JPH0338888A - アバランシェ・フォトダイオード - Google Patents
アバランシェ・フォトダイオードInfo
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- JPH0338888A JPH0338888A JP1176524A JP17652489A JPH0338888A JP H0338888 A JPH0338888 A JP H0338888A JP 1176524 A JP1176524 A JP 1176524A JP 17652489 A JP17652489 A JP 17652489A JP H0338888 A JPH0338888 A JP H0338888A
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Landscapes
- Light Receiving Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、低雑音特性を有するアバランシェ・フォトダ
イオード(APD)に関する。
イオード(APD)に関する。
(従来の技術)
高速大容量光通信システムを構成にするには、超高速か
つ、低雑音・高感度特性を有する半導体受光素子が不可
欠である。このため、近年シリカ系ファイバの低損失波
長域1.0〜1.6pmに適応できるInP/InGa
As系アバランシェ・フォトダイオード(APD)の高
速化・高感度化に対する研究が活発となっている。この
InP/InGaAs系APDでは現在、小堂光径化に
よる低容量化、層厚最適化によるキャリア走行時間の低
減、ペテロ界面への中間層導入によるキャリア・トラッ
プの抑制により、利得帯域幅(GB)積75GHzの高
速化が実現されている。しかしながら、この素子構造で
は、アバランシェ増倍層であるInPのイオン化率比I
3/αが〜2と小さいため(α:電子のイオン化率、I
3:正孔のイオン化率)、過剰雑音指数X(イオン化率
比が小さいほど大きくなる)が〜0.7と大きくなり、
低雑音化・高感度化には限界がある。これは、他のII
LV族化合物半導体をアバランシェ増倍層に用いた場合
も同様である。そこで、カパッソ(F、 Capass
o)等はアプライド・フィシツクスルター(Appl、
Phys、 Lett、)、40(1)巻、Jan、
4982年で、超格子による伝導帯エネルギー不連続量
ΔE。
つ、低雑音・高感度特性を有する半導体受光素子が不可
欠である。このため、近年シリカ系ファイバの低損失波
長域1.0〜1.6pmに適応できるInP/InGa
As系アバランシェ・フォトダイオード(APD)の高
速化・高感度化に対する研究が活発となっている。この
InP/InGaAs系APDでは現在、小堂光径化に
よる低容量化、層厚最適化によるキャリア走行時間の低
減、ペテロ界面への中間層導入によるキャリア・トラッ
プの抑制により、利得帯域幅(GB)積75GHzの高
速化が実現されている。しかしながら、この素子構造で
は、アバランシェ増倍層であるInPのイオン化率比I
3/αが〜2と小さいため(α:電子のイオン化率、I
3:正孔のイオン化率)、過剰雑音指数X(イオン化率
比が小さいほど大きくなる)が〜0.7と大きくなり、
低雑音化・高感度化には限界がある。これは、他のII
LV族化合物半導体をアバランシェ増倍層に用いた場合
も同様である。そこで、カパッソ(F、 Capass
o)等はアプライド・フィシツクスルター(Appl、
Phys、 Lett、)、40(1)巻、Jan、
4982年で、超格子による伝導帯エネルギー不連続量
ΔE。
を電子のイオン化に利用してイオン化率比C/13を人
工的に増大させる構造を提案し、実際にGaAlAs/
GaAs系超格子でイオン化率比(1/13の増大(バ
ルクGaAsの〜2に対して超格子層で〜8)を確認し
た。第4図はそのバイアス印加時エネルギーバンド図で
ある。この図において、41はn++GaAs基板、4
2はn型GaAsバッファー層、43はn−型GaAl
As/GaAs超格子アバランシェ増倍層であり、44
のn−型GaAlAs障壁層(550A)と45のn−
