JPH0344099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、マニキユア等液状化粧品の塗布容器
に関する。

「従来の技術」 この種の塗布容器として従来、例えば第３図に
示すようなものがある。

これは、先ず液状化粧品を収納した容器体胴部
１の上端開口部に、有頂筒状の弁孔２付き中栓３
と該中栓の上方に位置して段付き筒状のホルダー
４下部（大径筒部）がカシメ等により内嵌固定さ
れる。

上記中栓３内には、上記弁孔２を図中上下方向
に移動して開閉する弁体５が収装される。該弁体
の弁棒５ａは弁孔２内を貫通して中栓上方に大き
く突出されると共に、該弁棒先端と中栓上面との
間に、該弁体を常時上方即ち閉弁方向へ付勢する
弁スプリング６が介装される。

上記ホルダー最上部の小径筒部内には、液状化
粧品塗布用の棒状液体吸上げ部材７の中間部分が
上下動自在に嵌合保持されると共に、該部材の下
端面は上記弁体上面に当接されている。

従つて、容器使用時には、容器体胴部１を倒立
させた後、液体吸上げ部材７を人肌等に押付ける
などしてホルダー４内に押込む。これにより、上
記液体吸上げ部材に当接する弁体５が中栓３内に
押込まれて弁孔２を開く。この結果、容器体胴部
内の液状化粧品が弁孔２より胴部外に流出して液
体吸上げ部材に吸収され、該液状化粧品の塗布が
可能となるのである。

「考案が解決しようとする問題点」 上記した従来の塗布容器にあつては、弁孔２を
開閉する弁体５の弁棒５ａが中栓３上方へ大きく
突出して該弁棒上端面に液体吸上げ部材７の下端
面が当接する構造になつていたため、弁孔２から
液体吸上げ部材７先端までの距離が長くなつて、
使い始めの開弁時には、液状化粧品が液体吸上げ
部材先端まで染みとおるのに時間がかかり、即応
性に欠けるという問題点があつた。

本考案は、このような実情を考慮して案出され
たもので、即応性に富んだ便利な液状化粧品塗布
容器を提供することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案に係る液状化
粧品塗布容器は、口頚部１７を起立させた容器体
１０と、上記口頚部内面に、弁孔１８付き頂壁１
８周縁から垂下した周壁２０を嵌着させた中栓１
１と、上記弁孔開閉のための上下動が自在に弁頭
２１を上記中栓頂壁下方に位置させると共に、弁
頭上面から起立した弁棒２２を上記弁孔内へ遊挿
して中栓上方へ突出させた弁体１２と、該弁体を
閉弁方向へ付勢させて上記弁棒上端と中栓頂壁と
の間に介装された弁スプリング１３と、上記中栓
周壁の上部内面に下降が可能に嵌合されると共
に、中央部に縦設された透孔２３を上記弁頭下面
で水密に閉塞させたピストン体１４と、上記中栓
周壁２０の上部外面に筒壁２４下部を嵌着させて
筒壁上部を中栓上方へ起立させた筒状ホルダー１
５と、上記筒壁上部内に中間部分を上下動自在に
挿通させると共に下端面を上記弁棒上端面に当接
させた棒状液体吸上げ部材１６とからなることを
特徴とする。

「作用」 使い始めには、例えば第１図が示す状態から先
ず容器体１０を倒立した後、第２図に示すよう
に、棒状液体吸上げ部材１６上端を人肌Ａ等に押
付けるなどして、該部材をホルダー１５内に比較
的深く押込む。

これにより、弁体１２が弁スプリング１３の付
勢力に抗して中栓１１内を上昇し、同時に該弁体
と当接するピストン体１４も中栓内を上昇して容
器体１０内を加圧する。この際、弁孔１８は開か
れるが、透孔２３が弁体の弁頭２１で閉じられる
ため、容器体内の液状化粧品の流出はない。

次に、第３図に示すように、押込み状態を維持
したまま容器体１０を若干持上げると、弁スプリ
ング１３の付勢力により、持上げだ分だけ弁体１
２及び液体吸上げ部材１６が中栓及びホルダーに
対して下降する。

この時、ピストン体１４は移動しないため、結
局透孔２３が開かれ、該透孔より容器体内の液状
化粧品が加圧状態で勢いよく流出し、開弁状態に
ある弁孔１８を通つて液体吸上げ部材１６に速や
かに浸透する。即ち、上記ピストン体１４の加圧
作用により、液状化粧品の単位時間当たりの流出
量が増大して液体吸上げ部材先端への浸透速度が
速められるのである。

この後、容器を通常に使用する場合は、弁体１
２の弁頭２１がピストン体１４に当接して透孔２
３を閉塞しない程度に液体吸上げ部材１６をホル
ダー１５内に押込んで使用すれば良い。

塗布後は、容器体１０を持上げて液体吸上げ部
材１６を自由状態にすれば、弁スプリング１３の
付勢力で弁体等が中栓等に体して下方へ移動し、
弁孔１８を閉じることは自明である。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案の一実施例を
説明する。

