JPH0339203B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は燃焼装置から排出された灰分の再処
理を行い、この燃焼灰の品質を高めて有効利用を
図るようにしたフライアツシユ処理方法に関す
る。

近年の燃料事情の変化により事業所用大型ボイ
ラを始めとして各種燃焼装置においても石炭燃料
が多く採用されるようになつてきている。この石
炭燃料の採用の結果、炉底部から排出されるクリ
ンカと称する不燃分の外に、排ガス中にはフライ
アツシユと称する微細な灰分が相当量含まれ、排
ガス中から除去されたフライアツシユの一部は埋
め立て等の外、セメントの混和材としても利用さ
れている。

第１図は石炭焚きボイラにおける従来の灰処理
装置の基本構成を示す。ボイラ１において発生し
た燃焼排ガスは煙道９を経て脱硝装置２に至り、
排ガス中の窒素酸化物（NOx）を除去した後、
空気予熱器３において燃焼用空気Ａを予熱する。
空気予熱器３を出た排ガスは集塵装置４において
フライアツシユを中心とする微細な灰分（以下フ
ライアツシユで説明する）が除去され、脱硝装置
５において硫横分を除去された後、煙突６から外
部に排出される。一方集塵装置４を出た灰分（フ
ライアツシユ）は管路１１を経て貯灰サイロ１２
に至り、適宜フライアツシユの使用目的により外
部に排出、利用される。この場合、埋立用として
用いる場合には加湿して飛散を防止する等の処理
を行つた後外部に排出する。

ここで、フライアツシユは、国内における埋立
用地確保が困難となつてきていること、及びフラ
イアツシユの有効利用促進の点からセメント混和
材として積極的に利用することが要求されてい
る。この場合、フライアツシユは高品質のものが
要求され、フライアツシユ中の未燃炭素分は５％
以下であることが必須条件である。しかし炭種に
よつてはこの条件を満足させることが困難であ
り、フライアツシユの粒径等、他の条件について
はセメント混和材として良好なものであつても埋
め立てに回さざるを得ないのが実事である。

次に、前述の脱硝装置においては還元剤として
排ガス中にアンモニアを噴霧するが、この脱硝装
置のリークアンモニアと排ガス中の硫黄酸化物が
反応してアンモニア化合物としてフライアツシユ
に付着する。このアンモニア化合物はセメント混
和材として用いた場合にはセメントの強度に悪影
響を与え、かつ埋め立てに利用した場合にはアン
モニアの臭気等が問題となる。このためフライア
ツシユの品質を高めるためには前述の未燃炭素を
除去する外、アンモニア化合物を除去する必要も
ある。

アンモニア化合物の除去については従来から何
種かの方法が提案されているが、このうち約350
℃の高温域においてアンモニア化合物を熱分解す
る方法（特願昭56−152729）、フライアツシユ中
に水を加えて空気を吹き込むことによりアンモニ
アを除去する湿式除去法（特願昭55−69683）等
が提案されている。このうち熱分解法は大きな熱
源を必要として不経剤であり、また湿式除去法に
あつてはフライアツシユ中の水分が増加するため
セメント混和材としての利用がかえつて困難とな
るという問題がある。

この発明の目的は上述した問題点に鑑み、経済
的に高品質な石炭燃焼灰を得ることのできるフラ
イアツシユ処理方法を提供することにある。

要するにこの発明は、ボイラ排ガス中からアン
モニア及び未燃分を含んだフライアツシユを分離
し。これを火炉内下部のホツパ部斜面壁上に供給
し、火炉からの輻射熱によりアンモニアの蒸発、
未燃分の燃焼を行い、フライアツシユを回収可能
とすることを特徴とするフライアツシユ処理方法
である。