型GaAs井戸層(450A)より構成される。また、
46はp+型領領域ΔEoは伝導帯不連続量、ΔExは
価電子帯不連続量、49は井戸層のイオン化しきい値エ
ネルギーである。この図を用いて超格子によるイオン化
率比a/I3増大作用を説明する。この構造においては
、電子と正孔は、各ポテンシャル、ステソプでそれぞれ
伝導帯不連続量(0,38eV)、価電子帯不連続量(
0,2eV)と等しいエネルギーを獲得し、内部電界と
各種散乱によって決まる平均エネルギーよりもバンド不
連続量に等しいエネルギー分だけ高エネルギーな状態(
=イオン化のしきい値エネルギーに近い値)でGaAs
井戸層に注入される。GaAlAs/GaAs系へテロ
接合では、伝導帯不連続量の方が価電子帯不連続量より
大きく、また、正孔は電子よりも頻繁な散乱のためエネ
ルギーを失いやすいために、電子と正孔でイオン化しき
い値エネルギーをこえる分布確率に差が生じ、電子のイ
オン化率は増大するが、正孔のイオン化率は増大しない
。したがって、a7f3比はバルクの場合の約2に較べ
て、超格子では約8と数倍改善でき、過剰雑音指数Xも
バルクGaAsの0.9から0.25と小さくできる。
工的に増大させる構造を提案し、実際にGaAlAs/
GaAs系超格子でイオン化率比(1/13の増大(バ
ルクGaAsの〜2に対して超格子層で〜8)を確認し
た。第4図はそのバイアス印加時エネルギーバンド図で
ある。この図において、41はn++GaAs基板、4
2はn型GaAsバッファー層、43はn−型GaAl
As/GaAs超格子アバランシェ増倍層であり、44
のn−型GaAlAs障壁層(550A)と45のn−
型GaAs井戸層(450A)より構成される。また、
46はp+型領領域ΔEoは伝導帯不連続量、ΔExは
価電子帯不連続量、49は井戸層のイオン化しきい値エ
ネルギーである。この図を用いて超格子によるイオン化
率比a/I3増大作用を説明する。この構造においては
、電子と正孔は、各ポテンシャル、ステソプでそれぞれ
伝導帯不連続量(0,38eV)、価電子帯不連続量(
0,2eV)と等しいエネルギーを獲得し、内部電界と
各種散乱によって決まる平均エネルギーよりもバンド不
連続量に等しいエネルギー分だけ高エネルギーな状態(
=イオン化のしきい値エネルギーに近い値)でGaAs
井戸層に注入される。GaAlAs/GaAs系へテロ
接合では、伝導帯不連続量の方が価電子帯不連続量より
大きく、また、正孔は電子よりも頻繁な散乱のためエネ
ルギーを失いやすいために、電子と正孔でイオン化しき
い値エネルギーをこえる分布確率に差が生じ、電子のイ
オン化率は増大するが、正孔のイオン化率は増大しない
。したがって、a7f3比はバルクの場合の約2に較べ
て、超格子では約8と数倍改善でき、過剰雑音指数Xも
バルクGaAsの0.9から0.25と小さくできる。
(発明が解決しようとする課題)
しかしながら、前述の構造の受光素子は長距離光通信に
用いられる波長域1.3〜1.511mに光感度を有し
ていないため、この波長域に用いることができない。そ
こで、速成らは、アイトリプルイージャーナルオブクア
ンタムエレクトロニクス(IEEE、 J、 Quan
tum Electron、)、 QE−22,(19
86)において、この波長域に感度を有するInP系の
超格子としてInP/InGaAs超格子を製作しa/
p比の改善を試みたが、電子のイオン化率増倍効果を得
ることはできず改善はなされなかった。第3図は、その
バイアス印加時のInP/InGaAs超格子のエネル
ギーバンド図であり、電子のエネルギー分布も同時に示
す。この図において、31はn−型InP/InGaA
s超格子アバランシェ増倍層であり、32のn−型In
P障壁層、及び、33のn−型InGaAs井戸層より
構成される。34.35.36はそれぞれr谷、L谷、
X谷の電子のエネルギー分布関数、37は井戸層3のイ
オン化しきい値エネルギー、ΔEoは伝導帯不連続量で
ある。また、ΔErxは障壁層のr谷X谷分離量(r谷
の庭とX谷の底のエネルギー分離量:ΔErx)、ΔE
vは価電子帯不連続量であり、310は仮想的にr谷X
谷分離量ΔErxが大きい場合の電子のエネルギー分布
