JPH0340837Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、等間隔の収納凹部（エンボス）を有
する収納テープの各収納凹部内に電子部品を配置
し、前記収納凹部をカバーテープで被覆した電子
部品連を用い、特定位置にて吸着ピン（真空チヤ
ツク）に対して電子部品を受け渡すようにした電
子部品供給装置に関する。

（従来の技術及び問題点） 近年、チツプ状電子部品（リードレスのものや
チツプ側方よりリードが出ているもの等がある）
を、第８図及び第９図のような電子部品連を用い
で電子部品自動装着機等に供給することが実用化
されている。このような電子部品連１は、電子部
品２を収納する収納凹部３を等間隔に配した収納
テープ４に、前記収納凹部３を被覆するカバーテ
ープ５を熱圧着、機械的な結合等で貼り合わせた
ものであり、ピツチ送りのために送り穴６を等間
隔を有している。

このような電子部品連を用いた従来のこの種装
置としては、特開昭59−229899号に開示されてい
るものがある。この場合、収納凹部内に電子部品
を配置した収納テープにカバーテープを貼り合わ
せた電子部品連を単純な送り爪で送り出すように
しており、その送り爪の送り出し側に真空チヤツ
クによる取り出し位置を配置しているが、電子部
品連に弛みが生じやすく、収納凹部内の電子部品
の飛び出し、電子部品の姿勢の変化が発生しやす
い問題点がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の点に鑑み、電子部品の飛び出
しや姿勢の変化を発生することなく、収納凹部内
に電子部品を配置した収納テープを、所定の電子
部品受け渡し位置に間欠走行させることが可能な
高信頼性の電子部品供給装置を提供しようとする
ものである。

本考案は、電子部品を収納する収納凹部を等間
隔に配設した収納テープを一定ピツチずつ間欠走
行させるピツチ送り車を具備し、前記ピツチ送り
車の手前側において前記収納テープから前記収納
凹部を被覆していたカバーテープを引き剥がして
前記ピツチ送り車の手前側の受け渡し位置にて前
記収納凹部内の電子部品を取り出し自在に露出さ
せる構成において、支持フレーム側にて回転自在
に支持された前記ピツチ送り車に一体化されて当
該ピツチ送り車と共に回転するラチエツト歯車
と、該ラチエツト歯車と同軸で回動自在に支持さ
れた送りレバーと、該送りレバーに枢着されてい
て前記歯車にかみ合う向きに付勢された送り爪
と、該送り爪の移動範囲を規定するために前記支
持フレーム側に固定されており該送り爪に当接し
て停止させる送り爪ストツパと、前記支持フレー
ム側に枢支されかつ先端爪に前記歯車にかみ合う
向きに付勢された逆転防止用ストツパレバーと、
前記支持フレーム側に固定されていて固定カム側
係合部を有する固定カムと、前記逆転防止用スト
ツパレバーに枢着されかつ前記固定カム側係合部
に係合自在なレバー側係合部を有していて前記固
定カム方向に付勢されたストツパ制御レバーとを
有するラチエツト機構を用い、前記送りレバーを
揺動させることにより前記送り爪を介し前記ラチ
エツト歯車を一定量順方向に回転させるととも
に、該順方向回転により前記逆転防止用ストツパ
レバーが前記ラチエツト歯車の谷から山に登つて
前記ストツパ制御レバーを前記固定カムに係合さ
てて前記逆転防止用ストツパレバーを前記ラチエ
ツト歯車から外れた状態とし、前記送り爪が前記
送り爪ストツパに突き当たつて止する手前で前記
送りレバーの端部で前記ストツパ制御レバーと前
記固定カムとの係合を解除して前記逆転防止用ス
トツパレバーを前記歯車にかみ合わせることによ
り、上上記従来技術の問題点を解決している。

（作用） 本考案の電子部品供給装置では、各収納凹部に
電子部品を収納した収納テープをピツチ送り車で
引つ張つて間欠走行させ、ピツチ送り車の手前側
に収納テープからカバーテープを引き剥がす手段
を配置しており、前記ピツチ送り車と引き剥がし
手段との間における収納テープの弛みを防止する
ことができる。さらに、ピツチ送り車をラチエツ
ト機構で一定量円滑に回転させることができ、ピ
ツチ送り車の回転むら等に起因する収納テープの
収納凹部内の電子部品の飛び出しや姿勢変化（傾
き）を防止することができ、電子部品の供給速度
の高速化にも適する。

