JPH0339795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、現像装置、詳しくは磁気ブラシ現
像装置のブラシ形成部における異物の除去および
現像幅の規制を容易に行なうことができる現像装
置に関するものである。

［従来の技術］ 電子写真複写機、フアクシミリ、プリンタ等の
静電記録装置に使用される磁気ブラシ現像装置
は、周知の通り、合成樹脂に着色材と磁性粉末と
を混入した一成分系現像剤、あるいは鉄粉などの
磁性粉末（キヤリヤ）と着色合成樹脂粉末（トナ
ー）とからなる二成分系現像剤を収納した現像容
器内に、マグネツトロールを内蔵したスリーブを
同スリーブの一部が上記現像剤に接触して回転す
るように配設し、このスリーブを回転させ現像剤
を吸着搬送することにより同スリーブの周面上に
現像剤の穂立て作用による磁気ブラシを形成さ
せ、この磁気ブラシの穂立て高さをドクタブレー
ドで一様になるように規制したのち、その磁気ブ
ラシを静電潜像に摺接させて同潜像を可視像化す
る現像が行われるようにしたものである。

ところで、上記ドクタブレードによつて規制さ
れる磁気ブラシの高さは、上記二成分系現像剤で
は約５mm程度で、上記一成分系現像剤では0.2mm
〜1.5mmに規制される。従つて、スリーブ周面と
これに近接して対向するドクタブレードの先端縁
との距離も上記値に保たれるのであるが、このよ
うな極めて細い隙間には、現像剤に混入した紙粉
等の異物や現像剤の塊等が詰まり、この詰まつた
部分だけに現像剤が搬送されず、この部分に対応
する潜像の現像が行われないため、コピー上に白
い縦線となつて現われる現像ミスを招く結果とな
る。

従つて、このような欠点を防止するために、ド
クタブレードとスリーブ周面との隙間を清掃する
手段が既に提案されている。この従来の清掃手段
の一つは特開昭57−93370号公報に開示されてい
るように、スリーブとドクタブレードとの間に出
入する板状の清掃部材を設け、これを装置の外部
から操作つまみによつて摺動させて上記隙間の異
物や現像剤の塊を除去するようにしたものあり、
また特開昭57−192980号公報に記載されている清
掃手段は、スリーブとドクタブレードとの隙間に
帯状の解除板を挿通し、この解除板をスリーブの
長手方向に沿つて上部ガイドと下部ガイドとによ
つて移動させることにより、上記隙間内に詰まつ
ている凝縮したトナーの塊や異物を除去するよう
にしたものである。

一方、磁気ブラシ現像装置においては、スリー
ブの周面上に現像剤の穂立てによる磁気ブラシを
形成させるためのマグネツトロールがスリーブ内
に配設されており、このマグネツトロールの長手
方向の幅に対応してスリーブ上に現像ブラシを形
成する現像剤の穂立てが行われるようになつてい
るも、この現像ブラシによる現像幅は使用するコ
ピー用紙の紙幅と現像される有効画幅とによつて
最適に規制されるようになつており、即ち、現像
幅は紙幅より若干小さく有効画幅より若干大きく
形成されるように、スナーブの長手方向の前部側
と奥部側とにそれぞれ配設された現像幅規制部材
によつて規制されるようになつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来の清掃手段においては、板状または帯
状の清掃部材をスリーブ周面とドクタブレードの
先端縁との隙間に摺動自在に配設するようになつ
ているので、既に上記現像幅規制部材が上記スリ
ーブの長手方向の前部側と奥部側における上記隙
間にそれぞれ配設されているものに対しては、上
記規制部材を移動させなければスペース的に清掃
手段を適用することは困難であるという問題点が
あつた。この考案の目的は、このような問題点に
着目してなされたものであつて、スターブとドク
タブレードとの隙間に現像幅規制部材および清掃
部材を配設することができる現像装置を提供する
にある。

