JPH034487Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、塑造材料製のパネルを成型用する際
に、補強材を型枠内に支持する支持用セツト棒を
型枠底板上に懸垂するためのセツト枠を型枠側板
上に固定するセツト枠の固定装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、例えば実公昭50−22988号公報に見られ
るように、ALC等の塑造材料の内部に存在させ
るための補強材（例えば、補強筋篭）を支持する
セツト棒を型枠底板上に懸垂するためのセツト枠
を型枠の側板上に固定していた。

しかし、型枠を長時間使用している間に、型枠
内に注入したALCモルタルが発泡して膨張し硬
化する等によつて発生する外力やハンドリング等
による外力の為に型枠側板が変形して曲がり、そ
れ故、型枠側板の位置は一定しないという欠点が
ある。

その為、型枠側板をセツト枠を固定するための
基準とすると、セツト枠によつて懸垂される補強
材の位置が正規の位置から変位することになる。

そこで本考案者らは、所定の位置精度を出すた
めに、第６図に示すように、セツト枠を一つず
つ、ボルト７を手廻しすることにより締付け具８
の位置とセツト枠２との間隔を変えることによ
り、目視により位置決めを行いつつ型枠側板２に
固定していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

このように変位する型枠側板２の上に、位置精
度良くセツト枠を固定するために、従来の装置で
は、セツト枠の個々を一々目視により微調整して
位置決めを行う必要があり、この微調整に時間を
要し、且つ位置決め精度も必ずしも満足するもの
ではなかつた。

本考案は、この微調整作業時間の短縮と、位置
決め精度向上を図ることを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、挿入溝が設けられた基準プレート１
２を型枠側板２とは独立に、かつ、定位置に来る
ように型枠側板２上に置き、これにセツト枠４の
一端を挿入する構造に改良し、前記目的の達成を
図つたものである。

即ち、本考案は、塑造材料製のパネルの成型用
型枠の固定端板３の側板２側に固定されたガイド
ピン１５と、型枠底板１上に固定された移動端板
９側の基準架台１１の上に設けられたトグルクラ
ンプ１９によつて駆動されるガイドピン２０とに
より、型枠側板２とは独立して型枠底板１に固定
された基準プレート１２を型枠側板２上に載置
し、かつ、前記プレート１２上面に設けた溝２２
により、補強材支持用セツト棒５を固定するセツ
ト枠４の少なくとも一端を挿入し固定する構造と
したことを特徴とするセツト枠の固定装置とする
ことにより解決を図つたものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例により説明する。

本考案に係る全体図を第１図に、又その中のａ
及びｂ部の拡大図を第２図及び第３図に、Ａ−Ａ
断面図を第４図に、ｃ部の拡大図を第５図に示
す。

塑造材料、例えばALCの補強材（以下補強筋
篭６で例示する）を型枠底板１上に懸垂固定する
に当たつては、第４図に示すように、補強筋篭６
に差し込んだセツト棒５で補強筋篭６を吊り、更
にこのセツト棒５を固定するためのセツト枠４を
使用し、このセツト枠４を型枠側板２側に位置決
め固定するが、この際、本考案では第２図及び第
５図に示すように、側板の一方においてはセツト
枠４端と側板２の間にＶ字状の溝ガイド付き挿入
溝２２が設けられた基準プレート１２を型枠側板
２とは独立に設ける。これは、この側板２が長期
間使用する間に型枠内に注入したALCモルタル
の発泡膨張硬化等に伴う外力やハンドリングによ
り変形を受けるので、これら外力変形を受ける側
板２の変形及び注入ALCモルタルの発泡膨張硬
化による側板の移動変位からセツト枠４を隔離す
るためである。なお、この基準プレート１２の下
側には、ベアリング１８を敷設したり、他方の側
板側においては、セツト枠のスライドベース１６
の下側にベアリング１８を敷設した構造として、
型枠側板２の移動変位から完全に隔離する構造と
することが更に好ましい。

なお、この基準プレート１２の端辺方向（第１
図Ｂ方向）の位置決めは、第２図に示すように、
型枠固定端板３側に固定されたガイドピン１５を
基準プレート１２の穴の中に差し込み、更に移動
端板９側では、第３図に示すように、型枠底板１
上に固定された基準架台１１上に設置されたトグ
ルクランプ１９によつて駆動されるガイドピン２
０を基準プレート１２の穴の中に挿入することに
よつて位置決めされる。このように微調整を行う
ことなくセツト枠４の短辺方向の位置決めがなさ
れる。

また、セツト枠４の長辺方向（第１図Ｃ方向）
の位置決めは、第２図に示すように、固定端板３
側端にあるものについてのみ長辺位置決めガイド
治具１３を２個、側板２上に溶接固定し、この間
にセツト枠４端を挿入することによつて行うこと
ができる。しかし、通常、種々の長さのパネルが
あるため、他の位置のセツト枠の長辺方向の位置
決めは目視で行う。