（実施例） 以下、本考案に係る電子部品供給装置の実施例
を図面に従つて説明する。

第１図は実施例の全体構成を示す。この図にお
いて、基台１０上には、支持フレーム１１が立設
固定され、該支持フレーム１１に第８図及び第９
図に示した電子部品連１の底面側を支える走行ガ
イド１２が水平に固定されている。第２図及び第
６図にも示すように、この走行ガイド１２により
供給用リール（図示省略）から引き出された電子
部品連１が水平方向に走行自在に支持される。

また、前記支持フレーム１１の上部には巻き取
り用リール１５が回転自在に支持される。該巻き
取り用リール１５は、収納テープ４より引き剥が
されたカバーテープ５を巻き取るためのもので、
プーリー１６、ベルト１７及びプーリー１８等を
介して回転駆動力を受けるようになつている。

前記支持フレーム１１の左端には、ピツチ送り
車２５が回転自在に支持されている。すなわち、
第３図に示すようにピツチ送り車２５は、支持フ
レーム１１に固定された軸体２６に対し軸受２７
を介して回転自在に設けられ、一方の側面に配設
されたラチエツト機構３０を介して第１図左方向
に間欠回転されるようになつている。このピツチ
送り車２５は収納テープ４を一定ピツチずつ間欠
走行させるもので、収納テープ４側の送り穴６に
係合するピン等の手段（図示省略）を具備してい
る。

第１図及び第４図に示すように、ラチエツト機
構３０は、ピツチ送り車２５に一体化されてこれ
と共に回転するラチエツト歯車３１と、軸体２６
にて軸支された送りレバー３２と、該送りレバー
３２に枢着された送り爪（クリツク）３３と、支
持フレーム１１側に軸体６５にて枢支された逆転
防止用ストツパレバー３４と、前記送りレバー３
２を回動（揺動）させるための復動エアーシリン
ダ３５とを備えている。

ここで、送り爪３３は弱いばねで前記ラチエツ
ト歯車３１にかみ合う向きに付勢され、前記逆転
防止用ストツパレバー３４も前記歯車３１にかみ
合う向きに伸長ばね３６で付勢されている。ま
た、送り爪３３の移動範囲を規定するため送り爪
ストツパ４１が支持フレーム側に固定されてい
る。

但し、常時逆転防止用ストツパレバー３４がラ
チエツト歯車３１に接する構造であると、ストツ
パレバー３４の先端爪が歯車３１の山から谷に落
ちるときに歯車３１が送り爪３３の送り速度より
も速く回ろうとすると同時に谷に落ちた衝撃力に
より、収納テープ４の収納凹部内の電子部品２が
踊つてしまう不都合がある。また、ストツパレバ
ー３４は１回のピツチ送りのたびに多数回上下動
したのでは、ストツパレバー３４や歯車３１の摩
耗が激しく、寿命の点でも問題であつた。

このため、さらにストツパレバー３４と同軸で
軸体６５を介し支持フレーム側に固定された固定
カム３７を設け、該固定カム３７の谷溝３８（固
定カム側係合部）に係合する爪（レバー側係合
部）を持つストツパ制御レバー３９をストツパレ
バー３４上に枢着するようにしている。ストツパ
制御レバー３９は伸長ばね４０により固定カム方
向に付勢される。

この結果、送り爪３３で歯車３１を左回り（順
方向）に回転させる時に必ずストツパレバー３４
が歯車３１の谷から山に登り、ストツパレバー３
４先端が上昇した位置（歯車３１から解放された
状態）で第１図に図示の通りストツパ制御レバー
３９の爪が前記固定カム３７の谷溝３８に入り込
んでストツパレバー３４を上昇位置に保持でき
る。このため、歯車３１の不規則な回転むらや歯
車３１及びストツパレバー３４の摩耗を防止でき
る。

なお、送り爪３３が一定ピツチ送り切る手前で
送りレバー３２の端部３２Ａで前記ストツパ制御
レバー３９を動かし、第４図に図示の通りストツ
パ制御レバー３９と固定カム３７との係合と解除
してやることによつて、ストツパレバー３４は歯
車３１の谷に入り込み、歯車３１の逆転を防止す
る。また、送り爪３３は送り爪ストツパ４１に突
き当たつて停止し、この際歯車３１にしつかりか
み合つて歯車３１のオーバーランを防止する。

