JPH0345025Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は石油燃焼器の点火装置部分の改良に係
るものである。

〔従来の技術〕 燃焼筒を動かさないで燃焼芯に点火する装置と
して点火芯を使うものがあるが、点火芯のメンテ
ナンスが悪いと点火性能が極端に悪くなる。この
為最近では点火芯を用いず直接燃焼芯に点火する
実公昭54−13226号や実公昭54−26901号の構造が
注目されている。

実公昭54−13226号は芯外筒の上部から上面に
かけて点火窓を設けたもので、可動部を少くする
為に直接点火ヒーターは固定され、点火窓を点火
ヒーターによつて密閉する構造としている。

また実公昭54−26901号は芯外筒の上方に、燃
焼芯とは大きな間隙を介して立上り壁を設け、該
立上り壁に点火ヒーターが出入する点火用小窓を
設け、この点火窓にシヤツターを設けたものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで密閉構造を持つ実公昭54−13226号は
非常にコンパクトな点火装置ではあるが、点火時
に必要な空気の供給個所は点火ヒーターのフイラ
メント上方の間隙のみであり、空気の供給が充分
行なわれない場合も起り、この時は点火性能が悪
くなることがある。また実公昭54−26901号は空
気の供給が円滑で優れた点火性能が得られるもの
の、芯外筒上方に立上り壁が必要で全高を高くす
る必要がある。この点は石油燃焼器枠体のコンパ
クト化の障害となり、枠体のデザインにも影響し
てくるので望ましいことではない。

〔問題点を解決する為の手段〕

この考案は実公昭54−13226号の位置に於て点
火用小窓をシヤツターによつて開閉する構成でコ
ンパクトな点火装置を得るもので、燃焼芯１を芯
内筒２及び芯外筒３の間隙内に収容し、芯内・外
筒２，３上に燃焼内・外炎筒４，５及び外筒６に
て形成せる燃焼筒を載置せしめ、芯外筒３の上部
及び上面３′にかけて点火用小窓７を点火ヒータ
ー８の正面に穿ち、該小窓７に対向して点火操作
時のみ小窓７を開とする点火扉９を設けた石油燃
焼器において、該点火ヒーター８は支軸１１を中
心に点火用小窓７と略同一高さを移動する点火操
作腕１２の先端に取付け、かつ支軸１１を中心に
回動する点火操作腕１２と一体に点火扉駆動板１
３を形成し、先端に点火扉９を取付けた開閉操作
板１０の他端を駆動板１３と係合し、該開閉操作
板１０はガイド１７によつて点火扉９を方向から
点火用小窓７に進退すると共に、該点火操作腕１
２には操作部１４を設け、また点火操作腕１２の
回動範囲を設定する規制具１５を点火操作腕１２
もしくは石油燃焼器側に設け、前記操作部１４を
弾性部材で形成したものである。

〔作用〕

以上の構成よりなるこの考案は図示せざる芯上
下装置によつて燃焼芯１を芯内、外筒２，３間隙
上方へ突出させ、操作部１４によつて点火操作腕
１２を回動すると、まず駆動板１３は係合する開
閉操作板１０を移動し、ガイド１７に案内されて
点火扉９は小窓７から離れる。この為小窓７は開
放され、更に点火操作腕１２が回動すると点火ヒ
ーター８は小窓７を介して燃焼芯１に接近し、燃
焼芯１に着火する。

該点火ヒーター８と燃焼芯１との位置関係は着
火性能に大きく影響しており、近ずき過ぎても離
れ過ぎても着火しにくくなる。この為点火操作腕
１２に規制具１５を取付けたので点火ヒーター８
と燃焼芯１の関係は常に一定となる。また操作部
１４を弾性部材で形成することによつて必要以上
強い力で操作しても規制部１５が変形しない様に
している。

而して着火した後は点火操作腕１２を戻すと、
点火ヒーター８は後退し、代つて開閉操作板１０
が小窓７部に移動して点火扉９が小窓７を閉鎖す
る。この為芯内・外筒に載架した燃焼筒で燃焼が
継続できるものであり、これらの点火装置の各部
材がほぼ水平面状に配置された点に特徴がある。

〔実施列〕

１は図示せざる油タンクに下端部を浸漬せる燃
焼芯、２，３は燃焼芯１を収容せる芯内・外筒で
あり、該芯内・外筒は上端を横へ広げて上面２′，
３′を構成している。４は芯内筒２の上面２′に載
置せる内炎筒、５は芯外筒３の上面３′に載置せ
る外炎筒、６は外炎筒５の外方を囲繞せる外筒で
あり、該内・外炎筒４，５及び外筒６は複筒式燃
焼筒を構成している。７は芯外筒３の上部及び上
面３′にかけて穿設した点火用小窓であり、点火
ヒーター８が移動して先端部が燃焼芯１に接近で
きるようにしてある。９は点火用小窓８のシヤツ
ターを構成する点火扉、１０は点火扉９の開閉操
作を行う開閉操作板である。

