JPH0229628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電源からの電気コードを機器に接続
固定するためのブツシユの取付け構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、電気コードを機器に外部から接続するた
めに、機器の壁面等にゴム等の弾性素材を用いた
ブツシユを配置している。

例えば、水洗式便器等において、局部洗浄機能
及び暖房便座を備えたものでは、洗浄用の温水を
供給する衛生洗浄装置のケーシング内の温水加熱
器や制御機器等に給電するコードを接続するとと
もに、このケーシングから暖房便座間にもコード
を配線接続している。

この暖房便座へのコードとケーシングとの接続
固定は、第７図に示すようにケーシング５０の側
壁５１に下端が開口し上方に向け開口断面が縮小
する先細り形状の切欠５２を形成し、この切欠５
２にゴム製のブツシユ５３を下方から嵌入して固
定する構造である。

ブツシユ５３は、断面が表裏面方向に向けて三
層状をなすとともに表面側にはコード５４を挿通
支持する筒部５５を形成し、中間層に相当する部
分は切欠５２の形状に略等しい外形状の嵌合部５
６を設けている。

そして、このブツシユ５３のケーシング５０へ
の固定は、嵌合部５６を切欠５２の下方から入れ
込み、これら嵌合部５６と切欠５２のそれぞれの
嵌合面が合致する状態となるまで上方に移動させ
ることにより行う構成となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このブツシユ５３を切欠５２に取りつ
ける場合、ブツシユ５３全体の取付け時の移動ス
トロークは切欠５２の下方開口端から上端までと
なり、配線作業時間が長くなる。

また、ブツシユ５３を強固に固定するためには
ブツシユ５３の弾性力を利用することが必要で、
このために嵌合時においてブツシユ５３はある程
度弾性変形しながら移動する。従つて、上記のよ
うにブツシユ５３の嵌合ストロークが大きいと弾
性反力に抗しながらの作業がかなり負担になると
いう問題もある。

本考案の目的は、電気コードと機器に接続固定
するブツシユを機器面に容易に固定可能とするこ
とにより、生産性の向上を図ることにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は、弾性素材のブツシユをカバー部、嵌
合部、挟持部の順に三層状に形成し、嵌合部外形
をカバー部より小さい等脚台形状に及び挟持部を
嵌合部より大きな嵌合部の相似形とし、ブツシユ
を固定する機器のケーシングの縁に嵌合部外形に
略等しい開口縁形状の切欠を設け、かつカバー部
背面と挟持部前面により切欠周縁を嵌合してブツ
シユをケーシングに固定する構成とし、挟持部の
上部側が切欠を通過可能としたものである。

〔実施例〕

以下、図面に示す洗浄機能及び暖房便座付の水
洗式便器に関する実施例に基づいて本考案を説明
する。

第１図はブツシユと衛生洗浄装置のケーシング
の一部を切欠して示す斜視図、第２図は便器の斜
視図である。

第２図において、Ａは水洗便器本体、Ｂ及びＣ
はそれぞれ開閉自在な暖房便座と便蓋、Ｄは洗浄
水タンク、さらにＥは洗浄及び乾燥機能を内蔵し
た衛生洗浄装置である。

衛生洗浄装置Ｅのケーシング１には、その内部
に内蔵した制御機器と暖房便座Ｂ内のヒータとを
接続するコード２をブツシユ３によつて固定して
いる。

ブツシユ３はポリ塩化ビニル等の合成樹脂また
はゴム等を素材とした弾性体で、第１図及び第４
図、第５図で示すようにコード２を挿通支持する
筒部４を形成したカバー部５、同カバー部５の背
面に位置する嵌合部６及びその背後に形成した挟
持部７の三層体として構成し、各部５〜７は筒部
４及びコード２と一体モールド成形されている。

嵌合部６はカバー部５の外形より小さい等脚台
形状で、さらにこの嵌合部６の背後に一体的に設
けた挟持部７はカバー部５より高くかつ上底１２
の長さが嵌合部６の下底６ａより小さい相似形の
等脚台形状である。

この嵌合部６と挟持部７外形の相似関係によつ
て、両部６，７の斜辺１０，１１の傾斜角は等し
くて平行であり、しかも挟持部７の上底１２は嵌
合部６の上底１３よりも長い。