このようにセツト枠の長辺方向の位置決めも終
了したら、次のようにしてセツト枠を固定する。
即ち、セツト枠４がモルタル発泡に伴つて浮上が
ることを防止するために、第４図と第６図に示す
ように、ロツクピン付きのロツクハンドル１７を
セツト枠４に開けられた穴（この穴はスライドベ
アリング付きの穴であることが更に好ましい。）
の中に押し込み、90゜手で下方に回転することに
より、ロツクピンの先端を側板２の上縁にある浮
上がりストツパー１４に嵌合することによつて行
われる。

このように、セツト枠４が、型枠側板２とは独
立している基準プレート１２の上に載せられてい
るので、モルタルの発泡膨張硬化に伴つて側板２
が短辺方向（第１図Ｂ方向）に移動変形しても、
既に延べているように、セツト枠４は、この型枠
側板２の移動変形から隔離されているのである。

次に、本考案による装置の使い方について述べ
る。基準プレート１２を型枠側板２上に設置する
には、先ず、固定端板３側は第２図に示すよう
に、固定端板３を矢印で示す方向に起こすことに
よりガイドピン１５を基準プレート１２に開けら
れた穴の中に挿入して、基準プレート１２の片側
を位置決め固定する。次に、第３図に示すよう
に、移動端板９側の、基準架台１１上に取付けら
れたトグルクランプ１９を手で倒すことによつて
ガイドピン２０を基準プレート１２の穴の中に挿
入して位置決め固定する。このように型枠側板２
の上に、型枠側板２とは隔離して位置決めして固
定された基準プレート１２のＶ字状溝２２の中
に、そのＶ字状の溝２２に沿つて、ALC補強筋
篭６を装着した複数個のセツト枠４の下端を挿入
する。この際、固定端板３側端のセツト枠４につ
いては二つの短辺位置決めガイド１３の間に挿入
する。次にロツクハンドル１７付きのロツクピン
をセツト枠４のスライドベアリング付きの穴２１
に挿入し、型枠側板２に設けられた浮上がりスト
ツパー１４の下端に到達せしめた後、ロツクハン
ドル１７をを90゜下方に回転することにより、セ
ツト枠４は側板２に対しロツクされたセツト枠２
が型枠側板２の動きとは無関係に、かつセツト枠
２が浮上がらないように固定される。

なお、この基準プレート１２は両側の型枠側板
２の上に設置してもよいが、第４図に示すよう
に、側板の片側にのみ設置し、他方の側板上セツ
ト枠４の下部をはスライドベース１６の構造とし
てもよい。また、基準プレート１２に設ける溝２
２は、セツト枠４のガイド溝として役立てばよ
く、Ｖ字状の溝以外にＵ字状の溝等が考えられ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、基準プレート１２にセツト枠
４端を挿入するだけで巾方向の位置決めは可能と
なるので、セツト枠４の位置を調整する作業時間
が著しく短縮され、且つ位置決め精度も向上する
等の効果が得られる。

また、ALCモルタルの発泡膨張硬化によつて
型枠側板２が移動変形しても、セツト枠４が変位
することもなく、絶えず正規の位置に補強材６を
位置させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の全体図であり、第２図
は第１図に示した固定端板側の基準プレート及び
セツト枠の固定機構を示す第１図のａ部拡大図で
あり、第３図は第１図に示した移動端板側の基準
プレート及びセツト枠の固定機構を示す第１図の
ｂ部拡大図であり、第４図は第１図のＡ−Ａ断面
図であり、第５図はセツト枠のロツクハンドル使
用による固定機構を示す第１図のｃ部拡大図であ
る。また、第６図は従来のセツト枠固定機構を示
す断面図である。 １……型枠底板、２……型枠側板、３……型枠
固定端板、４……セツト枠、５……セツト棒、６
……ALC補強材（補強筋篭）、７……締付けボル
ト、８……締付け具、９……型枠移動端板、１１
……基準架台、１２……基準プレート、１３……
長辺位置決めガイド、１４……浮上がりストツパ
ー、１５……ガイドピン、１６……スライドベー
ス、１７……締付けボルト、１８……ベアリン
グ、１９……トグルクランプ、２０……ガイドピ
ン、２１……スライドベアリング付き穴、２２…
…溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塑造材料製のパネルの成型用型枠の固定端板３
   の側板２側に固定されたガイドピン１５と、型枠
   底板１上に固定された移動端板９側の基準架台１
   １の上に設けられたトグルクランプ１９によつて
   駆動されるガイドピン２０とにより、型枠側板２
   とは独立して型枠底板１に固定された基準プレー
   ト１２を型枠側板２上に載置し、かつ、前記プレ
   ート１２上面に設けた溝２２により、補強材支持
   用セツト棒５を固定するセツト枠４の少なくとも
   一端を挿入し固定する構造としたことを特徴とす
   るセツト枠の固定装置。