である。この図においてInP/InGaAs系超格子
で電子のイオン化率が増大しない理由について説明する
。この構造において、電子は障壁層32から井戸層33
に入る直前では、そのバイアス下におけるエネルギー分
布となっている(図中34.35.36)。この様な電
子が井戸層33に入ると、井戸層の伝導帯端を基準に考
えた場合、電子は伝導帯不連続量ΔEoと等しいエネル
ギーを獲得し老たことになる。すなわち井戸の入口付近
では、同じ電界下のバルクInGaAsの平均エネルギ
ーよりもバンド不連続量に等しいエネルギー分だけ高エ
ネルギーな状態(=イオン化のしきい値エネルギー37
に近い値)で井戸層に注入される。従って、井戸部では
イオン化しきい値エネルギー37よりも高エネルギーな
分布の電子の占有確率が増大しイオン化率が増大するの
であるが、これまでの説明より伝導帯不連続量ΔEoが
太きければ大きいほどイオン化率増大効果が大きくなる
。
用いられる波長域1.3〜1.511mに光感度を有し
ていないため、この波長域に用いることができない。そ
こで、速成らは、アイトリプルイージャーナルオブクア
ンタムエレクトロニクス(IEEE、 J、 Quan
tum Electron、)、 QE−22,(19
86)において、この波長域に感度を有するInP系の
超格子としてInP/InGaAs超格子を製作しa/
p比の改善を試みたが、電子のイオン化率増倍効果を得
ることはできず改善はなされなかった。第3図は、その
バイアス印加時のInP/InGaAs超格子のエネル
ギーバンド図であり、電子のエネルギー分布も同時に示
す。この図において、31はn−型InP/InGaA
s超格子アバランシェ増倍層であり、32のn−型In
P障壁層、及び、33のn−型InGaAs井戸層より
構成される。34.35.36はそれぞれr谷、L谷、
X谷の電子のエネルギー分布関数、37は井戸層3のイ
オン化しきい値エネルギー、ΔEoは伝導帯不連続量で
ある。また、ΔErxは障壁層のr谷X谷分離量(r谷
の庭とX谷の底のエネルギー分離量:ΔErx)、ΔE
vは価電子帯不連続量であり、310は仮想的にr谷X
谷分離量ΔErxが大きい場合の電子のエネルギー分布
である。この図においてInP/InGaAs系超格子
で電子のイオン化率が増大しない理由について説明する
。この構造において、電子は障壁層32から井戸層33
に入る直前では、そのバイアス下におけるエネルギー分
布となっている(図中34.35.36)。この様な電
子が井戸層33に入ると、井戸層の伝導帯端を基準に考
えた場合、電子は伝導帯不連続量ΔEoと等しいエネル
ギーを獲得し老たことになる。すなわち井戸の入口付近
では、同じ電界下のバルクInGaAsの平均エネルギ
ーよりもバンド不連続量に等しいエネルギー分だけ高エ
ネルギーな状態(=イオン化のしきい値エネルギー37
に近い値)で井戸層に注入される。従って、井戸部では
イオン化しきい値エネルギー37よりも高エネルギーな
分布の電子の占有確率が増大しイオン化率が増大するの
であるが、これまでの説明より伝導帯不連続量ΔEoが
太きければ大きいほどイオン化率増大効果が大きくなる
。
方、ワイドギャップの障壁層32ではイオン化しきい値
エネルギー(バンドギヤツプにほぼ比例)が大きいので
イオン化しにくく、この層はデッドスペースとしてはた
らき、井戸部でのイオン化率増大効果を相殺する方向に
作用する。InP/InGaAs系へテロ接合の伝導帯
不連続量は0.22eVとGaAlAs/GaAs系の
0.38eVより小さいので、デッドスペースの相殺効
果が井戸部での増大効果を上まわり電子のイオン化率の
増倍は実現できなかったのである。
エネルギー(バンドギヤツプにほぼ比例)が大きいので
イオン化しにくく、この層はデッドスペースとしてはた
らき、井戸部でのイオン化率増大効果を相殺する方向に
作用する。InP/InGaAs系へテロ接合の伝導帯
不連続量は0.22eVとGaAlAs/GaAs系の
0.38eVより小さいので、デッドスペースの相殺効
果が井戸部での増大効果を上まわり電子のイオン化率の
増倍は実現できなかったのである。
そこで、本発明の目的は低雑音特性で、かつ波長域1.