第１図において、２０はケーシング１の側壁下
端側に形成したブツシユ３装着用の切欠で、これ
はケーシング１表面の一部を切除した矩形状の凹
部２１、同凹部２１に連続して裏面側に形成した
嵌着壁２２とから構成している。

この切欠２０において、凹部２１の内周壁はブ
ツシユ３のカバー部５の外形に整合する形状とな
し、さらに凹設深さｄはカバー部５の肉厚t₁と略
等しく形成する。

さらに、嵌着壁２２の縁を形成する一対の斜辺
部２３，２４及びこれに連続する水平部２５によ
つて描かれる形状はブツシユ３の嵌合部６に略等
しい外形の等脚台形状をなし、かつそ肉厚t₂も嵌
合部６に略等しく形成する。

尚、３０は挟持部７の背面の一側下端に設けて
ケーシング１に螺合するビスが挿通するビス孔
で、ケーシング１にはこのビス孔３０に対応する
位置に雌螺子孔３１を形成している。また、ブツ
シユ３の筒部４にはその変形を容易となすため、
複数の切欠溝３２を周面に設けている。

ブツシユ３をケーシング１に固定する手順は、
まずブツシユ３を第１図のように切欠２０の側方
に位置させ、矢印方向にブツシユ３を切欠２０側
に平行、移動させる。このとき、挟持部７は嵌合
部６と相似関係にあり、しかも嵌着壁２２の切欠
縁形状はこの嵌合部６と略同形でかつ挟持壁の上
底１２長さは嵌合部６の下底６ａより短いので、
挟持部７は嵌着壁２２の内縁を通過してその背部
に達する。

次に、ブツシユ３を上に動かすと、挟持壁７の
前面側が嵌着壁２２の背面に当接し、ブツシユ３
はこの当接により案内されながら嵌合壁６が次第
に嵌着壁２２の内縁に整合して移動する。

以上により、嵌合部６の上底１３が嵌着壁２２
の水平部２５に至つてブツシユ３は位置決めされ
かつ弾性変形による反力によつて第６図のように
固定される。この後、固定ビス（図示せず）をビ
ス孔３０に挿入してケーシング１の雌螺子孔３１
に螺合すればよい。

上記のように、ブツシユ３をケーシング１に取
り付ける場合、ブツシユ３の上半分を側方から切
欠２０内に位置させた後にこれを上に移動させる
ので、従来のブツシユに比べて嵌合方向へのスト
ロークが短くなり、取付け作業を簡略化すること
ができる。

尚、本例では洗浄機能付の水洗式便器について
述べたが、そのほかの機器にも本考案を適用でき
ることは言うまでもない。

〔考案の効果〕

本考案は、ブツシユの機器に対する嵌合移動量
を小さくして容易に取付けできるので作業時間の
短縮により生産性の向上が図れ、しかもブツシユ
は工具を使用しなければ着脱できない構造なので
電気用品取締法にも合致するという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のブツシユ取付け構造の分解斜
視図、第２図は本考案のブツシユを備えた衛生洗
浄装置水洗便器の斜視図、第３図はブツシユの取
付け要領を示す斜視図、第４図はブツシユの正面
図、第５図は同ブツシユの嵌合部断面図、第６図
はケーシングに固定したときの断面図、第７図は
従来例の要部断面図である。 １……ケーシング、２……コード、３……ブツ
シユ、４……筒部、５……カバー部、６……嵌合
部、７……挟持部、２０……切欠、２１……凹
部、２２……嵌着壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コードを支持する弾性素材のブツシユをカバー
   部、嵌合部、挟持部の三層状に形成し、同嵌合部
   外形をカバー部より小さい等脚台形状とするとと
   もに前記挟持部を同嵌合部より大きな相似形と
   し、さらに上記ブツシユを固定する機器のケーシ
   ングの縁に前記嵌合部外形に略等しい開口縁形状
   の切欠を設け、かつ前記カバー部背面と挟持部前
   面によりケーシングの前記切欠周縁を嵌合してブ
   ツシユをケーシングに固定する構成としたことを
   特徴とする電気コード用ブツシユの取付け構造。