［問題点を解決するための手段および作用］ この現像装置では、清掃部材と現像幅規制部材
とを同一の部材で兼用し、平生はこの部材をスリ
ーブの長手方向の奥部側に位置させることによつ
て現像幅規制部材として機能させ、スリーブとド
クタブレードの隙間を清掃するときには、この部
材を規制位置から移動させて同隙間を清掃する。

［実施例］ 以下、図示の一実施例によつて本案を説明す
る。第１図は、本案の一実施例を示す現像装置の
要部であつて、第２図は上記現像装置の断面図で
ある。現像装置１は、上部にカセツトタイプの現
像剤供給筒２を装着されるホツパー部３ａを有
し、下部側方に静電潜像保持体ドラム４に磁気ブ
ラシを接触させるための開口３ｂを有する現像容
器３と、この現像容器３内の上記開口３ｂの側近
に回転自在に配設されたスリーブ５と、このスリ
ーブ５内に配置されたマグネツトロール６と、上
記スリーブ５の側近であつて上記開口３ｂとは反
対がわに配設されたドクタブレード７と、このド
クタブレード７の直下に上記スリーブ５に平行し
て摺動するように配設された角軸８の先端部に取
り付けられた現像幅規制部材兼用の清掃部材９
（以下、単に清掃部材と称す）と、この清掃部材
９に対応して配設された現像幅規制部材１０とで
主要部が構成されている。

上記ホツパー部３ａに装着される現像剤供給筒
２は、内部に新しい現像剤１１を収容したもの
で、これをホツパー部３ａに装着したのち、同筒
の周面の一部に形成されている供給用開口２ａを
現像容器３の上端開口部に合致させれば供給筒２
内の新しい現像剤１１が現像容器３内に供給され
る。そして、この供給された現像剤１１は撹拌器
１２で撹拌される。現像容器３の底板３ｅの上方
に配置される上記スリーブ５は、第３図に示され
るように現像容器３の両側壁３ｃ，３ｄに軸支さ
れて固定された前記マグネツトロール６に、僅少
の間隙を有して軸受１３により回転自在に被嵌さ
れていて、同スリーブには図示されない駆動源か
ら駆動用歯車１４に駆動力が伝達されて同スリー
ブ５は矢印ａ方向（第２図参照）に回転するよう
になつている。

このスリーブ５が回転すると、内部のマグネツ
トロール６との協働により同スリーブ５の外周面
には現像剤１１の穂立て作用によつて磁気ブラシ
が形成される。この磁気ブラシの穂立て高さを一
様に制御するドクタブレード７は、現像容器３の
後側壁下部に取り付けられてスリーブ５の長手方
向に平行して配設されていて、スリーブ５に接近
して配置される対向縁部は傾斜縁部で形成されて
おり、このブレード７の傾斜縁部とスリーブ５の
外周面との隙間が二成分系現像剤を使用する場合
は約５mm、一成分系現像剤を使用場合には0.2〜
1.5mmに設定される。

このように配設されたドクタブレード７の下面
には、第１，２図に示されるように前記各軸８を
スリーブ５の長手方向に同スリーブに平行して摺
動案内する、上面の解放された各パイプ１５がそ
の取付片１５ａをブレード７の下面にビス１６に
よつて取り付けられることによつて配設されてい
る。そして、各パイプ１５内に清掃部材９を取り
付けた角軸８が摺動自在に配設される。上記清掃
部材９はスリーブ５の中心軸に対して直角方向に
配設される短冊状の薄い板材で形成されていて、
その基端部を上記角軸８の先端部上面の適宜の手
段により固定され、自由端部は中程から上方に向
けて傾斜するように折り曲げられて先端部はスリ
ーブ５の外周面とブレード７との隙間を通じて上
方に向けて延び出したのち、スリーブ５の外周面
に軽く接するように配設される。また、上記清掃
部材９の固定された角軸８の先端部、即ちスリー
ブ５の奥部側とは反対がわのスリーブ５の前部側
に対応する角軸前端部には、丸棒で形成された操
作軸１７の一端が固定されている。この操作軸１
７は前記側壁３ｃを貫通して現像装置１の外部に
延び出しており、その他端部には操作つまみ１８
が固定されている。