0〜1.6pmに受光感度を有するAPDを実現するこ
とである。
0〜1.6pmに受光感度を有するAPDを実現するこ
とである。
(課題を解決するための手段)
本発明のAPDは、超格子層を増倍層とするAPDにお
いて、該超格子の障壁層が、井戸層との伝導帯不連続0
.4eV以上でかつ、核層の伝導帯のF谷X谷分離量(
r谷の底とX谷の底のエネルギー分離量)が0.4eV
以上である半導体によって構成されていることを特徴と
する。
いて、該超格子の障壁層が、井戸層との伝導帯不連続0
.4eV以上でかつ、核層の伝導帯のF谷X谷分離量(
r谷の底とX谷の底のエネルギー分離量)が0.4eV
以上である半導体によって構成されていることを特徴と
する。
(作用)
第1図は、本半導体受光素子の一例を示す構造断面図で
あり、第2図−(a)、(b)は、本発明の効果を示す
ため理論計算結果である。第1図において、11はn+
+半導体基板、12はn型バッファー層、13は本発明
であるn−型超格子アバランシェ増倍層であり、14は
その構成要素であるn−型障壁層、工5はn−型井戸層
である。16はn−型光吸収層、17はn−型キャップ
層、18はp+型領領域19はn側電極、20はp側電
極、21は絶縁保護膜である。一方、第2図(a)、(
b)は、モンテカルロ法により計算された電子イオン化
率の伝導帯不連続量ΔEo依存性(a)、障壁層のF谷
X谷分離量ΔEFX依存性(b)であり、InP/In
GaAs超格子(障壁層45OA、井戸層350A、電
界強度350KV/cm))をもとに、InP障壁層の
該当パラメーターのみを変化させて計算したものである
。計算にInPを用いたのは、InPのバンド構造は比
較的よく研究されており、他の障壁層候補である例えば
InAlAs等のバンド構造の不明確さ、障壁層中での
混晶散乱の影響、等を計算に含ませないためである。こ
れらの図と第3図を用いて本発明の詳細な説明する。
あり、第2図−(a)、(b)は、本発明の効果を示す
ため理論計算結果である。第1図において、11はn+
+半導体基板、12はn型バッファー層、13は本発明
であるn−型超格子アバランシェ増倍層であり、14は
その構成要素であるn−型障壁層、工5はn−型井戸層
である。16はn−型光吸収層、17はn−型キャップ
層、18はp+型領領域19はn側電極、20はp側電
極、21は絶縁保護膜である。一方、第2図(a)、(
b)は、モンテカルロ法により計算された電子イオン化
率の伝導帯不連続量ΔEo依存性(a)、障壁層のF谷
X谷分離量ΔEFX依存性(b)であり、InP/In
GaAs超格子(障壁層45OA、井戸層350A、電
界強度350KV/cm))をもとに、InP障壁層の
該当パラメーターのみを変化させて計算したものである
。計算にInPを用いたのは、InPのバンド構造は比
較的よく研究されており、他の障壁層候補である例えば
InAlAs等のバンド構造の不明確さ、障壁層中での
混晶散乱の影響、等を計算に含ませないためである。こ
れらの図と第3図を用いて本発明の詳細な説明する。
電子イオン化率の増大に必要な条件について、バルクの
値以上を与えることを判断基準とすると、第1に、前述
したように障壁層と井戸層の伝導帯不連続量ΔEoが大
きいことが必要となる。これを示すのが第2(a)の電
子イオン化率の伝導帯不連続量ΔEo依存性の計算結果
である。InP障壁のバンド構造はそのままにし、△E
oのみを変化させたところ、バルクの電子イオン化率と
同程度以上を得るにはΔEoが0.35から0.4eV
以上必要であるといえる。第2に、第3図において仮想
的に障壁層のX谷の底とr谷の底の分離量△EFxを大
きくした場合、X谷に分布する電子はX谷の底の上昇に
