JPH0342143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、便器本体に洗浄機能部を固定配置す
る構成の衛生洗浄装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、衛生洗浄装置は便器本体に一体的に固定
するものと、別体に配置し洗浄用のノズルを手で
持つて使用するものとに大別される。

固定式の衛生洗浄装置は、便器本体の後部側に
機器を組み込んだケーシングを連結するものが最
も一般的である。そして、その固定方法は、ケー
シングの据えつけ位置に相当する部分の便器本体
にボルト孔を上下方向に貫設し、固定ボルトを便
器本体の下面またはケーシング側からこのボルト
孔に挿入し、ナツトを螺合するというものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、便器本体はその機能及びデザインの面
から構造が複雑化する傾向にあり、衛生洗浄装置
を付属する機種に対してもケーシングの取付け用
のボルト孔を設けることができないものがある。

また、ケーシング据えつけ部分の便器本体の下
部が直接床面まで陶器で製作するものでは、ボル
ト孔を設けられないどころか、下方からのケーシ
ングの固定もできない。

本考案の目的は、衛生洗浄装置のケーシングを
便器本体の上面から装着することによつて、便器
の種類によることなく衛生洗浄装置を付属できる
ようにすることである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は、衛生洗浄装置のケーシングを便器本
体に固定するに際し、まず便器本体の据付面にベ
ースプレートをブツシユとボルトを利用して固定
し、さらにこのベースプレートに設けた〓状の係
合爪をケーシング下面の係合口に嵌入した後ケー
シングをずらしてベースプレートに対する上下方
向移動を拘束し、かつビスによりケーシング前部
分をベースプレートに連結することを特徴とする
ものである。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図から第３図は便器本体１に対する衛生洗
浄装置のケーシング２の固定作業手順を示す斜視
図である。

第１図において、３は便器本体１の据えつけ面
に固定するベースプレートで、表面の二位置には
孔４と便器本体１の前後方向軸線に対して左右の
いずれか一方が開放するように立ち上げた係合爪
５を設け、さらに前縁の二位置にはビス孔６を形
成した連結片７を立ち上げている。

１０はベースプレート３の孔４と整合する位置
の便器本体１面に開設した固定孔、１１はこの固
定孔１０に嵌挿しボルト１２を螺合してベースプ
レート３を便器本体１に固定するためのブツシユ
である。

第４図はブツシユ１１の拡大断面図で、弾性ゴ
ムを素材とする中空の本体１１ａの上端にフラン
ジ１３を設けるとともに中途部分に膨出部１４を
形成し、さらに下端にはナツト１５を挿入固定し
ている。

このブツシユ１１を固定孔１０に上方から挿入
してそのフランジ１３を便器本体１上面に位置さ
せ、ボルト１２をベースプレート３の孔４を挿通
し、さらにナツト１５に螺合してベースプレート
３を便器本体１に固定する。この場合、ボルト１
２の螺合によりナツト１５部分が上に移動するよ
うに作用力を受け、膨出部１４が第５図に示すよ
うに便器本体１の固定孔１０周囲面に当接し、フ
ランジ１３とともにベースプレート３を挟圧して
便器本体１に強固に固定できる。

また、便器本体１の固定孔１０が深い場合に
は、第６図で示すように膨出部１４が固定孔１０
の内周面に当接圧着して便器本体１に強固に固定
できる。

尚、ブツシユ１１によつてベースプレート３を
便器本体１に固定する際、便器本体１は陶器製で
あるのでその表面には僅かではあるが凹凸あるい
は反りがあるので、ベースプレート３をブツシユ
１１のフランジ１３部のような弾性体を介さずに
固定すると、ベースプレート３が変形しかつこれ
に取付けるケーシング２も変形することになり好
ましくない。ブツシユ１１のフランジ１３部は、
この変形を吸収しケーシング２を変形させること
なく便器本体１に取付ける機能を持つものとして
形成したものである。

さらに、ブツシユ１１のフランジ１３部の厚み
分だけ便器本体１上面とベースプレート３の間に
は隙間が生じるため、汚水の侵入等が考えられ
る。これを防止するため、ベースプレート３の下
面周囲にブツシユ１１より弾性のある汚水防止パ
ツキン２３を第７図のように貼つている。

第２図において、衛生洗浄装置のケーシング２
の下面にはベースプレート３の係合爪５を挿入す
るための係合口２０を二位置に設け、さらに前面
にはベースプレート３の所定位置にセツトした時
に連結片７のビス孔６に整合する雌螺子孔２１を
形成している。

ケーシング２のベースプレート３への固定は、
ケーシング２の下面をベースプレート３に載せる
ようにセツトし、一部を拡大して示すように係合
口２０内に係合爪５が入り込むようにする。次い
でケーシング２を第２図において右方向へ移動さ
せると、係合爪５の下に係合口２０付近のケーシ
ング２底面が入り込み、前後左右への移動を拘束
されて定位置に保持される。

ケーシング２が定位置に保持されると同時に、
連結片７のビス孔６とケーシング２の雌螺子孔２
１が整合し、固定ビス２２をこれにネジ込んでケ
ーシング２をベースプレート３に一体固定する。

以上のように、便器本体１の上面側から全ての
作業が行え、衛生洗浄装置を簡単に便器本体１に
取付けることができる。

また、便器本体１のケーシング２据え付け面に
ブツシユ１１を挿入する固定孔１０を開けてさえ
いれば、ベースプレート３を介して衛生洗浄装置
の取付けができるので、便器の機種によらず装着
できる。

さらに、ケーシング２の上蓋２ａ部分を雌螺子
孔２１部分から分離可能としておけば、据付け後
にこの上蓋２ａだけを取り除くことができ、内部
の機器の点検も容易である。

〔考案の効果〕 本考案は、衛生洗浄装置を便器の上面側の作業
のみで簡単に取付け及び取り外しでき、現場での
据付や分解も容易化できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は便器本体へのベースプレート連結を示
す斜視図、第２図はベースプレートへのケーシン
グ固定を示す斜視図、第３図はケーシング据付後
の斜視図、第４図はブツシユの断面図、第５図は
ブツシユによるベースプレート固定を示す要部断
面図、第６図は固定孔が深い場合のブツシユによ
る固定状態を示す断面図、第７図は汚水防止パツ
キンをベースプレートの下面に貼り付けた状態の
斜視図である。 １…便器本体、２…ケーシング、３…ベースプ
レート、４…孔、５…係合爪、６…ビス孔、７…
連結片、１０…固定孔、１１…ブツシユ、１５…
ナツト、２０…係合口、２１…雌螺子孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器本体の据付面に開設した固定孔に挿入する
   ブツシユと、同ブツシユにねじ込むボルトにより
   前記据付面に固定するベースプレートと、同ベー
   スプレートを介して前記便器本体に連結固定する
   衛生洗浄装置のケーシングとを備え、前記ベース
   プレート面に上方へ突出する断面〓状の係合爪を
   形成するとともに前縁にビス孔を開設した連結片
   を立ち上げ、前記ケーシング下面に上記係合爪の
   少なくとも上辺が挿通可能な係合口を設けるとと
   もに同ケーシングの前面に前記ビス孔に整合する
   雌螺子孔を形成し、さらにビス孔を挿通して雌螺
   子孔に螺合するビスによりケーシングをベースプ
   レートに固定する構成としたことを特徴とする衛
   生洗浄装置の固定構造。