JPH0337862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、筒状ワークの内周面に設けた環状溝
内に切割りを設けたスナツプリングを嵌込むため
の装置に関する。

（従来技術） 筒状ワークの内周面に設けた環状溝内に切割り
を設けたスナツプリングを嵌込むには、これま
で、内周にテーパー孔を有する筒状治具の小径部
をワークの筒孔に合致させた上、スナツプリング
をテーパー孔に圧入してその径を縮少しつつこれ
をワークの筒孔内に押込んで、スナツプリングの
拡開性を利用しこれをワークの環状溝内に嵌込む
ようにしていた。

ところで、この種のスナツプリングを環状溝内
へ強固に嵌込むには、スナツプリングをワークの
筒孔内に挿入し得る程度まで縮径したとき、その
切割り端同士が互いに重なり合うような大径のも
のを用いた方がよいが、上述したような装置を用
いてテーパー孔内で大径のスナツプリングを縮径
させると、切割り端同士が突合わさつてそれ以上
径を小さくすることができなくなるといつた不都
合が生じる。

（目的） 本考案はかかる不都合に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、切割り端同士を互
いに重合させつつスナツプリングを確実に縮径し
て、これをワークの環状溝内に嵌込むことのでき
る新たな装置を提供することにある。

（目的達成のための手段） すなわち、本考案はかかる目的を達成すべく、
基台に固定され、かつワークの内径とほぼ同径の
ガイド孔の上部と下部にそれぞれリング体縮径用
の上向きテーパー部とワークの位置決め当接部を
設けた嵌込み治具と、該治具に対して出入自在に
設けられ、かつ上記ガイド孔の内径より若干小さ
な外径を有するリング体嵌込み部材と、該嵌込み
部材の周面に沿つて該嵌込み部材と上記治具に設
けた溝内に出入自在に設けられ、かつ上記テーパ
ー部上の上記リング体上面に当接してその切割り
部の近くと切割り部から離隔した部分を押圧する
２本の脚を含む複数の脚を有するリング体縮径部
材とによつて構成したスナツプリングの嵌込装置
にある。

（実施例） そこで以下に本考案の詳細を図示した実施例に
基づいて説明する。

第１，２図は本考案の一実施例をなすスナツプ
リング嵌込装置の全容を示したもので、この装置
はスナツプリングｒの供給機構１０と、供給され
たスナツプリングｒをワークｗの環状溝ｂ内に嵌
込む嵌込み機構２０とによつて構成されている。

供給機構１０は、多数のスナツプリングｒをそ
の切割り部ａが嵌込み機構２０側に向くように積
重ねて保持するカセツトパイプ１１と（第１図及
び第３図ハ）、この下端から落下したスナツプリ
ングｒを１個づつ嵌込み機構２０に向けて送り出
す押出しプレート１２と、これを駆動する押出し
シリンダ１３等によつて構成されているが、この
種の機構については、実公昭48−33472号公報等
に示されているのでこれ以上の説明は省略し、以
下嵌込み機構２０の細部の構造について説明す
る。

図中符号２１は基台１上のブラケツト２によつ
て垂直に支持された本体で、この上端には、ロツ
ド２２を介して嵌込みヘツド２４を押下げるリン
グ嵌込み用シリンダ２３と、ロツド４２を介して
挿入脚４４を押下げるリング挿入用シリンダ４３
が設けられている。

嵌込みヘツド２４は、供給されてきたスナツプ
リングｒを受けてこれを最終的にワークｗの環状
溝ｂ内に嵌入するためのもので、第３図イに示し
たように、上から順にスナツプリングｒの切割り
部ａ案内用のガイドプレート２５と、截頭円錐状
のリング案内部２６と、嵌込み治具３２のガイド
孔３３内に緩く挿通し得るリング装着用筒状部２
７を備えた形状をなし、連結部材３１を介して嵌
込みロツド２３の下端に取付けられた上、基台１
上に取付けられた嵌込み治具３２内に出入し得る
よう構成されており、さらに、ヘツド２４の下面
凹部には、スナツプリングｒが環状溝ｂ内に装着
された際にそのリング内に挿入し得る程度の外径
を備えた確認ヘツド２９が拡開バネ３０を介して
取付けられている。

他方、連結部材４５を介して挿入ロツド４２の
下端に取付けられた挿入脚４４は、嵌込みヘツド
２４の外周面と嵌込み治具３２のガイド孔３３周
面に設けた縦溝２８，３５を介してこれらの間に
出入し得る３本の脚として構成され、さらに、こ
れらの脚４４のうちの２本の脚４４ａ，４４ｂ
は、嵌込み治具３２の供給機構１０対側に立設し
たスナツプリングｒの切割り溝ａ案内用のガイド
バー３７に対して、一方が近接し他方が離隔する
ような関係のもとに配設されていて、嵌込みヘツ
ド２４の外周に沿つて下降しつつ、これらの下端
面によつてスナツプリングｒを嵌込み治具３２の
上部に設けた上向きテーパー面３２に押当ててこ
れを緒径し、ワークｗの内径とほぼ同径に形成さ
れた嵌込み治具３２のガイド孔３３内に挿入する
ように構成されている。