ともない、より高エネルギーに分布するようになる(図
中39)。従って頻繁な谷間散乱によってX谷からF谷
に遷移して衝突イオン化に寄与する電子も増加し、超格
子のイオン化率増大効果は増大する。これを示すのが第
2図(b)の電子イオン化率のr谷X谷分離量ΔErx
依存性の計算結果である。rnP障壁のバンド構造はそ
のままにし、ΔEo=0.55eVと0.22eVの場
合、ΔErxのみを変化させたところ、バルクの電子イ
オン化率と同程度以上を得るにはΔEoが0.55eV
のとき0.3eV以上、ΔEcが0.22eVのとき0
.8eV以上必要であるといえる。
値以上を与えることを判断基準とすると、第1に、前述
したように障壁層と井戸層の伝導帯不連続量ΔEoが大
きいことが必要となる。これを示すのが第2(a)の電
子イオン化率の伝導帯不連続量ΔEo依存性の計算結果
である。InP障壁のバンド構造はそのままにし、△E
oのみを変化させたところ、バルクの電子イオン化率と
同程度以上を得るにはΔEoが0.35から0.4eV
以上必要であるといえる。第2に、第3図において仮想
的に障壁層のX谷の底とr谷の底の分離量△EFxを大
きくした場合、X谷に分布する電子はX谷の底の上昇に
ともない、より高エネルギーに分布するようになる(図
中39)。従って頻繁な谷間散乱によってX谷からF谷
に遷移して衝突イオン化に寄与する電子も増加し、超格
子のイオン化率増大効果は増大する。これを示すのが第
2図(b)の電子イオン化率のr谷X谷分離量ΔErx
依存性の計算結果である。rnP障壁のバンド構造はそ
のままにし、ΔEo=0.55eVと0.22eVの場
合、ΔErxのみを変化させたところ、バルクの電子イ
オン化率と同程度以上を得るにはΔEoが0.55eV
のとき0.3eV以上、ΔEcが0.22eVのとき0
.8eV以上必要であるといえる。
以上の図から判断すると、超格子の電子イオン化率の増
大に必要な条件について、バルクの値以上を与えること
を判断基準とすると、障壁層と井戸層の伝導帯不連続量
ΔEoが0.4eV以上でかつ、障壁層のF谷X谷分離
量ΔErxが0.4eV以上であることが必要であると
いえる。すなわち、超格子の電子イオン化率増大効果を
得るには、この両者を同時に考慮しなければならない点
が従来の考え方と異なる点である。
大に必要な条件について、バルクの値以上を与えること
を判断基準とすると、障壁層と井戸層の伝導帯不連続量
ΔEoが0.4eV以上でかつ、障壁層のF谷X谷分離
量ΔErxが0.4eV以上であることが必要であると
いえる。すなわち、超格子の電子イオン化率増大効果を
得るには、この両者を同時に考慮しなければならない点
が従来の考え方と異なる点である。
(実施例)
以下、本発明の実施例として、InAIAsP/InG
aAs系APDを用いて説明する。第1図に示す半導体
受光素子を以下の工程によって製作した。
aAs系APDを用いて説明する。第1図に示す半導体
受光素子を以下の工程によって製作した。
n++InP基板11上に、n型InPバッファ層12
をlpm厚に、キャリア濃度〜lX1015cm−3の
n−型In□、53Ga□、47As−InAIAsP
よりなる超格子層13を〜211m厚に、キャリア濃度
〜1×1015cm−3のn−型In□、53Ga□、
47As光吸収層■6を〜2N1m厚に、キャリア濃度
〜l×1016cm−3のn−型InPキャップ層17
をlpm厚に順次、有機金属気相成長法(MOVPE)
を用いて成長する。この超格子層は、厚さ100〜50
0AのInGaAs井戸層15と、厚さ100〜500
AのInA、IAsP障壁層14、より構成される。こ
のInAIAsP障壁層工4は以下の理由により選んだ
