JPH0341989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はロープフツクに係り、特にオートバイ
（スクーター、スリータ等を含む、以下同じ）に
荷物を緊締するためのロープを掛止するオートバ
イのロープフツクに関する。

［従来の技術］ 従来からオートバイのロープフツクに関して
は、外観を良好ならしめると共に、ダブルシート
の場合には後席の同乗者の脚部の邪魔にならない
ようにするため、ロープフツクを省略し、網状の
ゴム体からなるロープを用いて、このロープの所
望箇所に掛止フツクを設け、シートの端末或はカ
ウル等に引掛けていた。しかし掛止フツクをシー
トの端末或はカウル等に引掛けると、シート表皮
やカウルの損傷を招くこととなる。また網状のゴ
ム体によつて荷物を取付けることには、網の大き
さに限界があり、大きな荷物を載置するのに問題
がある。

この問題を解決するために、例えば実開昭59−
88391号公報で示される提案技術がある。この技
術は、車体後部の同乗者用シートの下側部分に横
孔を設けたブラケツトを設け、該ブラケツトの横
孔にフツクバーを摺動自在に挿入し、フツクバー
に弾性片を当てて動きを制限するようにしたもの
である。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、上記実開昭59−88391号公報で示され
る提案技術は、シートを取付ける車体側にロープ
フツクを設けたものであつて、このようにシート
の下側にロープフツクを形成すると、サイドカバ
ーを取付けることができないこととなる。また予
め車体等にロープフツクを設けると、多品種の提
供という今日における商品性の要請に応えること
ができないという問題もある。

本考案の目的は、クツシヨン性を損なわず、サ
イドカバーの取付ができ、乗員の脚部に違和感を
生じさせず、多品種という今日における商品性の
要請に応えることができるオートバイのロープフ
ツクの提供にある。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係るオートバイのロープフツクは、少
なくともボトムプレート上にクツシヨン材を載置
して表皮材で被覆したオートバイ用シートにおい
て、前記ボトムプレートには裏側下方に且つ端末
部に近接して突起を形成し、該突起には一対の筒
状ホルダーを固設して、該ホルダーにほぼコ字状
のフツク材の両端を挿通して該フツク材をシート
側面方向にスライド可能に支持すると共に、前記
シート側面にはロープの掛止め時に該フツク材を
シート側面外方に引出し得る大きさの開口を形成
した構成としたものである。

［作用］ 本考案に係るオートバイのロープフツクは、ボ
トムプレートの裏側下方で、端末部に近接して突
起を形成したので、クツシヨン性に影響を及ぼさ
ずボトムプレートの補強にもなる。また、ボトム
プレートの突起に、一対の筒状ホルダーを固設し
て、該ホルダーにほぼコ字状のフツク材の両端を
挿通して該フツク材をシート側面方向にスライド
可能に支持すると共に、前記シート側面にはロー
プの掛止め時に該フツク材がシート側面外方に突
出し得る大きさの開口を形成した構成としたの
で、使用時にフツク材をシート側面外方にスライ
ドさせて突出させることにより、ロープフツクと
して使用でき、不使用時にはシート側面より内側
に配設されているので、シート側方に突出され
ず、乗員がシートを脚で挟んでも違和感を生じさ
せることがない。またフツク材をシートに形成し
たので、シート下部にカウル等を装着するときに
邪魔とならず、シートと共にロープフツクを変更
することができ、多品種という今日における需要
の要請に応えることができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。なお、以下に説明する部材、配置等は本考
案を限定するものでなく、本考案の趣旨の範囲内
で種々改変することができるものである。

第１Ａ図乃至第１Ｃ図において、記号Ｓは前席
と後席とからなるオートバイ用ダブルシートであ
り、本例のシートＳはボトムプレート１の上にク
ツシヨン材２を載置し、表皮材３でクツシヨン材
２を被覆し、表皮端末部３ａをボトムプレート１
の周縁に接合している。そして本例のロープフツ
クＦは、後述するように、ボトムプレート１の突
起１ａと、有底円筒状のホルダー４と、コ字状の
フツク材５等から構成されている。

