JPH0344558B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は気圧を降下させることにり沸点を低下
させて乾燥を行う真空乾燥装置付洗濯機に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来、洗濯機と乾燥機とは別個に備えられ、こ
れら乾燥機は通常電気やガス等により加熱される
ヒータを備え、投入された洗濯機で脱水した洗濯
物を回転しながら乾燥させている。また、洗濯機
自体にヒータを備えて乾燥させることも考えられ
るが、機構的に無理があつて実用化されていな
い。

［発明が解決しようとする課題］ このような従来の洗濯機は、乾燥機を別に備え
る必要があつて設置に要する容積が大きくなる。
また、ヒータにて乾燥させるので、周囲温度が上
昇すると共に、繊維によつては適さないものがあ
つた。

本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、
真空乾燥により衣類等をより良く乾燥させること
ができる真空乾燥装置付洗濯機を提供することを
目的とする。

［課題を解決しようとする手段］ 上記目的を達成するために本発明の真空乾燥方
法は以下の様な構成からなる。即ち、 脱水工程の後、電磁弁が閉成して真空ポンプが
駆動されて真空引きを実行する工程と、前記電磁
弁が開成して給気される工程とが繰り返し行われ
る。

また本発明の真空装置付洗濯機は以下の様な構
成からなる。即ち、 水槽である受筒内に洗濯物を収納し液体ととも
に撹拌して洗濯を行う洗濯機であつて、前記受筒
を機密に封止する蓋体と、前記受筒に設けた排水
孔を真空乾燥時に閉止する電磁弁と、前記受筒内
を真空引きする真空ポンプとを備える。

［作用］ 以上の構成により、洗濯の終了時に脱水槽を高
速回転して受筒の排水孔から排水し、洗濯物から
脱水を行つた後、電磁弁を閉成して真空ポンプを
稼働させる。真空ポンプの稼働後、所定時間経過
すると電磁弁が開成して給気が行なわれ、真空引
きと給気が繰り返されて乾燥が行われる。受筒の
上部は蓋体により気密に閉塞されるので受筒内が
減圧されて沸点が低下する。これにて比較的低い
温度でも乾燥が容易に行われる。

［実施例］ 以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施
例を詳細に説明する。

第１図は本実施例の洗濯機における真空乾燥方
法及び装置の構成を示す縦断面図であつて、参照
番号１は耐圧容器で構成された受筒を示す。洗濯
時には、この受筒１内に水や洗濯物が収納され、
モータ１５の回転により羽根２１が回転すること
により受筒１内の水が撹拌されて洗濯が実行され
る。この受筒１の内方には脱水槽２が配置され、
洗濯終了時にはこの脱水槽２がモータ１５により
高速回転して、洗濯物から遠心分離された水分が
小孔４より飛散して受筒１内に捕捉される。

受筒１の上方には、取外し可能に構成された蓋
体５が配置される。この蓋体５は真空引きの際に
受筒１の上端に吸着され、受筒１内が高真空に保
たれる。参照番号３は排水孔を示すもので、洗濯
の排水工程において電磁弁６が開成すると、この
排水孔３を介して洗濯機の外部に排水が行われ
る。

通常、排水はすすぎ及び最終脱水工程の際に行
われるが、本実施例に係る洗濯機では最終脱水工
程の後に再度電磁弁６が閉成する点で従来の装置
と異なる。即ち、本実施例における、給水、洗
濯、排水、脱水、給水、すすぎ、排水、脱水の順
で動作する自動式洗濯機においては、脱水工程の
後に乾燥工程が付加される。乾燥工程に入る前に
受筒１を機密にするため、排水孔３等の外部に通
じる通路を電磁弁６により遮断する。図中、参照
番号７は真空ポンプを示すもので、排水孔３とは
別に設けた吸入孔８より真空引きを行う。

この真空引きにより受筒１内の気圧が降下する
ため、洗濯物に付着している水の沸点が低下し、
その水が沸騰して気化される。こうした気化され
た水蒸気は真空引きとともに受筒１から外に排出
され、洗濯物の乾燥を更に速める役割を果す。

尚、吸入孔８を設けずに三方弁等を用いて排水
孔３から真空引きを行うようにしても良い。ま
た、同図には示していないが、加熱装置を受筒１
の周囲に配置し、真空乾燥時に幾分加熱を行つて
乾燥時間を短縮させることも可能である。

更に本実施例の受筒は真空引き時に内部の気圧
が降下しても十分に耐えられる強度を有している
ことは勿論である。

前述した真空引きを所定時間行つた後、電磁弁
６を開成させると受筒１内への給気が行われる。
この真空引きと給気とを繰り返して行うことで乾
燥が効率的に行われる。

第２図は本実施例に係る洗濯機の制御回路の一
例を示すブロツク回路図である。

同図において参照番号１０はCPUを示すもの
で、このCPU１０により全ての制御が可能に構
成される。CPU１０には、制御プログラムが格
納されたROM１１及びタイマ１２が接続される
と共に、出力回路にはインターフエース部１３が
接続される。インターフエース部１３には更に、
電磁弁１４、脱水モータ１５及び真空ポンプ１６
が接続される。これら電磁弁１４と真空ポンプ１
６はそれぞれ電磁弁６と真空ポンプ７に対応して
いる。

第３図は本実施例に係る洗濯機の動作フローを
示すフローチヤートである。第３図においてステ
ツプS100にて洗濯が終了したことが確認される
と、ステツプS101にて電磁弁１４が開成し排水
が行われる。次いでステツプS102にて脱水モー
タ１５が付勢されて遠心脱水が行われる。遠心脱
水が終了するとステツプS103において電磁弁１
４が閉成され、ステツプS104において真空ポン
プ１６が付勢されて真空乾燥工程に入る。ステツ
プS105において真空乾燥工程が所定回数行われ
たか否かが判別され、所定回数に満たない場合
は、ステツプS106において電磁弁１４が開成さ
れて給気が行われる。給気が所定時間に瓦つて行
われたことがステツプS107にて確認されると、
制御がステツプS103に移つて電磁弁１４が閉成
され、ステツプS104で再度真空乾燥工程が行わ
れる。ステツプS105において所定回数（Ｎ）の
真空乾燥および給気工程が行われたことが確認さ
れると、全ての工程が終了する。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、真空乾燥
のためにヒータ等の他の構成要素を必要とせず、
より良く衣類を乾燥できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例に係る洗濯機内に真空乾燥装
置を内蔵した真空乾燥装置の縦断面図、第２図は
実施例の洗濯機の制御回路の一例を示すブロツク
図、第３図は実施例の制御回路における乾燥動作
を示すフローチヤートである。 図中、１……受筒、２……脱水槽、３……排水
孔、４……小孔、５……蓋体、６，１４……電磁
弁、７，１６……真空ポンプ、８……吸入孔、１
０……CPU、１１……ROM、１２……タイマ、
１３……インターフエース部、１５……モータで
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水槽である受筒内に洗濯物を収納し液体とと
   もに撹拌して洗濯を行う洗濯機であつて、 前記受筒を気密に封止する蓋体と、 前記受筒内を真空引きする真空ポンプと、 前記受筒に設けた排水孔を真空乾燥時に閉止す
   る電磁弁と、 前記電磁弁により前記排水孔を閉成し、前記真
   空ポンプにより前記受筒内を真空引きして前記洗
   濯物の真空乾燥を行う乾燥処理と前記排水孔の開
   成により給気とを所定回数繰返すように制御する
   制御手段と、 を備えたことを特徴とする真空乾燥装置付洗濯
   機。