JPH0344867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は便器に付設され人体局部を洗浄する
衛生洗浄装置に関するものである。

従来装置を第１図を用いて説明すると、１は洗
浄装置本体で、便座２及び便座カバー３を螺着し
便器４に載置され固定されている。５はポンプ
で、便器４の洗浄水を貯えるロータンク６より吸
水する。７はポンプ５の吐出側と接続する温水装
置で、ポンプ５より送られる水を加熱し貯えてい
る。８は温水装置７とホース９・電磁弁１０を介
して接続する第１の放水装置で、先端に放水ノズ
ル１１を備えたプランジヤー体１２を有し、送水
圧によつて該プランジヤー１２を所定位置まで突
出させて、主に人体肛門部の洗浄を行なう。１３
は同じく温水装置７とホース１４・電磁弁１５を
介して接続する第２の放水装置で、第１の放水装
置と同じく放水ノズル１６を備えたプランジヤー
１７を有し、主に女性部のビデ洗浄を行なう。１
８は洗浄の開始・停止及び肛門洗浄・ビデ洗浄の
選択を行なう操作部、１９は該操作部１８におけ
る操作入力に応じ、前記ポンプ５及び電磁弁１
０，１５等を駆動する制御部である。

こうした構成の装置では、例えば肛門洗浄とビ
デ洗浄を連続して行なうような場合には、電磁弁
１０，１５を交互に開閉して一方の放水装置から
他方の放水装置へ洗浄動作を切り換えることとな
り、このとき電磁弁においてはポンプ５により生
じる流水圧を遮断しなければならない。従つて、
電磁弁はポンプ５により生じる流水圧を遮断でき
るある程度高能力で大形のものが必要となり、コ
スト面及び小形化と云つた面で不利があつた。ま
た電磁弁の遮断能力を高めると、結果として遮断
時においてポンプ吐出高い水圧を加えることとな
り、少なくともこの管路を高耐圧構造にせざるを
得ないと云つた不利もあつた。

この考案は上記不都合を解消すべく成されたも
ので、流水遮断能力の低い電磁弁でも確実な放水
の切り換えを可能とし、安価で且つ小形に構成で
きると共に、温水装置をはじめとするポンプ吐出
側流路の保安をも計り得る装置を提供しようとす
るものである。

以下その具体例を図面を基に説明する。

本案実施例は、第１図と同様な構成から成る
が、使用される電磁弁１０，１５には洗浄時に生
じる流水圧（0.3〜1.0Kg／cm²程度）を閉止保持し
得る程度のスプリング圧を有しした小形の常閉弁
を使用しており、少なくともポンプ５の吐出側閉
塞時の最大吐出圧（2.0Kg／cm²以上）により押し
開かれるような性能設定をされている。

これは、一方の電磁弁がロツクして開弁不能と
なつたり、一方の放水装置における放水が閉塞さ
れて放水不能となつたりして、前記洗浄時の流水
圧を越える水圧がポンプ５の吐出側管路に生じて
も、他方の電磁弁がその水圧により押し開かれて
他方の放水手段において水圧を逃がすことができ
ると云つた作用を意図している。

第２図は実施例の制御系を示したブロツク図で
ある。２０は前記電磁弁１０を開閉する駆動回路
で、操作部１８における洗浄ボタン１８−１が押
されるのに応じて電磁弁１０へ通電し開成保持さ
せると共に、同じく操作部１８の停止ボタン１８
−３が押されるのに応じて電磁弁１０への通電を
断ち閉成させるよう動作する。２１は前記電磁弁
１５を開閉する駆動回路で、操作部１８における
ビデボタン１８−２が押されると電磁弁１５へ通
電し開成保持させると共に、停止ボタン１８−３
が押されるとその通電を断ち閉成させるよう動作
する。２２は前記ポンプ５の駆動回路で、洗浄ボ
タン１８−１又はビデボタン１８−２が押される
とポンプ５を駆動し、停止ボタン１８−３が押さ
れるとポンプ５の駆動を停止するよう動作すると
共に、タイマ２３を備えて洗浄ボタン１８−１又
はビデボタン１８−２のいずれか一方が押されて
それに応じた洗浄を行なつている最中に他方のボ
タンが押されると、このタイマ２３で与える一定
時間だけポンプ５を停止するよう動作する。