。In□、53Gao、47Asに対する伝導帯不連続
量ΔEoはInPで0.22eV、In□、52A10
.4BAsで0.55eVであり、ΔEoで見るかぎり
InAlAsが有利である。しかし、r谷り谷分離量Δ
Erxは、InPで0.775eV、In0.52AI
0.48ASについては不明確であるがInAsとAl
Asの湾曲項を考慮したベガード則による内挿では0.
23eVであり、ΔErxでみるとInPが有利となる
。(作用)の項で述べたように超格子の障壁層としては
ΔEo1ΔErxがともに0.4eV程度以上ある必要
があることから、これらInPとInAlAsの混晶I
nAIAsPをとると、ΔEc、ΔErxはベガード則
より両材料の中間的値となり(InP)0.4(Ino
、52A1o、4sAs)o、6のとき上記の条件をほ
ぼ満足し、ΔEoが0.42eV、ΔErxが0.45
eV、ΔEvが0.28eV程度の値になると考えられ
る。以上の結果をもとに、5i02拡散マスクを用いて
直径30pmの円形領域にZn選択拡散を深さ111m
まで行い戸型領域8を形成する。基板研磨後に絶縁保護
膜11を形威し、さらにn側電極9をAuGeで、p側
電極10をAuZnで真空蒸着形成した。
をlpm厚に、キャリア濃度〜lX1015cm−3の
n−型In□、53Ga□、47As−InAIAsP
よりなる超格子層13を〜211m厚に、キャリア濃度
〜1×1015cm−3のn−型In□、53Ga□、
47As光吸収層■6を〜2N1m厚に、キャリア濃度
〜l×1016cm−3のn−型InPキャップ層17
をlpm厚に順次、有機金属気相成長法(MOVPE)
を用いて成長する。この超格子層は、厚さ100〜50
0AのInGaAs井戸層15と、厚さ100〜500
AのInA、IAsP障壁層14、より構成される。こ
のInAIAsP障壁層工4は以下の理由により選んだ
。In□、53Gao、47Asに対する伝導帯不連続
量ΔEoはInPで0.22eV、In□、52A10
.4BAsで0.55eVであり、ΔEoで見るかぎり
InAlAsが有利である。しかし、r谷り谷分離量Δ
Erxは、InPで0.775eV、In0.52AI
0.48ASについては不明確であるがInAsとAl
Asの湾曲項を考慮したベガード則による内挿では0.
23eVであり、ΔErxでみるとInPが有利となる
。(作用)の項で述べたように超格子の障壁層としては
ΔEo1ΔErxがともに0.4eV程度以上ある必要
があることから、これらInPとInAlAsの混晶I
nAIAsPをとると、ΔEc、ΔErxはベガード則
より両材料の中間的値となり(InP)0.4(Ino
、52A1o、4sAs)o、6のとき上記の条件をほ
ぼ満足し、ΔEoが0.42eV、ΔErxが0.45
eV、ΔEvが0.28eV程度の値になると考えられ
る。以上の結果をもとに、5i02拡散マスクを用いて
直径30pmの円形領域にZn選択拡散を深さ111m
まで行い戸型領域8を形成する。基板研磨後に絶縁保護
膜11を形威し、さらにn側電極9をAuGeで、p側
電極10をAuZnで真空蒸着形成した。
(発明の効果)
上記の実施例と従来例、すなわち、超格子層をInAI
AsP/InGaAsで構成している場合と従来のよう
にInP/InGaAsで構成している場合とで、電子
のイオン化率を比較した結果(ここでは超格子層以外の
構造は同じである)、従来例と(InP系)においては
ΔEoが0.22eVと小さいため、デッドスペースの
効果(11) により電子のイオン化率は逆にバルクInGaAsの約
80%に減少したのに対し、本実施例(InAIA、s
P系)では、ΔEcが0.42eVかつΔEFxが0.