以下この発明の実施例につき説明する。

第２図はこの発明の実施に使用する装置の系統
図を示す。図中、１３は集塵装置４において補集
したフライアツシユを排出する管路、１４はこの
フライアツシユをボイラ１に気流輸送する管路、
２０はフライアツシユ気流輸送用の気体として同
管路１４にボイラ排ガスを供給する管路、１５は
この気流輸送したフライアツシユを分離するサイ
クロン分離器、１７はフライアツシユをボイラ１
に供給する管路である。１８はボイラ１において
未燃カーボンの焼却及びアンモニア分の分解を完
了したフライアツシユ（以下「処理フライアツシ
ユ」と称する）を排出する管路、１９は処理フラ
イアツシユを気流輸送する気体としてサイクロン
分離器１５において分離した気体を供給する管
路、２２は処理フライアツシユを分離するサイク
ロン分離器である。２３は処理フライアツシユか
ら分離した気体を給送する管路、２４はこの分離
気体と燃焼用空気Ａとの熱交換を行う補助空気予
熱器である。

以上の構成の装置において、ボイラ１において
発生した排ガスの処理は従来と同様の方法によつ
て行われる。すなわち、ボイラ１と出た排ガスは
煙道９を経て脱硝装置２に至り、排ガス中の
NOxを除去し、かつ空気予熱器３において燃焼
用空気Ａを予熱した後集塵器４においてフライア
ツシユが除去され、脱硝装置５において脱硫され
た後煙突６から外部に排出される。

一方集塵装置４で補集されたフライアツシユは
次の如き経路を経て処理され、高品質化される。
集塵装置４で補集されたフライアツシユはロータ
リフイーダ２５、フライアツシユ排出管路１３を
経て気流輸送管路１４に至り、管路２０から供給
されるボイラ排ガスによりサイクロン分離器１５
に気流輸送される。サイクロン分離器１５によつ
て分離されたフライアツシユは管路１７を経由し
てボイラ１のホツパ部に輸送される。ボイラ１に
おいてフライアツシユは炉内の熱によつて含有す
る未燃炭素を燃焼させかつアンモニア化合物を分
解する。処理の完了した処理フライアツシユは管
路１８を経て気流輸送管路２１に流入し、サイク
ロン分離器１５において分離された気体によつて
別のサイクロン分離器２２に気流輸送される。こ
のサイクロン分離器２２において分離された気体
は高温の処理フライアツシユによつて相当の高温
になつているため、管路２３を経て予備空気予熱
器２４において燃焼用空気Ａの予熱を行つた後、
煙道９に戻される。この間燃焼用空気Ａは予備空
気予熱器２４、空気予熱器３において夫々予熱さ
れた後管路１０を経てボイラ１に供給される。一
方分離器２２において分離された高品質の処理フ
ライアツシユは、フライアツシユ輸送装置２７に
よつて貯灰サイロ１２に貯留されその用途に応じ
て順次排出装置２８を経て外部に排出され利用さ
れる。

次に第３図ないし第５図はボイラ１のホツパ部
に形成したフライアツシユ処理部の構造の一実施
例を詳細に示す。１ａはボイラ本体１のホツパ部
を示し、３０はフライアツシユ排出部、３１は処
理フライアツシユ流入部、３２は排ガス再循環法
による低NOx燃焼を行う場合に炉底部から供給
される再循環排ガスＧを遮蔽する遮蔽体である。
３３はフライアツシユが下降する部分に設けたフ
ライアツシユの下降を促進する装置であり、特に
エヤースライド（商品名）が効果的である。