なお、図中符号３８は、供給されてきたワーク
ｗを嵌込み治具３２の下端に設けた位置決め係合
部３６に当接するためのシリンダ、３９は、スナ
ツプリングｒの装着位置において確認ヘツド２９
の下端を検出すべく嵌込み治具３２を挟むように
その両面に配設された発光素子と受光素子とより
なる光電検出部材を示している。

つぎに上述した装置の作動について説明する。

押出しプレート１２が切割り部ａを前に向けた
状態でスナツプリングｒを押出してくると、そこ
に位置している嵌込みヘツド２４は、上端のガイ
ドプレート２５を通してスナツプリングｒを受入
れ、これを自己の外周に沿つて嵌込み治具３２の
テーパー面３４上に落下させる。

つぎに、挿入シリンダ４３が作動しロツド４２
下端の挿入脚４４を下降させると、その下端はス
ナツプリングｒをテーパー面３４に沿つて押圧し
つつこれを縮径する。

ところで、上述したように３本の脚よりなるこ
の挿入脚４４は、嵌込み治具３２上のガイドバー
３７に対し、これを挟む一方の脚４４ａが近接し
他方の脚４４ｂが離隔するように配設されている
ので、ガイドバー３７に近い脚４４ａがスナツプ
リングｒのリング端を押圧するのに対し、他方の
脚４４ｂはリング端から離れた部分を押圧するこ
とになる。このため、スナツプリングｒがテーパ
ー面３４に沿つて押下げられていくと、離れた部
分を押さげられた方のリング端は上方に反りかえ
り、そのうち他方のリング端の上に重なつた状態
となつてさらに縮径され、最後は嵌込み治具３２
のガイド孔３３内に挿入し得る程度まで縮径され
てそこに押込まれる。

したがつて、この後に下降を始めた嵌込みヘツ
ド２４が縮径されたスナツプリングｒをさらに押
下げると、リングｒは嵌込み治具３２の下端に当
接しているワークｗの内部に入り、自己の拡開作
用によつてその環状溝ｂ内に嵌込まれる。このよ
うにしてスナツプリングｒが溝ｂ内に嵌合して拡
開すると、嵌込みヘツド２４とともにリングｒの
上面を押圧していた確認ヘツド２９は、バネ３０
の付勢力によりスナツプリングｒの内側に突出
し、この状態は、嵌込み治具３２の両側に近接配
設された光電検出部材３９によつて検出されるこ
とになる。

なお、上述した実施例は、スナツプリングｒの
嵌込み状態検出手段として光電検出部材３９を用
いているが、これ以外にリミツトスイツチ等を用
い、これを嵌込みヘツド２４と確認ヘツド２９の
間に配設して、スナツプリングｒの嵌込み状態を
検出するように構成することもできる。

（効果） 以上述べたように本考案によれば、嵌込み治具
の上向きテーパー部に載置されたリング体に対
し、その切割り部の近くと切割り部から離れた部
分をリング体縮径部材により押圧するように構成
したので、テーパー面に沿つてリング体を押圧し
つつこれを自動的に切割り端同士が重合する状態
まで確実に縮径することができ、この種のリング
嵌込み装置を容易に自動化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案の一実施例を示す装置の側
面図と正面図、第３図イ乃至ハは同上装置の要部
を示した側面図と平面図と上面図、第４図はスナ
ツプリングの縮径動作を示した説明図、第５図は
スナツプリングの装着検知状態を示した説明図で
ある。 １０……供給機構、２０……嵌込み機構、２４
……嵌込みヘツド、２９……確認ヘツド、３２…
…嵌込み治具、３３……テーパー面、３６……位
置決め係合部、３９……光電検出部材、４４……
挿入脚、ｒ……スナツプリング、ｗ……ワーク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ワークの内周に形成された環状溝に切割りを
   設けたリング体を嵌込む装置にして、該装置
   は、基台に固定され、かつワークの内径とほぼ
   同径のガイド孔の上部と下部にそれぞれリング
   体縮径用の上向きテーパー部とワークの位置決
   め当接部を設けた嵌込み治具と、該治具に対し
   て出入自在に設けられ、かつ上記ガイド孔の内
   径より若干小さな外径を有するリング体嵌込み
   部材と、該嵌込み部材の周面に沿つて該嵌込み
   部材と上記治具に設けた溝内に出入自在に設け
   られ、かつ上記テーパー部上の上記リング体上
   面に当接してその切割り部の近くと切割り部か
   ら離隔した部分を押圧する２本の脚を含む複数
   の脚を有するリング体縮径部材とよりなるスナ
   ツプリングの嵌込装置。 ２ ワークの環状溝に嵌入した状態における上記
   リング体の内径より若干小さな外径を有するリ
   ング体装着確認部材を、上記リング体嵌込み部
   材の下端に付勢部材を介して配設したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   スナツプリングの嵌込装置。