JPH0342112B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、模様パターンの縫い方向を時計方向
あるいは反時計方向のいずれの方向にも設定でき
る反転押え付ミシンに関する。

従来技術 従来、被加工物にアツプリケやワツペン等の被
加工物を縫い付ける場合には、このアツプリケ等
の被加工物を保持するために反転押えを設けたミ
シンを使用することが知られている。第８図は従
来のこの種の反転押え付ミシンの斜視図を示した
もので、ミシン本体１はミシン台２の上で反転ク
ランク軸３に接続された反転押え台４′に反転押
え４が固着され、この反転押え４は針棒５に固着
された針６の直下のパルスモータ（図示せず）に
よりＸ軸方向及びＹ軸方向に移動可能に取り付け
られている。またミシン本体１の側面に反転機構
７が装着され、この反転機構７によつて反転クラ
ンク軸３が反転される。

このように構成された従来の反転押え付ミシン
では、第９図に示すように反転押え４が被加工布
８をＸ軸方向及びＹ軸方向に移動させ、縫い始め
点Ａから縫製が開始され、所定のタイミングで反
転機構７が動作して反転押え４の反転クランク軸
３を一点鎖線の位置に反転させ、縫い終り点Ｂま
で縫製されると、被加工布８の縫製が終了され
る。

発明が解決しようとする問題点 上記のような従来の反転押え付ミシンでは、第
９図において、縫い始め点Ａでは反転クランク軸
３が実線側（以下ａ側と称す）となるように一義
的に決められ、時計方向（矢印方向）に縫製さ
れ、この縫製中にラインｌを越た時点で反転クラ
ンク軸３を一点鎖線（以下ｂ側と称す）とし、縫
い終り点Ｂまで縫製を行なつて一サイクルの縫製
を終了している。

このように反転クランク軸３が制御されている
ため、縫い始めより左に縫製を行ない、反時計方
回りの縫製を行なつた場合、ａ側になつている反
転クランク軸３と針６が干渉して針折れが発生
し、このような縫製は不可能であつた。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解決するために、ミシ
ンの反転押え台を支持する反転クランク軸と、該
反転クランク軸を反転駆動する反転手段と、前記
反転押え台及び前記反転クランク軸をＸ−Ｙ方向
に移動する布送り手段と、縫製布に施す縫製パタ
ーンを入力する入力手段と、該入力手段からの縫
製情報を記憶する手段と、該縫製情報から反転ク
ランクに対する縫い始め点の方向を判別して前記
反転クランク軸の初期位置を判断する第１の手段
と、前記反転手段を駆動して前記反転クランク軸
を初期位置に移動させる第２の手段と、前記縫製
情報により前記ミシンを駆動して前記縫製布に前
記縫製パターンを施す駆動制御手段とを備えたこ
とを特徴とする。

作 用 本発明によれば、反転クランク軸の初期設定を
縫製パターンに対応して設定できるので、模様パ
ターンを、時計方向あるいは反時計方向に縫製す
ることができる。

実施例 第１図は、本発明の反転押え付ミシンを動作さ
せる回路の要部ブロツク図で、マイクロコンピユ
ータ９は制御回路１０に読み書きメモリ１１、読
み出し専用メモリ１２及び記憶装置１３が接続さ
れ、また制御回路１０に入力装置１４が接続され
ている。さらに制御回路１０はインタフエース１
５を介して駆動回路１６，１７，１８がそれぞれ
接続されている。そして駆動回路１６に第８図の
反転クランク軸３が接続され、また駆動回路１７
にＸモータ１９及びＹモータ２０が接続され、こ
のＸモータ１９及びＹモータ２０によつて反転押
え４が駆動される。さらに駆動回路１８はミシン
本体１の主軸を回転する主軸モータ２１に接続さ
れている。

次に本実施例の反転押え付ミシンの動作を説明
する。まず、反転押え付ミシンで縫製を行なう場
合、入力装置１４により縫製パターンの作業を行
なわなければなわない。この縫製パターンの入力
例を第２図に示すと、始めに機械原点Ｏの入力を
行ない、次に０から縫い始め点Ａまでの移動ルー
トを規定してやらなければならない。このルート
Ｏ→Ａを直線で設定した場合は、実際にミシンを
駆動するとき、第８図の反転押え付ミシンにおい
て反転押え４を固着し反転押え台４′とミシン針
６とが干渉する恐れがあり、第２図の点線Ｃのよ
うに反転押え台４′を避けたルートでなければな
らない。このルートを規定した後、実際に縫製を
行なうルートは第２図の一点鎖線Ｄに示したよう
に縫い始め点Ａから縫い終り点Ｂより行なわなけ
ればならない。