第４図及び第５図はこのエヤースライドの構造
の詳細を示す。ボイラ１のホツパ部１０は他の火
炉壁と同様に水管３４と、これら水管３４の間に
介在配置したメンブレンバー３５とを相互に接続
することにより一体的なメンブレンパネルとなつ
ている。このホツパ部１ａを形成する斜面のう
ち、フライアツシユが下降する部分に対しては、
メンブレンバー３５に代えて、気体が通過が可能
な多孔質の、かつ耐熱性を有する通気板３６が介
在配置してある。この通気板の通気性の外に耐熱
性が要求されるので、セラミツクス、焼結金属、
小孔を多数穿設した金属板等で形成するのが良
い。また通気板３６はメンブレンバー３５の如く
平板ととする外、第４図に示す様に断面略Ｕ字形
としておけば、このＵ字部に沿つてフライアツシ
ユが下降するので、炉内への飛散を最少限に押え
ることができる。３７は通気板形成部下部に取り
付けた空気室である。この空気室は一体的に形成
してもよいが、第４図の如く複数個に分けて形成
しておけば各空気室に対する空気A′の流量を制
御することによりフライアツシユの下降を制御す
ることができる。この様な構成のエヤースライド
３３を取り付けることにより排出部３０から炉内
に排出されたフライアツシユは通気板３６上を流
れ下るが、この間空気室Ａから供給される空気
A′、燃焼排ガス等の流動化気体によつてフライ
アツシユは良好に斜面を流れ下り、この間に炉内
の熱によつて未燃分が燃焼されると共に、アンモ
ニア化合物は熱分解される。なお、この場合ホツ
パ部もしくはこの近傍に補助バーナ３８を取り付
けフライアツシユの処理をより効果的に行うよう
にしてもよい。この様にして処理を完了した処理
フライアツシユは処理フライアツシユ流入部３１
に流入し、第２図に示すサイクロン分離器２２側
に給送される。

第６図は別の実施例を示す。前述の実施例はボ
イラのホツパ部１ａに対して比較的大きな改造を
加える必要があつたが、この実施例ではフライア
ツシユ処理部たるエヤースライドを別個に形成し
てユニツト化し、ボイラの改造を最少限に止める
ようにしている。図中４０は空気室であり、４１
はこれら空気室４０の上端縁に取り付けかつ空気
室を接続する役目も果している冷却水管である。
各空気室の上部には耐熱性を有する通気板４２が
配置してあり、かつ各空気室４０の長手方向両端
部は閉止しておき、空気室４０内に流入した空気
A′等の流動化気体が通気板４２を介して流出す
るように構成しておく。４３はフライアツシユ流
れの上流側に対して取り付けたフライアツシユ排
出部であり、この排出部を出たフライアツシユが
通気板４２に沿つて流れ下ることになる。以上の
構成によつてエヤースライドはボイラホツパ部と
は別個に、かつ一体的に形成され、このエヤース
ライドをホツパ部１ａの斜面に取り付けることに
よりフライアツシユ処理部を形成する。なおこの
場合、フライアツシユ排出部４３と対向する端部
に対して処理フライアツシユ流入部もあらかじめ
取り付けておいてもよい。図中Ｗは冷却水管４１
に供給する冷却水を示す。

この発明を実施することにより特別な熱源を必
要とすることなくフライアツシユ等の灰分を高品
質化させることができ、灰分の用途を大幅に拡大
させることができる。

また灰の再処理より処理灰と共に排出された熱
は補助空気予熱器等の回収装置によつて良好に回
収でき、この点からも省エネルギー化を達成する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の灰処理装置の系統図、第２図は
この発明に係る灰分再処理装置の系統図、第３図
は灰処理部を形成したボイラホツパ部の断面図、
第４図は第３図の−線による断面図、第５図
は第３図−線による視図、第６図は別の実施
例になるエヤースライドの一部破断斜視図であ
る。 １……ボイラ、１ａ……ボイラホツパ部、１４
……気流輸送管路、３０……フライアツシユ排出
部、３１……処理フライアツシユ流入部、３３…
…エヤースライド、３４……水管、３６……Ｕ字
形通気板、３７，４０……空気室、４１……冷却
水管、４２……通気板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ボイラ排ガス中からアンモニア及び未燃分を
   含んだフライアツシユを分離し、これを火炉内下
   部のホツパ部斜面壁上に供給し、火炉からの輻射
   熱によりアンモニアの蒸発、未燃分の燃焼を行
   い、フライアツシユを回収可能とすることを特徴
   とするフライアツシユ処理方法。