一方を、スリーブ５の前部側に対応するブレー
ド７の前端部の下面には前記現像幅規制部材１０
が取り付けられている。この規制部材１０は上記
清掃部材９と同様に短冊状の薄い板材で形成され
ており、スリーブ５の中心軸に直角に配設され、
その基端部をブレード７の下面に固定されてい
て、自由端部は上記清掃部材９と同様に中程から
上方に向けて傾斜するように折り曲げられて先端
部はスリーブ５とブレード７との隙間を通じて上
方に向けて延び出したのち、スリーブ５の外周面
に軽く接するように配設されている。

この規制部材１０はスリーブ５の周面上に現像
材１１の穂立てによつて形成される磁気ブラシの
現像幅の手前がわの形成位置を規制するものであ
る。

磁気ブラシの現像幅Ａは、第３図に示すように
現像される有効画幅Ｂよりも若干大きく、使用す
るコピー用紙の紙幅Ｃよりも若干小さく形成され
なければならないが、この現像幅Ａは規制部材
９，１０で規制しない状態では、スリーブ５内の
マグネツトロール６の長手方向の着磁幅Ｄ全体に
対応して形成されてしまう。

従つて、現像幅Ａは上記のように正確に規制さ
れなければならない。本案においては、この現像
幅Ａを上記規制部材１０と清掃部材９とによつて
規制するようになつている。即ち、上記のように
固定配置された規制部材１０に対して清掃部材９
を、操作つまみ１８を押し込むことによりスリー
ブ５の最奥部側に位置させた状態においては、規
制部材１０と清掃部材９との各内端縁の対向間の
距離は上記現像幅Ａとなるようになつている。

このように構成されている本案の現像装置によ
れば、スリーブ５とドクタブレード７との隙間内
を清掃する場合には、装置外に配置されている操
作つまみ１８を矢印ｂ方向に押し引きして操作軸
１７，角軸８を介して清掃部材９を上記隙間内に
移動させれば、同隙間内に詰まつている凝縮した
トナーの塊や異物を綺麗に除去することができ
る。そして、平生は上記清掃部材９を操作つまみ
１８を押し込むことによつてスリーブ５の奥部側
に配設すれば、上記規制部材１０と協働してスリ
ーブ５の周面上に形成される磁気ブラシの現像幅
Ａを正確な幅に規制する。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案によればスリーブと
ドクタブレードとの隙間をクリーニングする清掃
部材が現像幅規制部材を兼用していて、これらを
それぞれ別個に設ける必要がないので、スペース
面での問題点は見事に解消され、清掃部材と規制
部材とが同一の部材で形成されているのでコスト
アツプもしないし、構造も複雑化しないという顕
著な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す現像装置の
要部の斜視図、第２図は、上記第１図の現像装置
の断面図、第３図は、上記第１図の現像装置の要
部の平面図である。 １……現像装置、３……現像容器、５……スリ
ーブ、７……ドクタブレード、９……清掃部材、
１０……現像幅規制部材、１１……現像剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 現像容器内に回転自在に配設されていて、現像
   剤を吸着して搬送することにより周面上に現像用
   磁気ブラシを形成するスリーブと、 このスリーブに対向し接近して配設され、現像
   剤の穂立ちによつて形成される上記磁気ブラシの
   高さを規制するドクタブレードと、 このドクタブレードと上記スリーブとの隙間内
   を装置外部から操作によつてスリーブの長手方向
   に沿つて移動して同隙間内を清掃すると共に、平
   生はスリーブの奥部側に配置されてスリーブの前
   部側に配設された現像幅規制部材と協働してスリ
   ーブ周面上に形成される上記磁気ブラシの現像幅
   を規制する清掃部材と、 を具備してなる現像装置。