第３図は上記ポンプ駆動回路２２の動作を表す
フローチヤート図で、以下この図を用いて実施例
の具体的動作を説明する。

操作部１８において洗浄ボタン１８−１又はビ
デボタン１８−２が押されると洗浄開始と判断し
(1)、ポンプ５を駆動する(2)。洗浄ボタン又はビデ
ボタンのいずれか一方が押され洗浄の最中に他方
のボタンが押されると洗浄切り換えと判断し(3)、
タイマ２３を起動すると共にポンプ５を一旦停止
する(4)。タイマ２３にセツトされた一定時間Ｔが
経過すると(5)、再びポンプ５を駆動する(6)。前記
駆動回路２０，２１では、この一定時間Ｔの間に
電磁弁１０，１５の開閉の切り換えを行なう。こ
うして洗浄を行ない操作部１８において停止ボタ
ン１８−３が押されると(7)、ポンプ５を停止して
(8)リタンする。

このうして成される動作の一例を第４図にタイ
ムチヤートとして表した。この図は、まず肛門部
の洗浄を行なつた後ビデ洗浄をした場合のタイム
チヤートを示している。ａ，ｂはそれぞれ電磁弁
１０，１５の実際の開閉状態を表し、ｃはポンプ
の駆動／停止を表している。ｄはこれに伴なうポ
ンプ吐出側管路内の水圧を表している。

洗浄ボタン１８−１が押されると、電磁弁１０
が開弁すると共にポンプ５が駆動し、第１放水装
置により洗浄水を放出して肛門部の洗浄を行な
う。この洗浄中にビデボタン１８−２が押される
と、電磁弁１０への通電が断たれる一方電磁弁１
５が開弁され、ポンプ５は一定時間Ｔだけ停止す
る。ここで電磁弁１０は通電を断たれても即座に
閉弁できないが、ポンプ停止により吐出圧が低下
し、遮断可能な水圧P₁に達すると閉止される。
最後に停止ボタン１８−３が押されるとポンプ
５・電磁弁１５への通電がOFFされ、弁１５は
ポンプ停止に伴なう吐出圧低下により閉弁され
る。

尚、タイムチヤートｄに点線で示されているの
は、第２の放水装置１３の閉塞もしくは電磁弁１
５のロツクと云つた異常発生時を表し、放水装置
１３で正常に放水が成されず水圧が上昇し、電磁
弁の閉止保持圧P₂を越えると電磁弁１０が押し
開かれて、第１の放水装置８へその吐出圧を逃が
して降圧されることになる。

この考案は以上のように構成されるもので、一
定時間ポンプを停止して電磁弁の開閉を切り換え
るよう操作するので、開弁中の電磁弁は確実に流
路遮断ができ、電磁弁は少なくとも洗浄時の水圧
に対し閉成保持するだけの能力を保有したもので
あれば良く、従来のように流水を遮断し得る高能
力で大形のものを使用する必要がなくなり、安価
で且つ小形の装置が得られる。また電磁弁はその
流路遮断能力の低いものが使用できるため、異常
により管路内に高水圧が生じても、その水圧によ
り容易に電磁弁の弁部が押し開かれて水圧が開放
されるため、管路を破損したり疲労を与えたりす
る心配がないと云つた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る洗浄装置の一般例を示す構
成説明図。第２図は本案一実施例の制御系を示す
ブロツク図。第３図は実施例の要部動作を示すフ
ローチヤート図。第４図は実施例各部の作動状態
を示すタイムチヤート図。 １は洗浄装置本体、５はポンプ、８は第１の放
水装置、１３は第２の放水装置、１０，１５は電
磁弁、１８は操作部、１９は制御手段たる制御
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄水を圧送するポンプと、該ポンプとそれぞ
   れ電磁弁を介して接続しそれぞれの所定方向に向
   けて洗浄水を放出する第１及び第２の放水手段と
   を備えて人体局部を洗浄する衛生洗浄装置におい
   て、前記第１の放水手段による放水と第２の放水
   手段による放水とを選択的に得るように入力する
   操作部と、該操作部において前記第１もしくは第
   ２の放水手段のうちの一方が放水中に他方による
   放水を選択する入力があると、一定時間ポンプを
   停止して前記電磁弁の開閉を切り換えるよう制御
   する手段とを備えて成る衛生洗浄装置。