45eVと大きく本発明の条件を満たすためイオン化率
はバルクInGaAsの約3倍に増大し、本発明の効果
が確認できた。
AsP/InGaAsで構成している場合と従来のよう
にInP/InGaAsで構成している場合とで、電子
のイオン化率を比較した結果(ここでは超格子層以外の
構造は同じである)、従来例と(InP系)においては
ΔEoが0.22eVと小さいため、デッドスペースの
効果(11) により電子のイオン化率は逆にバルクInGaAsの約
80%に減少したのに対し、本実施例(InAIA、s
P系)では、ΔEcが0.42eVかつΔEFxが0.
45eVと大きく本発明の条件を満たすためイオン化率
はバルクInGaAsの約3倍に増大し、本発明の効果
が確認できた。
方、正孔のイオン化率については従来例(InP系)で
は、価電子対不連続量ΔEvが0.38eVと太きいた
めイオン化率の増大効果が現れ、バルクInGaAsの
約2倍となったのに対して、本実施例(InAIAsP
系)ではΔEvが0.28eVと小さくバルクInGa
Asのイオン化率と同程度となった。これらをイオン化
率比ct/13(α;電子、p:正孔)に換算すると従
来例では約0.8〜1、本実施例では約7〜8となり、
過剰雑音指数Xは前者で〜0.9、本実施例では〜0.
25程度が得られた。
は、価電子対不連続量ΔEvが0.38eVと太きいた
めイオン化率の増大効果が現れ、バルクInGaAsの
約2倍となったのに対して、本実施例(InAIAsP
系)ではΔEvが0.28eVと小さくバルクInGa
Asのイオン化率と同程度となった。これらをイオン化
率比ct/13(α;電子、p:正孔)に換算すると従
来例では約0.8〜1、本実施例では約7〜8となり、
過剰雑音指数Xは前者で〜0.9、本実施例では〜0.
25程度が得られた。
以上、本発明により、波長1.0〜1.611mに受光
感度を有する低雑音APDが実現でき、本発明の価値は
極めて大きい。
感度を有する低雑音APDが実現でき、本発明の価値は
極めて大きい。
第1図は、本半導体受光素子の一例を示す構造断面図で
あり、第2図(a)、(b)は、本発明の効果を示す(
12) ための理論計算結果の図である。第工図において、11
はn+型半導体基板、12はn型バッファー層、13は
本発明であるn−型超格子アバランシェ増倍層であり、
14はその構成要素であるn−型障壁層、15はn−型
井戸層である。16はn−型光吸収層、エフはn−型キ
ャップ層、18はP+型領域、19はn側電極、20は
p側電極、21は絶縁保護膜である。 第3図は、従来例のInP/InGaAs超格子のバイ
アス印加時のエネルギーバンドと電子のエネルギー分布
を示す図である。この図において、31はn−型InP
/InGaAs超格子アバランシェ増倍層であり、32
のn−型InP障壁層、及び、33のn−型InGaA
s井戸層より構成される。34.35.36はそれぞれ
r谷、L谷、X谷の電子のエネルギー分布関数、37は
井戸層3のイオン化しきい値エネルギー、39は障壁層
のr谷X谷分離量ΔErx、310は仮想的にr谷X谷
分離量ΔExが大きい場合の電子のエネルギー分布であ
る。 第4図は従来例のGaAlAs1GaAs超格子APD
のバイアス印加時エネルギーバンド図である。図におい
て、41はn+型GaAs基板、42はn型GaAsバ
ッファー層、43はn−型GaAlAs/GaAs超格
子アバランシェ増倍層であり、44のn−型GaAlA
s障壁層と45のはn−型GaAs井戸層より構成され
る。また、46はP+型領域、49は井戸層のイオン化
しきい値エネルギーである。
あり、第2図(a)、(b)は、本発明の効果を示す(
12) ための理論計算結果の図である。第工図において、11
はn+型半導体基板、12はn型バッファー層、13は
本発明であるn−型超格子アバランシェ増倍層であり、
14はその構成要素であるn−型障壁層、15はn−型
井戸層である。16はn−型光吸収層、エフはn−型キ
ャップ層、18はP+型領域、19はn側電極、20は
p側電極、21は絶縁保護膜である。 第3図は、従来例のInP/InGaAs超格子のバイ
アス印加時のエネルギーバンドと電子のエネルギー分布
を示す図である。この図において、31はn−型InP