ここで、第３図ａに示したように原点から空送
り方向が原点Ｏより右方向、即ち＋Ｘ方向に規定
された場合は縫い方向は右回り（以下単に時計回
り縫製と称す）とし、また第３図ｂに示したよう
に原点より左方向、即ち−Ｘ方向に規定された場
合は縫い方向は左回り（以下単に反時計回り縫製
と称す）であると規定する。

この時計回り縫製の場合、第３図ａの反転ライ
ンｌは所定の座標（０、α）より＋Ｘ方向に規定
され、反転クランク軸３は縫い始め点においての
初期位置をａ側に倒され、矢印Ｒ方向に縫製が行
なわれて反転ラインｌを越えた時点で反転クラン
ク軸３ははｂ側に倒される。そして、矢印Ｒの反
対方向に移動して反転ラインｌを越えた場合に、
その越えた時点で反転クランク軸３はａ側に倒れ
るように制御される。

次に、反時計回り縫製の場合には、第３図ｂの
反転ラインl′は所定の座標（０、α）より−Ｘ方
向に規定され、反転クランク軸３は縫い始め点に
おいて初期位置をｂ側に倒され、矢印Ｌ方向に縫
製が行なわれて反転ラインl′を越えた時点で反転
クランク軸３はａ側に倒される。そして、矢印Ｌ
の反対方向に移動して反転ラインl′を越えた場合
に、その越えた時点で反転クランク軸３はｂ側に
倒れるように制御される。

以上の反転クランク軸３の制御により反転押え
４の使用時に不要な動きを必要とせず、時計回り
縫製あるいは反時計回り縫製ができる。

第４図は、第１図の反転押え付ミシンの回路の
動作制御のフローチヤートを示した図で、第４図
において (1) 第１図の記録装置１３より縫製パターンを読
み出し、読み書きメモリ１１を格納する。

(2) 縫制パターンが反転押え４を使用するパター
ンかどうかを判定する。

(3) 制御回路１０はインタフエースを介して駆動
回路１７によりＸモータ１９及びＹモータ２０
を駆動し、反転押え４を原点位置に移動する。

(4) 縫い始め点までの空送りが＋Ｘ方向かあるい
は−Ｘ方向かを判定する。

(5) ＋Ｘ方向であれば、時計回り縫製の反転クラ
ンク軸３の制御を行なう。

(6) 空送り方向により反転クランク軸３の反転ラ
インｌを設定する。

(7) 原点より反転押え４を縫い始め点へ移動す
る。

(8) インタフエース１５を介して駆動部１６によ
り反転クランク軸３をａ側に倒す。

(9) ミシンのスタートスイツチがオンになるのを
待つ。

(10) 反転クランク軸３をａ側へ設定する。

(11) 駆動回路１８よりミシン本体１の主軸モー
タ２１を駆動し、縫製パターンに従つて縫製を
行なう。

(12) 反転ラインｌを越えたかどうかを判定す
る。

(13) 反転ラインｌを越えた時点で反転クランク
軸３をｂ側へ倒す。

(14) さらに縫制を行なう。

(15) 縫製が終了すれば、再度縫始め点に移動
し、ミシンのスタートスイツチの操作を待つ。

一方、上記(4)において空送り方向が−Ｘであれ
ば、 (5′) 反時計回り縫製の反転クランク軸３の制御
を行なう。

(6′) 空送り方向により反転クランク軸３の反転
ラインl′を設定する。

(7′) 原点より反転押え４を縫い始め点へ移動す
る。

(8′) インタフエース１５を介して駆動部１６に
より反転クランク軸３をｂ側に設定する。

(9′) ミシンのスタートスイツチがオンになるの
を持つ。

(10′) 反転クランク軸３をｂ側へ倒す。

(11′) 駆動回路１８よりミシン本体１の主軸モー
ド２１を駆動し、縫製パターンに従つて縫製を
行なう。

(12′) 反転ラインl′を越えたかどうかを判定す
る。

(13′) 反転ラインl′を越えた時点で反転クランク
軸３をａ側へ倒す。

(14′) さらに縫制を行なう。

(15′) 縫製が終了すれば、再度縫始め点に移動
し、ミシンのスタートスイツチの操作を待つ。

このように反転押え４の使用時のパターンにお
いて、縫製方向の制限が無くなり、また不要な動
きを行なうことなく、反時計回り縫製が可能とな
り、縫製時間を短縮することができる。