前記復動エアーシリンダ３５は、第５図のよう
に本体側が支持フレーム１１に枢着され、ロツド
先端は連結部材４５を介して前記送りレバー３２
に枢着されている。また、連結部材４５に当接し
てエアーシリンダ３５のストロークを調整するた
めにピツチ可変ストツパ４６を支持フレーム１１
に固定されている。従つて、エアーシリンダ３５
のストロークは、最も縮んだ位置から伸びてピツ
チ可変ストツパ４６に連結部材４５が突き当たる
までの距離で規定されることになる。このピツチ
可変ストツパ４６を設けるのは、種々の電子部品
配列間隔を持つ電子部品連１に対応できるように
するためである。

前記ピツチ送り車２５の一定量の回転は、前記
エアーシリンダ３５が縮動する毎に行なわれる。
すなわち、縮動時、送り爪３３は第１図から第４
図の状態へ動いて歯車３１を左回転させ、エアー
シリンダ３５の伸動時は歯車３１はストツパレバ
ー３４でロツクされて送り爪３３のみが歯車３１
表面を滑つて復帰する。

前記ピツチ送り車２５の手前側に配設されてい
る前記走行ガイド１２に対向して上側カテープガ
イド５０が支持フレーム１１に固定されている。
第７図のように、この上側テープガイド５０の途
中位置には、カバーテープ５を引き出すためのス
リツト穴５１が形成され、この上方に電子部品連
１よりカバーテープ５を円滑に引き剥がすための
ローラー５２が回転自在に設けられている。従つ
て電子部品連１のカバーテープ５はローラー５２
に張架されてさらに巻きり用リール１５に巻き取
られる。

カバーテープ５が引き剥がされた収納テープ４
は、上側テープガイド５０のテープ押さえ部５３
にてその両縁部の浮き上がりを防止されるように
なつている。この場合、テープ押さえ部５３は電
子部品２の入つた収納凹部３の開口の少なくとも
一部を覆うようにしてもよい。

前記走行ガイド１２上の電子部品受け渡し位置
Ｐにおいては、上側テープガイド５０のテープ押
さえ部５３に第２図のように大径の穴部５５が形
成され、第７図のように吸着ピン（真空チヤツ
ク）５６等で収納凹部３内の露出した電子部品２
を真空吸着して取り出すことができるようになつ
ている。

ところで、電子部品２がチツプIC等のように
チツプ本体の側面にリードが出ているものの場
合、前記受け渡し位置Ｐで吸着ピン５６が下降す
ると、普通走行ガイド１２の走行側底面と前記収
納凹部３の底面とは一致していないため、吸着ピ
ン５６の下降によつて収納テープ４が湾曲し、電
子部品２のリードが曲がつて変形してしまうおそ
れがある。これを解消するため、第６図のよう
に、受け底渡し位置Ｐに対応する走行ガイド１２
の底面よりテープ支え駒５７を突出させ、駒５７
の上面を前記収納凹部３の底面に略一致させる。
この駒５７の高さは、電子部品連１の種類、すな
わち収納凹部３の深さに応じて調節する。

次に、上記実施例の構成の全体的な動作を説明
する。電子部品連１を巻回した供給用リールより
引き出された電子部品連１は、走行ガイド１２に
導かれ、カバーテープ５はローラー５２によつて
収納テープ４から引き剥がされ、巻き取り用リー
ル１５に巻き取られる。

一方、カバーテープ５が剥がされた収納テープ
４は復動エアーシリンダ３５の縮動動作に対応し
てラチエツト機構３０を介し一定量左回転するピ
ツチ送り車２５で第１図左方向に間欠走行する。
従つて、収納テープ４の収納凹部３内の電子部品
２は、順次電子部品受け渡し位置Ｐに移送され
る。その際、収納テープ４の弛み、ねじれ、振動
等があると電子部品２が飛び出したり、姿勢が傾
いたりするため、上側テープガイド５０のテープ
押え部５３で両縁部を規制する（必要に応じて収
納凹部３の開口の一部を覆う）。

受け渡し位置Ｐで収納凹部３内の電子部品２は
取り出し可能に露出し、吸着ピン５６等で取り出
され、移送される。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の電子部品供給装
置によれば、電子部品を収納する収納凹部を等間
隔に配設した収納テープを一定ピツチずつ間欠走
行させるピツチ送り車を具備し、前記ピツチ送り
車の手前側にて前記収納テープから前記収納凹部
を被覆していたカバーテープを引き剥がして前記
ピツチ送り車の手前側の受け渡し位置にて前記収
納凹部の電子部品を取り出し自在に露出させるよ
うにし、さらに、前記ピツチ送り車を一定量回転
させるラチエツト機構に工夫したので、以下のよ
うな効果を得ることができる。