/InGaAs超格子アバランシェ増倍層であり、32
のn−型InP障壁層、及び、33のn−型InGaA
s井戸層より構成される。34.35.36はそれぞれ
r谷、L谷、X谷の電子のエネルギー分布関数、37は
井戸層3のイオン化しきい値エネルギー、39は障壁層
のr谷X谷分離量ΔErx、310は仮想的にr谷X谷
分離量ΔExが大きい場合の電子のエネルギー分布であ
る。 第4図は従来例のGaAlAs1GaAs超格子APD
のバイアス印加時エネルギーバンド図である。図におい
て、41はn+型GaAs基板、42はn型GaAsバ
ッファー層、43はn−型GaAlAs/GaAs超格
子アバランシェ増倍層であり、44のn−型GaAlA
s障壁層と45のはn−型GaAs井戸層より構成され
る。また、46はP+型領域、49は井戸層のイオン化
しきい値エネルギーである。
Claims (1)
- 超格子層を増倍層とするアバランシェ・フォトダイオー
ドにおいて、該超格子の障壁層が、井戸層との伝導帯不
連続0.4eV以上でかつ、該層の伝導帯のΓ谷X谷分
離量(Γ谷の底とX谷の底のエネルギー分離量)が0.
4eV以上である半導体によって構成されていることを
特徴とする半導体受光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1176524A JP2819629B2 (ja) | 1989-07-06 | 1989-07-06 | アバランシェ・フォトダイオード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1176524A JP2819629B2 (ja) | 1989-07-06 | 1989-07-06 | アバランシェ・フォトダイオード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0338888A true JPH0338888A (ja) | 1991-02-19 |
JP2819629B2 JP2819629B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=16015122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1176524A Expired - Fee Related JP2819629B2 (ja) | 1989-07-06 | 1989-07-06 | アバランシェ・フォトダイオード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2819629B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100424455B1 (ko) * | 2001-06-28 | 2004-03-26 | 삼성전자주식회사 | 역적층 구조를 갖는 평면형 애벌랜치 포토다이오드 |
CN104167458A (zh) * | 2014-03-31 | 2014-11-26 | 清华大学 | 紫外探测器及其制备方法 |
-
1989
- 1989-07-06 JP JP1176524A patent/JP2819629B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100424455B1 (ko) * | 2001-06-28 | 2004-03-26 | 삼성전자주식회사 | 역적층 구조를 갖는 평면형 애벌랜치 포토다이오드 |
CN104167458A (zh) * | 2014-03-31 | 2014-11-26 | 清华大学 | 紫外探测器及其制备方法 |
CN106409968A (zh) * | 2014-03-31 | 2017-02-15 | 清华大学 | AlGaN基超晶格雪崩型紫外探测器及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2819629B2 (ja) | 1998-10-30 |
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