第５図は、本発明の他の実施例のフロチヤート
を示した図で、この実施例は縫製パターンの作成
時に縫い方向のデータを予め入力する。従つて、 (1) 第１図の記録装置１３より縫製パターンを読
み出し、読み書きメモリ１１を格納する。

(2) 縫制パターンが反転押え４を使用するパター
ンかどうかを判定する。

(3) 制御回路１０はインタフエースを介して駆動
回路１７よりＸモータ１９及びＹモータ２０を
駆動し、反転押え４を原点位置に移動する。

(4) 原点からの空送り方向によらず、縫い始め点
からの縫製パターンにより縫い方向を判定す
る。

(5) ＋Ｘ方向であれば、時計回り縫製の反転クラ
ンク軸３の制御を行なうため、より第４図の
(6)に移行する。

(5′) −Ｘ方向であれば、反時計回り縫製の反転
クランク軸３の制御を行なうため、 6′ より第
４図の（6′）に移行する。

第６図は、本発明のさらに他の実施例のフロチ
ヤートを示した図で、この実施例は第７図に示し
たように縫製パターンの作成時に縫い方向が反転
クランク軸３の近傍に設定線ｍ，ｎを設定し、縫
製パターンが始めに横切るラインがｍか、ｎかの
データを予め入力する。従つて、 (1) 第１図の記録装置１３より縫製パターンを読
み出し、読み書きメモリ１１を格納する。

(2) 縫制パターンが反転押え４を使用するパター
ンかどうかを判定する。

(3) 制御回路１０はインタフエースを介して駆動
回路１７によりＸモータ１９及びＹモータ２０
を駆動し、反転押え４を原点位置に移動する。

(4) 原点からの空送り方向によらず、縫製パター
ンが始めに横切るラインｍまたはｎにより縫い
方向を決定する。

(5) ラインがｍであれば、時計回り縫製の反転ク
ランク軸３の制御を行なうため、より第４図
の(6)に移行する。

(5′) ラインがｎであれば、時計回り縫製の反転
クランク軸３の制御を行うため、 6′ より第４
図の（6′）に移行する。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明は、反
転押えの使用時のパターンにおいて、縫製方向の
制限が無くなり、また不要な動きを行なうことな
く、反時計回り縫製が可能となり、縫製時間を短
縮するとができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例の反転押え付ミシン
を動作する回路の要部ブロツク図、第２図及び第
３図は第１図の原理を説明するための図、第４図
は第１図の回路の制御動作を説明するためのフロ
ーチヤート、第５図は本発明の他の実施例の反転
押え付ミシンの動作を説明するためのフローチヤ
ート、第６図は本発明の他の実施例の反転押え付
ミシンの動作を説明するためのフローチヤート、
第７図は第６図のフローチヤートを説明する反転
クランク軸の平面図、第８図は反転押え付ミシン
の斜視図、第９図は従来の欠点を説明するための
図である。 ３……反転クランク軸、４……反転押え、９…
…マイクロコンピユータ、１０……制御回路、１
１……読み書きメモリ、１２……読み出し専用メ
モリ、１３……記録装置、１４……入力装置、１
５……インタフエース、１６，１７，１８……駆
動回路、１９……Ｘモータ、２０……Ｙモータ、
２１……主軸モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ミシンの反転押え台を支持する反転クランク
   軸と、該反転クランク軸を反転駆動する反転手段
   と、前記反転押え台及び前記反転クランク軸をＸ
   −Ｙ方向に移動する布送り手段と、縫製布に施す
   縫製パターンを入力する入力手段と、該入力手段
   からの縫製情報を記憶する手段と、該縫製情報か
   ら反転クランクに対する縫い始め点の方向を判別
   して前記反転クランク軸の初期位置を判断する第
   １の手段と、前記反転手段を駆動して前記反転ク
   ランク軸を初期位置に移動させる第２の手段と、
   前記縫製情報により前記ミシンを駆動して前記縫
   製布に前記縫製パターンを施す駆動制御手段とを
   備えたことを特徴とする反転押え付ミシン。