本例のボトムプレート１は、後席側の裏側下方
で、且つ端末部３ａ側の所定位置に突起１ａが形
成されている。本例では、ボトムプレート１の突
起１ａに、一対の中空の有底円筒状のホルダー
４，４をフランジボルト７ａとフランジナツト７
ｂ等の固着具７等を用いて取付けている。そして
ホルダー４の内部には、第１Ｂ図及び第１Ｃ図の
鎖線で示すように、２箇所の係止凹部４ａ，４ｂ
が形成されている。またホルダー４の開口部４ｃ
を延長した延長線側のボトムプレート１、クツシ
ヨン材２、表皮材３には、後述するように、コ字
状のフツク材５を上記ホルダー４内をスライドさ
せて外方に引出せるように、開口部として長孔８
が形成され、この長孔８の周囲にはカシメ部材６
が設けられている。

そして上記一対の中空有底円筒状のホルダー
４，４に、第１Ｃ図で示すような、コ字状のフツ
ク材５の端部５ａが、スライド自在に挿着されて
いる。コ字状のフツク材５の端部５ａは膨出部と
なつており、上記ホルダー４の凹部４ａ，４ｂに
嵌り合つて係止されるようになつている。またコ
字状のフツク材５は、収納時符号５′で示すよう
に、シート側面のボトムプレート１ｂから十分に
間隔を有して、シート内部に収納されているの
で、シート側面を乗員の足で挟んでもフツクによ
り異和感を生じることがない。なお、符号４ｄは
取付穴である。

以上のように構成されているので、後席部分に
荷物を載置してロープで固定する場合には、コ字
状のフツク材５を指で引掛けて外側（シート側
方）にスライドさせて、端部（膨出部）５ａがホ
ルダー４の凹部４ａの位置になるまで引つ張る。
このようにして、コ字状のフツク材５にロープ先
端を掛止めする。

なお符号１ｂで示されるように、ボトムプレー
ト１を補強するリブを形成することによつて、ロ
ープフツクＦの強度を大きくでき、コ字状のフツ
ク材５をより側方に延出させてシートグリツプと
することもできる。

［考案の効果］ 本考案は上記のように構成されているので、本
考案のロープフツクは、使用時にフツク材をシー
ト側面方向にスライドさせてシート側面から外方
に引出すことにより、ロープフツクとして使用で
き、不使用時にはシート側面より内側に配設収納
されているので、シート側面外方には突出され
ず、乗員がシートを脚で挟んでも違和感を生じさ
せることがない。またボトムプレートの裏側下方
にフツク材を配設したので、クツシヨン性に影響
を及ぼさずボトムプレートの補強にもなる。さら
にフツク材をシート自体に形成したので、シート
下部にカウル等を装着するときに邪魔とならず、
シートと共にロープフツクを変更することがで
き、多品種という今日における需要の要請に応え
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すものであり、
第１Ａ図はシートの横断面図、第１Ｂ図は要部部
分断面図、第１Ｃ図はホルダー及びコ字状のフツ
ク材の斜視図である。 １……ボトムプレート、１ａ……突起、２……
クツシヨン材、３……表皮材、３ａ……表皮端末
部、４……有底円筒状のホルダー、５……コ字状
のフツク材、５ａ……フツク材の端部、８……長
孔（開口）、Ｆ……ロープフツク、Ｓ……シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくともボトムプレート上にクツシヨン材を
   載置して表皮材で被覆したオートバイ用シートに
   おいて、前記ボトムプレートには裏側下方に且つ
   端末部に近接して突起を形成し、該突起には一対
   の筒状ホルダーを固設して、該ホルダーにほぼコ
   字状のフツク材の両端を挿通して該フツク材をシ
   ート側面方向にスライド可能に支持すると共に、
   前記シート側面にはロープの掛止め時に該フツク
   材をシート側面外方に引出し得る大きさの開口を
   形成したことを特徴とするオートバイのロープフ
   ツク。