される空間に放出された後における空
気の乱流を減少せしめるための他の手段は、電極
４及び５を、空気調節閉鎖容器を構成する管路６
に面した空気流の方向に配置された羽根の形にす
ることである。

電極４及び５により構成されるイオン化機構
を、絶縁体の摩擦により得られる電荷、又は出口
から放出される流体の殺菌をも同時に行うことが
できる放射性物体により代えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は先行技術のイオン化装置の概略を電気
装置の概略とともに示したものであり、第２図は
この考案に従つて第１図の装置に変更を加えたも
のであり、第３図は雨形の分散システムにより空
気を分散せしめるこの考案の具体例であり、そし
て第４図は、小さい区域で多くの空気流を通過せ
しめる装置にこの考案を適用したものを示す。 図において、１は空気調節されるべき空間、４
及び５はイオン化電極、６は空気調節閉鎖容器す
なわち空気管路、８は放出口すなわち開口部、そ
して９は点を表わす。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ イオン化された流体を空間に供給することに
   よつて該空間を空気調節するためのイオン化装
   置であつて、空気調節閉鎖容器６、該容器６か
   らの出口管路２４〜２７，３５、多数の小孔３
   ３を有する壁３２，３９により構成される分散
   室３４及びイオン発生機構４，５を有し、そし
   て該イオン発生機構４，５が前記空気調節され
   るべき空間内に位置し、流体の流れに関して前
   記出口管路２４〜２７，３５より下流にあり、
   且つ前記壁３２，３９により空気調節されるべ
   き空間から隔てられており、この構成によりイ
   オン発生機構４，５により発生したイオンが再
   結合又は脱分極する可能性が低下している、こ
   とを特徴とするイオン化装置。 ２ イオン化機構が分散室の実質上中央に配置さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   装置。 ３ 分散室の多孔壁がイオン化機構を保護するよ
   うに構成されている実用新案登録請求の範囲第
   １項又は第２項記載の装置。 ４ さらに、乱流減少手段が、イオン化機構に隣
   接する空気調節閉鎖空間であつて、空気調節さ
   れるべき流体の流れの方向に関して各イオン化
   機構の上流に配置されている実用新案登録請求
   の範囲第１項〜第３項のいずれか１項に記載の
   装置。 ５ 乱流減少手段が、空気調節閉鎖空間の放出区
   域を平らにすることにより構成されている実用
   新案登録請求の範囲第４項記載の装置。 ６ 空気調節閉鎖容器の放出口がイオン化機構の
   方向に集中する形を有する実用新案登録請求の
   範囲第１項、第４項又は第５項記載の装置。