(1) 各収納凹部に電子部品を収納した収納テープ
をピツチ送り車で引つ張つて間欠走行させ、ピ
ツチ送り車の手前側で収納テープからカバーテ
ープを引き剥がす構造であり、前記ピツチ送り
車の手前の電子部品受け渡し位置Ｐ近傍での収
納テープの弛み、ねじれ等を防止することがで
きる。

(2) ピツチ送り車は、回転むらが少なく、オーバ
ーランすることのないようにしたラチエツト機
構で間欠的に順方向に回転駆動されるため、ピ
ツチ送り車の動きが円滑で、ピツチ送り車の回
転むら等に起因する収納テープの収納凹部内の
電子部品の飛び出しや姿勢変化（傾き）を防止
することができ、ひいては電子部品の供給速度
の高速化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電子部品供給装置の実施
例を示す正面図、第２図は主要部の平断面図、第
３図はピツチ送り車部分の側断面図、第４図はピ
ツチ送り車に付属するラチエツト機構の動作を示
す正面図、第５図はラチエツト機構を駆動するエ
アーシリンダ周辺部を示す平面図、第６図は電子
部品受け渡し位置の構成を示す第２図の−断
面図、第７図は上側テープガイド周辺部の構成を
示す正断面図、第８図は電子部品連の平面図、第
９図は同正断面図である。 １……電子部品連、２……電子部品、３……収
納凹部、４……収納テープ、５……カバーテー
プ、１０……基台、１１……支持フレーム、１２
……走行ガイド、１５……巻き取り用リール、２
５……ピツチ送り車、３０……ラチエツト機構、
３１……ラチエツト歯車、３２……送りレバー、
３３……送り爪（クリツク）、３４……ストツパ
レバー、３５……エアーシリンダ、３７……固定
カム、３９……ストツパ制御レバー、４６……ピ
ツチ可変ストツパ、５０……上側テープガイド、
５２……ローラ、５３……テープ押さえ部、５５
……穴部、５６……吸着ピン、５７……テープ支
え駒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電子部品を収納する収納凹部を等間隔に配設し
   た収納テープを一定ピツチずつ間欠走行させるピ
   ツチ送り車を具備し、前記ピツチ送り車の手前側
   において前記収納テープから前記収納凹部を被覆
   していたカバーテープを引き剥がして前記ピツチ
   送り車の手前側の受け渡し位置にて前記収納凹部
   内の電子部品を取り出し自在に露出させる電子部
   品供給装置であつて、 支持フレーム側にて回転自在に支持された前記
   ピツチ送り車に一体化されて当該ピツチ送り車と
   共に回転するラチエツト歯車と、該ラチエツト歯
   車と同軸で回動自在に支持された送りレバーと、
   該送りレバーに枢着されていて前記歯車にかみ合
   う向きに付勢された送り爪と、該送り爪の移動範
   囲を規定するために前記支持フレーム側に固定さ
   れており該送り爪に当接して停止させる送り爪ス
   トツパと、前記支持フレーム側に枢支されかつ先
   端爪が前記歯車にかみ合う向きに付勢された逆転
   防止用ストツパレバーと、前記支持フレーム側に
   固定されていて固定カム側係合部を有する固定カ
   ムと、前記逆転防止用ストツパレバーに枢着され
   かつ前記固定カム側係合部に係合自在なレバー側
   係合部を有していて前記固定カム方向に付勢され
   たストツパ制御レバーとを有するラチエツト機構
   を用い、 前記送りレバーを揺動させることにより前記送
   り爪を介し前記ラチエツト歯車を一定量順方向に
   回転させるとともに、該順方向回転により前記逆
   転防止用ストツパレバーが前記ラチエツト歯車の
   谷から山に登つて前記ストツパ制御レバーを前記
   固定カムに係合させて前記逆転防止用ストツパレ
   バーを前記ラチエツト歯車から外れた状態とし、
   前記送り爪が前記送り爪トツパに突き当つて停止
   する手前で前記送りレバーの端部で前記ストツパ
   制御レバーと前記固定カムとの係合を解除して前
   記逆転防止用ストツパレバーを前記歯車にかみ合
   わせることを特徴とする電子部品供給装置。