該点火扉９は開閉操作板１０に可動自在に装着
されており、開閉操作板１０には点火扉９方向へ
斜め上方に向けた突縁１０′を設け、かつ点火扉
９と突縁１０′との間にバネ１６を装置し、開閉
操作板１０に対して点火扉９を斜め上方に向けて
付勢している。この為点火扉９は芯外筒３と上面
３′の外表面に押付けられ、確実に点火用小窓８
を密閉できる。

１２は支軸１１を中心に点火用小窓７と略同一
高さを移動する点火操作腕であり、先端に点火ヒ
ーター８が取付けられ、該点火操作腕１２回動時
点火ヒーター８は点火用小窓７を介して燃焼芯１
に接近する。１３は点火操作腕１２に一体に設け
た駆動板であり、該駆動板１３の先端は前記開閉
操作板１０と係合しており、点火操作腕１２回動
時開閉操作板１０は点火用小窓７から離れるよう
に駆動される。１７は開閉操作板１０のガイドで
あり、該開閉操作板１０はガイド１７にそつて点
火扉９を側方向から点火用小窓７に向けて移動す
る。

１４は点火操作腕１２を回動操作する操作部、
１５は点火操作腕１２の回動範囲を設定する規制
具であり、該操作部１４の全体もしくは一部を板
バネ等の弾性部材で形成している。該規制具１５
は点火操作腕１２もしくは点火操作腕１２に対応
する石油燃焼器側に取付けられ、第２図の実施例
では石油燃焼器側に取付けた規制具１５に点火操
作腕１２が当接して回動範囲を規制している。ま
た第２図に於て開閉操作板１０のガイド１７を点
火操作腕１２の規制具１５としてもよい。第４図
の実施例は点火操作腕１２の端部が期制具１５と
なつており、芯外筒３に当接して回動範囲を規制
している。

尚点火操作腕１２の操作部は第４図の様に押ボ
タン１８によつて直接手動操作したり、レバーや
カムを使つて間接的に操作してもよい。

〔考案の効果〕

以上のこの考案では芯外筒３の上面、即ち燃焼
筒よりも低い位置を点火ヒーター８が移動するよ
うになり、点火装置の取付けによつて石油燃焼器
の高さが高くなる様なことはない。

また点火ヒーター８は点火操作腕１２の回動に
よつて移動すると共に、該点火操作腕１２は駆動
板１３を介して開閉操作板１０を移動するもので
あり、該開閉操作板１０の他端は点火扉９が装着
されて、点火ヒーター８と対向する小窓７に位置
しているから、結局点火装置を構成する点火ヒー
ター８・点火操作腕１２・駆動板１３・開閉操作
板１０はほぼ同一平面上に位置する様になり、点
火装置のしめる面積は広くとも厚さは薄くでき、
点火装置の下部空間を芯上下機構や対震自動消火
機構などの取付スペースとして活用できる極めて
実用的な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は燃焼中の状態を示す要部断面図、第２
図は同部品の斜視図、第３図は要部拡大側面図、
第４図は他の実施例の平面図である。 １……燃焼芯、２……芯内筒、３……芯外筒、
３′……芯外筒上面、４……内炎筒、５……外炎
筒、６……外筒、７……点火用小窓、８……点火
ヒーター、９……点火扉、１０……開閉操作板、
１１……支軸、１２……点火操作腕、１３……駆
動板、１４……操作部、１５……規制具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼芯１を芯内筒２及び芯外筒３の間隙内に収
   容し、芯内・外筒２，３上に燃焼内・外炎筒４，
   ５及び外筒６にて形成せる燃焼筒を載置せしめ、
   芯外筒３の上部及び上面３′にかけて点火用小窓
   ７を点火ヒーター８の正面に穿ち、該小窓７に対
   向して点火操作時のみ小窓７を開とする点火扉９
   を設けた石油燃焼器において、該点火ヒーター８
   は支軸１１を中心に点火用小窓７と略同一高さを
   移動する点火操作腕１２の先端に取付け、かつ支
   軸１１を中心に回動する点火操作腕１２と一体に
   点火扉駆動板１３を形成し、先端に点火扉９を取
   付けた開閉操作板１０の他端を駆動板１３と係合
   し、該開閉操作板１０はガイド１７によつて点火
   扉９を側方向から点火用小窓７に進退すると共
   に、該点火操作腕１２には操作部１４を設け、ま
   た点火操作腕１２の回動範囲を設定する規制具１
   ５を点火操作腕１２もしくは石油燃焼器側に設
   け、前記操作部１４を弾性部材で形成することを
   特徴とする石油燃焼器の点火装置。