第１図において、１０は容器体、１１は有頂筒
状の中栓、１２は弁体、１３は弁スプリング、１
４はピストン体、１５は段付き筒状のホルダー、
１６はフエルト製の棒状液体吸上げ部材である。

容器体１０は、胴部２５上端に口頚部１７を起
立させてなる。上記胴部内には、液状化粧品と共
に該化粧品のかたまり防止用の複数の鋼球（図示
せず）が収納されている 中栓１１は、上記口頚部１７内面に、弁孔１８
付き頂壁１９周縁から垂下した周壁２０を嵌合さ
せてなる。上記周壁２０外面には突条２６が周設
され、該突条部分におい、中栓が後述するホルダ
ー１５筒壁２４大径部２４ａと共に口頚部内面に
カシメ固定されている。

弁体１２は、上記弁孔開閉のための上下動が自
在に弁頭２１を上記中栓頂壁下方に位置させると
共に、弁頭上面から起立した弁棒２２を上記弁孔
内へ遊挿して中栓上方へ突出させてなる。

上記弁棒２２は、図示例では弁頭２１と分割形
成されると共に、上端には鍔状のスプリング受け
２７が付設されている。

上記スプリング受け２７と中栓頂壁１９との間
に、上記弁体１２を閉弁方向へ付勢させた弁スプ
リング１３が介装されている。

ピストン体１４は、基板２８周縁を断面弧状の
弾性部２９に形成し、この弾性部を中栓周壁２０
の上部内面に下降が可能に圧接すると共に、基板
中央部に穿設した透孔２３を上記弁頭２１下面で
水密に閉塞させてなる。図示例では弁頭下面に突
設した突起２１ａが透孔２３内に離脱可能に嵌合
している。

ホルダー１５は、その筒壁２４が大径部２４ａ
と中間径部２４ｂと小径部２４ｃとに形成され、
そのうちの中間径部と小径部とが中径上方へ起立
されている。上記中間径部２４ｂには、ウレタン
製の筒状補助液体吸上げ部材３０が内嵌されてい
る。

棒状液体吸上げ部材１６は、上記ホルダー小径
部２４ｃ内に中間部分を上下動自在に挿通させる
と共に下端面を上記弁棒上端面に当接させてな
る。

尚、図中３１はキヤツプで、３２は該キヤツプ
に内嵌する乾燥防止用の補助キヤツプである。ま
た、各部は適宜合成樹脂材で成形製作される。

従つて、本実施例では第２図及び第３図に示し
たように、棒状液体吸上げ部材１６の上下動によ
り、弁体１２が開閉作動すると共に、使い始めに
は、液体吸上げ部材１６をホルダー内に深く押込
んでピストン体１４を上昇させることにより、弁
孔１８からの液状化粧品の単位時間当たりの流出
量を増大出来、依つて棒状と筒状の両方の液体吸
上げ部材１６，３０に液状化粧品を速やかに浸透
させられる。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、使い始め
における開弁時には前もつて容器体胴部内をピス
トン体により加圧出来るように構成したので、当
該開弁時には弁孔からの液状化粧品の単位時間当
たりの流出量を増大出来、依つて液体吸上げ部材
先端へ速やかに液状化粧品を浸透させることが出
来る。即ち、即応性に富んで便利な液状化粧品塗
布容器を提供出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の一実施例を示す要部縦断
面図、第２図及び第３図はその異なつた作用状態
を示す各々の要部縦断面図、第４図は従来容器を
示す縦断面図である。 １０……容器体、１１……中栓、１２……弁
体、１３……弁スプリング、１４……ピストン
体、５……筒状ホルダー、１６……液体吸上げ部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口頚部１７を起立させた容器体１０と、上記口
   頚部内面に、弁孔１８付き頂壁１９周縁から垂下
   した周壁２０を嵌着させた中栓１１と、上記弁孔
   開閉のための上下動が自在に弁頭２１を上記中栓
   頂壁下方に位置させると共に、弁頭上面から起立
   した弁棒２２を上記弁孔内へ遊挿して中栓上方へ
   突出させた弁体１２と、該弁体を閉弁方向へ付勢
   させて上記弁棒上端と中栓頂壁との間に介装され
   た弁スプリング１３と、上記中栓周壁の上部内面
   に下降が可能に嵌合されると共に、中央部に縦設
   された透孔２３を上記弁頭下面で水密に閉塞させ
   たピストン体１４と、上記中栓周壁２０の上部外
   面に筒壁２４下部を嵌着させて筒壁上部中栓上方
   へ起立させた筒状ホルダー１５と、上記筒壁上部
   内に中間部分を上下動自在に挿通させると共に下
   端面を上記弁棒上端面に当接させた棒状液体吸上
   げ部材１６とからなることを特徴とする液状化粧
   品塗布容器。